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わたしたちのできること -It's About Ability-

障害者権利条約の話

(子どもたちのためにわかりやすく障害者権利条約の説明を書いたUNICEF発行の冊子)

絵:地球と子どもたちのイメージ

ワールド・エネイブルド・プロジェクト
ビクター・ピネダ基金
ユニセフ
2008年4月
監訳:玉村公二彦(奈良教育大学)
翻訳・編集:財団法人日本障害者リハビリテーション協会
2008年11月

感謝をこめて

この本を書いたのは、ビクター・サンチャゴ・ピネダという人です。ビクター・サンチャゴ・ピネダは、ビクター・ピネダ基金を作った人で、障害者権利条約の内容を考えた特別委員会に、最年少の政府代表として参加しました。

この本を作るプロジェクトを始めたのはユニセフで、ユニセフの児童保護セクションのヘレン・シュルツが、最初から中心になって進めてきました。それを手伝ってきたのが、ユニセフの青少年開発参加ユニットのVoices of Youth(青年の声)コーディネーター、マリア・クリスティーナ・ガレゴスです。そして、これを本としてまとめたのは、ユニセフのコミュニケーション・ディビジョンです。

ユニセフは、イギリスとスウェーデンのセーブ・ザ・チルドレンとスペシャルオリンピックスが力を貸してくださったことに、とても感謝しています。

また、アメリカ、中国、エチオピア、ニカラグア、タイ、ウズベキスタンのユニセフ事務所が、大事なはたらきをしてくださったことにも、お礼を申し上げます。

セーブ・ザ・チルドレンとアラブ人権基金が、2007年10月にイエメンのサナアで開いた会議や、2007年10月のスペシャルオリンピックス夏季世界大会と同じ時に、中国の上海で開かれたユースサミットで、意見を聞かせてくれた障害がある子どもたちと若者たちには、特に感謝しています。そして、ユニセフのVoices of Youth(青年の声)を通じてオンライン会議に参加してくれた皆さん、また、ビクター・ピネダ基金のワールド・エネイブルド・プロジェクトの活動を中心になって進めている、障害がある若きリーダーたちにも、とても感謝しています。

ユニセフは、特に詩や絵を送ってくれた子どもたちに、心から感謝しています。

また、このプロジェクトに専門家としてアドバイスをしてくださった皆さんには、本の原稿に心のこもったコメントをいただきましたことを、感謝いたします。特に、最初の原稿の書き直しを手伝ってくださった、サウダミニ・ジークリスト(ユニセフ フィレンツェ)、ジェリソン・ランズダウン(独立コンサルタント)、アレクサンドラ・ユースターとダニエル・セイモア、そしてナディン・ペロー(ユニセフ ニューヨーク)、キャサリン・ノートン(キリスト教盲人ミッション)、チェリー・トロペットとバネッサ・アナヤ(ビクター・ピネダ基金)に、お礼を申し上げます。

そして、このプロジェクトに惜しみなく力を貸してくださったユニセフドイツ委員会に、心から感謝申し上げます。

(c)ユニセフ(UNICEF)
2008年4月

この出版物のどの部分についても、複製には許可が必要です。ユニセフの開発プロフェッショナル・セクション、コミュニケーション・ディビジョンにご連絡ください。

教育機関、あるいは非営利機関に対する許可は無料ですが、その他の機関については、少額の許可料が請求されます。

表紙のイラストはリサ・ラボアの作品で、リー・ノヘミ・ヘルナンデスの絵からインスピレーションを得て描かれました。

本のデザインは、クリスティーナ・ブリスが担当しました。

3 UN Plaza, New York, NY 10017, USA
TEL:(+1-212)326-7434
FAX:(+1-212)303-7985
Email:nyhqdoc.permit@unicef.org

目次

アイコン 障害がある人たちの問題

アイコン 行動をおこして変えていこう

アイコン この本について

アイコン 障害者権利条約について

アイコン 障害者権利条約の内容をまとめてみると

アイコン 権利を実現するには

アイコン クイズ

アイコン 難しい言葉の説明

奥付

障害がある人たちの問題

わたしには足がない
それでも、感じる心はあるの
わたしは目が見えない
でも、いつだって考えているの
わたしは耳が聞こえない
それでも、おしゃべりがしたいの
どうしてみんなは、わたしのことを
役立たずで、考えることができない、しゃべれない人間だと思うのかしら?
みんなと同じにできるのに
わたしたちの世界について考えることが

イギリス コーラリー・セバース 14歳

これは、世界各地で暮らしている、何百万人もの障害がある子どもたちや大人たちの想いを伝える詩です。たくさんの人たちが、毎日、差別に立ち向かっています。障害がある人たちが持つ能力は気づかれることなく、できることはあまりないと思われています。また、必要な教育や医療も受けられず、地域の活動にも参加できずにいます。

