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心身障害者に関するホワイトハウス会議最終報告書(抄)

-心身障害者の社会的問題関係-

「心身障害者に関するホワイトハウス会議)(The White House Conference on Handicapped Individuals)は、アメリカ合衆国における心身障害者をめぐる諸問題とその解決策について、合衆国各州のレベルでの検討を踏まえ、合衆国各州から選ばれた代表(うち2分の1は障害者、4分の1は障害者の親又は保護者、残り4分の1は障害者団体代表、行政機関職員、労働者・使用者代表、その他の関係者)によって優先順位の整理を行い、連邦政府及び連邦議会等に必要な措置を行うことを目的にするものである、1977年5月23日から同27日まで、ワシントンD.C.で開催された。

本資料は、上記会議が大統領及び連邦議会に提出する最終報告(Final Report, Part A)のうち、社会的問題(Social Concern)に関する勧告(Recommendation)及び決議(Resolution)を翻訳したものである。このうち勧告は、会議において代表の投票によって採択されたもので、投票数に応じて重点が付けられ、また、決議は会議において議論され、郵便投票によって採択されたもので、同様に投票数によって重点が付されている。

社会的問題Ⅰ 一般大衆の障害者に対する態度

A.勧告

連邦各部門への勧告

●子供の障害者に対する態度に関して、そのような態度の形成される時期と態様を確定し、最も重大な影響因子(influencing agents)を確認し、かつ、より前向きで実際的な態度を生み出すことのできるメカニズムを決定する研究を行うため、カレッジおよび大学の教育学部に資金を支出すること。

●連邦通信委員会(FCC)が適切な政策と規則を企画、実施し、障害者が現実的、かつ前向きに紹介されるようにし、このような新しい政策と規則を定め、実施するために、FCC内の重要な地位に障害者を配置することを、保障すること。

連邦、州、およびその他の諸部門に対する勧告

●障害者に対する肯定的、受容的態度を育成することができるようにするための、訓練教師が教室における効果的な変換動因になるよう、最も効果的な方法を探究するための研究を開始すること。

州およびその他の諸部門に対する勧告

●デイケアセンター、学校およびレクリエーション活動で、できるだけ早期に、身体障害児童と非身体障害児童とともに本流(mainstream)にのせること。

●すべての教育者、カウンセラー、医師、およびソーシャル・ワーカーの免許の一部として、障害者についての知識に関する総合的な課程を義務づけること。

その他の諸部門に対する勧告

●障害者の性的能力に関する教育を専門家(医師、カウンセラー)に義務づけて、障害者の性的能力に関する情報を広めること。障害者がそこで性および性的能力に関する情報を得ることができる、コミュニティ情報センターを育成すること、ならびに、地域社会ベース諸機関の性的問題を取り扱うスタッフに、障害者の欲求についての知識を持つことを要請すること。

●娯楽メディアにおいては、障害者を“正常な(nomal)”人間として描くこと。

●障害者がメディアに出現する頻度と態様を探究する研究を開始すること。そして、障害者がより肯定的、かつ実際的に表現され得る仕組みを奨励すること。

●障害者を肯定的、かつ現実的に描く公衆教育プログラムの作成に、メディアの協力を奨励すること。障害者を俳優として使用すること。肯定的、実際的に、障害者がいろいろな生活の状況で直面する差別を描いた、テレビ・ドキュメンタリーを制作すること。

●障害者およびその保護者が、健常者(abled-bo-died persons)に不必要に依存することをなくし、社会的にまじり合っていることに対してもっと責任を持ち、かつ問題についてはっきり発言するようにすること。

B.決議

 障害者に対する肯定的な態度を維持させ、発展させる効果的な方法として、諸決議においては、教育的手段について最も頻繁にふれられている。これらの決議は、下記のことの必要性を述べている――すなわち、学校のための「障害者について知る日」(Handicapped Awareness Day)のプログラム、心身障害を含む個人的差異のすべての態様に関するカリキュラム、正しい教育的視点を保つようにするため、普通教育に従事する者を特殊教育にも関与するようにしておくこと、ならびに、肯定的態度を発展させるために、両親、一般大衆、および一般教育者に“勤務中”(in-service)に接触させること。

