障害者自立支援調査研究データベース 事業実施報告内容 平成19年度 通番号77


項目 内容
通番号 77
番号 2
年度 平成19年度
指定テーマ 【指定テーマ10】 精神科医療の機能強化に関する調査研究
事業名 医療機関スタッフに対するうつ病対策研修の在り方に関する調査
事業目的 今回われわれは抑うつ状態、うつ病等が自殺に大きな関連を持つことに着目し、危機対応(intervention)より以前の時点で事前対応(preintervention)の可能性を探るため、訪問看護スタッフのうつ病研修、トレーニングを行った後、当院の退院者の訪問看護利用者に対して“うつ病チェックリスト(以下チェックリスト)”を作成し、チェックリスト(試行)による聞き取り調査を行った。本調査により吟味されたチェックリストによるうつ状態の経時的変化の把握と、その有効性を検証する。
事業概要 当院退院患者に対して、抑うつ状態、うつ病が自殺に大きな関連を持つことに着目して、訪問看護スタッフがチェックリストを用いて患者の状況を経時的に把握し、いち早く危機介入を行うべきタイミングについての状況を予測することを試みる。
具体的には、2006年12月より自殺対策プロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトチームの医師による訪問看護医療に携わる全てのコメディカル(看護師・作業療法士・精神保健福祉士・心理療法士等)に向けての抑うつ状態、うつ病等への対応のための講義やビデオ等による研修を繰り返し実行し、調査者のうつ病に対する評価の均一化に努めた。その後、退院後に当法人の訪問看護施設3ヶ所を利用中の全ての患者を対象に調査した。
集まったデータの処理解析には専門家である広島大学名誉教授の正法地孝雄氏(生物統計学)に依頼した。
事業実施結果及び効果 うつ病チェックリストの12月、1月、2月の3カ月間の途中経過によると訪問看護(3ヶ所)の調査対象人数/うつ該当実人数は以下のごとくである。

【調査対象実人数】
(12月)
総訪問件数:2,523
ビジテ:302
ステラ:95
呉ビジテ:41
合計:438

(1月)
総訪問件数:2,626
ビジテ:302
ステラ:94
呉ビジテ:35
合計:431

(2月)
総訪問件数:2,742
ビジテ:314
ステラ:96
呉ビジテ:34
合計:444

【うつ該当実人数】
(12月)
ビジテ:31
ステラ:11
呉ビジテ:2
合計:44

(1月)
ビジテ:12
ステラ:8
呉ビジテ:3
合計:23

(2月)
ビジテ:6
ステラ:9
呉ビジテ:4
合計:19

施設別、性別、年齢階層別、疾患、名別、訪問回数、訪問時間帯、月別項目状況変移過程等の観点から分析を試みた。
その結果、12月にチェックリストでの該当項目数「0-2」状態であった対象者が3月にもやはり「0-2」である割合は0.97であり、一段階悪化した「3-5」状態に変移する割合は0.02であった。また、12月に「6+」であった者が3月にも同じ状態評価「6+」となる割合は0.05であり、その他は全て改善されている。
また、疾患別、経過別チェック項目数改善分布による考察を行った。
その他3ヶ月間の途中ではあるが評価項目と訪問回数との関係評価方法に対する問題等が窺える結果となった。
評価にあたっての安定性等が問題となり、初期段階での評価スタッフの(評価の仕様)安定性を充実させる必要を認められた。
事業所/団体名称 医療法人せのがわ  理事長 津久江 一郎
事業所/団体〒 739-0323
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