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厚生労働科学研究・障害保健福祉総合研究成果発表会

みて、きいて、はなしあおう、元気の出る話

地域移行・本人支援・地域生活支援 東京国際フォーラム

分科会2「地域で自立して生きていくために」

  ありがとうございました。今日は、Hさんだけではなく、Aさん、オレンジ色の車いすのJさん、赤い電動車椅子のQさんが「ぽぽんた」のメンバーとして来ています。Aさんの説明の中であった「オエヴィス」という生活ホーム、それからAさんの103号室というのは、前はJさんが住んでいた部屋です。Jさんは、「ぽぽんた」活動として、みんなで一緒に不動産回りをしていました。一人だと出足が鈍かったため、みんなに応援してもらって、不動産回りをしていたのです。その後にAさんが入ってきました。Qさんももうじき新しいアパートが決まりそうだと聞いています。「ぽぽんた」ではいつもは親にやってもらっていて乗り方がわからないので、電車に乗るのも自分たちでやっていこう、自分たちで失敗しながら覚えていこうじゃないか、ということでずっと続けてきました。ほぼ同じメンバーで何ともう10年以上にもなりました。大体いろんなことをやりつくしてしまったようです。そこで今はやりがいを探すとか、仕事に近いことをやってみようとか、お互いに助け合う自助グループみたいなものになるなど、形が変わってきています。職員が入ったり、ボランティアが入るなど、いろんな立場の人がかかわることで、「職員」と「職員が世話をする人」という関係だけで終わらないようになってきています。結構無責任な人がたくさんいることによって、ごちゃごちゃごちゃとやっています。

次に、「ぽぽんた」の説明をQさんにしてもらいます。

  先ほどから名前が出てきています、Qです。私も最初のころ、友達が「わらじの会」に入っていて、その友達の紹介で「わらじの会」を知りました。「わらじの会」の中でも自立体験プログラムをやるから参加しないかということがきっかけで今までやってきました。今度大袋のアパートがやっと決まって、これから引っ越しです。J君が、「ぽぽんた」の活動を通してアパートを探してもらったという話が出ましたが、私も「ぽぽんた」の人たちに手伝ってもらって探すことができました。今は越谷市の「くらしセンター・べしみ」の上にある、生活ホーム「もんてん」というところに住んでいます。そこを出て、今度大袋のほうに引っ越しをします。

  僕は「わらじの会」で、「ぽぽんた」にある自立生活プログラムを、今から15年前に始めました。そのころはもう家庭訪問をしてメンバーを集めて、とにかく外に出かけることを目的に始めました。自分たちの生活を話し合ううちに、お互いの生活を共に考え合うグループになっていきました。そういうメンバーのグループですが、これから何をやっていくかとか、こう動いたほうがいいとかは、メンバーだけでは出てきにくいところがあって、職員とか僕みたいなメンバーが参加することによって、「ぽぽんた」は活動をしてきています。

  今、「ぽぽんた」にはいろいろな方が入っています。たぶん、それによってプライバシーが守られないこともあるだろうし、逆にいろいろな顔を持てたり楽になっているところもあるだろうと思います。そんなことも含めて話していけたらいいなと思います。

この後もう少し、質問をいただいて、お昼にしたいと思います。

  質問はありますか。

  A君はお金がゼロに、Cさんと電車に乗って、A君はお金がゼロになりました。お願いします。A君は、「オエヴィス」で、Cさんと……、A君は「オエヴィス」に住んで、A君のお金がゼロ……。A君とお金がゼロ……お願いします。

  CさんはA君と知り合いですよね。

  違う。

  違うの? (笑)ひょっとしたら、帰り、電車賃の相談に乗るよという話ですか。違うんですか。

  A君……

  じゃあ、ごめんなさい。よろしいでしょうか。

  はい。

  ほかに質問ありますか。Tさん、お願いします。

  ありがとうございます。この「わらじの会」というのは、ちょっと聞いただけでよくわからないんですけど、「妖怪団」とか「パタパタ」とか、今、何名ぐらいの会員さんがいて、知的だけじゃなくて身体の方もいるということなんですが、どういうメンバーなんですか。お願いします。