社会的問題Ⅱ 障害者およびその家族の心理的適応

A.勧告

連邦、州およびその他の諸部門に対する勧告

●すべての州および属領において、連邦、州、地方、および民間の資金により、障害者およびその家族に対して、総合的、統一的、継続的な心理的カウンセリング、およびその他の援助サービスの体系を設置すること。

●障害者のために施設から地域社会に移動するための総合的なプログラムを開発すること。これには、公衆に感受性を持たせること、情報、レファレンス、および手を差しのべるサービスを提供することが含まれる。

●個人的自立を最大にし、障害のある人びとが「最も制限の少ない環境」(least restrictive environment)に暮らす機会を拡大するための障壁のない、もう一つの地域社会を発展させる活動に、資金を出すこと。

●障害者の相互支持と援助を促進するために、訓練された準専門家障害者の中核部隊を育成し、確立し、援護するための、資金を提供すること。難聴の人を、他の難聴の人びとと一緒に働くように訓練するのには、特別の考慮が払われなければならない。

●学生およびすべてのヘルパー職種のメンバーに対する勤務前、現任教育、ならびに継続教育のプログラムに、資金的裏づけを行うこと。これらの訓練活動の内容では、態度の意識、感受性、人間的関係および意思疎通に注意を払うべきこと。

●障害者およびその家族のニーズ、心理的・社会的調整、家族動態、および自意識の、詳細評価と分析に関する研究活動に重点を置くこと。

●訓練施設およびサービス給付機関におけるカリキュラム計画、教育、サービス給付、および援護の仕事に、障害者を雇用すること。

州およびその他の諸部門に対する勧告

●サービス提供者の訓練には、心身障害および心理的援護技術、性的・情緒的ニーズおよび能力、特殊なコミュニケーション・ニーズ、ならびに地域社会の資源についての、実際的経験、および課程学習を含めること。

●すべての年齢の障害者およびその家族に対し、公立および私立の学校、病院、ならびに職業リハビリテーション、およびその他の機関を通じて、性教育情報とカウンセリングを提供すること。

B.決議

 二つの決議が、障害者の性的問題と性的能力のことを取り扱っている。そのうち一つの決議は、障害者から収集された情報と、研究の結果の配布とを含む、性的能力に関する研究を要請している。代表たちは、障害者が性的関係にはいることを妨げる差別的法律は、すみやかに廃止されなければならない、と強調した。これに加えて、性教育および性カウンセリングに接する平等の機会が要求され、また、障害者の心理的適応のこうした側面を取り扱う人びとの訓練も要求されている。

社会的問題Ⅲ レクリエーション

A.勧告

連邦および州の諸部門に対する勧告

●地方のレクリエーション部局、民間および商業的レクリエーション提供者を奨励し、既存の施設を改造して障害者に対するプログラムまたはレクリエーション・サービスを拡大させ、新しい施設を建設させ、および、すべての(室内および屋外)のレクリエーション施設への立ち入りを可能とするために、資金の裏づけを提供すること。

●障害者のためのレクリエーション・プロジェクトの資金をまかなうために、補助金を与えること。

●連邦、州および地方の公園ならびにレクリエーション施設を図形による案内、点字および聴覚の補助的手段によって利用できる、障害物のない駐車地、専用道路、多くの休憩区域、遊歩案内のための専任サービスプログラム、ならびに特殊な施設プログラムへの参加のために必要とされるレクリエーション技能を障害者に教える、熟練した要員を備えたものとすること。

●政府高官および官僚たちに障害者がやれるように改善されたレクリエーション活動に大統領、議会の議員、およびその他の政府高官たちを招待することによって、ならびに、政府当局者の代表者たちとの接触によって、障害者にとってのレクリエーションの必要性を教え込むこと。

州およびその他の諸部門に対する勧告

●初等および中等体操教育指導者に対する州の継続教育の必要条件を満たすために、大学の治療的(therapeutic)レクリエーション・プログラムおよび特別の教育プログラムを拡大すること。また、現任訓練の機会は、地方レベルにおいても増大させなければならない。

●いろいろな心身障害のニーズに適合するよう、現存のレクリエーション施設を改造すること。

●健常者に対する現存のレクリエーション・プログラムに障害者を統合(integrate)させるため、あらゆる努力を払うこと。しかしながら、障害者が健常者のプログラムへの参加が排除される場合には、プログラム自体を、個々のニーズに合うよう手直しされ、または別なものとしなければならない。

