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盲ろう者のしおり1998-盲ろう者福祉の理解のために-

5 通訳・介助者(訪問相談員)

 単独の外出や他者との会話が困難な盲ろう者にとって、通訳・介助者(訪問相談員)の存在は欠かせません。前記のコミュニケーション方法の中から、自分のできる方法とその盲ろう者に適した方法とを組み合わせて、コミュニケーションと情報の保障(通訳)をし、移動の際にはその手引き(介助)をします。
 つまり、通訳・介助者は、盲ろう者と社会とをつなぐかけ橋になることができるのです。
 今後少しづつ「通訳・介助者(訪問相談員)」の数が増えて、全国各地の盲ろう者がいつでも自由に通訳・介助者の派遣が受けられるようになれば、盲ろう者の社会参加はもっと進んでいくことでしょう。
 そのために、ひとりでも多くの皆様に通訳・介助者としてご協力いただきたい、と願っています。

<まずは、盲ろう者に話しかけてみてください>

 「4 盲ろう者のコミュニケーション」でご紹介したように、盲ろう者とのコミュニケーション方法には様々なものがあり、個々の盲ろう者本人のニーズに応じだ方法が求められます。
 もちろん、全てのコミュニケーション方法に精通しているに越したことはありませんが、最初はとりあえず自分のできる範囲でひとつふたつ、そして慣れていくにしたがって新しいコミュニケーション方法を覚えていくのが望ましいと思われます。
 盲ろう者の大多数は手のひらに文字を書いて通じます。(手書き文字)
 とにかく盲ろう者の手をとって何か文字を書くことから始めてみましょう。

「○○(名前)です。はじめまして。」

 手話のできる方は、盲ろう者の手にふれて、自分の名前を手話で表してみてください。
 点字のできる方は、なんらかの方法で自分の名前を点字でうってみてください。ブリスタがあればブリスタのキーをたたいて会話を始めてみてください。

 また、通訳・介助者に障害があっても差し支えありません。例えば、聴覚障害のある方は、全体手話通訳をみて、それを盲ろう者に伝えることができます。視覚障害のある方は、会議の場でブリスタ通訳や音声通訳などをすることができます。

 「盲ろう者と話がしたい、友達になりたい」という気持ちがあれば、きっと相手の盲ろう者に伝わることでしょう。肩の力を抜いて、あなたのできる範囲でのこ協力をお願いいたします。

<各地の交流会に参加してみましょう!>

 現在盲ろう者とその支援者との地域活動の拠点となる「盲ろう者友の会」が全国各地に設立されつつあります。
 各「盲ろう者友の会」では定期的な交流会を開いているほか、会報の発行、各種研修会の開催などにより、盲ろう者と通訳・介助者が親睦を深め、コミュニケーションの訓練の場となっています。
 盲ろう者と実際に会ってお話をしてみたい方、通訳・介助者になってみたい方、その他様々な形で盲ろう者への支援をしてみたい方は、どうぞお近くの「交流会」をのぞいてみてください。様々なコミュニケーションの方法や通訳・介助の様子などを自分の目で確かめることができます。

(→20頁 参考資料3「盲ろう者友の会連絡先名簿」参照)

「交流会」の様子の写真


主題・副題:
盲ろう者のしおり 1998