障がい者制度改革推進会議 第32回(H23.5.23) 資料2-1-9
災害救援活動の概要
資料提供団体名:全国重症心身障害児・者通園事業施設協議会
1.被災状況の確認
(1) 被災した障害者の安否確認を(①行った)
(2) 確認状況
岩手県 | 宮城県 | 福島県 | |
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どのような人を対象に、調査したか | 重症心身障害児・者通所施設利用者 | 重症心身障害児・者通所施設利用者 | 重症心身障害児・者通所施設利用者 |
① 調査対象の総数 | B型4施設 | A型1施設 B型9施設 |
B型1施設 |
② 調査をした人数 | |||
③ ②のうち不明 | なし | なし | なし |
④ ②のうち死亡 | なし | なし | なし |
⑤ ②のうち、支援を必要とする人の人数 |
(3) 福祉施設等の事業所の被害状況の調査を(①行った)
(4) 確認状況
岩手県、宮城県、福島県 | |
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どのような施設、事業所を対象にしたか | 上記当該県の重症心身障害児・者通所施設 |
① 調査対象の総数 | 15施設 |
② 調査をした事業所数 | 15施設 |
③ ②のうち被害のあった事業所数* | 全壊:なし 一部損壊:建物のひび割れ、ガラスの破損、暖房設備などの破損など多数。すぐに修理したいが業者がすぐには来てくれなかった。また修理代が工面できないなどの訴えがあった。 |
*宮城県B型施設:全壊ではないが損壊が激しく建物が傾き危険なので、同じ法人内の別施設を使用して再開した。 *宮城県B型施設、全壊ではないが損壊が激しく修理に手間取り4/4現在再開の目途はたっていなかった。 *福島県B型施設:原発事故により当初30KM圏内(第1原発・第2原発)に入るかどうかで屋内退避指示があったが支援物資が当初届かず困った。第1回(3/15)電話調査内容を日本重症児協会に情報提供し、以降は窓口を重症児協会に一本化した。 |
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④ スタッフの被害状況 | 死亡、不明、けが:なし |
⑤ その他の確認状況 |
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*被害には、全壊、一部損壊、その他避難指示等により施設が利用できない状況等を含む。
2.被災者のニーズ把握と支援内容
(1) 被災した障害者のニーズ把握を(行った)
(2) 被災した障害者への支援を(行うことは困難)
(3) 震災直後から現在までの活動状況
ニーズ把握の概要 人数、内容の概要を県、市町村を明らかにしながら、ご説明ください。 |
支援内容の概要 人数、内容の概要を県、市町村を明らかにしながら、ご説明ください。 |
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① 震災直後~2週間まで | 別紙参照 | |
② 2週間~1か月まで | 別紙参照 | |
③ 1か月~現在まで |
3.上記以外のその他の支援活動
~特になし
4.支援での課題等
調査は電話による聞き取りを中心におこなった。通所施設であるため、どの施設も全利用者を当日のうちに家族の元になんとか送りとどけていた。家が被災し帰宅できない利用者が発生したケースが1~2例あったが、施設にてお預かりするか、掛り付けの医療機関に入院した。利用者が道路の寸断や交通事情により帰宅できない場合、また家族の被災により帰宅できない場合の対処法は検討課題である。
建物の一部損壊やガソリン不足により通所再開には手間取ったが、施設職員は帰宅している利用者を訪問などして必死に安否の確認と支援を続けた。また利用者が必要とする食糧、医薬品を外出できない家族に代わって施設職員が医療機関などにとりに行くという支援をおこなっていた。通所施設の場合は利用者を家族の元に帰すことを第1としているため、まずはそれに全力を尽くすということになり、次に個別支援ということになる。
情報の収集は民間の団体(加盟する協議会など)が自主的かつ迅速におこなうことになるが、国や自治体に情報伝達する仕組みの明確化が必要であると思われる。また組織的支援までにどのくらいの時間がかかるのかは不明のため、それまでの初期支援は加盟する団体などが自主的に行うこととなるが、支援に必要となる医薬品や食糧、水などの備蓄の仕組み作りも必要である。
別紙
東北関東大震災通園施設被災状況 (通園協調べ4/5日現在・電話聞き取り) |
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岩手県 | B型施設 | 3/15利用者・職員けがなし。ガラスが5~6枚割れたが他大きな損壊なし。 |
B型施設 | 3/15利用者・職員けがなし。建物ひび割れ程度。 電気・ガス使用可。食糧・ガソリン不足。 |