●大学、リハビリテーション・サービス、公園部局、州政府、および学校制度への資金支出ならびにそれらとの協力を通じて、障害者をレクリエーション要員として採用し、およびこれに対する訓練を促進すること。

●障害者のためのレクリエーション・プログラムの有効性を評価するために、障害者を参加させること。

その他の諸部門に対する勧告

●個別のベースで、かつ、そのレクリエーション活動に熟達した障害者による指導が得られる場合には、地方および民間の施設で、危険性の高いレクリエーション活動も提供すること。

●レクリエーション・プログラムに対する予算の優先順位を定め、障害者にレクリエーションの機会を保障するためのガイドラインを作成するために、専門家および障害者によって構成される障害者ロビーを設けること。

B.決議

 レクリエーション諸決議は、連邦政府の財政的な援助が、障害者を公園およびレクリエーション活動のために募集、雇用および訓練するための、全国的プログラムを定めるのに、障害をもつ市民に役立つレクリエーション・プログラムを拡大するのに、障害者のレクリエーションに関する研究を増加させるのに、レクリエーション区域を利用しやすくできるようにする法律を実施するために、および、地方諸機関が障害者のための総合的なレクリエーションを提供するのを援助するために、必要であると述べている。

 諸決議はまた、現行諸プログラムに対する連邦、州、地方の予算支出を拡大するために、および、障害者のための連邦、州、地方のレクリエーション・サービスおよび資源を調整する仕組みを生み出すために、すべてのレベルの政府間における協力を要請している。

 障害者に対するレクリエーション・サービスを増強するためには、すべてのサービスを享受することができるようにしなければならず、障害をもつ消費者がプログラムの計画と運営に参画しなければならず、レジャー、カウンセリングが提供されなければならず、また、レジャー資源センターが設立されなければならない。のみならず、レクリエーション・プログラムおよびサービスが、地域社会レベルだけでなく、施設のレベルでも計画され、具体化されなければならない。

 いくつかの決議は、特定の諸機関の行動を要求している。運輸省(Department of Transportation)は、レジャー、旅行、およびレクリエーションを含む、その管轄下にある輸送の形態に対して、障害者が利用しやすいようにすることが要請されている。野外レクリエーション局(Bureau of Outdoor Recreation)は、障害者の要求を充足するよう、その国民野外レクリエーション・プラン(National Outdoor Recreation Plan)を早急に改正しなければならない。また、大統領はその閣僚を通じて、現行のすべての連邦レクリエーション・プログラムの状況を確認し、わが国の障害者のニーズを充足するプランの開発を命令し、また、野外レクリエーション局を調整機関に指定して、他の諸機関をこれに協力するよう命令しなければならない。

 その他の諸決議は、全国レクリエーション・公園協会(National Recreation and Parks Association)のような団体に対して、必要な法令の作成、障害者に関するホワイトハウス会議によって提案された諸行動のフォローアップ、ならびに、資格を持ったレクリエーション要員のためのガイドラインの作成に、参画するよう要請している。

社会的問題Ⅳ 文化活動に対する参加

A.勧告

連邦各部門への勧告

●障害者のための文化活動およびプログラムに対する資金をふやすために、公共サービス・キャンペーンおよびロビー議員形成に乗り出すこと。この目的を達成するために、障害者たちは、全国芸術基金(National Endowment for the Arts)、芸術委員会(Commission on the Arts)および芸術・教養に関する連邦会議(Federal Council on the Arts and Humanities)と協力しなければならない。

●リハビリテーション・プログラムにおいて芸術治療活動(arts therapy activities)を義務づける特別の定めを盛り込むこと、また、芸術治療法モデル実証プログラム(model arts therapy demonstration)については、身体障害児童、若年者、および成人に関するすべての連邦法にこれを織り込むこと。

連邦、州、およびその他の諸部門に対する勧告

●芸術および文化を含むように、リハビリテーション資金および要員を増強すること。

●障害者が芸術に関する現在の職業の機会をよりよく知ることができるように設計された、情報資料、募集プログラム、および訓練コースを見い出すことができるようにするために、全国芸術基金、障害者雇用に関する大統領委員会(Presidents Committee on Employment of the Handicapped)、高等学校、カレッジ、および職業教育センターを奨励すること。

