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国際連合の障害者の権利に関する決議

United Nations Resolution on the Rights of Disabled Persons

 本決議は「障害者の権利宣言(Declaration on the Rights of Disabled Persons )」として、1975年12月9日、国際連合総会で総会決議3447(XXX)をもって採択された。

 

 総会では国際連合憲章のもとに、国連加盟諸国が国連と協力しつつ、生活水準の向上、完全雇用、経済・社会の進歩・発展の条件を促進することを目ざして、共同でまたは独自の行動を起こすという誓約に留意し、国際連合憲章に宣言してある人権、基本的自由及び平和、さらに人間の尊厳と価値及び社会正義の諸原則を誓約することを再確認し

 世界人権宣言の諸原則1(Universal Declaration of Human Rights)、世界人権規約2(International Convenants on Human Rights )、児童憲章3(Declaration of the Rights of the Child)、及び精神薄弱者の権利宣言4(Declaration on the Rights of Mentally Retarded Persors)、国際労働機関(International Labour Organization )、国連教育科学文化機関(United Nations Educational,Scientific and Cultural Organization )、国連児童基金(United Nations Children's Fund)及び他の関係諸機関の規約、条約、勧告及び決議において、すでに社会発展を目的として定められた規準を想起し

 「障害予防」及び「障害者のリハビリテーション」に関する1975年5月6日の経済社会理事会決議第1921(LVIII)をもまた想起し

 社会の進歩、発展に関する宣言5が心身障害者の権利を保護し、また福祉及びリハビリテーションを確保する必要性を宣言したことを強調し

 身体及び精神障害を予防し、障害者ができる限り諸々の活動分野において、その能力を発揮できるよう援助し、かつ、できる限り普通の生活に統合するよう促進する必要性を認知し

 数か国においては、現在の発展段階では、この目的のために限られた努力しか払えないことを認識し

 この「障害者の権利に関する宣言」を宣言し、かつ、これらの諸権利の保護のために共通に基礎、及び指針として使用されることを明確にするために、国内及び国家間の行動を要求する。

 1.「障害者」という言葉は先天的か否かにかかわらず、身体的または精神的能力の欠如のために、普通の個人または社会生活に必要なことを、自分自身で完全、または部分的に行うことができない人のことを意味する。

 2.障害者は、この宣言で言及されたすべての権利を享受する。これらの権利はいかなる例外もなく、人種、皮膚の色、性別、言語、宗教、政治的または、その他の意見、国または社会的身分、貧富、出生及び障害者自身または、その家族がおかれているいかなる状況下でも区別または、差別なく享受される。

 3.障害者は、人間としての尊厳が尊重される生まれながらの権利を有している。障害者は障害の原因、特質及び程度にかかわらず、同年齢の市民と同様な基本的権利を持ち、このことは、まず第一に、できる限り普通の、また十分に満たされた、相応の生活を送ることができる権利を有することである。

 4.障害者は、他の人々と同様に市民権及び政治的権利を持つ:「精神薄弱者の権利宣言」の第7条は、精神障害者のこういった諸権利のいかなる制限または抑制にも適用される。

 5.障害者は、できる限り、自立を目的とした施策を受ける資格がある。

 6.障害者は、補装具を含む医学的、心理学的及び機能的治療を受け、医学的・社会的リハビリテーション、教育、職業教育、訓練リハビリテーション、介助、カウンセリング、職業あっ旋及びその他、障害者の能力と技能を最大限に開発でき、社会統合または、再統合する過程を促進させるようなサービスを受ける権利を有する。

 7.障害者は、経済的・社会的保障を受け、生活水準の向上を保つ権利を有する。障害者は、その能力に従い保障を受け、雇用されまたは、有益で生産的かつ十分な報酬を受ける職業に従事し、労働組合に参加する権利を有する。

 8.障害者は、経済・社会計画のすべての段階で、特別に考慮される資格を有する。

 9.障害者は、その家族または里親とともに生活し、すべての社会的・創造的活動または、レクリエーション活動に参加する権利を有する。障害者の在宅に関しては、障害者の状態によって必要とされ、あるいは、彼らがその状態から行う改善によって必要とされる場合以外、差別的な扱いをまぬがれる。もし、障害者が施設に入所する場合でも、そこでの環境や生活状態は、同年齢の人の普通の生活にできるだけ似通ったものであるべきである。

 10.障害者は、あらゆる規則、あらゆる搾取及び差別的、侮辱的または卑しい扱いから保護されるものである。

 11.障害者は、その人格及び財産の保護のために法的援助が必要な場合は、それらを受けることができるようにされなければならない。もし、障害者に対して訴訟が起こされた場合には、その手続きの過程では身体的・精神的状態が十分に考慮されるべきものである。

 12.障害者の諸権利に関するすべての問題は、障害者の福祉を図る団体に有益な意見を求めるものとする。

 13.この宣言で言及されている諸権利は、すべての適切な手段で、障害者、その家族及びコミュニティに、十分に知らしめるべきである。

1.国連総会決議 217A(Ⅲ)
2.国連総会決議 2200A(ⅩⅩⅠ)付則
3.国連総会決議 1386 (ⅩⅠⅤ)
4.国連総会決議 2856 (ⅩⅩⅤⅠ)
5.国連総会決議 2542 (ⅩⅩⅠⅤ)


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1976年7月(第22号)38頁~39頁