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<教育>

複雑な知覚弁別課題の解決

-問題解決法を発展させる技術-

Solving Complex Perceptual Discrimination Problems:

Techniques for the Development of Problem-Solving Strategies

Michael J.Guralnick*

大石弘**

 本研究は、障害児が複雑な知覚弁別の課題に直面したときの課題解決の方法を発達させる技術を調べたものである。特に、フィードバックの有効性、モデリング及び自己教示を、それぞれ相互にまた特別に計画された見本とのマッチング課題における統制群との比較が行われた。その課題は刺激という明瞭な形態が、教示目標に合致しうるように計画されたものである。

 この結果、自己教示の技術のみが事後テストの遂行を促進する効果があった。さらに、これらの課題解決の技能は、新しい形態については一般化されても、Matching Familiar Figures テストについては成功しなかった。本文ではこれらの知見が、さらに、観察技能の発達と関連させて述べられている。

 知覚発達の重要な性質の一つに、組織化された視覚走査の連続によって複雑な刺激の配置を効果的に探るという子供の能力の向上がある(Reese & Lipsitt、1970;Vurpillot、1968;Zaporozhets、1965)。この過程に欠かせないものに、刺激の複雑さの弁別があり、これは同時に提示される一連の形態のうちに同じものと異なるものとを発見する子供の能力によって一般的には判断される。もちろん子供が、この形態認知の課題を処理する有効な方法をよく発達させることができないときは、子供がいろいろな知覚ないし認知課題で、大きな困難に直面することになる(Gibson、1969;Kagan、1971)。

 いわゆる「衝動型の」子供にみられる知覚のテンポの改善に関する最近の検査(Kagan、1971)によれば、この分野の問題解決を発達させていない、発達上の問題を持つ子供について、重要な教育的意味があると言ってよい。このことは二つの意味から指摘できることである。第一に、軽度の精神発達遅滞があり、しかも衝動型の子供は、複雑な視覚刺激の弁別を行う際のスタイル間に、かなりの一致がみられること(Errickson、Wyne、& Routh、1973 )。第二に、Siegelman (1969)が述べているように、発達上の見通しから、知覚的不確かさを持つ課題に関する衝撃的な子供の行動は、幼児の認知行動に類似しているからである(Vurpillot、1968 を見よ)。したがって、衝動的な子供においてこのスタイルの変化に役立つことは、同様に障害児にも役立つと思える。

 認知スタイルというのは、Matching Familiar Figures Test(絵合わせテスト、以下、文中MFFテストと表記)のような、視覚弁別つまり見本に対応させる課題によって典型的に測定される(Kagan,1965)。MFFテストで、短時間で反応するが誤り数の多い遂行のし方をする者は「衝動型」と判定され、長時間で反応し誤り数が少ない者は「熟慮型」と名づけられている。より熟慮的方法を用い、誤り数が減少してきた効果的な技術は、多くの形をとってきた。Errickson (1973)らは、軽度精神薄弱児(IQがSlosson Intelligence Test で47~95、平均年齢(CA)13.9)に報酬として与えられる物が誤った反応の場合は与えられない条件で、「反応コスト」手続きを行った。

 これと対照的に、大部分の効果的な技術は、問題解決過程そのものの各側面を改善するために企画された指導に焦点を当ててきた。最近の研究では、Duckworth,Ragland,Sommerfeld及びWyne(1974)が、教育可能な精神薄弱児にMFFテストを視覚弁別訓練の後に行い、誤り数を減少させ、反応時間を長びかせることに成功した。しかし、言葉を用いることを多くして強化することについては付加的価値は報告されなかった。Ridberg,Parke及びHetherington(1971)らは、衝動型の4年生に熟慮型のモデルが適切に反応しているフィルムを見せた。その結果、誤り数の減少はみられたが、この変化の明確な原因は明らかにならなかった。適切な探究法や走査法の提示や説明によって、Egeland (1974)は2年生の衝動型グループに問題を正しく解くように訓練した。次の第2グループにも同じ教材が与えられたが、それに対する反応をゆっくりするようにだけ指示された。統制群には特に何の訓練も行われなかった。MFFテストの誤り数の減少については、その探査法を修正する訓練を受けたグループにのみ、かなりの効果がみられた。