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B型施設 | 3/14E-mailのみ可。電気・水道使用可。 大きな被害ないもよう。 4/5電話連絡。3/28より通常に開園している。オムツの不足については支援してもらったことで乗り切れた。今後は県内の被災施設への支援をおこなっていく予定。 |
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B型施設 | 3/15利用者・職員けがなし。建物被害なし。電気・水道使用可。利用者は自宅待機。 | |
宮城県 | B型施設 | 3/30電話つながる。利用者、職員ともにケガなし。昨日より弁当持参、自主送迎にて受け入れ開始した。給食は4/4から開始予定。食糧、医薬品など大丈夫とのこと。 |
B型施設 | 3/16現在連絡とれず 3/17電話開通。利用者・職員けがなし。 利用者は親元もしくは避難所で過ごしている。 建物の損壊は激しく、傾いていて危険。 3/30、同じ法人の他施設を利用して3/18より再開している。医薬品など足りているとのこと。 |
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B型施設 | 3/22電話つながり、利用者・職員全員無事とのこと。 奇跡的に津波の被害から免れた。 電気、水道使用可。食糧は市および自衛隊により支給されている。現在、避難所として活動している。 |
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B型施設 | 3/16利用者・職員けがなし。利用者家族に不明者あり、帰宅できずショートステイ中。建物は損壊部分はあるが、地域の障害者の避難場所として活動している。 水道・電気使用可。 |
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B型施設 | 3/15利用者・職員けがなし。本日より電気・水道使用可。ガスは不可。利用者3名が帰宅できず施設にいる。 3/30利用者全員帰宅できている。暖房ができないことやガソリン不足で通所できないため、在宅支援をきめ細かにおこなっている。医薬品もなんとかなっている。 |
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B型施設 | 3/15利用者・職員けがなし。利用者1名が帰宅できず、かかりつけ医療機関に入院。建物ひび割れあり。電気・水道は昨日より使用可。 4/4電話連絡。3/22から自主送迎、弁当持参にて通所受け入れ開始した。 3/29から送迎開始。4/5より給食開始。 帰宅できなかった利用者は親戚の家にいる。 |
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B型施設 | 3/30電話つながる。利用者、職員ともケガなし。施設は再開しているがガソリンが入手できないので送迎もできず、自主登園もできない。利用者はみな家庭にいて連絡はとれている。医薬品、食糧などなんとかなっている。 | |
B型施設 | 3/24昨夜から電話復旧した。利用者・職員全員無事。電気、水道使用可。食糧は支給されている。インターネットはまだ使用不可。 | |
B型施設 | 3/30電話つながる。利用者、職員ともにケガなし。まだ暖房ができず、利用者5名は自宅もしくは親戚の家に避難している。様子を見て4月より再開したい。医薬品、食糧などなんとかなっている。 | |
B型施設 | 3/18通園は休止している。利用者は自宅待機。 建物の損害は大きなものではないが、通園に集中しており再開の目途はたっていない。 4/4通園は休園のまま再開の目途はたっていない。建物、設備の破損箇所が多く、修理に手間取っている。物資の供給はなんとかなっている。 |
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福島県 | B型施設 | 3/15利用者・職員けがなし。建物も被害なし。 ガス、電気は使用可。水道は使用できず、井戸水を煮沸して利用している。 給水支援がない。 通所利用者は地震の後帰宅することができたが、福島原発が近く屋内退避となったことから、入院者の食糧、飲料水、紙おむつなど不足している。 入院中利用者は約60名。県、市の対応は不十分で状況が改善されない。 *重症児協会および厚労省が対応中。 |
栃木県 | B型施設 | 3/17利用者・職員けがなし。 建物の損壊は添乗にひび割れ。 現在、自主送迎のみで70%の稼働率で運営。 |
◎この調査は災害の翌日3/12より継続して電話を主としておこなっている。
◎連絡のついた施設には、緊急支援物資の必要の有無を確認した。多くの施設がガソリンの不足を訴えていた。その他の支援物資については緊急にはなしとの答え。
必要が生じた場合は遠慮せず知らせて欲しいと連絡先(通園協事務局)を伝える。
◎171災害伝言ダイアル~ほとんどの施設が録音なし。
◎建物の大きな損壊はないが、さまざまな修理箇所をかかえて費用の捻出に困っている。