機能障害の学生について 教師及びその他の職員のためのガイドブック
第3 各学課の責任
利用しやすさとは、大学の物理的な利用しやすさのみを指すのではない。大学の環境全体が機能障害の学生にとって利用しやすいかどうかという問題なのだ。それには情報、サービス、試験方法の選択肢、利用しやすい図書、社会的活動も、柔軟で利用しやすい教育も含まれる。 機能障害の学生が勉学において成功するかどうかの決め手となる要素は、受け入れ態勢である。 『当大学は全ての学生を歓迎する』ことを証明する簡単な方法は様々な状況に対して柔軟に対応する空間を備えた、積極的な姿勢である。 多くの場合機能障害の学生と最初に連絡を取るのは大学の職員(教師、スタディーカウンセラー等)であり、時には職員が最初にその障害に気が付くのが授業時ということもある。 最良の方法は、コースの計画時にはすでに様々な機能障害者にとって利用しやすいように準備がなされていることである。機能障害の学生にとって良いものは、全ての学生にとって良いものである。 視覚障害の学生用には手で触って見ることのできる、キャンパス全体の地図がある。それをぜひ自分の携帯用に学課まで注文してほしい。それは例えば図書館やざりがに王国(女性研究専門図書館) に行く重度の視覚障害の学生に道を示す大きな助けになるかもしれない。
学課のコンタクトパーソン
各学課には機能障害の学生と連絡を取ることに特別な責任を負うコンタクトパーソンがいる。通常は学課のスタディーカウンセラーがコンタクトパーソンになる。様々な学生がいる為、その方が学生に担当職員や受付時間を紹介しやすい。それは学科選択及び各学課毎の科目に関する指導やその他の情報伝達についても言える。 また個人的、選択的な試験を学生が必要とした時に試験監視員を用意した場合や、準備や情報のために試験官またはその他の教師に連絡を取った場合にもそうである。 障害者サービス部に誰がコンタクトパーソンで、いつ交代が行われるのかを告知すること。
機能障害者の学生に対する指導
ストックホルム大学には、役員会が1995年4月28日に制定した、大学の指導についての目標文がある。 この目標文で特に強調しているのは、受講科目における学習の計画と112実施に関連する熟練者の指導である。機能障害の学生の指導にあたって我々が経験から知っているのは、機能障害の学生は多くの場合彼らの機能障害に関して特別な要望を持っている為、スタディーカウンセラーはそのような他の局面をも考慮しなければならないことである。指導は学習条項、学生の機能障害、現状に対する環境整備の必要性の間の相互作用を分析するところから始めるべきである。それは学生にとって、何はともあれ勉強をできるようにする為の、大事な鍵となるであろう。 個人的な対話に重点を置くことは、大変大事である。それが信用と信頼のある関係に大きく影響する為である。 決定と選択に関しては、常に学生の自己の独立性(integritet)と自己決定が尊重されなくてはならない。 スタディーカウンセラーは、指導においては必要であっても、事実だからという理由でも、個人的な事柄に触れる際には慎重でなければならない。 学科のコンタクトパーソンまたはスタディーカウンセラーは、学生が授業に出て、より容易に学ぶことができる様々な対応があることを伝えるべきである。 機能障害の学生に、彼らの為に準備されている特別なハンドブックがあることを伝えるべきである。このハンドブックは障害者サービス部が送付してくれる。 それによって学生は、障害者サービス部と連絡を取る前に準備をし、自分に必要な支援についてよく考えることが容易になるものである。 学生課の障害者サービス部が(診断書に基づいて)各学生の為に発行する、推奨される支援処置に関する証明書は、学生の為にコンタクトパーソンが保存することもできる。 コンタクトパーソンが、関係する各教師達や学生が参加を予定しているコースで授業を行う職員に、彼らが事前に授業のテキストや講義形態が学生の状況に適するように整えられるように、仲介したり情報を伝えたりすることができるからである。 ほとんどの場合学生はスタディーカウンセラーや学課のその他の職員に連絡をし、講義の計画や次の授業段階用の文献リストを事前に受け取るなどの実務的な情報について話し合う。 例えば学生が読書障害者で録音図書、点字図書、e-テキスト図書または拡大図書が必要な場合は彼らはそれぞれのコースの始まりに備えて図書の作成が事前に間に合うように予約をしなければならない。もしその文献の録音図書がない場合、その作成には8週間かかるのである。 それゆえ学生は間に合うように、紹介された関連する文献のリストがあるかどうかを確認しなければならない。録音点字図書TPBに関するさらに詳細な情報はその項目を参照。