 ひとりごとを言って自己教示をすることにより認知を発達させることに関する、幅広い発達資料(Bem,1967;Kohlberg,Yaeger,& Hjertholm,1968 )、に基づいて、Meichenbaum とGoodman (1971)は、モデリングの有効性と、「自己教示的」訓練を与えたグループとを比較した。幼稚園児と小学1年生の衝動型の子供からなるグループに対して、最初、一人のモデルによって、一連の方法段階が示され、それを初めは声に出して、後には声に出さないで言語化するように指導された。モデリンググループにも同様なことが提示されたが、自己言語化は、要求されなかった。両グループが言語化した内容の一部から不適当な問題解決行動に陥るような三つの障害を分析することができた。それは第一に、子供が、自分の外部的な行動を言語的に統制できない(統制障害):第二に、必要な言語を自発的に使用しようとしない(自発障害):第三に、問題の一般的な性質を理解しない(理解障害)というものであった。その結果、自己教示群のみが、手続き後のMFFテストの誤反応を減少させ、彼らの得点は、モデリンググループや統制群と、有意に異なっていた。同様に、自己教示手続きの一型が、Guralnick (引用文献1)によって、過活動児の集団に適用されて、成功した。

 衝動型の行動を改善させる、もう一つの別の、有効な方法が、Zelniker,Jeffrey,Ault 及びParsons (1972)によって開発された。実験群に、マッチング課題が提示されるが、6個の変化図形の中の5個が、標本と同一で、1個だけが異なっているものである。子供は標本と異なる1個を見つけ出すように求められる。衝動型の子供は標準MFFテストにおいて、全体的な類似性に基づいて、一つの変形図形を同一とみなして選択する傾向がある(Siegelman,1969)ことから、彼らに、異なっている図形を見つけ出すまで、探させることによって、有効で体系的な探索方法を発展させ、それを標準MFFテストにも転移させるであろうと考えた。その結果は、彼らの仮説を支持するものであった。すなわち、事後テストとしての標準MFFテストの成績では、統制群よりも実験群の方が、少ない誤反応を示した。さらに、同時に見た眼球運動記録や、誤反応の減少は、潜時の変化を伴わなかったことから、この方法は、探索方法の変化をもたらしたことを示唆していた。

 Odom,McIntyre 及びNeale (1971)らの、熟慮型と衝動型の子供たちによって処理される情報の性質に関する初期の研究は、Zelnikerら(1972)の研究結果を説明するためのわく組みを提供しているかもしれない。転移課題におけるデータの分析から、熟慮型の子供たちは、刺激間の独特の性質あるいは差異に基づいて、情報を処理または評価するということが明らかになった。それに対して、これらの研究者たちは、衝動型の子供たちが利用する情報を見つけられなかった。衝動型の子供たちに、刺激のどこが異なっているかをたずねることによって、Zelniker(1972)らは差異を体系的に見つけ出すことに子供の努力を集中させる方法及び見本とのマッチングとなったタイプの課題(Siegelman,1969)のために、かなり効果的な判定方法を引き出すことに成功した。Zelniker及びOppenheimer (1973)による追研究でもこの分析を支持している。実際に、知覚的発達の重要な側面が、環境内の差異に対する感受性の増大に反映されることが示されている(Gibson,1969 )し、年少児または障害児に対して、これらの差異に注目するように計画された実験が、彼らの弁別過程を促進させている(Guralnick,1972,1975 )。

 要約すると、これらの研究が示しているところは、教示技術、すなわち、(a)効果的な問題解決技術の使い方を直接に訓練する、(b)認知的な自己指導を含む、及び(c)刺激複合体の差異的特性に注目させる、などが、障害児の比較的複雑な知覚弁別問題解決を改善させる上で、最も有益であるようである。したがって、本実験では、種々の教示方法の相対的な有効性を比較するように計画された。特に、フィードバック、モデリング、及び自己教示の有効性が、相互に、また六つの選択肢を有する見本とのマッチング課題に関する統制群と比較された。この課題は、刺激の適切な差異的特徴を、明確に述べることを実験者に可能にさせ、それによって差異の重要な次元を確認するためのすっきりした訓練を可能にするためである。

