被災障害者を支援する為の情報を掲載。

JDF災害総合支援本部

Home › 要望書等について › 第3回国連防災世界会議開催あたって要望
本文はここから

要望書等について

2015年2月19日

内閣府特命担当大臣(防災) 山谷 えり子 様

日本障害フォーラム(JDF)
代表 嵐谷 安雄

第3回国連防災世界会議開催あたって要望

 日頃より防災施策の推進にご尽力いただいていることに心より敬意を表します。
 さて今年の3月に、宮城県仙台市において、第3回国連防災世界会議が開催されます。 同会議は、日本から世界に向けて、阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめとするさまざまな災害の経験とその教訓を踏まえながら、誰もが安心して暮らせる社会の構築について発信を行う機会として、 私たち障害分野も大きな期待を寄せております。
 一方、東日本大震災の発生からまもなく4年を迎え、被災地では復興に向けた取り組みが続けられていますが、 多くの方々がいまも仮設住宅に暮らしており、今後の復興住宅等への転居も控え、 不安定な生活を強いられています。また津波などの被害が大きかった地域では、 生活や各種サービスの基礎となるコミュニティそのものが復興途上にあり、 そのような中で、障害者は引き続き支援を必要としています。  このことから、次のことを要望いたします。

1.第3回国連防災世界会議において新たに策定される「国際防災枠組み」の内容と、 今後の実施においては、日本が2014年1月に批准した障害者権利条約に基づいて、 障害者の参加とインクルージョンが確保されるよう、日本政府に特段の配慮をお願いします。

2.同時に、国連防災世界会議においては、開催国であり、 また障害者権利条約の締約国である日本政府の公式な発言、文書、記録などに、 障害者の参加とインクルージョンに関わる課題を明確に位置付けて、 その重要性を世界に力強く発信していただくようお願いします。

3.国連防災世界会議の各セッションは、障害者が参加できるよう物理面、情報面、進行面の配慮を行うとともに、資料、記録についても、障害者が利用できる形式や媒体を使用してください。

4.今後の国内における防災対策、ならびに被災地の復興は、障害者団体を含む市民社会組織と連携しつつ、 上記のことを踏まえて進めていただくことをお願いします。

特に、被災地の実情を踏まえて、次の課題を提起いたします。

(1)被災地における障害者支援とサービスの充実
 被災地における障害者の実情に鑑み、障害者支援とサービスの一層の充実に向けて、 予算の割り当ても含めた特段の対応をお願いします。

  • 障害者を支援するサービスには地域差があるのが実情ですが、 被災地に暮らす障害者に対しては、特に手厚いサービスが支給できるようにしてください。
  • また被災地においては、障害者手帳を持たない障害者も、 必要な支援サービスが利用しやすい配慮をお願いします。
  • 障害者を支援する人材が不足していることから、人材の確保、 ならびに報酬の改善、資格要件や人員配置基準の緩和等を含む活動条件の整備をお願いします。
  • 被災地における障害者支援事業所に対しては、継続した支援を行ってください。

(2)住宅とコミュニティ

  • 仮設住宅ではなお多くの障害者が居住しており、住環境のハード面、 生活支援などのソフト面も含めた引き続きの支援をお願いします。 特に生活支援の基礎となるコミュニティを活性化できるよう、自治会/自治組織の支援や、 コミュニティ・ソーシャルワーカーの配置などを行ってください。
  • 復興公営住宅の入居手続きについては、身寄りを亡くした障害者等も申請がしやすいよう保証人を免除するなど、配慮をお願いします。
  • 復興公営住宅は、障害者・高齢者が居住しやすいユニバーサルデザインを取り入れてください。 また住宅の使い勝手は、個々人によって異なることから、より住みやすいものとするために、 入居前・入居後に改修・カスタマイズできる仕組みにしてください。
  • 復興公営住宅の設計と建設にあたっては、住民の集いの場所や支援拠点などを整備し、 今後のコミュニティづくりに配慮してください。

(3)当面の移動支援と将来の交通システム

  • 被災地では、交通の復興がままならず、多くの人が、通院、通学、日常の買い物にも苦労しています。 特に移動の困難な障害者・高齢者等には、タクシー券の手厚い支給や、福祉運送の実施などの支援を行ってください。
  • 復興公営住宅や新たな宅地は、高台に建設されることが多く、移動と交通の課題は今後も続くことが予想されます。 自治体や公共交通機関・業者等が協力して、誰もが使いやすい交通システムを実現していくことが必要です。 国においても、未来の交通システムを考えるプロジェクト/検討会を立ち上げ、障害当事者等の参加を得て、検討を行ってください。

(4)情報アクセスとコミュニケーション

  • 被災地では、情報の取得やコミュニケーションが困難な障害者(視聴覚障害者を含む)も多く生活しています。 住宅支援や生活支援(例:仕事探し、役所での諸手続き)等ではそのような障害者の情報アクセス・コミュニケーション保障を行ってください。

以上

          日本障害フォーラム(JDF)
          日本身体障害者団体連合会
          日本盲人会連合
          全日本ろうあ連盟
          日本障害者協議会
          DPI日本会議
          全国手をつなぐ育成会連合会
          全国脊髄損傷者連合会
          全国精神保健福祉会連合会
          全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
          全国社会福祉協議会
          日本障害者リハビリテーション協会
          全国「精神病」者集団
          全国盲ろう者協会


メニューはここから