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2004年度サムハル社(スウェーデン)年次報告書

-移行の増加と病欠の減少-

サムハルにおける従業員の能力開発プロセス

サムハルの使命は、雇用を通じた個人の能力開発を基盤としており、採用、能力開発及び移行の三要素からなる総合的な 従業員開発プロセスが設けられている。このプロセスは従業員によって異なるが、その目的は常に変わらず、 個人が自信をつけられるよう支援し、動機付けを行い、ソーシャルスキル及び職業技術を提供することである。

全ての採用は職業紹介所を通して行われているが、全国労働市場委員会(AMS)との共同で、採用基準が保障されている。 試用期間を設けた雇用も多く、求職者と職業紹介所及びサムハルとが協力して明確な雇用の目的を設定する。

従業員は、仕事と自分自身の能力開発に対する個人的な責任とを引き受けることによって、積極的な役割を果たす。 そして毎年少なくとも1回は評価面談を受け、目標や活動を明確にした開発計画を更新する。このオリエンテーションの後、 従業員は広い範囲の基礎研修プログラムの中から、サムハルの事業における様々な職業のために必要なプログラムを選択することができる。

最終的な目標は、可能であればサムハル以外で仕事に就くことである。サムハルは各従業員のニーズに基づいた様々な活動を優先させるために 「意欲と能力モデル」を利用している。このような活動の一つとしては、個人の能力、長期目標および目標達成のための計画の定期的な再評価 (勝利を目指す活動)があげられる。その他の活動には、個人或いはグループの自信や動機の強化(上を目指す活動)や、 個人或いはグループでの職探しの奨励(転職を目指す活動)がある。サムハル以外の雇用機関へ移行する者は誰でも、 12ヶ月間はサムハルに復職する権利がある。その間、サムハルは移行の様子を監督し、移行した従業員と外部雇用機関とを支援する。

価値創造の時間

2004年、サムハルは雇用状況の分析調査を実施した。これは、個人の開発計画の中に、製造にかかわる活動と並行して、 「価値創造の時間」という能力開発の活動を設ける考え方に基づいて行われた。2004年の調査の結果、実際雇用されている場合と 様々な開発プロジェクトに参加している場合を含めて、平均で93%の雇用率となった。言い換えれば、調査対象のうち7%の人々は、 雇用や開発プロジェクトに全く関与していなかったことになる。

サムハルは2005年度、この調査を1ヶ月おきに実施する予定で、2005年の従業員開発目標によれば、 出勤者の10%は研修や健康プログラム及び内外の実習などの能力開発活動に参加し、残りの90%は、生産に携わるようにするとされている。

2004年 達成された目標

サムハルの従業員1000人当たりの障害のある従業員数

表は、サムハルの事業が、特に労働市場が全般的に脆弱な地域に重点をおきながら、スウェーデン全土に渡っていることを示している。

個人的な能力開発はサムハルの各従業員によって異なっている。その目的は、自信、動機、ソーシャルスキル及び職業技術を継続して強化していくことである。

障害別割合

サムハルではどのような人が働いているか?

サムハルには約24000人の従業員がおり、およそ22000人が一つ或いは複数の障害を抱えている。 障害には、身体的、精神的、知的及び社会医学的なものがあり、遺伝によるものもあれば、労働中の怪我、 事故、アレルギー、精神病、薬物或いはアルコールの乱用その他の原因によるものもある。

職業紹介所は失業中の障害のある求職者をサムハルに紹介する。つまり、このような求職者は、一般の仕事ではなく、 障害のある求職者だけを対象とした仕事へアクセスできるわけである。

障害問題協議会

障害者団体との連絡はサムハルにとって重要である。このような協力活動を展開するためにサムハルは、 「サムハル障害問題協議会」を設立した。協議会は参加者が情報交換でき、協力方法を開発し、共同プロジェクトを開始することができる場である。