  活動を始めてから28年目に入ります。「わらじの会」とはいうものの、会則とか会費とかが全くありません。来たときが会員みたいな形をとっています。「わらじの会」というのは28年前に、当時の住民運動みたいなことをしているグループとかボランティアグループみたいなのが一緒になってできました。例えばそれまではボランティアさんと障害を持つ人が土日に出かけたいみたいな話をしていたのが、やっぱり毎日みんなで集まれるところが欲しいなとか、「じゃあ、デイケアがあったらいいよね」といった流れで、デイケアができていったりしました。例えばAさんが住んでいる「オエヴィス」であれば、KさんとかLさんとの関係で生活ホームが分家として建てられていったという感じです。メンバー、職員、当事者、さまざまなスタッフを合わせるとだいたい150人ぐらいいるんじゃないでしょうか。当事者、健常者、ボランティアとかの割合というのは、ちょっと数えたことがないのでわからないんですけれども、とにかくいろんな人がまじっている団体です。答えになったでしょうか。

  はい。では、かなり出入りは自由なんですね。

  そうです。何かほかにご質問ある方、いらっしゃいますか。

  わらじの家では、主に何の仕事をやっていますか。

  今は、バザーのビラ。今度、市役所の裏の第一公園でバザーがありますね。そのビラを春日部駅西口? 東口? どっち? Iさん、どっち? 西口と、それから武里駅東口、せんげん台西口で、ビラをまいているんですけど。補足をお願いします。

  今、話を聞くと、年がら年じゅうバザーをやっている団体みたいなんですけど、そういうわけでもなくて、活動の拠点は、「べしみ」とか「パタパタ」とかいろいろありますが、Aさんは今、「わら細工」でも働いているんです。人材派遣の部署でちょっと働いたり、介助者を探す事業所で介助者を雇って一緒に仕事をしたりとかしています。通所の授産の施設みたいなところでは、パンを焼いたりとかもしています。

私たちは仕事中心というよりも、外に行ったり、人を前にしてこうやって迷ってみたり、そういうことの方が大事じゃないかなと考えています。なるべく外に出て、普通に社会の中に入っていって、トラブルに出会ったらどうしようか、みたいなことを主な活動としています。とにかく普通にまちに出て行くという活動です。ですから、仕事として持っている人もいるし持っていない人もいます。ちなみにIさんは、作業所のパート職員です。Hさんは、年金をもらって親御さんと暮らしています。僕は職員なので、就労支援センターとか、「べしみ」という通所授産施設で仕事をしたりしていますが、そこで給料をもらっています。Aさんは?

  生活保護で暮らしています。

  そんな感じで、とりあえずばらばらな感じです。

  この間自立支援法案が通りましたよね。授産所では給食は無料だったのですが、今度は5千円かかると言われています。少ないお金がまた少なくなっちゃって、給料がゼロになるんですよね。このことをどういうふうに考えていますか。お願いします。難しいですか。

  すごく嫌な法律が通ってしまって……残念です。自立支援法案はすごく大事な法案ですが、内々であまりまじめに議論がされていません。昨日も学生さんから、「じゃあ今の時期、何をやっているんですか」と聞かれて困ってしまいました。そのときに話した内容というのは、どちらかというと、社会の中で障害を持っている人と持っていない人がまじって暮らしていくときに、はじかれている現場がたくさんあるということです。「あなたたちは養護学校へ行きなさい」とか、「作業所に行きなさい」と言われて地域から締め出されている現状があります。今はそういうところに出て行く活動を主にしていますので、そちらのほうが結構いっぱいいっぱいな感じです。確かに自立支援法はすごく大事なのですが、どちらかというと今入れていないゾーンに入っていくことを仕事としていますので、残念ながら、まだ手つかずという感じです。これからたぶん困ると思います。逆に教えてもらったり、勉強させてもらいに行ったりすることがあると思いますが、よろしくお願いします。

  よろしくお願いします。

  ほかにいらっしゃいませんか。そろそろ12時を回りましたので、昼食休憩ということにしましょう。なるべくたくさんの方とお話できたらいいなと思っています。午後は1時から、またこの会場で行いますのでよろしくお願いします。(拍手)