WHOは世界の各地域でCBRに関する会議を開催してきましたが、2009年2月にはタイ政府、APCD(アジア太平洋障害者センター)財団,国連ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)などとともに、第一回アジア太平洋CBR会議を開催し、CBRの概念のこれまでの変遷やCBRがコミュニティ開発に障害を組み込むための戦略であることを示しました。繰り返し強調されたのは、CBRでは多くの関係者の参加が必要であること、CBRを通して障害者の社会へのインクルージョンを実現するための枠組みを認識することでした。このように2月のCBR会議は大変重要な内容でしたが、日本からの参加者は限られていました。
そこで当協会では3月8日に、WHOでCBR推進の担当者であるチャパル・カスナビス氏とインドネシアのCBR開発研修センター所長でCBR実践者であるジョナサン・マラトモ氏を招いて、CBRセミナーを開催し、多くの日本の関係者にCBRを取り巻く様々な動きについて理解していただく機会を提供しました。
同セミナーの結果を本報告書にまとめましたのでご高覧ください。
プログラム
【午前】
9:30-12:30 CBRの国際的動向とインドネシアからの実践報告
講演1.「CBRガイドラインと地域に根ざしたインクルーシブ開発」
(CBR Guidelines and Community Based Inclusive Development)
講師:チャパル・カスナビス氏 WHO(世界保健機関)、障害とリハビリテーションチーム
講演2.「災害後のCBRの実施」(Implementation of CBR Post Disaster)
講師:ジョナサン・マラトモ氏 インドネシアのCBR開発研修センター(CBRDTC)代表
【午後】
13:40-15:40 日本のCBR支援
報告1.「JICAにおけるCBR支援について」
報告者:武智 剛人氏 (国際協力機構人間開発部社会保障課)
報告2.「障害者の自立生活におけるCBRの役割」
報告者:中西 由起子氏 (アジア・ディスアビリティ・インスティテート)
報告3.「南タイのCBRの支援」
報告者:小俣 典之氏 (FHCYアジア障害者パートナーズ)
報告4.「カンボジアにおける地域住民による知的障害者支援」
報告者:沼田 千妤子氏 (日本発達障害福祉連盟)
15:40-15:55 休憩
15:55-16.50 質疑・ディスカッション
16:50-17:00 閉会挨拶