●障害者の文化施設への利用可能性を増大するために、公衆啓発プログラムを設けること。

●芸術における障害者およびインストラクターの訓練――この手続きの一部として織り込まれた予備試験プログラムを伴う――のために、職業リハビリテーション資金を提供すること。

●芸術を追求する障害者のために、パイロット・プログラムの予算をつけ、補助金およびまたは奨学金を与えること。

州およびその他の諸部門に対する勧告

●教育諸機関が障害者のニーズについて認識を持つようにし、かつ、あらゆるレベルの教育者に、こうしたニーズについて教えるよう義務づけること。

●文化的諸プログラム、交通手段等に関する情報のために、州および地方の「ホットライン」を設けること。

●文化的諸施設に、車いす来訪者を含む利用の可能性の確保を義務づけるために、州および地方の建築基準(local building codes)(火災予防基準を含む)を改正すること。

●すべての療法士および教師に対して、劇および役を演ずるといった方法を用いて、障害者の特別なニーズについて教えることを義務づけること。

その他の諸部門に対する勧告

●聾者のための翻訳者または見出しをつけた文化番組、プレー番組、および映画を、もっと多く組むよう、全国公共放送システム(National Public Broadcasting System)に要請すること。

●障害者が、文化団体および諮問委員会を通じて、文化諸プログラムの計画、実施、および評価に参加することを促進すること。

B.決議

 主たる文化上の決議は、すべてのテレビ放送局が、一般番組およびニュース報道に通訳およびまたは見出しをつけるよう、奨励されなければならない、と主張している。代表たちはまた、在宅の、または施設収容の障害者のために、移動文化施設を設けることを支持している。これに加えて、全国芸術基金は、障害のある芸術家に特別の重点を置いた州プログラムを設けるべきである、とされている。

社会的問題Ⅴ 建築上の利用しやすさ

A.勧告

連邦各部門への勧告

●新しい障壁のない建物(barries-free construction)に対して税制上の優遇を与えること、および、現在の建物について障壁を除去した場合に税の軽減を認めている1976年度税制改革修正法について、国民を教育すること。

連邦および州の諸部門に対する勧告

●一般国民が(障害者にとって)利用可能な建築(accessible architecture)をあたりまえの建築様式として受け入れるよう、説得するために、国民啓発プログラムを実施すること。

連邦、州、およびその他の部門に対する勧告

●現行の建築障壁法を、利用可能性基準に関してより明示的にすることにより、および、違反に対するよりきびしい罰金と科料を含む、厳格な執行手続きを定めることによって、強化するための、追加的立法措置をすること。

●建築物の利用しやすさ(accessibility)を確保する諸法律に対する厳格な適用を確保するために、より適切な執行手続きを定め、かつ、より多くの、しかもよりよく訓練された検査要員をおくこと。

●情緒障害者(sensory impairments)のニーズに対し注意を強化すること。

州各部門への勧告

●十分な予算の裏づけと障害をもつ消費者の参加を伴った、利用しやすさ確保のための順守委員会または執行機関を設けること。

●個々の建築物所有者および管理者によって明瞭に理解される基準により、国際シンボルマークの正しい使用を認め、強制するために、各州と、そのための所轄部局を設置すること。

州およびその他の諸部門に対する勧告

●賃貸住宅および移動住宅を含む住宅建築物における利用しやすさの確保を義務づける基準がすべての建築基準法令に織り込まれ、そして、これらの法令の順守を条件とすることを確保するための法律を制定した上で、居住許可をすること。

その他の諸部門に対する勧告

●障害者を施行委員会に参画させることによって、建築物の利用しやすさに関する諸法律および基準の執行および実現に、障害者を参加させること。

●障害をもつ市民たちが、建築物の利用しやすさを拡大するために、必要な政治的行動――例えば、必要な立法のためのロビー活動、障害をもつ有権者の連盟形成、ならびに、利用可能な構造を命令するよう当局者に圧力を加えることなど――を採ることを、進めること。

