[英国]フードバンクによる緊急食料品パックの提供が160万個に増加

リハ協ブログ2019年5月12日より転載

2019年4月25日のTrussell Trustネットワークの発表では、2018年4月から2019年3月までの緊急食料品パック(Emergency food parcel)の提供数は、1,583,668個となり、同ネットワーク開設以来、最高を記録したとのことです。過去5年間で73%の増加率になっています。

緊急食料品パックは、一人が3日間暮らせるだけの栄養バランスのとれた食料品がはいったパックで、貧困のために食べるのに困った人たちを緊急的に救済するためのものです。

フードバンクは、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、貧困者等へ無料で提供する団体や活動で、英国には、多くのフードバンクがあり、Trussell Trustネットワークは、これらのフードバンクのネットワークで、英国内に1200箇所の拠点があります。

緊急食料品パックの増加の原因として、近年の英国の手当制度の変更により、手当の減額や待期期間の設定などが行われ、貧困者が増加していることが挙げられています。特に、ユニバーサルクレジットという手当制度が導入されて以来、手当受給までの5週間の待期期間や手当の遅延が発生しているため、その期間の食事に困る人が増えているとのことです。

緊急食料品パックのうち、577,618個は子供に提供されました。ユニバーサルクレジットの受給者には障害者が多いので、障害者も同じような状況にあるのではないかと考えられています。

なお、Trussell Trustネットワークには、すべてのフードバンクが加入しているわけではなく、約2/3のくらいの加入率であるとのことです。

詳しくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)

https://www.trusselltrust.org/2019/04/25/record-1-6m-food-bank-parcels/

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