けれども、障害がある子どもたちや大人たちも、ほかのみんなと同じ権利を持っているのです。

絵『ぼくを応援して・・・できるよ!って』

『ぼくを応援して・・・できるよ!って』ニカラグア ビスマルク・ベナビデス 13歳

行動をおこして変えていこう

こうして、障害者権利条約が作られました。これは、障害がある子どもたちや大人たちの権利を、世界中の政府が守らなければならないということを決めた、世界の国々の約束です。

ユニセフや、ユニセフと一緒に活動している組織は、すべての国がこの条約を批准するよう呼びかけています。この条約は、障害がある子どもたちを差別から守り、社会に参加できるようにします。私たちの誰もが、はたさなければならない役割を持っています。この本を読んで、誰もが必ずその人にふさわしい方法で扱ってもらえるように働きかける活動に参加するには、どうしたらよいかを学んでください。

障害を理解するには

あなたは仲間はずれにされていると感じたことはありますか?見たり、学んだり、歩いたり、 聞いたりすることが難しい子どもたちや 大人たちは、のけ者にされていると感じることがよくあります。この人たちが、ほかの人と同じように参加することを、じゃまする可能性がある壁(バリア)がたくさんあるのです。そして、その壁(バリア)のほとんどは、社会が作ったものです。たとえば、車いすを使っている子どもが、学校へ行きたいと思っても、学校にスロープがなく、校長先生やほかの先生方も助けてくれないので、行 かれないということがあります。誰もが社会に参加できるようにするには、今ある決まりや人々の態度 、そして建物さえも、変えていかなければなりません。

会話をしているイラスト

イラスト:リサ・ラボア

この本について

この本は、障害者権利条約について、なぜこれが作られたのか、障害がある人の権利を実現することに、この条約がどのように役立てられるのかを説明するために、子どもたちのために、また子どもたちも参加して作られました。私たちは、障害がある子どもたちが目標を達成するチャンスを平等に持てるように、皆さんにこの本に書かれていることを広めて、役立ててもらいたいと願っています。

皆さんには障害があるかもしれませんし、障害がある人を誰か知っているかもしれません。障害者は、見たり、聞いたり、歩いたり、覚えたりすることに問題があります。けれども、障害者にも、夢や、希望や、一緒に考えていきたいことがあるのです。この本で紹介している絵や詩に描かれているように。

どうか、皆さんのご両親、先生方、お友だちに、そしてそのほかの、この問題に関心があると思われるすべての人に、この話を伝えてください。

この本を読めば、障害者権利条約についてのだいたいの内容と、この条約が作られた理由がわかるでしょう。そして、誰もが持っている権利と義務について、また障害がある子どもたちがその権利を実現するのを助けるために、政府がしなければならないことや、とらなければならない行動についても学ぶことができるでしょう。さらに、社会を変えていくために、皆さんがどんな行動をとることができるかも学べるでしょう。

条約とは?

条約とは、ある特定の問題について、同じ法律を守ることを決めた、国と国との約束です。ある国がある条約批准(承認)するとき、それは法律で決められた約束となり、政府がどのように行動したらよいかを教えてくれます。条約を結んだあと、条約の目標を達成できるように、政府が自分の国の法律を変えることがよくあります。

人権とは?

世界中の誰もが、権利や固有の尊厳(すべての人が生まれつき持っている尊さ)を守る法律で保護されています。誰一人、例外はありません。たとえば、どの人にも生きる権利があり、奴隷にはならない自由があります。これらの権利は、1948年に国際連合のすべての加盟国が採択した世界人権宣言で認められています。どの子どもにも、食べ物を食べ、医療を受けられる権利があり、学校へ行く権利や、暴力と虐待から保護される権利があります。また、自分に影響があることを大人が決めるとき、自分はどうしたいかを伝え、自分の意見を取り入れてもらう権利もあります。子どもの権利については、子どもの権利条約にはっきりと書かれています。

メッセージは「誰もが持っている能力」

ビクター・ピネダ基金会長 ビクター・サンチャゴ・ピネダ

私は5歳のとき、歩けなくなりました。大きくなるにつれて、私の筋肉は弱くなっていって、息をすることもできなくなってしまいました。私は、自分は人と違うから、誰も私のことを好きではないだろうと考えました。私の両親はどうしたらよいのかわかりませんでしたが、私はいつも両親から愛されていると感じていました。両親は私の力を信じ、危険があっても新しいことに挑戦させてくれました。それで私は自信をつけていきました。

私の家族は、私が自分で道を切り開いていかなければならないことを知っていました。子ども時代を通じて、私は自分ができることや、どんなふうにしたらそれができるのかということについて、周りの人の考え方を変えていかなければなりませんでした。やがて私は、自分を守ってくれる法律がいくつもあることに気づきました。これらの法律のおかげで、私は必要な支援を受け、りっぱな学生になることができたのです。

もし自分のような子どもの権利を守ってはくれないところで暮らしていたとしたら、私の人生はどのようなものになっていただろうかと考えながら、私は大人になりました。そして、私のような人が世界中から集まって、国際連合でこの問題の解決に取り組むということを知り、それに参加しようと熱心に働きかけました。