全国規模

サムハルはスウェーデン全都市で障害のある従業員を雇用している。そのビジネス哲学は、 「ニーズがある所ならどこででも」利用できるということで、そのために、サムハルは全国で仕事の機会を公平に提供できるよう努力している。 この目標の達成に向けて、サービス業の仕事数が増加しつつある一方で、常設の工業ユニットの数は減りつつある。

個人開発計画

障害のある各従業員は個人開発計画を立て、常に更新している。この計画は評価面談に基づいており、 サムハルの従業員開発プログラムの一環として、全従業員が毎年最低一回は面談を受けなければならない。

2004年度は、93(前年度88)%の障害のある従業員が少なくとも1回の評価面談を受けた。面談を受けた男女の割合は同程度であった。

研修:中心的な課題

サムハルは学習団体であり、そのため従業員の能力開発においては研修が中心的な課題となる。 2004年度の目標は従業員が平均最低50時間の研修を受けるということであった。年度末に雇用されていた従業員は平均47時間の研修を完了し、 それは総計で102万2千時間になった。この数字には年度中にサムハル以外で働くため移行し、退職した従業員の研修時間は含まれていない。 移行の前にはかなりの量の研修及び開発課題が実施されることが多い。

学習を促進する実習期間

実習期間を設けることは、各従業員の能力開発における重要な部分となっている。 サムハルの職場が実習に利用されるが、このような内部での可動性が学習効果を高め、 生産の場における従業員のニーズを満たすために必要なのである。

外部機関での実習は、サムハル以外の雇用機関に移行する際、その準備としてよく実施される。 更に、受注が遅れるなどしてサムハル内での仕事がほとんどないときには、外部機関で実習することにより、 外の世界で必要な知識や、職を得る機会及び求人の需要があるかどうかに関する知識を、内部での実習に比べて多く得ることができる。

2004年度は、年度末時点で雇用されていた従業員のうち2028人、9.2%の人々が外部の実習に参加していた。

優先順位の高いグループからの採用が躍進

2004年度は、職業につく上で障害がある新従業員のうち、49%が優先順位の高いグループ、すなわち、 知的障害、精神病或いは重複障害のある人々の中から採用された。この結果、サムハルは2004年度の目標である、 最低40%を達成した。サムハルは2028人の従業員を新たに採用したが、そのうち1000人は優先順位の高いグループからの採用で、 新従業員の42%は女性であった。

病欠の減少

サムハルにおける障害のある従業員の病欠は減り続けており、2004年度には前年度に比べて約2%減少し、 17.3%(前年度19.2%)となっている。男性よりも女性のほうが病欠の割合が高いが、男女両方の障害のある従業員について病欠の減少が見られた。

従業員の平均年齢が比較的高いということが、高い病欠率に関与しているとも思われるが、 サムハルの病欠率は常にスウェーデンの平均を上回っている。長期間の病欠(60日以上)は全病欠の半分強を占めている。

2004年の優先順位の高いグループからの採用の内訳

契約期間中の病欠の割合

サムハルの障害のある従業員の内、93%は年度中少なくとも1回は評価面談を受け、平均47時間の研修を受けた。 更に2004年度中約9%が外部の実習に参加した。サムハルでは病欠は減少している。

サムハルにおける従業員の能力開発

サムハルでウェイターになる修業をしたマーティン

「ノーベル賞の受賞パーティーで働く230人のウェイターの一人に選ばれたと聞いたとき、 宝くじを当てたように感じました。」ストックホルムにあるサムハルのレストランで5年間働いているマーティン・ダニエルはこう語った。

「私はここサムハルのレストランで、ウェイターになるために知っていなければならないこと全てを学びました。 最初は楽しめるかどうかも、レストランでうまく働けるようになるかどうかもわかりませんでした。」

マーティンは、特に直接指導に当たった指導官から、この仕事を始めるにあたってすばらしい支援を受けたと感じている。 マーティンは成功するために必要なこと全てを備えていると、指導官は確信させてくれたからである。

「指導官は本当によく励ましてくれましたたし、この仕事についてよく教えてくれました。私は自分のペースで覚えられたので、 何もかもがとてもうまくいきました。私はストレスをコントロールできないので、サムハルのような職場が合っているのです。」 現在夜間もアルバイトをしているマーティンは語った。