証明書
障害者サービス部と学生は、学生の身体状況に最も適した支援形態について情報を交換し、話し合い、『推奨される支援措置に関する証明書』を作成する。 機能障害の学生は試験形態の選択権等を持っている。しかし学科の内容によっては試験を推奨された方法で行うのが困難なこともある。 これは試験官が、現行のコースに最も即した試験ではあるが、学生個人の必要に応じ、容易かつ遂行可能な試験形態を常に決定しなければならないことを意味する。 学課内の職員または教師が、証明書や推奨された支援形態に関して何か考えがある場合には、必ず障害者サービス部の担当職員に連絡を取らなければならない。 多くの場合関わる人々には、報酬が支払われる。登録の中にはそれが必須のものもあるからである。しかし学生が彼らの機能障害を立証する医師による証明書を示すことができない、または示すのを拒否した場合にはどんな報酬であれ支払われない。
コースプランの調整または試験証明書の内容
もしあるコースまたはコースの一部分が、機能障害の学生が、その障害の故に参加できるかどうか、またそこから得るものがあるかどうか判定できないような内容であった場合、学習を始めるかどうかについて関係部局と話し合い、明白にするべきである。 この話し合いの出発点として学習指導担当の役員またはそれに相当する者は、学生との合議により学習環境の調整について決定するべきである。 ここで意図している調整とは、あるコースまたはある授業を完全に欠席するか、別の内容の指導を受けるかである。ある時間に授業に完全に欠席しているならば、その他の授業時間に得た学習を深める為にその自主学習の時間をいかに使うべきか指導を受けるべきである。 コースプランの調整やまたはそれに相当するものが、その学科の本質となる学びや当然その学科に含まれているとみなされるような内容の欠落を意味していた場合、その調整や決定によって与えられた日々の課題は試験の成績証明書に明記されているべきである。
個別のカリキュラム
機能障害の学生は学習を遂行するのに、他の学生よりも時間がかかる場合がある。つまり一般の学生に要求されるよりも、学習のペースが遅いのである。 学習指導担当の役員またはスタディーカウンセラー、またはそれに相当する者は必要に応じて学生と共に、学習の遂行ができるように個別のカリキュラムを作成するべきである。この個人的カリキュラムは定期的に見直しをすべきである。
留学
学生が諸外国で学ぶのは一般的なことである。学習の一部分を諸外国で行うことが容易になったためである。国際的な能力と語学の知識は労働市場において重要な役割を果たし、また要求されるようになってきた。機能障害の学生にとっても他の学生と同様に留学をする機会を与えられることは大変重要である。機能障害の学生に、留学するように励まそう。ほとんどの国で機能障害の学生を受け入れる為の、良い支援体制と準備が整っている。その費用は補助の原則により母国側の大学が全額負担する。時には録音点字図書館やSISUSのような他の行政機関と合同で負担することもある。留学プログラムは多数あるが、ヨーロッパ内であればソクラテスプログラム中のエラスムスや北欧閣僚理事会のNordplusプログラムが一般的である。 また各学課は多くの場合諸外国にある総合大学やカレッジと独自の交換留学契約を結んでいる。機能障害の学生用には特に、エラスムス事務所やNordplusプログラム内に申請ができる奨学金がある。 詳細は障害者サービス部に連絡すること。
第4 機能障害の学生への支援形態
- 試験形態の選択肢
- ノート筆記支援
- テープ録音
- 物理的な利用しやすさ
- 試験時間の延長
- 家主
- 修正サービス
- より効果的な学習の為のコース
- 介助者による参考文献の録音支援
- 個人的介助者
- 視聴覚室
- 補講および特別指導
- 手話通訳
- 補助機器
- 録音点字図書館
- プリントアウトサービス
学生達が利用できる上記の支援処置以外に、各個人に適した環境整備が可能である。
試験形態の選択肢