障害者権利条約を作った国際連合の特別委員会で、私は最年少の代表でした。私はたくさんの友人を作り、一緒に考え、世界の国々の政府と協力して条約を作りました。

世界のどの人も、姿が違いますし、意見や経験、習慣、そして能力もさまざまです。私は、この違いが、新しい可能性、新しい希望、新しい夢、そして新しい友情をもたらすのだということを学びました。

この本は、障害がある子どもも、障害がない子どもも、ともに立ち上がって、正しいことのために戦おうと、行動をおこすよう呼びかけるものです。世界の人々の間で見られる違いは、すべての人が感謝し、ともに大切にはぐくんでいくべき宝です。ひとりひとりの子どもが、世界という家族の一員であり、その子どもにしかない力を発揮していくのです。どの子どもも、これに参加するのです。

障害があることは、悪いことではありません。それを自慢することだってできるのです。私たちはみな違っていて、誰もがさまざまな能力を持っています。どの子どもも、家庭や学校、そしてコミュニティに、その能力の存在を知らせてくれる大使となることができるのです。私たちそれぞれが、ほかの人のために役立てられるアイディアや経験、そして能力を持っています。この本を通じて、すべての国の、すべての人々に、あるがままの私たちを受け入れ、尊重してくれるよう、呼びかけたいと思います。

ビクター・サンチャゴ・ピネダ

ビクター・サンチャゴ・ピネダは、障害がある若者とともに活動している教育者であり、映画監督で、このような若者たちに、障害者の権利について教えています。また、障害がある若者の能力と可能性について、一般の人々にも教えるため、ビクター・ピネダ基金ではワールド・エネイブルド・プロジェクトを立ち上げました。ピネダ氏は、国際連合、世界銀行、そして政府の指導者たちと、すべての人が尊重され、その平等な機会と尊厳が守られるように働きかける活動を進めています。ピネダ氏は、筋ジストロフィーにかかっており、移動には車いすを使っています。

どんなときしあわせ?
ちょっとしたことでしあわせ
どんなときしあわせ?
言おうとしていることを、みんながわかってくれたとき
同じレベルの人と話しているとき
自分に満足しているから、しあわせ
勉強しているときも、しあわせ
勉強したら、新しいことを覚えられるから
世界中のニュースがわかるようになるから
食事に行ったとき、いくら払えばいいか計算できるから
自分の考えが正しいか、それとも間違っているか、わかるから
こんなにたくさんのことが、自分でできるようになったから、しあわせ
お気に入りのことがあるから、しあわせ
サッカー選手を応援しているとき、しあわせ
だってすごい情熱なんだもの
自分も選手の一人みたいな気がしてくる
そして自分もすごく熱くなってしまう
夢があるから、しあわせ
小さいかもしれないけれど
毎日きちんと計画して生きること
それですごくしあわせになれる

韓国 キム・ユナ 15歳

絵『遊ぶ権利』

『遊ぶ権利』ウズベキスタン ジャブロン・ラクモンベルディエフ

障害者権利条約について

障害者権利条約は、障害がある人と障害がない人とを、必ず平等に扱うことを決めた、世界の国々の約束です。条約(convention)は、ときには、盟約(treaty)、誓約(covenant)、国際協定(international agreement)、あるいは法令(legal instrument)ともいわれますが、皆さんが自分の権利をきちんと持てるようにするために、政府がしなければならないことを教えてくれます。障害がある大人と子どもはすべて、女の子も男の子もみな、この条約で守られています。

障害者権利条約は、2006年12月13日に採択されました。そして2008年4月2日までの間に、20カ国が条約を批准し、その結果、2008年5月3日に条約は発効しました。(www.un.org/disabilitiesのrules of the Convention(条約に関する規定)をごらんください。)

この条約は、年齢に関係なくすべての障害者のための条約ですが、この本では、子どもの生活の中で、権利がどのような意味を持っているかを見ていきます。なぜなら、皆さんのような子どもたちが大切だからです!

どうしてこの条約は大事なの?

もし皆さんや、皆さんのご両親、あるいはほかの家族の方に障害があるのなら、この条約は役に立つ情報と勇気を与えてくれるでしょう。それは、皆さんと皆さんの家族、そして皆さんを助けたいと考えているお友だちに、皆さんの権利をどのように使ったらよいかを教えてくれます。また、政府にも、すべての障害者がその権利を実現するのを助けるために、どのような行動をとらなければならないかを明らかにしてくれます。

多くの国々から、さまざまな障害を持った人々が集まり、政府と一緒にこの条約を作ることに取り組みました。障害者が学校へ行ったり、仕事を得たり、地域で楽しく、幸せに暮らせるようにするために役立っている、すぐれた活動と法律を調べて、アイディアを得ました。

障害がある子どもが、確実に学校へ行けて、遊べるようにし、また子どもたちみんながやりたいと思うことに、障害がある子どもも参加できるようにするには、今あるたくさんの決まりや、人々の態度、そして建物さえも、変えていかなければなりません。もし皆さんの国の政府がこの条約を批准したのなら、政府がこのように社会を変えていくことに賛成したのだといえます。

