[英国]鉄道スタッフ向けトレーニングガイド

リハ協ブログ2018年5月24日より転載

2018年5月18日、ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ(Govia Thameslink Railway:GTR)という旅客列車運行会社からスタッフ向けのトレーニングガイドが発行されました。

ご存知のように、英国は、1994年の国鉄民営化により、列車運行とインフラ管理は、完全に別会社が担当する上下分離方式となっています。列車運行に関しては、旅客列車も貨物輸送会社もそれぞれ複数の列車運行会社により運行されています。GTRは、イングランドでフランチャイズ方式により、テムズリンク(Thameslink)、グレートノーザン(Great Northern)、サザン(Southern)、ゲトウィック・エクスプレス(Gatwick Express)を運営しています。

GTRから発行されたスタッフ向けのトレーニングガイドは、「ピットストップ 定時運行のための重要原則(PitStop –Key principles for managing station dwell times)」というタイトルで、定時運行をするための留意点、方法、優先順位などについて具体的に示しています。例えば、自動でアナウンスされる内容を繰り返し口頭では行わない、10分未満の遅延については謝らない、遅れて走ってくる乗客を乗車させるためにドアを開けて待たないなどが書かれています。

ところが、このガイドに対して、障害者からの要望に反するとして批判が出ています。例えば、重要原則に、安全(Safety)、スピード(Speed)、効率性(Efficiency)、プロフェッショナリズム(Professionalism)が挙げられているが、アクセシビリティが挙げられていない。

介助者が必要にもかかわらず到着駅に介助者がいない場合には、介助者がいる近くの駅まで行きタクシーを使うことを勧めるというという方式は、乗車について事前予約を求めるもので、駅に十分なスタッフを置くというこれまでの要望に反する等が指摘されています。

批判のサイトは、下のとおりです。

https://abcommuters.wordpress.com/2018/05/18/exclusive-full-copy-of-gtrs-staff-training-document-which-discriminates-against-disabled-passengers/

また、トレーニングガイドは、下のサイトにあります。(寺島)

https://abcommuters.files.wordpress.com/2018/05/pit-stop-gtr.pdf

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