勉学に関しては、学生の障害克服を補佐する手段は数多くあり、以下には試験の機会に試行された教育上の配慮を紹介している。自分の障害の種類により、各学生は以下のような方法または形態で試験を受けることができる。 ほとんどの場合、機能障害の学生達は通常よりも長い解答時間を必要としている。
カセットテープ
学生が試験問題をテープに吹き込んだ状態で望む場合、ディスレクシアの学生の為には文書形式の問題に添付して渡すべきである。そうすれば彼らは試験問題を正しく理解したかどうか確認できる。その他例えば肢体不自由者の学生は問題が録音されたテープを要望すると共に、答えもテープに録音できるようにしてほしいと思うであろう。 例えば肢体不自由者が言語障害をも持っていた場合、介助者が学生の回答を筆記する。 試験問題をテープに録音された状態で受け取る要望を出すと思われるのは、通常ディスレクシア、視覚障害、肢体不自由の学生である。
マグネヴィジョン(拡大読書器)
マグネヴィジョン(拡大読書器)または読書カメラは文書の文字をPCのモニターに転送する技術的な支援器具である。転送後、文書は好みに応じて様々なコントラストに修正することができる。きちんと読むためには黒い背景上の白い文字を必要としていたり、その他のコントラストを必要としていたりする学生がいるためである。また好みのポイントサイズや拡大の度合いを選択できる。視聴覚室では拡大した文字を好みのフォントで読める拡大読書器または読書カメラを利用できる。これらの支援器具は特に様々な視覚障害の学生達から要望が出るが、ディスレクシアの学生が要望することもある。
口頭試験
機能障害の学生の中には口頭試験を望む者もいる。たとえばディスレクシア、失読症、筆記ができない、物理的な機能障害を持つ等の学生達である。彼らにとっては可能であるならばこの形態の方が容易である。
点字
重度の視覚障害の学生はおそらく点字(ブライル)による試験問題を希望するであろう。学生が十分に前もって試験官に自分がどのような形式の試験問題を希望するのか伝えるならば、当然その形で渡される。障害者サービス部は前もって試験問題をディスクに収めた形で受け取れるならば、文字の変換を手伝う。 多くの場合重度の視覚障害の学生は、試験の時に直接点字コンピューターによって点字ディスプレイを読んでいる。 それに対して視覚障害の学生が口頭試験を望む場合であっても、試験問題は点字文書で受け取る方が容易であろう。このような種類の試験では点字コンピューターの利用が不可欠である。これは視聴覚室にある。重度の視覚障害の学生は、ほとんどが持ち運びのできる自分自身の点字機器を持っている。彼らはそれを試験に用いることもある。
スクリーンリーダー
試験問題はディスクから簡単にスクリーンリーダーで読み上げができるように変換できる。つまり試験問題はスクリーンリーダーを通して読み上げられるので、視覚障害の学生にもディスレクシアの学生にも便利である。 視聴覚室にはコンピューターに接続されたスクリーンリーダーがあり、このおかげで、特別なワードプロセッサーソフトを利用して学生が容易に解答を文字にすることができるという利点もある。 視覚障害の学生と読み書き困難の学生は、各自の機能障害や能力に応じてそれぞれ技術を組み合わせ、利用している。
手話通訳
重度の難聴者または聾者の学生から要望があった場合には手話通訳者がいるべきである。このような試験を実施する際、重要な一般情報は試験監視員または試験官に伝えられる。聾者の学生は特に口答試験の際に手話通訳による支援を必要とする。しかし文書による試験の際にも、試験問題の概念を訳してもらうために必要な時もある。
拡大文字
弱視の学生や読み書き困難の学生は、希望によりA3の形式に拡大した文字の試験問題を受け取ることができる。しかし一般的には視聴覚室内のコンピューターに入っている文字拡大ソフトが利用されることが多く、その場合には試験問題はディスクで渡される。ディスレクシアや弱視の学生はこの形態の試験を希望することができる。
介助者による読み上げ
肢体不自由者または視覚障害者の学生にとっては、場合によっては試験問題を介助者に読み上げてもらったり、解答を用紙に書いてもらったりすることが大きな助けとなる。つまり学生の目や手の代わりとなるのである。 障害を負ったばかりの学生は恐らく点字も学んでいなければ、それが使えるほどに手の能力を鍛えてもいないと思われる。多くの場合、この方法を好むのは視覚障害者、肢体不自由者、または重複障害の学生である。