「ときどき、ストックホルム市役所に夕食の給仕を手伝いに行きますが、それが本当に楽しみです。」マーティン・ダニエルは誇らしげに、明るく語った。

マーティンはサムハルのレストランで5年間働いている。ノーベル賞の受賞パーティーで給仕するウェイターに選ばれ、宝くじを当てたように感じたそうだ。

高齢者に一歩進んだ介助をするトミー

2004年末、トミー・ヘンリクソンは、サムハルが後援する2年半の介護士研修プログラムを終えた。

「すばらしいプログラムでした。」トミーは語った。「役に立つ情報や助言をたくさんもらったので、 健康管理に関わる介護をするとき、これまでより自信を持って仕事ができそうです。」

サムハルが3年前にトミーを採用して以来、トミーはずっと市の介護付老人ホームで働いている。

2001年以降、サムハルとヘルネーサンド市は共同で高齢者の介護の質を向上させる計画を立てた。 同市では35人のサムハルの従業員が高齢者の介護をする正規の職員のアシスタントをしている。

「私は入居者の朝の起床や食事、入浴を手伝ったり、また入居者を歯医者や美容院に連れて行ったりします。 これは全て、高齢者に一歩進んだ介助をしているということです。」トミーは語った。

「サムハルで働き始める前は、この町の重工業の会社で働いた後、10年間失業していました。 私は糖尿病と心臓病を抱えていて、ゆっくりしたペースで働かなければなりません。それから非常に堅実な 仕事をしたいと思っていました。サムハルでは自分に合った方法で仕事ができますし、何よりも嬉しいのはお年寄りの皆さんに喜んでもらえる所です。」

「研修は実習が中心でした。私は読むものが多いと覚えられないので、それが前提条件でした。読むことでは集中できないのです。 研修では自分が正しいことをしているというフィードバックを十分得られたので、仕事に関して以前より自信を持てるようになりました。」

トミーはお年寄りをベッドから起こしたり、入浴させたり、歯医者に連れて行ったりする仕事を手伝っており、 「お年寄りには一歩進んだ介助をしなければなりません。」と語った。

12年間病欠無しのエリザベスとビルイッタ

エリザベス・フォークはサムハルで15年間正社員として働いており、一日も病欠したことがない。 「ここが大好きなので、健康でいられるのでしょうね。仕事があったら、それは続けなければならないでしょう。それが私の心構えです。」

エリザベス・フォークはファルスタの図書館サービス会社で働いている。サムハルはそこで何年もの間統合事業を行っており、 従業員は図書館で貸し出す図書に丈夫なカバーをかけたり、図書カードを差し入れるポケットを備えたりしている。 時には届けられた図書に誤植があり、あるページだけ差し替えなければならないこともある。そのような場合、図書を製本し直す準備をしなければならない。

「仕事はいろいろあるので、変えたいときには変えています。」エリザベスは語った。「いつも何かやることがあって、 それが気に入っています。さもなければ退屈してしまうでしょう。私たちは一日2回の運動休みをとり、 毎週健康散歩に出かけます。これがいいですね。もっとも私はいつも散歩に行くわけではないのですが。」

エリザベスは仕事を持つことがいかに重要か、何度も口にした。「仕事をしていれば、仲間ができるでしょう。 でも給料をもらうことも大切です。自分がお金のために何かしたという気持ちを味わいたいのです。そうするともっと楽しくなるのです。」

エリザベスのように、ビルイッタ Salomonssonも12年以上ここで働いているにもかかわらず、一日も病欠したことがない。

「私は水を得た魚のようです。」ビルイッタは語った。「楽しい仕事と仲間がいます。もし仕事を持っていなかったら、ひどく退屈でしょう。」

「ここでできるだけ長く働き続けたいです。決まった仕事があるのはよいことですし、仕事があるから、余暇もあるのです。 家に帰ると刺繍をしたりテレビを見たりしています。」ビルイッタはこう言って、通りかかった仲間と冗談を交わした。