●設計学校において、利用しやすさの確保のための設計の集中的コースを義務づけ、また、設計専門家のすべての免許試験に、利用しやすさの確保に関する試験問題を含めることを義務づけること。

●障害者のための設計基準と人命安全基準とを整合させ、これによって、防火および防煙装置付きエレベーターのような装備が非常事態のさいの避難のために用いられ、また聾者に対しては閃光警告のシステムが用いられることを通じて、障害をもつ消費者の安全が非常事態の場合に確保されるようにすること。

●マス・メディアにおいて通常の状況における障害者を描き、それによって、障害者が一般大衆により受け入れられ、またそれによって、大衆が障害者のニーズにより敏感な感受性を持つようにすること。

B.決議

 主たる決議は、連邦の法律によって、州際通商に従事する会社に障壁のない施設を持つことを義務づける必要があることが、焦点となっている。もう1つの重大な決議は、「建築物・交通手段障壁除去委員会」(Architectural and Transportation Barriers Compliance Board)が、大幅に強化された権限、ふやされた予算、および地方における委員会のネットワークを持って、独立すべきであることを指摘している。

社会的問題Ⅵ 交通機関の利用しやすさ

A.勧告

連邦各部門への勧告

●都市大量交通行政(Urban Mass Transportation Administration)の法令を改正して、利用しやすさの可能性のない大量輸送車両の購入に対しては、資金が補助されないようにすること。

●利用しやすさの可能性のある公共および民間の輸送車両の購入と運営に対しては、資金をふやして供与すること。

●建築物・交通機関障壁除去委員会の管轄範囲を大幅に拡張し、かつ、その予算をふやすこと。

●下記の義務要件を含めるために、現行の都市大量交通法を改正すること――すなわち、

a)連邦資金によるすべての新規公共輸送車両は、利用しやすいもの(accessible)でなければならない。

b)地方の計画および諮問諸委員会は、少なくとも50%の障害者によって構成されなければならない。

c)障害者のために提案されたサービスに関しては、公聴会を開くこと。

d)障害者のニーズを満たすために、総合的な地方的プランおよび実施スケジュールを立てること。そして、

e)「大量交通機関の利用しやすさに関する全国諮問会議」(National Advisory Council on Accessibility of Mass Transportation)を設置すること。

●都市大量交通法(Urban Mass Transportation Act)の第16条を次のように改正すること。――すなわち、「同じ交通施設とサービスを他の人びとと同様に利用することが、高齢者および障害者の市民的権利であることを宣言する。高齢者および障害者が平等に大量交通手段を利用できるように保障するため……特別の努力が払われなければならない。」

●関係連邦諸機関に対して障害者に対する非差別的取扱いを要求することを定めた規則を作成すること。これらの規則は、交通手段の設計のニーズ、および障害のある消費者の付き添いサービス(attendant service)に、焦点をあてるべきものとする。

●現行の連邦法律および規則における交通機関の利用しやすさに関する諸規定を、すべての連邦機関に対して厳格に適用すること。

●利用しやすい車両を設計し製造する会社に対して、税の優遇を与えること。

●障害者の余分な交通費――自分で車を運転する費用、特別な交通料金、エスコート・サービス費等を含み――を埋め合わせるため、税の軽減を認めること。

●法律および規則によって、障害のあるドライバーに対する保険料が非差別的なものであるよう、義務づけること。

●障害者に対する交通サービスを増強するために、リハビリテーション機関、教育機関、および公共輸送当局を含む、すべての公共機関の車両の使用を調整すること。

連邦、州およびその他の諸部門に対する勧告

●公衆に提供するために用いられるすべての車両が、すべての障害者にとって利用しやすいものであるように義務づけること。

●特別な装置をつけた個人用車両の購入または改造に対しては、税の軽減を認めること。

●利用しやすい車両の設計、および車両を適応させるのに必要な装備を促進するために、公共資金を供与すること。

●重度障害者のために完全に利用しやすい公共輸送が利用可能となるまでの間、公共輸送に対する予備的サービスとして、あるいは当面の手段として、準輸送手段(“ダイヤル・ア・ライド”(dial―a―ride)――のようなドアからドアへのサービス)を利用すること。

州およびその他の諸部門に対する勧告

●障害者に対する交通サービスに関係するプログラムを管理する、すべての官庁についての法律を、交通機関が利用できるよう義務づけ、また、違反に対する罰金およびその他の罰則を定める規定を含めるように、改正すること。