ノート筆記支援
ノート筆記介助とは学生が、機能障害が原因でノートが取れない場合に、講義や授業においてその介助を受けることを意味する。原則として学生は自分でその介助者を見つけなければならないが、多くの場合は協力学生に頼むようである。必要とあれば学課のコンタクトパーソンはノート筆記介助者を探す手伝いをする。 講義の間に複数の学生がノート筆記介助を必要としている場合には、可能ならば一人の介助者に一任しても良いだろう。 この介助には契約に従って報酬が支払われる。詳細は障害者サービス部に連絡すること。
テープ録音
ノート筆記介助の権利を持つ学生が、テープに講義や授業を録音することを希望する場合もある。それは他人のノートを解釈する難しさや、クラスメートの手をわずらわしたくないという気持ち等による。録音テープは個人的使用でのみ許されており、このことは学生にも伝えられている。
物理的な利用しやすさ
ストックホルム大学は物理的な利用しやすさを備えている場所である。SISUSが最近行った調査THUT(大学教育における機能障害者の利便性)調査によれば利用しやすさという観点で見た場合、ストックホルム大学はスウェーデン国内で第3位だそうである。機能障害の学生にとって利用しやすさという点で他に比べて範囲が限られるのは、キャンパス内でも古い建物で、Kマークが付いている。 全ての学生にとって物理的に利用しやすい環境にするための事業は、大学キャンパスの拡張に合わせて常に行われている一連の作業である。以下のインターネットアドレスを参照。
www.Sisus..se/THUT
試験時間の延長/試験形態の選択
学生は必要に応じて試験官及び障害者サービス部との協議の上、試験時間を延長したり、試験形態を選択したりできる。試験の形態を最終的に決定するのは試験官である。しかし規則の上では推薦状に従うことになっている。試験時間の延長が意味するのは通常よりも試験時間を長くすることであり、一般的には延長時間は1時間である。選択できる試験形態は、口答試験、コンピューターを用いた試験、また場合によっては家で記入する試験等である。
家主
家主は大学内での同行サービスなどの手助けを行う。家主は例えば元々の介助者が病気になった場合等緊急の事態の介助や、様々な登録、昼食、トイレ等の介助から送迎車の乗降、時々気分が悪くなるような学生の慰め、簡単な身支度までありとあらゆる事柄を手助けする。彼らの手助けは、大学が提供する公的な支援の一部である。今日ストックホルム大学が雇用している家主は2名である。 休憩室はほとんどの建物にあるが、学生が利用する必要がある時に鍵がかかっていた場合には、家主に連絡を取る。
修正サービス
読み書き困難の学生は文章を提出する前に、誰かにその文を添削してもらう支援を受けることができる。この支援が必要となるのは多くの場合、作文の量が多いレポート作成等である。 ディスレクシアは書き言葉の綴りや構文の添削や、文章全体の構造化や見直しの手助けが必要になる場合がある。多くの場合このような学生達に対しては、特別な指導時間が必要になる。報酬についての情報は障害者サービス部に連絡を取ること。
より効果的な学習の為のコース
学習と勉強方法。自主学習は講義、授業、それにセミナーと平行して、大学における重要な学習形態である。大学における学習とは学生である本人が高等学校とはまったく違った方法で、自分の学びに責任を持つことを意味している。さらに中には 高等学校の時に用いていた学習方法が望み通りの結果を生み出さないと気づく学生もいる。彼らは学習に不慣れのまま企業で何年か働いた後に、何を要求されているのか判らない不安にかられることになるのだ。学生達はこのコースを通して、学びを遂行する上で生まれてくる様々な状況に立ち向かうことを覚えるのである。このコースには就業習慣、学習習慣、試験習慣等の重要な項目が含まれている。学生はコースの次の情報を得るため、頻繁に事務局に来るほうが良い。
自分のグループの前で語り、発表してみよう。
大学の学問とは特に学生が論文の内容を説明し、様々な資料から自分が引き出した結論を明らかにし、様々な疑問の中で自分の意見を述べ、様々な種類の共同社業の責任を負うことを意味する。学生によっては仲間の学生達や教師の前で発表しなければならないのは、大変なプレッシャーを体験することになるだろう。特に機能障害の学生にとってはそうであろう。 時には発表方法を選択する方がやりやすいだろう。しかし、このコースはグループの前で話すことが苦手な学生にとっては大きな助けとなるであろう。またこのコースを通してこの問題を乗り越えられるであろう。