この条約に書かれている権利は、新しい権利ではないということを覚えておくことが大事です。それらは、世界人権宣言、子どもの権利条約、その他の国際人権条約で認められている人権と同じです。障害者権利条約は、これらの権利が障害者についても尊重されるということを約束しています。

楽しくいこう、が人生の合言葉さ
ねえ、みんな聞いてよ
愛することと信じることを合言葉にしよう
命は情け深い神様からのおくりもの
天と地のすべての生きとし生けるものへの
障害がある友だちがいるなら
安心できるようにそばにいてあげてよ
人生楽しく、命を大事にするように言ってあげてよ
絶望するのは臆病だと
そして
忍耐と決断とが勇気のしるしだって
希望がぼくらの人生の目的
やさしいほほえみがぼくらを一つにする
人生に絶望はなく、絶望の中に人生はない

イラク ジャン・メダット 13歳

障害者権利条約の内容をまとめてみると

この条約は、たくさんのことを約束しています。50条からなる条文では、これらの約束の内容がわかりやすく説明されています。これから先のページで使われている「政府」という言葉(「締約国」ともいいます)は、この条約を批准した政府を意味しています。

法律とは?

法律とは、人々がお互いに尊重しあい、ともに安全に暮らすために、誰もが守らなければならないルールのことです。

「批准する」ってどういう意味?

条約を批准する政府は、その条約で約束されている内容を実施するために、できる限りのことをすると決心したのだといえます。皆さんの国が、障害者権利条約を批准したかどうか、調べてみてください。もし批准しているなら、政府の代表には責任があると、はっきり言うことができます。国際連合では、この条約に署名し、同意した締約国のリストを公表しています。皆さんの国が障害者権利条約を批准したかどうかをオンラインで確認するには、国際連合のウェブサイト(www.un.org/disabilities)をごらんください。

第1条:目的

この条文では、条約のおもな目的をまとめています。それは、子どもを含むすべての障害者があらゆる人権と自由を持つことを人々に広め、これらの権利と自由を守り、これらがもたらす利益を、完全に、そして平等に受けられるようにすることです。

第2条:定義

この条文では、この条約で使われている、特別に決められた意味を持つ言葉をいくつか説明しています。たとえば、「言語」には、話し言葉と、手話などの話し言葉以外の言葉も含まれ、「コミュニケーション」には、言語、文字を使った表示、点字(文字や数字を小さな突起を使って表したもの)、触れることによるコミュニケーション、拡大文字、そしてアクセシブル(利用しやすいこと)なマルチメディア(ウェブサイトや音声など)が含まれます。

第3条:一般原則

この条約の原則(中心となる考え方)は次のとおりです。

(a)すべての人の固有の尊厳、自分自身で選ぶ自由、そして自立を尊重する。

(b)非差別(すべての人を平等に扱うこと)

(c)社会への完全参加とインクルージョン(コミュニティに仲間入りすること)

(d)障害者を人間のさまざまな違いの一部と考え、違いを尊重し、受け入れる。

(e)平等な機会

(f)アクセシビリティ(交通機関を利用したり、ある場所へ行ったり、情報を手に入れたりする手段があること。そして障害があることを理由に、これらの利用を拒否されないこと)

(g)男女間の平等(女の子でも男の子でも同じ機会があること)

(h)障害がある子どもの発達しつつある能力と、アイデンティティを守るための権利を尊重する。(皆さんが能力を尊重され、あるがままの自分に満足できるようにすること)

第4条:一般的義務

障害者を差別する法律は、あってはなりません。必要であれば、政府は障害者の権利を守る新しい法律を作り、それを実行しなければなりません。もし古い法律や慣習が障害者を差別するなら、政府はそれらを変える方法を見つけなければなりません。

障害がある子どもが、ほかの子どもと同じことをできないようにしている法律や慣習があるなら、それらを変えなければなりません。政府はそのような法律や政策を変えるとき、障害がある子どもを代表する団体と話しあわなければなりません。

新しい法律や政策を作るときには、政府は子どもを含む障害者から、アドバイスをもらわなければなりません。

化学の授業のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

第5条:平等と差別されないこと

すべての人は法律で守られる権利を持っており、ある国の法律は、そこで暮らすすべての人に当てはまるということを、政府は認めなければなりません。

第6条:障害のある女子

政府は、障害がある女性や女の子が、たくさんのさまざまな差別を受けていることを知らなければなりません。そして、このような人たちの人権と自由を守ることを約束しなければなりません。

第7条:障害のある子ども

政府は、障害がある子どもが、ほかの子どもと同じく、すべての人権と自由がもたらす利益を受けられるように、ありとあらゆる可能な行動をとることを約束します。また、障害がある子どもが、自分に影響があるすべてのことについて、必ず自分の意見を自由に言えるようにすることも約束します。それぞれの子どもにとって一番良いことを、いつでもまず、考えなければなりません。