グループ代表として、プレマ・オスカーソンは日々の仕事を分担し、仕事がうまくいっているかどうか確認する。

「いつもやることがたくさんあります。ここで働いている人の中には他の人より簡単な仕事が必要な人もいます。 でも誰もがよい仕事をしていると感じられなければなりません。そしてそれぞれが適切な仕事を任され、能力にあった仕事をすることが重要です。」

プレマは1997年からサムハルで働いている。それ以前は、およそ10年間パン屋として働いた後、重い腰と肩の障害に悩まされていた。

「私は1988年にスリランカからスウェーデンに来ました。サムハルでは障害があっても働き続けることができます。 それに私は働いて自立したいのです。ここでは自分が思うように仕事を変えることができますから、重い物を持ち上げずにすみます。 それにグループ代表として働くのは刺激的です。」プレマはこう語り、パート社員の仕事を手伝いに行った。

エリザベスとビルイッタは、サムハルの統合事業の一つである図書館サービス会社での仕事を楽しんでいる。二人は12年間一日も病欠をしていない。

毎年約1000人の従業員が他の雇用機関で仕事を見つけ、サムハルを去っている。

サムハルは2004年度政府の定めた最低5%の移行率という条件を満たすことはできなかったが、前年度よりも数字を伸ばし、 4.6%(前年度4.3%)を達成した。かつては下降していた傾向を2004年度は覆し、983人の従業員が移行した。 そのうち35%は女性であった。移行者は今も男性の方がはるかに多い。

サムハルは他の雇用機関で仕事を見つけ移行する人々の支援を最優先している。

あらゆる障害の人々が移行しているが、障害のある従業員全体の中で、精神障害或いは知的障害の人々の移行は少ない。 移行者の中では、移動に関する障害のある従業員の割合が高い。

部門別に見て、統合事業/人材派遣事業からの移行率が最も高かった(6.4%)。 これらは主に、サムハル以外の職場での仕事であるため、従業員がすでに自然な形で統合されていることによる。

移行の際には賃金補助金が重要な必要条件となる。移行の74(前年度72)%は賃金補助金を利用することによって実施され、 26%は補助金無しで行われた。

ほとんどの移行(79%)は民間企業への転職であり、10%は市及び政府の事業への移行であった。従業員の合計46%は、 サムハルにいた頃と同じ産業部門で再雇用され、54%は移行に当たって産業部門と仕事が変わった。

民間企業に移行した従業員は、1年間はサムハルに復職する権利がある。2003年度、移行先から復職した割合は34 (前年度38)%であった。このように、移行先にとどまる率は前年度に比べて増加した。

2004年度は、移行者の70%は、賃金補助金を受領している雇用機関での仕事についた。

移行とは、正規の労働市場における雇用機関で雇用されることを意味する。移行として計上されるには、 従業員がサムハルで正社員として働いていたことが前提条件となる。

特別雇用支援

期間限定雇用を含む実験プロジェクトとして、5つの地域で特別雇用支援が実施され、86名の従業員が参加し、 15%が民間企業に移行した。この移行では、女性の割合が高かった。これらの実験プロジェクトは、 仕事が一時的なものであり、雇用の前に「オリエンテーション週間」が設けられていること、そして明確に移行に焦点が当てられていること、 更に調整を担当する指導官がおり、毎月グループでのフォローアップが設定され、グループのメンバー同士で支援しあうことなど、 他の事業とは異なっている点がある。

賃金補助金の有無と移行

移行先

自動車教習所で念願の仕事を見つけたアザド

アザド・コシュヒッドは、昨年サムハル以外の雇用機関へ移行した一人である。アザドは5年間サムハルで働いた後、 オレブロの自動車教習所で念願の仕事を見つけた。

アザドは1990年代初めにクルジスタンからスウェーデンにやってきた。クルジスタンでは会計士だったが、 スウェーデンではパン屋で働いた。しかし腰を痛めて働けなくなった。

