はじめに

2021年11月6日(土)、当協会はCBID国際シンポジウム「何から始める?変化を起こすつながりづくり~アジア発、地域共生社会実現のヒント~」をオンラインにて開催し、日本を含めた約30の国と地域から120名の参加者を得て盛況のうちに終了しました。

本資料集はシンポジウムの発表資料(日・英)を中心にまとめたものです。

当協会は、これまで世界保健機関(WHO)が提唱しているCBID(地域に根ざしたインクルーシブ開発)の推進を行ってきました。CBIDは脆弱な立場に置かれた人を含め、全ての人々が安心して生活できる地域づくりを持続可能な形で実現するものです。CBIDはこれまで、開発途上国を中心に発展してきた経緯がありますが、地域でのつながりが求められる現在の状況こそ、必要な考え方であると考えています。

今回のシンポジウムでは、日本とアジアで行われているCBIDに近い活動について3組の方々からご紹介いただきました。

一人目は滋賀県東大近江市、永源寺診療所所長の花戸貴司さんです。医療機関での治療を経て、患者さんの地域での暮らしを支え合うために地域住民も参加する「チーム永原寺」の活動について、お話しくださいました。

二組目はタイ東北部の「希望の家」財団について、代表のラオンさんと理事のソムチャイさんから、子どもたちを養育する施設から、コミュニティとともに、障害児を含む子どもたちと家族をサポートする活動へと展開したことをお話しいただきました。

最後はベトナム・ハノイの障害当事者団体「DPハノイ」副代表フーイェンさんの報告です。DPハノイは、障害者のための専用のスポーツクラブを開設し、その後一般の人々も使えるようにしたことが、コミュニティの人々の障害への理解が進んだことをお話しくださいました。

本シンポジウムは、CBIDアジア太平洋ネットワーク、アジア太平洋障害センター(APCD)のご協力並びに、大阪府民共済生活協同組合、埼玉県民共済生活協同組合のご助成により開催いたしました。ここに厚く御礼申し上げます。

本資料集が地域共生社会づくりに関わる多くの方々にとってご参考になれば幸いです。

公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
会長 炭谷 茂
2021年12月末

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