 最後に、これらの手続きの有効性を調べるために、より高度な同様な問題と、MFFテスト課題に対する子供たちの技能の般化の程度を分析した。

方法

被験者

 遅滞児のための学校に新たに通学し始めた32名の子供が被験者となった。彼らは6歳~14歳までの年齢にわたっており(平均年齢11.1)、IQの平均は63.2であった(ピーボディー絵画語いテストで45~83の範囲)。すべての子供たちには、四つの手続き群に、無作為に割り当てられる前に、一連の単純なマッチング課題を実施した。すべての手続きは、各個人ごとに遂行された。

材料

 主要課題は、MFFテストと同様のもので、6個の選択肢のある、見本とのマッチング課題からなっていた。刺激は、無意味な形態の線画であり、形態ごとの線の数(3から9)によって複雑度が異なる。全部で26対の形態が構成された。複雑性に関する制限の中で(手続きの項参照)、10対が事前テスト用に無作為に選ばれ、6対が訓練用、そして10対が般化テスト用に選ばれた。事前テストで使用された形態は、般化形態とともに、事後テストとしてもまた使用された(手続きの項参照)。

 差異に関する5対の対立する次元が選択された:(a)曲線対直線、(b)開対閉、(c)水平対傾斜、(d)右対左(鏡映反転像)、(e)上向き対下向き。このような次元に関してのみ差異があるように、各形態は作られている。したがって、見本形態(標準)と比較形態のそれぞれを作成するための一組の規則が考案された。まず第一に、各見本の形態は、曲線か直線、開いているか閉じているか、水平であるか傾いているか、といった線の部分を含んでいなければならない。さらに、各形態は、非対称形であって、上下、左右の変換が、確認できるようになっていなければならない。ここでの目的は、両方向への変換を可能にすることである(例えば、開から閉へ、閉から開へ、傾きから水平へ、水平から傾きへ)。

 見本となる形態が構成された後で、見本を変換したもの5個と、見本と同一の1個が、比較刺激として用意された。まず、見本は、適当に分類された「上向き」で「右向き」であった。そして、二つの逆の形「下向き」と「左向き」とが、直ちに作られた。次に、残りの三つの差異の次元から一つが無作為に選ばれ、同様の操作がとられた。例えば、もし、曲線-直線の次元が選ばれたなら、曲線から直線へまたは直線から曲線への変換が行われた。この手続きは、残りの二つの次元に関しても実行され、結局、見本を変換した5種類の刺激と一つの同一刺激が作成された。

 次の見本も同様な形態を用いたが、「左」で「下向き」を使った。残りの変換は、前回の選択によって決定された。変化の方向は、前回の三つの線部分の変化と逆の方向になるようにされた。そこで、もし開から閉への変換が前に選択されていれば、今回は閉から開への変化が要求された。左から右へ、と、下向きから上向きへの変換と、見本と同一の刺激とで、6個の選択肢が完成した。図1に、形態の一例が示されている。空間配置と、形態の大きさは、ここに例示されているのと同じものを使用した。刺激配列順序は無作為に決められた。

図1 マッチング課題で使用された形態の一例
図1 マッチング課題で使用された形態の一例

手続き

 マッチングが可能かどうかを調べる予備セッションが完了してから、被験者は、無作為に四つの手続き群の一つに割り当てられた:(a)自己教示、(b)モデリング、(c)フィードバック、(d)統制群。実験の全体的な計画は、まず、各群とも同じ形態で事前テストを行う。次に各群に別々の訓練手続きをほどこす、そして事前テストで使用した形態を事後テストとして、再び施行することによって、訓練の効果を評定する。

 般化は二つの方法によって評価された。第一に差異の次元は同一であるが、全く新しい形態の組が、事後テストの一部に加えられていた。第二に全く異なった材料への般化が、MFFテストに対する誤反応得点から評価された。12項目のMFFテストの二つの二者択一的形態に関して、同一の計画が使用された(例えば、事前:MFFのA型、事後:MFFのA型とMFFのB型)。MFFテストの各二者択一の項は、二つの形態からなっていたが、このテストに直接影響を与えるようなどんな介入物も加えられなかった。

テスト

 事前及び事後テストで使用される10対の形態が複雑さの程度に従って配列された。第一の組は、3ないし4本の線部分を持った五つの組であり、5及び6個の要素を持った三つの組、7から9個の要素を持った二つの組を加えて、10対となっていた。各複雑度の程度の中で、個々の形態の提示順序は、各被験者及び、各テストセッションごとに無作為とした。10対の般化形態も同様にして配列された。