障害がある男の子や女の子には、すべての子どもと同じ権利があります。たとえば、どの子どもにも、学校へ通う権利や遊ぶ権利、暴力から守られる権利、そして自分に影響を与える決定に参加する権利があります。政府は、この権利を実現するために、障害がある子どもに必要な情報を与え、支援をしなければなりません。

第8条:意識の向上

政府は、障害者の権利と尊厳について、また障害者がなしとげたことや障害者の能力について、すべての人に教えなければなりません。そして、障害者を傷つける可能性がある、型にはまった考えかたや、かたよった見かた、行動と戦うことを約束します。たとえば、皆さんの学校では、とても幼い子どもに対しても、障害者を尊重する態度を広めていかなければなりません。

メディアは、障害がある子どもや大人に対する不公平な扱いについて、報告しなければなりません。

本を読んでいるイラスト

イラスト:リサ・ラボア

第9条:アクセシビリティ

政府は、障害者が自立した生活を送れるようにし、コミュニティに参加できるようにすることを約束します。一般の人々が自由に利用できる、建物、道路、学校、病院などは、子どもを含む障害者にとってアクセシブル(利用しやすいこと)でなければなりません。公共の建物の中で助けが必要になった場合、ガイドや朗読をしてくれる人、専門の手話通訳者がそこにいて助けてくれるようにしなければなりません。

絵『どの子にも平和を』

『どの子にも平和を』アルメニア アニ・ベルディアン 8歳

技術はどう役に立つの?

電話やコンピュータ、その他の技術は、障害者にとって、使いやすいものでなければなりません。たとえば、キーボードを使うのが難しい人や、見たり聞いたりすることが難しい人でも、さまざまなフォーマット(形式)で情報を得ることができるように、ウェブサイトをデザインすることができるでしょう。コンピュータに点字のキーボードをつけることもできますし、音声合成装置を使って、画面の言葉を読み上げることもできます。

第10条:生命に対する権利

すべての人間は、生きる権利を持って生まれてきます。政府は、障害がある人も障害がない人も、平等にこの権利を持つことを約束します。

あなたには生きる権利があります。それはあなたへの神様からの贈り物で、誰もあなたから取り上げることはできないと、法律で決められています。

障害のある子とない子のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

第11条:危険な状況と緊急事態

障害者は、戦争、緊急事態、または嵐などの自然災害のときに、保護され、安全を約束される権利を、ほかのすべての人と同じように持っています。ほかの人たちが救出されているのに、障害を理由に避難所に入れてもらえなかったり、取り残されたりすることは、法律で許されません。

第12条:法律の前にひとしく認められる権利

障害者には、ほかの人と同じように「法的能力」を使う権利があります。これは、皆さんが大人になったとき、障害があっても障害がなくても、お金を借りたり、勉強したり、自分のアパートを貸すための契約書にサインしたりすることができるということです。つまり、皆さんは自分自身の財産を持ったり、相続したりできるのです。

第13条:司法手続きの利用

もし皆さんが犯罪の被害者になったり、ほかの人が被害にあうのを見たり、何か悪いことをして罪に問われたりしたら、その件で調査や処分を受けるとき、公正に扱われる権利があります。法律上の手続きをとるときはいつでも、自分の意見を言えるよう、助けてもらえることが約束されています。

第14条:身体の自由と安全

政府は、障害者の自由が、ほかのすべての人と同じく、必ず法律で守られるようにしなければなりません。

第15条:拷問または残虐な、非人道的な、もしくは品位を傷つける取扱い、もしくは刑罰からの自由

誰も拷問を受けたり、恥ずかしい思いをさせられたり、ひどい扱いを受けたりすることがあってはなりません。またどの人も、医学的な実験や科学的な実験を受けることを拒否する権利を持っています。

第16条:暴力と虐待からの自由

障害がある子どもは暴力とむごい扱いから守られなければなりません。このような子どもたちは、家庭の中でも、家庭の外でも、むごい扱いを受けたり傷つけられたりすることがあってはなりません。皆さんが暴力やむごい扱いを受けたら、それをやめさせ、元の状態に戻るために必要な助けを受けられる権利があります。

第17条:個人の保護

皆さんの身体能力や知的能力を理由に、皆さんを劣っている人として扱うことは、誰にもできません。皆さんは、ありのままで、ほかの人から尊重される権利を持っているのです!

