[英国]鉄道改革による障害者への影響

リハ協ブログ2013年4月24日より転載

イギリス労働組合会議(TUC:Trades Union Congress)が実施しているアクシヨン・フォー・レイル・キャンペーン(Action for Rail Campaign)は、「鉄道職員の将来が障害者と高齢の乗客にどのように影響するか(What does the future of railway staffing mean for disabled and older passengers?)」というレポートを発表しました。このレポートは、今後予定されている英国の鉄道改革が実施され、14,000人の鉄道職員が削減されたとき、障害のある旅行者や高齢者の鉄道利用にどのような影響があるかを調査したものです。

調査対象者は、1,031人の障害者でした。調査の結果、71%が鉄道を利用するとき鉄道職員から何らかの手助けを受けており、その83%が鉄道職員はよく訓練されており礼儀正しく役に立つと述べています。また、73%が列車の乗降時に支援を受けており、58%が列車内の設備を使うときに手伝ってもらっていると答えています。その結果、81%の障害者が、鉄道駅の職員が削減されたら鉄道旅行は困難になると答えています。

英国の鉄道改革は、2011年に運輸省などの依頼でロイ・マクナルティ卿が作成した「鉄道の価値の研究(Rail Value for Money Study)」という報告書に基づき実施されようとしており、20,000人の鉄道職員が解雇される危険があるとのことで、労働組合がこのようなキャンペーンを展開しています。

TUCのレポートは、

http://actionforrail.org/what-does-the-future-of-railway-staffing-mean-for-disabled-and-older-passengers/、

ロイ・マクナルティ卿のレポートは、

http://www.rail-reg.gov.uk/server/show/ConWebDoc.10401にあります。(寺島)

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