「ありがたいことにサムハルで仕事を見つけられました。エリクソン社のバッテリーを組み立てる仕事を2,3年していたのですが、 いつも自動車教習所の教官として働くことを夢見ていました。」

アザドと指導官はこの目標を達成するための計画を立てた。そしてカールスボリィで1年間の集中的な研修を受け、 その後2,3の自動車教習所で実習した後に、オレブロのセーデルバックス自動車教習所に就職することになった。

「サムハルと指導官は、私が新しく勉強を始め、就職するまで、大きな支えとなってくれました。」 アザドは語った。「このプログラムのおかげで、今、自分が楽しめる、とても有意義な仕事をしています。」

アザドは昨年他の雇用機関へ移行し、オレブロの自動車教習所で念願の仕事を見つけた。

より安全な職場を実現するための一般的な手段

サムハルは雇用対象となるグループに適したビジネス計画を選択しなければならない。 様々な職務について、それを実施する人に求められることを系統立てて分析することにより、 ビジネス開発のしっかりとした基盤が築かれ、各従業員ができるだけ適切な職務に就けるようにすることができる。

職場環境に対する組織的なアプローチ

活気があり、かつ安全な職場、また従業員のニーズと必要条件を満たす職場を設計するために、 サムハルは、職場環境の改善に組織的に取り組むにあたり、改善のための手引きと一般的な手段の両方を適用している。 サムハルは、職場では様々な要素により労働災害の危険が増すと信じている。

  • 様々な障害により、負傷する危険が増す。
  • 従業員によっては危険を分析したり指示を理解したりするのが難しい者もいる。
  • サムハルの主要な内部改革により、多くの従業員が不慣れな状況で緊張を強いられつつ仕事をしており、事故の危険が増している。
  • サムハルでは、女性が従来の重労働や、より身体への負担が大きい男性的な仕事に関わる割合が他の雇用機関よりも高いので、女性が負傷する危険が増す。

サムハルにおける労働災害の減少

以前はサムハルの従業員が負傷する率は全国平均よりも幾分高いと報告されていた。 しかし他の大企業に比べて、サムハルの労働災害は減ってきており、この傾向はケータリング、 自動車製造、高齢者介護及び郵便局での仕事などで認められる。

労働災害は男女両方について減少している。最も一般的な怪我の原因は転倒と荷物の積み過ぎである。積荷に関する問題は、職業病の主な原因にもなっている。

手順の変更

仕事を個人の状況に合わせて変更することは、数あるサムハルの従業員開発手段の一つである。通常は、チームの他の従業員からの支援と、 仕事の手順を変更することによる援助があれば十分である。

全ての地域で、従業員が仕事と余暇の両方を更に充実させられるよう、病欠を予防し、従業員の身体能力を増進するための積極的な 健康キャンペーンが実施されている。
本年度の計画例:

  • リハビリテーション方法及び様々な仕事が個人に対して要求することの査定方法に関する、指導官を対象とした研修
  • 運転者向けの交通事故を減らす方法の研修
  • 組織的な防火安全研修
  • 各地域に健康管理担当者を任命

従業員1000人当たりの労働災害件数

声でコンピューターを操作するアルフ-仕事の手順を変更した一例

アルフ・シェディーンは重度の多発性硬化症(MS)にかかっており、麻痺がある。 しかしエステルスンドのサムハルで、特別に設置された音声制御コンピューターを利用して絵をスキャンする仕事ができる。

「私はコンピューターに向かって話し、いろいろな音声コマンドを与えます。コンピューターは私の声に反応するようプログラムされており、 3万語を理解することができます。」

現在アルフはエステルスンド市博物館のデータベース用に、古い絵をスキャンする仕事をしている。

「仕事はおもしろいです。多くの絵を通じて、歴史の一部を学ぶことができますし、刺激的です。」

音声制御コンピューターに加えて、アルフは一日中仕事を手伝ってくれる介助者の支援も受けている。

アルフは多発性硬化症のため麻痺がある。しかしエステルスンドのサムハルで絵をスキャンする仕事ができる。