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長野パラリンピック開催に向けて

パラリンピック選手村

(財)長野パラリンピック冬季競技大会組織委員会


 4年に1度開催される障害者スポーツの祭典「長野パラリンピック」の開幕まであと2か月余り、何かとオリンピックの陰に隠れがちであったパラリンピックも全国的な話題として取り上げられるようになるなど、大会に向けた気運も大きく盛り上がってきています。
 最近、組織委員会には参加する選手の長野での生活に関する質問や選手の皆さんとの交流を期待する声が多く寄せられています。今回は、世界中から長野に集う選手たちの生活の拠点であり、市民との交流の場となる選手村についてご紹介したいと思います。
 長野パラリンピックの選手村は、市の中心部から南に約7km離れた長野市今井に建築されたオリンピック村を引き続き使用することになっています。3月2日から16日までの15日間開村され、世界各国から参加する選手・役員のほか、ボランティアなど大会を支える運営要員を合わせた約2600人の滞在の場となります。選手村から各競技会場へは、オリンピック道路や上信越自動車道などにより容易に移動することができます。また、選手・役員が居住する宿舎のほかにも、レストランや診療所、フィットネスセンター、郵便局や銀行、理容室、さらにはゲームコーナーやディスコまでが併設され、選手たちはここで戦いの疲れをいやし、鋭気を養います。
 村内の建物は、計画段階から障害者に配慮されており、段差の解消、通路幅の確保、車いすでも入れるトイレ、浴室内の手すりの設置などの施設整備が行われています。また、パラリンピック村開村期間中には、視覚障害のある選手のために、点字による住戸表示を行うほか、車いす修理所、義肢・装具の修理所の開設などのサービスも予定しており、大会に参加する選手・役員の皆さんが最高のコンディションで競技に臨むことができるように、安全で快適な環境づくりをすることにしています。
 パラリンピック村の村長には、(社福)長野県社会福祉協議会会長の湯本安正氏、副村長には、バルセロナパラリンピックの日本選手団長を務めた(財)日本身体障害者スポーツ協会の井手精一郎氏と札幌五輪のスキー距離競技の日本代表選手であった千葉弘子氏が就任されています。期間中、開村式や入村式などパラリンピック村での公式行事を主催するほか、VIPの訪問対応、交流行事への参加など大きな役割を果たすことになっています。
 パラリンピック村では、世界中から長野に集う選手・役員のために、さまざまな文化交流も計画しています。地元関係団体等の協力をいただき、日本舞踊、生け花、茶道などの伝統文化や、郷土芸能、伝統工芸品の紹介のほか、車いすダンス、障害者あるいは児童・生徒の作品の展示などを予定しています。
 大会テーマ「ふれあいと感動」を実感していただくためには、市民と選手・役員とが交流する機会も大切なことです。パラリンピック村では、ノルディック競技の表彰式を行いますが、表彰式の時間には、会場となる村内の国際交流ゾーンまで一般の方々にも入っていただく予定です。ぜひ、多くの皆さんに表彰式に参加していただき、選手たちと受賞の喜びを分かち合い、そして一緒に文化プログラムも楽しみ、交流を深めていただきたいと思っています。


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1998年1月号(第18巻 通巻198号)58頁・59頁