 すべてのテスト、セッションに関して、各子供は、「同じ」であるものを、ゆっくりと、注意深く見て、見つけ出すように教示された。すべてのテストで最初に選んだものだけが記録され、分析の対象となった。賞の形をとった一般的な、はげまし(「その調子だよ」)は、6回目、12回目及び18回目の後と、MFFテストの3番目の図版のテストの後に与えた。テスト中に、正誤に関するフィードバックは与えなかった。子供たちは、各セッションの後で物的な賞をもらったが、これは、成績とは無関係であった。

 事後テストは、訓練が完了した翌日から始められた。事前及び事後テストでは、最初、無意味形態が提示され、それに続いてMFFテストが行われた。般化形態は、MFFテスト(B型)の少し後に与えられた。

訓練

 3回の訓練セッションが、おのおの20分ずつすべての三つの実験群に実施された。1日に1セッション以上は行われなかった。

 自己教示群に関しては、テストにおいて使用されるものと同様な6対の形態が、訓練用に用意された。一般的な実施方法は、Meichenbaum とGoodman (1971)によって使用されたものに従い、実験者がまずモデルになり、動作を伴いながら、言語化(自己-教示)して、問題解決過程をやってみる。それから徐々に、3回のセッションが進むにつれて、子供は、そのステップを行い、言語化するようにうながされた。最初は外的に口に出して、後には内的に口に出さずに。言語化は、特別なステップを表すと同時に、質問と答も表現しており、これは、何らかの理解、自発、統制に障害があれば、再統制できるように仕組まれている(Meichenbaum & Goodman,1971,P.117参照)。

 問題解決それ自身は、Drake (1970)及びSiegelmanによる熟慮的方法の分析から導かれた。本質的には、子供たちはまずサンプル図形によく精通するように教えられ、選択肢をそれぞれ対応比較することによって重要な次元を区別し(五つの異なった次元が指摘された)、それから、見本図形と比較して不適当な選択肢を除去するように教えられた。この過程は、すべての選択肢がチェックされるまで続けられた。ゆっくり行うこと、注意深く見ること、及び自己強化への教示が、自己教示系列に含まれていた。

 モデリング群は、正確に同じ言語化と行動を観察したが、ただ、自己教示訓練は行われなかった。実験者によって、それぞれ示された後で、子どもは、その方法を使用するようにすすめられた。

 フィードバック群は、他の二つの群と、同じ訓練形態が提示された。しかし、ここでは、正しい方法のモデリングや、自己教示は行われなかった。子供たちは、単に、見本とのマッチング課題をやるように求められただけであり、その結果の正誤についてのフィードバックが与えられた。ゆっくりと、注意深く行うようにという教示は、他の群とほぼ同程度に与えられた。フィードバック群は、前の二つの群など、各問題に時間を費やさなかったので、種々の幾何学形態や、色のマッチング課題を含ませた。このことによって、三つの実験群に、ほぼ等しい量の勇気づけや、社会的強化を与えることができた。そして、訓練形態に接する回数は各人に等しくなるようにすることもできた。

 統制群は、何ら訓練がなされなかったが、事前テストと事後テストの間隔は、実験群と等しくなるようにした。

結果

 2(事前テストと事後テスト)×4(処置群)の混合分散分析が、テストにおける正反応の数について行われたが、事前テストから事後テストへの有意な増加が見られた(F=11.04,1/28df,P<0.01)。正反応数の最高は20(10対の形態)であった。処置要因に関しては有意差が無かったが(すべての例で0.05レベルが用いられた)、処置×事前/事後テストの交互作用は有意であった(F=8.33、3/28df、P<0.001)。それ故に、主効果の分析が行われ(Winer、1962)、自己教示群だけが、事前テストから事後テストへの、正反応数の有意な増加を示したことが明らかになった。事前テストにおいては、各群間に差のないことが同様の分析によって示された。図2にこれらの結果が示されている。

