障害者自立支援調査研究データベース 事業実施報告内容 平成19年度 通番号95


項目 内容
通番号 95
番号 16
年度 平成19年度
指定テーマ 【一般公募枠】
事業名 精神障害者の自立支援のためのセルフ・マネジメントプログラム(Chronic Disease Self-Management Program, CDSMP)開発事業
事業目的 平成19 年5月から平成20 年3月まで、熊本大学医学部付属病院、くわみず病院、菊陽病院精神科外来へ通院する精神障害者31 名にCDSMP を実施し、介入前、終了時、3 か月後に、日常生活制限度、健康状態、疲労・痛み、セルフ・マネジメント行動、自己効力感によって比較した。また介入前の状態を介入群と対照群34 名の結果と比較し、精神障害者の自立支援においてこのプログラムの有用性を検討した。
事業概要 平成19 年5月から平成20 年3月までの間、熊本大学医学部附属病院、くわみず病院、菊陽病院の精神科外来へ通院し、調査およびCDSMP への参加に同意が得られた精神障害者31 名(CDSMP 実施群,統合失調症・認知症をのぞく18-65 歳の気分障害、不安障害、適応障害、身体表現性障害等)と調査に同意は得られたがCDSMP へ参加しない精神障害者34 名(対照群,18-65 歳で診断はCDSMP 実施群と同じ)を対象とした。CDSMP 実施群には、CDSMP を1 週間に1 回3時間、計6 週間、18 時間提供し、これを1クールとした。1クール6 回の参加者は同じ対象者で、1 クールにつき10 名までとし、6クール実施した。CDSMPはリーダー資格を取得しているリーダー2名、うち1名は精神科看護師としての経験5年以上の者が行なう。CDSMP 実施群6クール31 名、対照群34 名(CDSMP を実施しないが、CDSMP 実施時期にあわせ、10名ずつ6クール60 名の調査対象者を募り)に調査を行った。調査は実施軍にはCDSMP 実施前、6回終了1 週間後、終了後、3ヶ月後に郵送法にて実施した。質問紙は、自己効力感、日常生活機能評価用紙、病気に関するセルフ・マネジメント行動、病状(SOC,HADS)、再入院日数・入院にかかるコスト記載等の対象者特性質問紙を用いた。さらにCDSMP 実施群には、研究者による参加観察を行い、介入効果の質的分析を行う。そして2 群間で、自己効力感、日常生活機能、病気に関するセルフ・マネジメント、病状、再入院日数、入院に関するコスト削減を比較する。調査は日本慢性疾患セルフマネジメント協会および熊本大学医学薬学研究部、くわみず病院、菊陽病院の倫理委員会で承認を得た後に実施し、調査対象者には調査の目的、趣旨を説明し、個人・施設が特定されないこと、また結果を公表していくがその場合も個人や施設が特定されないことを伝え同意を得た。
事業実施結果及び効果 介入群は39.87 歳、対照群は36.24 歳、入院回数は介入群に多く、初発年齢も介入群が有意に低かった。また介入群は有意に若かった。また介入群の方がひきこもりが強く運動が少なかった。全般的健康状態、症状、日常生活動作、日常生活において、終了後と退院3カ月後では有意な変化はみられなかったが、改善がみられていた。これらの結果から精神障害者へのCDSMP は、患者の運動や日常生活を改善する効果がみられていたが、自己効力感やセルフ・マネジメント行動の有意な改善には至らなかった。
事業所/団体名称 NPO 法人日本慢性疾患セルフマネジメント協会
事業所/団体〒 108-0074
事業所/団体住所 東京都港区高輪3-22-12 全社連研修センターオフィス2 階
事業所/団体TEL 03-5449-2317
事業所/団体FAX  
事業所/団体EMail info◎j-cdsm.org (◎を@に置き替えてください)
事業所/団体URL http://www.j-cdsm.org/
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