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準備委員会会議:プレコム2の報告

日本障害者リハビリテーション協会 情報センター 野村美佐子

 第3回国連防災世界会議(仙台会議)に向けて、プレコム2と呼ばれる第2回準備会議(注1)が2014年11月17日と18日にジュネーブの国連で開催された。130カ国から代表団と異なるメジャーグループ(注2)を代表する1000人の参加者があった。開会は、共同議長である、フィランドのPäivi Kairamo 氏とタイのThani Thongphakdi 氏によって行われた。この会議では、今回から要約筆記が大きなスクリーンに映し出されることで聴覚障害者などの情報保障が配慮された。本会議と専門家とのセッションでの声明も含んだ。この2日間における障害コーカスグループの活動に参加したので、その報告をする。

本会議の様子

本会議の様子

 上記2日間の会議に向けて、16日に障害フォーカスグループの打ち合わせがあった。そのなかでプレコム2における本グループの活動、ポスト2015年防災枠組みのゼロドラフト(注3)について、そして仙台会議に向けての打ち合わせが行われた。ゼロドラフトについては、内容は同意するが、長いのでもう少し短く、わかりやすいものであってほしいとの意見がでた。障害コーカスとして上記ゼロドラフトについてのステートメントを提出した。

 本会議においては、ポスト2015年防災枠組みについてのステートメントが各国から発表された。これに関しては一覧が以下のサイトにあるので参照してほしい。

http://www.wcdrr.org/preparatory/prepcom2/statementslist

 メジャーグループと議長との対話のセッションが設けられていて、今回以下の2つの点の質問があり、それに対する意見交換であった。

  1. メジャーグループはDRR(災害リスク軽減)、SDGs(持続可能な開発目標)と気候変動合意の間に一貫性(coherence)と相互強化を築く上でどのような役割があるのか。
  2. 2015年3月に仙台で開催される第3回国連世界防災会議において災害リスク軽減のポスト2015枠組みの実施をサポートするためにどのようなメジャーグループのコミットメントが発表されるのであろうか。

 上記に関連して専門家とのセッションでは、障害コーカスとして3つのステートメントを用意した。1つ目は、DiDRRに関する権利委員会のステートメントについてタイの国会議員であり、権利委員会の委員でもあるモンティエン・ブンタンによって発表された。また2つ目は、欧州議会の委員であるハンガリーのアダム・コーサが、防災、インクルジョンとポスト2015開発アジェンダについて発表した。3つ目は時間がなく、発表ができなかった。

 詳細なステートメントは、すでにDINFで日本語訳を掲載しているので、読んでほしい。

第3回国連防災世界会議およびそれ以降の会議に障害を含めることに関する声明
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/bf/sodi3_201409.html

アダム・コーサ氏の発表スライド:

The European Union approach to DiDRR

コーサさんからの意見発表

コーサさんからの意見発表

 11月18日の8時30分から10時まで、「DRR指標に関する障害ステークホルダー準備会議(Disability Caucus Stakeholder Preparatory Meeting on Disability-Inclusive DRR Indicators)」と題するミーティングを開催した。その目的は、HFA2の枠組みの中でDiDRRの実施を促進、向上させる指標に関するブレインストーミングであった。モンティエン・ブンタンとアダム・コーサのいずれも当事者からのインプットはとてもインパクトがあった。聴覚障害者であるコーサ氏には、国際手話による手話通訳と英語の要約筆記がつき、十分に発表と意見交換ができるようにした。今後のディスアビリティグループの平易で、わかりやすい、そしてそのためのデータが収集しやすい指標の提案を期待したい。

コーサーさんの発表の様子

コーサーさんの発表の様子

 本準備会議の結果、HFA2について非公式で自由な交渉が12月と2015年の1月に行われ、仙台での世界防災会議の前日である3月13日にプレコム3が開催されることになった。

1 第2回準備会議のウェブサイト
http://www.wcdrr.org/preparatory/prepcom2

2 2012年6月20日~22日にかけて,ブラジルのリオデジャネイロ(において,「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催された。この会議は1992年に「地球サミット」がリオデジャネイロで開催され、「「環境と開発に関するリオ宣言」やそれを具体化するための「アジェンダ21」が採択された。その時から20周年を迎える機会に,同会議のフォローアップ会合として行われた。その会議でアジェンダ21により国連における持続可能開発交渉のコンテキストにおいて9つのメージャーグループとして市民社会を理解することが同意された。このメージャーグループとは、Women, Children and Youth, Farmers, Indigenous Peoples, NGOs, Trade Unions, Local Authorities, Science and Technology, Business and Industryであった。障害者のグループは入っていない。このメージャーグループ問題については、河村氏のインタビューが詳しい。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/world/2015dp/kawamura1410.html

3 ゼロドラフト
Development of the Post-2015 Framework for Disaster Risk Reduction
Zero draft submitted by the co-Chairs of the Preparatory Committee (20 October 2014)
http://www.wcdrr.org/preparatory/post2015