用具やルールを工夫して
オリジナルスポーツをつくる
丸山健
スポーツには、既存のスポーツのほかに、当事者に合わせたスポーツをつくることで、スポーツがより身近なものとなり、みんなのスポーツとして楽しむことができます。
現在、横浜ラポールでは、各種スポーツプログラムを実施していますが、その中の一つに「わくわくスポーツの時間」があります。このプログラムでは、主に中高齢者で、脳卒中による片マヒ者が対象となり、オリジナルスポーツを当事者とサポーターが一緒になって楽しんでいます。
このオリジナルスポーツとは、対象者や場所などに応じて用具やルールを工夫し、みんなで気軽に楽しめるスポーツのことです。また、このスポーツの中には、当事者の意見を反映し、サポーターと一緒にスポーツ用具を作った経緯があります。
当事者の感想としては、「用具をみんなで作ることにより、仲間意識が芽生えた」あるいは、「今までにない経験として、用具を作ることがおもしろかった」などの声を聞くことができました。
このように、スポーツの楽しさには、スポーツをする楽しさだけではなく、用具やルールを工夫し、実際に作ってみる楽しさもあると考えています。また、指導者としては、当事者が少しでも作ることに関われる状況を設定することが大切になります。そして、当事者が、自ら積極的に参画することで、スポーツに対する意欲や参加意識を高め、達成感を得ることができると考えています。
ここでは、オリジナルスポーツ種目の一つである「ディスク卓球」を紹介します。
まずは、卓球台にサイドフェンスを取り付けます。そして、卓球ラケットでディスクを滑らせて、相手の台の淵からディスクを落としたら得点になるゲームです。ここで使うディスクは、ダンボールを丸く切って数枚合わせ、ガムテープで巻いてでき上がりです。
みなさんも「つくるスポーツ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後に、今後の活動としては、現在、横浜ラポールで実施している地域支援事業の一環として、このオリジナルスポーツを提案し、地域密着型のスポーツ支援を推進していきたいと考えています。
(まるやまけん 横浜ラポール)