第18条:移動の自由と国籍

どの子どもにも、法律にしたがって登録された名前や国籍を持つ権利と、できる限り、その親を知り、親に育ててもらう権利があります。そして障害があるという理由で、入国や出国を止められることはありません。

第19条:自立した生活と地域社会への参加

障害があるかないかに関係なく、人にはどこに住むかを選ぶ権利があります。大人になったとき、皆さんが望めば、自立した生活をし、地域社会に参加する権利があります。また、地域社会で生活するために助けが必要な場合、在宅ケアや介助などの支援サービスを利用することができるようにしなければなりません。

第20条:個人的な移動を簡単にすること

障害がある子どもは、自立して移動する権利を持っています。政府はそれが実現できるように支援しなければなりません。

第21条:表現と意見の自由、情報の利用

人には、自分の考えを表現する権利や、情報を探し、受け取り、伝える権利、そして自分が理解し使用できる形で情報を受け取る権利があります。

第22条:プライバシーの尊重

個人のプライベートな問題に口を出すことは、その人に障害があるかないかにかかわらず、誰にもできません。ほかの人の健康状態などについて知っている人は、その情報を別の人に教えてはいけません。

第23条:家庭と家族の尊重

人には家族と一緒に暮らす権利があります。もし皆さんに障害があるなら、政府は障害に関係がある費用や、情報、サービスを提供して皆さんの家族を支援しなければなりません。障害があるために、皆さんが親から引き離されることはあってはなりません! 身近な家族と暮らすことができないのなら、もっと広い範囲の家族やコミュニティの中で世話が受けられるよう、政府は支援しなければなりません。障害がある若者たちは、ほかの若者たちと同じように、性と生殖に関する健康について知る権利を持ち、また、ほかの人たちと同じように、結婚して家庭をつくる権利を持っています。

障害がある子どもは、自立して移動する権利を持っています。

障害のある子とない子のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

絵『地域社会での日常生活』

『地域社会での日常生活』ニカラグア ペドロ・ホセ・リベラ 14歳

第24条:教育

人には、学校へ行く権利があります。皆さんに障害があっても、それを理由に教育が受けられないということはありません。また、皆さんは別の学校で教育を受けるべきではありません。皆さんには、ほかの子どもたちと同じカリキュラムで教育を受ける権利があります。そして政府はこれを実施するために必要な支援をしなければなりません。たとえば、先生方が皆さんの要求にどのように対応したらよいかわかるように、皆さんに合ったコミュニケーションの方法を、政府は用意しなければならないのです。

第25条・第26条:健康とリハビリテーション

障害者は、ほかの人と同じ範囲、同じ質の医療を、無料で、あるいは安く利用権利を持っています。もし皆さんに障害があるなら、医療とリハビリテーションサービスを受ける権利もあります。

第27条:労働と雇用

障害者には、ほかの人と同じように、差別を受けることなく、自由に選んだ仕事をして働く権利があります。

第28条:十分な生活水準と社会的な保障

障害者には、食べ物、きれいな水、服、そして家を、差別を受けることなく手に入れる権利があります。政府は、貧しい暮らしをしている障害がある子どもを助けなければなりません。

第29条:政治的活動と公的活動への参加

障害者には、政治的な活動と公的な活動に参加する権利があります。国の法律で決められた年齢に達したら、障害の有無にかかわらず、組織を作る権利や、一般の人々のために活動する権利、投票する権利、政治家の選挙権と被選挙権を持つことになります。

第30条:文化的な生活、レクリエーション、余暇、スポーツへの参加

障害者はほかの人と同じように、芸術、スポーツ、ゲーム、映画、その他の娯楽活動に参加し、楽しむ権利を持っています。ですから、劇場、博物館、競技場、そして図書館などは、障害がある子どもを含め、誰にとってもアクセシブル(利用しやすいこと)にしなければなりません。

第31条:統計と資料の収集

国は、よりよいプログラムとサービスの開発のため、障害に関するデータを集めなければなりません。障害に関する調査に協力してくれる障害者には、敬意と思いやりをもって扱われる権利があります。このようにして得られた個人情報はすべて保護されなければなりません。集められたデータは、障害者やそのほかの人々が利用できるようにしなければなりません。

第32条:国際協力

国は、この条約の内容を実現するために、お互いに協力しなければなりません。これは、世界でこれまで以上に多くの人々が、この条約に書かれている権利から利益を得られるように、ほかの国よりも多くの資源(科学情報や、役に立つ技術など)を持つ国が、ほかの国とそれを共有するということを意味しています。

第33条から第50条まで:条約の実施とそれにかかわる協力、監視についての規則

障害者権利条約は、全部で50条からなっています。第33条から第50条までには、すべての障害者が、そのすべての権利を必ず手に入れられるようにするには、大人たち、特に障害者とその団体、そして政府が、どのように協力していくべきかが書かれています。これらの条文の内容は、www.un.org/disabilitiesでごらんください。

地球儀を見ているイラスト

イラスト:リサ・ラボア

絵『遊んでいるところ』

『遊んでいるところ』 アルメニア タテフ・ダニエリアン 15歳

二つの世界・・・
音と沈黙
この耳ではどちらに行ったらよいのか
ためらいから 入っていけなくて・・・
涙があふれ・・・
知らず知らずのうちに どちらからも追いやられて
こばまれて 感じたことは
居場所がない・・・
涙があふれ・・・
手をさしのべてくれる人はいるけれど
同情してくれたり、あと押ししてくれたり、励ましてくれたりと
でもほかはみな 容赦なく冷たくて・・・
涙があふれ ほほえみが広がっていく・・・
まだどちらにもいけずにいるけれど
でも愛されているから・・・

