[英国]生活道路拡大による障害者への影響調査
リハ協ブログ2021年2月1日より転載
2021年1月22日、障害者や高齢者の自由かつ独立したな移動を支援する障害者のチャリティー団体である「Transport for All」は、「Pave The Way(道をひらく)」というレポートを発行しました。
このレポートは、ロンドン市が進めている「交通量の少ない地域(Low Traffic Neighbourhoods:LTNs)」という政策が障害者の移動に与えた影響を調査したものです。LTNsは、住民以外の車が生活道路を抜け道に使用しないようにすることで(通ると写真を自動で撮られて罰金を取られる)、生活道路を歩きやすく、また、自転車で走りやすくするようにするもので、1970年代からすでにロンドンで始められましたが、2020年春にはさらに多くの地域に導入されました。現在は、パンデミックにおける密を避けるためにウォーキングやサイクリングによる移動として「活動的な移動(Active Travel)」を進めるために「ロンドンのストリートスペース(Streetspace for London’s)」という一時的な対策の一環として実施されています。
レポートは、パンデミック以降にLTNsが増えたことによりどのような変化があったのかを障害者85人に対してインタビューした結果をまとめています。例えば、次のような内容を含んでいます。
[肯定面]
- 交通の危険性減少
- 独立性の向上
- 移動が簡単または快適になった
- 身体の健康の良い
- 精神の健康に良い
[否定面]
- 移動時間が長くなった
- より疲れる
- 障害を悪化させる
- 費用がかかる
- ヘルパー等訪問者の移動時間が長くなった
- 移動がより複雑または困難になった
- 交通の危険性の増加
- 精神の健康への悪影響
- 選択肢がなくなった
詳しいことは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.transportforall.org.uk/campaigns-and-research/pave-the-way/#