[英国]寝室税は違法であるとする初めての判決

リハ協ブログ2014年4月25日より転載

このブログでも紹介していますように、英国では、17歳以上の成人またはカップル一組あたり1寝室以上の寝室があればその寝室を空き寝室とみなして、住宅手当を減額するという制度ができ、2013年4月から実施されています。住宅手当が減額され、その寝室の分の家賃は自分で支払わなければならないことから、実質的には税金と同じであるとして、一般的に寝室税(bedroom tax)と呼ばれています。

この寝室税は、低所得者などに非常に評判が悪く、特に、重度の障害者は、広い住宅スペースを必要とすることから、この制度は違法であるとして裁判に訴える例が増えています。

サウスポートに住むジャクリーン・カーマイケルさん(42)は、二分脊椎があり、歩行困難で褥瘡防止のための電動ベッド上でほぼ生活しています。アパートの寝室が狭いため夫のジェイソンさんが寝るためのもう一つ寝室があり、その分の家賃56ポンドを自分で支払っています。そこで、夫妻はこの状態は違法であるして高等裁判所に訴えていました。

これまでは、障害者が裁判に負けていたのですが、このたび、高等裁判所は、寝室税は人権法(Human Rights Act)に抵触するとしてカーマイケル夫妻の勝訴を言い渡したものです。この勝訴は、全国で初めてのケースで、今後、他の裁判にも影響を与えそうだとのことです。

詳細は、下のサイトをご覧ください。(寺島)

http://www.liverpoolecho.co.uk/news/liverpool-news/merseyside-couple-beat-bedroom-tax-7025854

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