アメリカ合衆国 サラ・レスリー 16歳

権利を実現するには

障害がある子どもの権利は、すべての子どもたちが持っている権利と同じです。世界の人々にこの条約について知ってもらえるかどうかは、皆さんにかかっています。誰もが参加できる社会を望むなら、声をあげて訴え、行動をおこさなければなりません。

もし皆さんに障害があるなら、この条約は、皆さんと皆さんの国の政府、そして皆さんの家族に、権利と夢を実現する方法を教えてくれるでしょう。皆さんは、学校へ行ったり、そのほかの活動に参加したりする機会を、ほかの人と同じように持っているのです。皆さんにどんな障害があるかは関係なく、移動したり、コミュニケーションをとったり、ほかの子どもたちと遊んだりするとき、皆さんの生活にかかわる大人たちは、皆さんを助けなければなりません。

皆さんは、一人の市民であり、家族の一員であり、そして地域社会の一員でもあります。皆さんは力を発揮して、おおいに役に立つことができるのです。

権利のために立ち上がりましょう。そうすれば、ほかの人たちが皆さんの味方になってくれます。どの子どもも学校へ行くことができ、遊ぶことができ、何にでも参加することができます。権利の話は、できないことについての話ではなく、できることについての話なのです! 

ビクター・サンチャゴ・ピネダ

皆さんができること

障害がある子どもが、すべての子どもが望むように、学校へ行ったり、遊んだり、活動に参加したりできるようにするために、人々の態度やルールを変えることは大切です。皆さんの学校には、障害がある子どもがいるクラスはありますか? また、どの活動にも、障害がある子どもが参加していますか? 皆さんの先生は、特別な支援が必要な子どもたちの要求を聞いたり、それに対応したりしていますか? スロープはありますか? 手話通訳やそのほかの支援技術はどうですか? よろしい! それならば、皆さんの学校は、障害がある子どもたちに学ぶ機会を平等に与えることによって、この子どもたちを公平に扱っていると言えます。皆さんの学校は、この条約を守っていると。

残念ながら、多くの人たちは、障害がある子どもたちを公平に扱ってはいません。皆さんには、地域社会をもっとインクルーシブな所に変えていく役割があります。まずは、皆さんのご両親や先生方の考え方を変えるために、自分の家と学校から始めてみてはいかがでしょうか?

障害者権利条約と障害がある若者たちの可能性について、ほかの人たちに教えるために、皆さんができることはたくさんあります。たとえば、

  • 団体やキャンペーンに参加しましょう。数が多ければ力を発揮します。ほかの人と力を合わせて、全国的な組織や国際的な組織の地域支部を支援したり、これに参加したりすることができます。このような組織では、若者向けの具体的なプログラムやキャンペーンを企画しているかもしれません。
  • 自分でプロジェクトを企画しましょう。意識向上のキャンペーンから始め、資金集めのためのイベントを実施し、調査を行います。(皆さんが知っている人で、誰か不公平な扱いを受けてきた人はいますか? 皆さんの学校にはスロープがなく、階段があるだけでしょうか?)皆さんがぶつかった壁(バリア)を取り除くために、請願書を書きましょう。
  • 障害者権利条約を広めるために、クラブを組織しましょう。さまざまな障害がある子どもたちを集め、友人全員と、新しい人たちを招いて参加してもらい、交流会を開くのです。映画会を開いたり、夕食を一緒に作ったりするのもよいでしょう。楽しく過ごして、お互いのユニークな才能と能力とを認めあうだけでよいのです。
  • 皆さんの学校や周辺の学校で、障害者の権利についての発表会を開きましょう。創造力を発揮し、ポスターを作ったり、条約に書かれている権利について皆さんの学校の友だちが理解できるように、劇を上演したりします。親や先生に、発表会の運営を手伝ってほしいと頼みましょう。そして、いつ、どこでできるかを計画しましょう。皆さんの学校の校長先生を、発表会に招待しましょう。
  • 友だちと、障害者の権利についての芸術作品を作りましょう。イラストや、絵、彫刻などが考えられますが、皆さんがこの情報を伝えるために作りたいと考えるものなら何でもよいのです。その作品を、皆さんの学校や地域の図書館、ギャラリー、レストランなど、人々が皆さんの作品を楽しむことができる場所ならどこでもよいのですが、展示できないでしょうか? しばらくしたら、ほかの場所に展示物を移すこともできます。そうすれば、多くの人々に条約のことを知らせられるでしょう。
  • 皆さんが学んだ経験や教わったことを、ほかの人にも伝えましょう。ユニセフのVoices of Youth(青年の声)(www.unicef.org/voy)は、人気の高い、若者向けのオンラインディスカッションフォーラムです。

ここで紹介したのは、皆さんができることのほんの一部です。皆さんができることに限りはありません。信頼できる大人に、皆さんの活動を手伝ってくれるよう、頼みましょう、そして、楽しんでやってみましょう!

