〇従来は、障害児通所サービス(児童発達支援・放課後等デイサービス)の基本報酬において、医療的ケア児を直接評価しておらず、一般児と同じ報酬単価であったため、受入れの裾野が十分に広がってこなかった。
〇今回改定においては、いわゆる「動ける医ケア児」にも対応した新たな判定スコア(右下欄★)を用い、医療的ケア児を直接評価する基本報酬を創設。
基本報酬においては、医療濃度に応じ、「3:1(新スコア15点以下の児)」「2:1(新スコア16~31点の児)」又は「1:1(新スコア32点以上の児)」の看護職員配置を想定し、当該配置を行った場合は必要な額を手当て。
○また、1事業所当たりごく少人数の医ケア児の場合(基本報酬では採算が取りづらい)であっても幅広い事業所で受入れが進むよう「医療連携体制加算」の単価を大幅に拡充。(※従来の看護識員加配加算を改組)
※さらに、従来NICU等から退院直後の乳児期は、自治体において障害児としての判定が難しいために障害福祉サービスの支給決定が得られにくいという課題があることから、新たな判定スコアを用いた医師の判断を活用することにより、新生児から円滑に障害福祉サービスの支給決定が得られるよう運用改善を行う。
<例:児童発達支援事業所(10人定員)の場合の単価例>
【従来】 | 【改定後】 | ||
←基準人員→ | 月単位(平均)で「3:1(新スコア15点以下の児)」「2:1(新スコア16~31点の児)」又「は1:1(新スコア32点以上の児)」の看職護員を配置する | ||
一般児(動く医ケア児) | 830単位 | ||
→ 経営状況を踏まえた基本報酬の引き上げ |
↓ | ||
医ケア児が少人数 (例えば2名以下)の場合 |
885単位 | 医療連携体制加算1,600~400単位 | |
↑ 例えば医ケア児3名以上 ↓ |
15点以下 | 885単位 | 1,552単位 |
16点以上 | 885単位 | 1,885単位 | |
32点以上 | 885単位 | 2,885単位 | |
←基準人員→ | ←看護職員配置→ |
重心児 | 2,098~837単位 | |
重心+医ケア児 | 2,098~837単位 | 看護職員加配加算400~133単位 |
←基準人員→ | 400単位×5人=2,000単位 |
重心事業所(主として重症心身障害児を通わせる事業所)については、従来どおり基本報酬(5人定員の場合、現行2,098単位)に、看護職員加配加算を加える構造を維持するが、実情に合わせ、看護職員加配加算の要件を緩和(従来:「8点以上の医ケア児が5人以上」⇒改定後:「その事業所の医ケア児の合計点数40点以上」)。
点数変更(要件変更を含む) 追加項目
医療的ケアのスコアを見直すとともに、新たに「見守りスコア」を設定
項目 | 基本スコア | 見守りスコア | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
高 | 中 | 低 | ||||
1 | 人工呼吸器(NPPV、ネイザルハイフロー、パーカッションベンチレーター、排痰補助装置、高頻度胸座振動装置を含む) | 10 | 2 | 1 | 0 | |
2 | 気管切開 | 8 | 2 | 0 | ||
3 | 鼻咽頭エアウェイ | 5 | 1 | 0 | ||
4 | 酸素療法 | 8 | 1 | 0 | ||
5 | 吸引 | 口鼻腔・気管内吸引 | 8 | 1 | 0 | |
6 | 利用時間中のネブライザー使用・薬液吸入 | 3 | 0 | |||
7 | 経管栄養 | 経鼻胃管、胃瘻 | 8 | 2 | 0 | |
経鼻腸管、経胃瘻腸管、腸瘻、食道瘻 | 8 | 2 | 0 | |||
持続経管注入ポンプ使用 | 3 | 1 | 0 | |||
8 | 中心静脈カテーテル | 中心静脈栄養、肺高血圧症治療薬、麻薬など | 8 | 2 | 0 | |
9 | その他の注射管理 | 皮下注射(インスリン、麻薬など) | 5 | 1 | 0 | |
持続皮下注射ポンプ使用 | 3 | 1 | 0 | |||
10 | 血糖測定 | 利用時間中の観血的血糖測定器 | 3 | 0 | ||
埋め込み式血糖測定器による血糖測定 | 3 | 1 | 0 | |||
11 | 継続する透析(血液透析、腹膜透析を含む) | 8 | 2 | 0 | ||
12 | 排尿管理 | 利用時間中の間欠的導尿 | 5 | 0 | ||
持続的導尿(尿道留置カテーテル、膀胱瘻、腎瘻、尿路ストーマ) | 3 | 1 | 0 | |||
13 | 排便管理 | 消化管ストーマ | 5 | 1 | 0 | |
利用時間中の摘便、洗腸 | 5 | 0 | ||||
利用時間中の浣腸 | 3 | 0 | ||||
14 | 痙攣時の管理 | 座薬挿入、吸引、酸素投与、迷走神経刺激装置の作動など | 3 | 2 | 0 |