介助者による参考文献の録音支援
介助者による参考文献の録音支援は、学科の教科書をテープに録音する支援を意味する。規則によれば録音できるのは100ページ以下の補助教材と教科書か、または学課独自の資料である。また規則として学生は自分でボランティアを見つけなければならない。障害者サービス部は必要に応じて手助けを行う。 録音支援ボランティアバンクも利用可能である。図書の全文を録音することができるのは録音点字図書館である。
個人的介助者
個人的介助が意味するのは特に建物間を移動する時の手助けや身の回りの世話を含めた授業中の手助けである。さらに参加可能なフィールドワークや研究業務の際にも必要になるであろう。また学習状況において実務作業の時に、機能障害の学生の参加が妨害されないように注意をしている役目もある。
多くの学生が個人的介助を求める。またその理由からほとんどの機能障害の学生が、個人的な介助者自身を求める申請をする。障害者サービス部は実務的、経済的な支援処置を引き受けるが、必要に応じて個人的な介助者を探す支援も行う。一部の重度障害の学生は一昼夜、または起きているほとんどの時間の個人的介助者を必要としている。介助者は学生が、機能障害が原因でできない事を全て支援する。 個人的介助者として働く者は、ある種の機能障害者に対する支援とサービスに関する法律(LSS)第29条及び社会奉仕法(SoL)第71条による守秘義務を負っている。 守秘義務の意味は、権利のない者に学生及び学生の個人的生活に関する情報を、口頭またはその他の方法で漏洩することの禁止である。 勉学の場面においては、学生は頻繁にノート筆記の支援を必要とする。多くの場合その支援を行うのは協力学生である。読みやすく意味のあるノート筆記の為にはその科目と、そこで取り上げられている概念に精通している人物が必要である。また自分自身も授業内容を理解しようとする意欲を持っていなければならない。 障害者サービス部は、新聞に広告を出したり、ワーキングフォーラムの掲示板を利用したりすることによって、個人的介助者を用意することもある。
視聴覚室
視聴覚室は現在3部屋ある。2部屋は南棟にあり、一部屋はスヴェアプラン(ストックホルム市内の地名)沿いにある。2001年春期、学生課と障害者サービス部はA館に移る予定だが、その際に機能障害の学生用の部屋がもう一つ増える。これらの部屋は特に個人的な試験や学習目的利用の時に、予約して使うことができる。 学生は自分の鍵をこの部屋の管理人か、学生課の障害者サービス部に注文する。この部屋の利用は大学の他の施設への入室と同じであり、休日でも利用できる。 これらの部屋の予約は、この部屋用に設置されている予約表で直接行うか、管理人を通して行う。この予約は電話でもできる。『重要な電話番号』の項を参照すること。 予約に関しては、この部屋の利用を希望する学生は多数いるため、試験に向けてできるだけ早いうちに予約をするように学生に奨励している。 視覚障害者の学生の為には、この部屋の隣で特別なコンタクトパーソンが勤務している。
現在室内の機器は継続的にアップデートされている
この部屋には5台のコンピューターがあり、そのうちの4台は新型のPCコンピューターであり、1台はアップル社のマッキントッシュである。 どちらの部屋のコンピューターもSUNETを通じてインターネットに接続されている。 プログラムは必要に応じて多岐に渡っており、常にアップデートされている。学生達は図書館のデータベースを、これらのコンピューターを利用して検索することもできる。 どの部屋にもレーザープリンターがあり、学生ならば誰でも自分の作成した文書をプリントアウトできる。ディスレクシア用のプログラムも、スキャナーやスクリーンリーダーも3室全てに入っている。 視覚障害の学生用に80文字用点字ディスプレイとブライルプリンターが備えてあり、またスウェーデン語と英語に対応したスクリーンリーダー及びそれに付随したスキャナーもある。 我々はスクリーンリーダープログラムJawsを使用している。さらに手動と電動の読書器があり、全てのコンピューターには拡大文字プログラムのズームテクストが入っている。 肢体不自由の学生用に大型キーボード、上下可動式デスク、人間工学を活用したキーボードがある。さらに必要に応じて各個人に適した家具を購入する。