●専用駐車場について強制する手続きを定め、または強化する法律を制定すること。

●公衆に使用されるすべての施設には若干の専用駐車場が備えられなければならないことを定める条例を、各コミュニティで定めること。

●障害者である乗客の能力およびニーズに関して、ならびに、かかる乗客に対する適切な介護に関して、公共輸送および準輸送手段の要員を教育するためのガイドラインを作成し、ならびに、これらの要員を訓練する資金を設けること。

●障害者の輸送サービスに関する政策および検討の委員会その他の意見を決定する地位に、相当大きな割合で障害者を参加させること。

州各部門への勧告

●障害者の運転免許について、公平かつ効果的な手続きを作成すること。

●障害者および高齢者に対する交通サービスおよびプログラムの、州規模の調整または統合――資金面の調整または統合を含め――を行うこと。

B.決議

 諸決議は、ガソリン税および自動車税、地方交通および公共資金によって購入された車両の利用しやすさの義務づけに関連している。

 とくに、特別の装備をつけた車両のガソリン税および自動車税については、障害者に税の軽減が与えられるべきである、としている。利用しやすい地方交通手段の供給のための資本金のみならず運営費も、都市大量輸送行政(Urban Mass Transportation Administration UMTA)によってまかなわれるべきであり、しかも、UMTAの名前には、「地方」(rural)の語も含まれるものとすべきである、とされている。

 1978年1月1日以降、連邦、州およびまたは地方の資金によって購入されるすべての車両の利用しやすさを義務づける、連邦および州の法律が制定されなければならず、そして、これらの車両は、聴覚または視覚の障害を持った人たちに、適切な旅行情報を提供するように装備されていなければならない。

社会的問題Ⅶ 通信――技術、システム、および装置

A.勧告

連邦各部門への勧告

●聴覚障害の人びとのために、テレビに特定の受像機にだけ送信される字幕(closed captioning)をつけることを義務づけること。

●難聴のテレタイプ利用者に対して長距離料金を軽減するために、電話料金体系の調整を認めること。

●障害者のための通信システムおよび装置の基準の開発を調整すること。

●コミュニケーション障害者のための通信装置の配列を開発する研究に、資金をつけること。

連邦および州の各部門に対する勧告

●すべての通訳サービスの費用に補助金をつけること。

州およびその他の部門に対する勧告

●聴覚障害者の通訳に対する緊急の必要を満たすために、病院、警察、裁判所などによって利用される、通訳案内所(Interpratetion Bureau)を設けること。

●聾者と聞く人たちとの交流を促進し、また聾者たちに、その技能を向上させ、ボキャブラリィを増強する機会を提供する手段として、大学および成人教育センターに、手話学級(sign language classes)を設けること。

その他の諸部門に対する勧告

●旅行機関の要員に、障害を持つ人びとの特殊な旅行上のニーズについて周知させること。

●いろいろな障害の条件について大衆に周知させるために、広報の一貫したプログラムを開発すること。

●メディア産業における障害の条件を持った人たちの雇用を促進すること。

●障害者のための、妥当な価格の電話通信装置を開発すること。

●公共輸送のターミナルにおいて、視覚および聴覚によるアナウンス制度を開始すること。

●障害の条件を持ったすべての人びとが、通信の行われるメディアによって学習することができるように保障するため、地方学校区の変更を実施すること。

B.決議

 代表たちによって裁決された主たる決議は、すべての障害者に対する公衆電話の利用しやすさを保障するために、連邦および州政府は法律を制定し、また、連邦通信委員会は義務要件を制定するように求めている。

 もう1つの決議は、連邦資金の補助を受けるすべての大学およびカレッジが、手話と点字のコースを提供するよう義務づけられるべきである、と主張している。ある関連決議は、手話が、初等、中等、および後期中等教育レベルのすべての生徒のための語学コースとして、提供されなければならない、ことを要請している。

 視覚障害を持った人びとのためにする適当な資料のコピーに対しては、著作権料免除を与えることを、すべての出版者に義務づけるための連邦の法律を制定することを、代表たちは決議した。


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1978年7月(第28号)2頁~9頁