『障害がある子どもたちのロックバンド』

『障害がある子どもたちのロックバンド』 イタリア バレリア・ダボラ 13歳

関連指導教材として、本書の手引書『わたしたちのできるのこと:障害者権利条約について学び、行動をおこすためのアクティビティ』(近日刊行予定)も参考にしてください。

クイズ

(1)空いているところに言葉を入れましょう。

a.障害者権利条約の原則の一は、社会への完全参加と(      )です。

b.障害がある子どもが確実に学校へ行けて、遊べるようにし、また子どもたちみんながやりたいと思うことに、障害がある子どもも参加できるようにするには、今あるたくさんの決まりや、人々の態度、そして建物さえも、(       )いかなければなりません。

c.すべての人は(       )な権利(ほかの人と同じ権利)を持っています。

d.障害者を(       )する法律は、あってはなりません。

e.(       )にはさまざまな形があり、書いたり、話したり、サインで表したりすることができます。

(2)ばらばらになっている言葉を並べかえて、文を作りましょう。

(たはわしちた)(んなみ)(がてちっいて)(ろいなろい)(らちをか)(るてもっい。)

(してそ)(んみな)(じおな)(りけをん)(もいてっる。)

(     )(   )(     )(     )(    )(     )

(   )(    )(   )(    )(     )

(3)この子どもたちに共通していることはなんでしょうか?

障害のある子もない子も共通していることは?のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

答え

(1)a.インクルージョン b.変えて c.平等 d.差別 e.言語

(2)わたしたちは みんな ちがっていて いろいろな ちからを もっている。 そして みんな おなじ けんりを もっている。

(3)みんな同じ権利を持っていること。

難しい言葉の説明

委員会:より大きなグループを助ける活動を一緒にするために選ばれた人々のグループ。

筋ジストロフィー:しだいに筋肉が弱くなっていく病気。

国際連合:事実上世界のすべての国が参加している組織。政府はニューヨークの国際連合本部で会合を開き、平和とよりよい世界のために、協力して活動しています。

コミュニケーション:情報を伝え合うこと。また、マルチメディアや拡大文字、点字、手話を使ったり、誰かに朗読してもらったりすることによって、読んだり、話したり、情報を理解したりする方法のこと。

コミュニティ:同じ地域に住む人々のグループ。また、同じことに興味がある、あるいは同じ悩みを持っている人々。

固有の尊厳:すべての人が生まれつき持っている尊さ。

採択:(たとえば、条約や宣言などを)正式に認めること、または受け入れること。

差別:人種、宗教、性別、または障害など、何らかの理由により、ある人やあるグループを不公平に扱うこと。

支援技術:それがなければできないことをできるようにする道具。たとえば、移動を助ける車いすや、コンピュータ画面上で文字を見やすくする拡大文字など。

実施:何かを具体的に実行すること。条約の条文を実施する、ということは、その約束事を実現するという意味です。

条文:法的文書の中の一つの段落、または一つのまとまりで、番号が付けられています。この番号のおかげで、情報が見つけやすく、また条文について書いたり話したりしやすくなっています。

条約:いくつかの国が、同じ法律を作り、それに従うことを決めた約束。

子どもの権利条約は、すべての子どもが社会の一員として、その権利を確実に自分のものにできるようにし、また子どもとして必要な特別なケアや保護が受けられるようにすることを約束したものです。これは歴史上、最も広く受け入れられている人権条約です。

障害者権利条約は、子どもを含むすべての障害者が、その権利を確実に自分のものにできるようにすることを約束したものです。

世界人権宣言:1948年12月10日に、国際連合のすべての加盟国によって署名されました。世界人権宣言には、すべての人の権利が記されています。

尊厳:皆さんが人間として生まれつき持っている価値と尊さ。皆さん自身の自尊心。尊厳をもって扱われる、ということは、ほかの人から敬意をもって扱われることを意味します。

締約国:条約に署名し、同意した国。

批准:署名された条約や協定が、正式にある国で認められ、その国の法律となること。

法的:法律に関係した、法律に基づいた、または法律で義務とされていること。

ユニセフ:国際連合児童基金。国際連合の機関の一つで、子どもとすべての人にとって、世界をよりよい、より安全な、そしてより友好的な所にすることをめざして、子どもの権利、生存、発達と保護のために活動しています。

奥付

For every child
Health, Education, Equality, Protection
ADVANCE HUMANITY

さらに詳しい情報は、下記まで:
ユニセフ
プログラム・ディビジョン
児童保護セクション

United Nations Children's Fund
3 United Nations Plaza
New York, NY 10017, USA
pubdoc@unicef.org
www.unicef.org

ISBN:978-92-806-4301-5

(c)United Nations Children's Fund (UNICEF)
2008年4月


注:ユニセフ発行の『It's about Ability』を元に制作
http://www.unicef.org/publications/index_43893.html