障害者自立支援調査研究データベース 事業実施報告内容 平成20年度 通番号167


項目 内容
通番号 167
番号 51
年度 平成20年度
指定テーマ 【一般】
事業名 心神喪失者等医療観察制度における地域処遇推進のための関係機関連携に係る試行的実践事業
事業目的 「心神喪失等の状態で重大な他害行為をした者の医療及び観察等に関する法律」(以下「医療観察法」という。)について、対象者の社会復帰の促進の観点から、入院処遇から通院処遇への円滑な移行や通院処遇中の地域支援体制の確保はますます重要な課題となっている。
しかしながら、地域における支援システムは十分に機能しているとは言い難い。このような状況を踏まえ、本事業では、地域内における精神保健福祉センター、保健所、市町村等の公的機関と精神障害者を対象とする福祉サービス事業者、指定通院施設等の連携の在り方について、試行的実践を通じて現状を把握し、円滑で効果的な連携システムの在り方を提示した。
また、重症精神障害者の地域移行促進を実現するための連携モデルを示すとともに、全国に普及するための具体的・現実的マニュアルを作成した。
事業概要 ●事業A
試行的実践(フィールドスタディ)の場を東京都と千葉県として、精神保健福祉センター等の協力を得て精神保健福祉士により、①都道府県内の地域処遇における精神保健福祉センターの役割と取り組みの実際に関する把握、②入院指定医療機関が主催するCPA会議、保護観察所が主催するケア会議へのオブザーバー参加による関係機関連携の把握、③保健所、市町村、障害福祉サービス事業者、指定入・通院医療機関の担当者へのヒアリング、④①から③を通じての現状の課題の整理・とりまとめ、⑤効果的な支援システムの提示等の業務を行った。また、フィールドスタディにより得られた知見をもとに、地域処遇関係機関の従事者等を対象とした研修を東京と京都において2回開催した。
●事業B
事業実施機関において、「危機予防・危機介入チーム」を新たに発足し、集中型ケアマネジメント(Intensive Care Management)を用いて従来から存在する「継続地域ケアチーム」と組み合わせた地域ケアモデルを実施した。また、同モデルの普及のためマニュアル作成、研修会開催などを実施した。
事業実施結果及び効果 ●事業A
1.試行的実践の実施により、①各都道府県における医療観察制度への精神保健福祉センターの位置づけは、広域支援、困難事例への技術援助といった本来の機能からも明確にすべきこと、②医療観察制度の関係機関連携システム(ネットワーク)は、通常の地域精神保健福祉ネットワークの延長線上にあること、③当初通院処遇の場合や対象行為によっては、連携構築にやや困難を伴うこと、④医療観察制度上の処遇終了時を想定した早期の連携体制を確保し、処遇終了後の円滑な地域精神保健福祉システムへの移行に十分な配慮が必要なこと、⑤社会復帰調整官による地域処遇全体のコーディネートに加え、地域の側に医療・保健・福祉に跨るケアサービスの総合的マネジメントを担う人材を確保し、ダブルマネジメント体制を敷くことが有効であること、⑥地域の関係機関担当者を対象とした医療観察制度に関する研修や学習会の機会を身近な場で提供し、医療観察制度や対象者の支援者側の誤解や偏見を解消する必要があること、などを知見として得ることができた。
2.研修会の開催により、地域関係機関従事者の医療観察制度における地域処遇に対する関心と理解が深まった。今後、都道府県単位、障害保健福祉圏域単位などで研修を実施する際のモデルとして活用されることが期待される。
●事業B
各種の研修会を開催し、本事業において考案された地域ケアモデルおよび集中型ケアマネジメントの方法を多数の参加者に対して普及啓発することができた。今後、さらに成果物であるマニュアルの配布を通して、本地域ケアモデルの普及が期待される。
事業所/団体名称 社団法人日本精神保健福祉士協会
事業所/団体〒 160-0015
事業所/団体住所 東京都新宿区大京町23-3 四谷オーキッドビル7階
事業所/団体TEL 03-5366-3152
事業所/団体FAX 03-5366-2993
事業所/団体EMail office◎japsw.or.jp (◎を@に置き替えてください)
事業所/団体URL http://www.japsw.or.jp/
報告書 心神喪失者等医療観察制度における地域処遇推進のための関係機関連携に係る試行的実践事業 報告書
PDF
menu