補講および特別指導
学生達は必要に応じて、補講または特別指導を受けることができる。この支援処置に関しては障害者サービス部及び/または関係する科目の学課の、学習指導担当の役員またはスタディーカウンセラーと話し合う。もしその学課が希望するならば、機能障害の学生に関連した特別業務に対しては報酬が支払われる。
手話通訳
聾者または重度の聴覚障害者の学生に対するこれらのサービスは、手話通訳担当の特別部署が扱っている。手話通訳者の申請は、授業選択の申請が提出されると同時、または授業開始期に間に合うように出されなくてはならない。手話通訳サービスに関するさらなる情報は、聴覚障害に関する機能障害の項を参照すること。
技術的支援機器
各個人の為の技術的支援機器に関して責任を負っているのは、医療区県会である。連絡は学生の地元の医療区県会と取り合うので、学生が勉学を行う地域で登録をする方が簡単である。これは地方自治体のサービス、支援器具、その他受けるかもしれない医療に関しても同様である。 在学中、学生は視聴覚室にある技術的支援機器を使うことができる。視聴覚室に関する項を参照すること。 教育用具センター(LMC)は無償でテープレコーダーの貸し出しを行う。障害者サービス部にも貸し出し用のテープレコーダーが数台用意されている。学生が視覚障害者かまたはディスレクシアだった場合には購入したカセットテープの代金が支払われる。実験棟にあるG講堂、アウラマグナ講堂、新講堂も含む全講堂に聴力調整リングが備え付けられている。
録音点字図書館
視覚障害の学生、肢体不自由の学生、または読み書き困難の学生で、大学入学を認められた者は録音図書、ディスケットブック、点字図書、または拡大図書等、各自に適した媒体で教科書を貸与される。 録音点字図書館はこれらの様々な形態の図書を作成し、学生達に無償で貸し出しを行う。 これまでに録音がなされていない文献の場合、制作期間はかなり長く、学生の手元に届くまでに8週間はかかる。それゆえに早期に文献のリストを受け取ることが、コースについていく為の重要な鍵となるのである。 学習障害の学生は大学の学期の開始に間に合うように、常に障害者サービスと連絡を取り合っているべきである。 文献のリストが録音点字図書館に届くようにするのは、学生自身の責任なのである。 学生は文献のリストを受け取る為に、各学課のスタディーカウンセラーか、または事務課に連絡を取らなくてはならない。
- 学生は録音点字図書館のサービスを受ける為には、学生がその学期の在学を承認されていることを示す証明書か入学許可証及び、必要な文献リストを学課より発行してもらう。
- 学期の開始と各講座の日付が、文献のリストに記入されていなければならない。もしコースの計画が変更された場合には、学期中に録音点字図書館にその情報を伝えなければならない。
2001 年より、大学生から注文を受けて新たに作る録音図書は、デジタル形態で制作することになる。これは吹き込まれた音声がはっきりすること、また図書に索引またはページ毎の検索によるナビゲーションが付くことを意味する。また録音図書に文や音声によって記入することも可能になる。図書はカセットテープではなくCD-romで配布される。CD-romには48時間までの読み上げ音声を納めることができる。これらの新しいDAISY図書を読めるようにする為に、録音点字図書館はパーソナルコンピューター用の読書プログラム、Playback 2000を開発した。これは無償で注文するか、またはホームページでダウンロードすることができる。録音点字図書館は学生達が就学期間中利用できる、携帯録音図書プレイヤーを無償で貸与している。新たなタイプの録音図書に関するさらなる情報及び、その他の情報は、www.tpb.seを参照。
録音点字図書館は『顧客』に対して年1~2回オープンハウスを行う。また教師やその他の職員が見学に来られるように配慮している。
プリントアウトサービス/ 変換
障害者サービス部には特に視覚障害の学生を対象としているコンタクトパーソンがいる。彼らはプリントアウトサービスとして、例えばコースの資料の点字への変換を手助けし、学生に校内の点字コンピューターを使う訓練を行い、その他試験問題の点字への変換を手伝う。 学課が変換またはその他のサービスに関してさらに要望があるならば、障害者サービス部に連絡をすることができる。