[英国]精神病院に入院している学習障害児や自閉症児に関するレポート

リハ協ブログ2019年7月14日より転載

2019年5月20日、イングランドのアン・ロングフィールド(Anne Longfield)児童コミッショナーは、学習障害児や自閉症児に関するレポートを公表しました。

レポートのタイトルは、「期待以下:精神病院に住む学習障害や自閉症児童(Far less than they deserve: Children with learning disabilities or autism living in mental health hospitals)」で、精神病院に入院している学習障害や自閉症の児童数が、不必要に多いことを明らかにし、これらの児童に対する現在の支援システムに対して警告を発しています。

同レポートは、次のような内容になっています。

○政府は、病院に入院する学習障害や自閉症のある人々の数を削減するという目標を掲げているにもかかわらず、精神病院に入院している児童数は増加している。

イングランドでは、2015年3月は110人であったものが、2019年2月には250人の学習障害または自閉症の児童が確認された。これらの児童の約4分の3は自閉症であるが学習障害はない。7人に1人は学習障害のみであり、同じく7人に1人はその両方を持っている。

○児童たちが病院に収容されている期間が長すぎる。

自閉症または学習障害のある児童が現在の病院に入院している期間は平均6か月(184日)で、全体としては8か月(240日)入院している。7人に1人が現在の病院で少なくとも1年以上入院している。

○児童たちは家族や家から遠く離れた場所に入院しているため、家族が訪問するのが非常に困難である。95人の児童が自宅から50 km(31マイル)以上離れている病院に入院していた。55人(ほぼ3分の1)が自宅から100km(62マイル)以上離れている病院に入院していた。

また、病院の医療の質がまちまちであること、ケアの見直しが十分になされていないこと、親に対する情報提供が少ないことなどの問題があるとしています。

詳しくは、下のレポートをご覧ください。(寺島)

https://www.childrenscommissioner.gov.uk/publication/far-less-than-they-deserve/

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