図2 事前及び事後テストにおける4つの処置群のそれぞれに関する平均正反応
図2 事前及び事後テストにおける4つの処置群のそれぞれに関する平均正反応

 般化形態に関する正反応数について別に分散分析が行われた(正反応の最高は20)が、有意な処置効果がみられた(F=10.25、3/28df、P<0.01)<0.01 )。平均正反応数は,統制群,フィードバック群,自己教示群,およびモデリング群で,それぞれ5.75,6.50,13.75及び5.88であった。さらにNewmanKeulsのテストを使用した分析によると,自己教示群と他の三つの群との間には,すべて有意な差がみられた。

 MFFテスト(A型)に関しては、データの分布が非常に偏っているため、Wilcoxonのノンパラメトリックテスト(Siegel、1956 )を使って、各処置群について事前テストと事後テストの間に差があるかどうかを、正反応数に関して調べた。同様に、Kruskal-Wallisの分散分析が、MFFテストのB型における四つの処置群間の差を検定するために行われた。その結果はいずれも有意ではなかった。

考察

 この研究の結果は、自己教示法が、障害児の問題解決方法を改善する有効な手段であることを明瞭に示している。訓練前は、被験者たちは、複雑な知覚弁別課題に対して、幼児あるいは衝動的な子供たちが行うようなやり方で行った。しかしながら、自己教示のセッションの後では、この行きあたりばったりな観察行動は、体系的な探索方法にとってかわり、それによって、著しい正反応の増加をもたらした。さらに、これらの方法は形態般化テストにおいて、自己教示群の成績が示したように、同じ差の次元を持った問題へと般化した。しかし、付随的な観察では、これらの方法は、MFFテストの解決にも適用されることが示唆されたが、処置群の間に、どんな差も見られなかった。これは、MFFテストが困難すぎたためか、あるいは、完全に般化する方法を得るには、多くの質的に異なった問題で直接に教示してからでなければならないということであるかも知れない。

 以前の研究と同じく、統制群及びフィードバック群の被験者は、知覚的問題の解決能力にどのような変化も示さなかった。モデリングの効果に関する研究は、あいまいであった(Egeland、1974;Meichenbaum & Goodman、1971 )。そして、本実験の結果は、モデリングは成績を向上させないという研究(例えば、Meichenbaum & Goodman、1971)を支持した。このことは、モデリングが差異的特徴の確認を含み、また、弁別を体系的に解決する過程を含んでいるにもかかわらずそうであった。おそらく、ここで使用されたようなタイプの知覚課題の解決というような複雑な方法のモデリングは、もし適当なペースで行われたとしても障害児にとっては、それに従って行うことが困難すぎるのであろう。これについて、もっと良い他のモデリング技法が存在するかどうかは今後の問題であろう。

 興味あることに、Bandura (1969)によって述べられた観察学習に含まれている過程と、自己教示技法(Guralnick、引用文献1参照)の構成要素との間には、密接な一致がある。特に、Bandura の最初のステージで、子供が関連のある手がかりを選択しなければならないというところが注目に値する。その選択は、ここでは、差異的特徴を指摘することによって促進された。Bandura の保持の段階では、子供は、観察した事柄を蓄えておくために、表現体系(それは通常言語的である)を利用するように要求される。この過程は、我々が自分の問題解決行動を言語化したように、直接に教授された。これは、前に述べた自発障害の再統制と類似している。Bandura の第三のステージは運動表出過程であり、そこでは、自己の発した言語的教示が、子供自身の運動動作を導くが、これは、統制障害と関連している。このようにして、問題解決技術を言語化し、最初は外的に次第に内的に表現するように直接に教示する手続きが、このような一致を高めたのかも知れない。最後に強化と動機づけ過程が、外的な社会的強化と、自分の行動を強化する自分自身で発する言葉を通して成就される。したがって、この一致は、自己教示の手続きが、非常に重要な教育目標である観察的学習の発達を育成する上で、有益であることを示唆している。

 最後に、自己教示的技法は、広範囲の問題に適用可能であると言えるかも知れない(Meichenbaum & Turk、1972;Meichenbaum)。将来の研究者が、最も有益なこの過程内の特別な要素を確認することが望まれるが、もし、妥当な発達的わく組みと、経験的な基礎が与えられるならば、この方法は、多くの学習と行動の問題を取り扱うに際して有益であることが立証されるであろう。
(American Journal of Mental Deficiency.1976、Vol.81 から)

 

引用文献 略

参考文献 略

*全国小児センター
**山形大学教育学部講師


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1977年1月(第24号)15頁~21頁