エンジョイ・ディジー 私らしい方法で読む、わかる! 

ENJOY・DAISY Digital Accessible Information SYstem 読めるって楽しい! 全ての人が同じ情報をシェアすることが出来ます。

DAISYとは?
  DAISYトップ > 事業内容 [ DAISY関連事業のあゆみ ]    >   平成23年度 > DAISY活用事例
メニューはここから
本文はここから

DAISY活用事例

2012月3月

制作:(公財)日本障害者リハビリテーション協会

助成:独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業


回答サンプル1
1.本人の現況

(1) 学年(年齢)、性別
  5年生(11歳) 男児

(2) 診断の有無、障害の特徴
  LD(ディスレクシア)

(3) 読みの特徴
平仮名の読みができる。
漢字は1〜2年生程度(覚えているものだけ)の漢字の読みができる。

(4) DAISYを使用する前に受けていた読みに関する支援
教師・母親によるリーディングサポート

 現在も同様の支援を受けている  ✓はい   

(5)DAISY以外の読みの支援を受けている

2.DAISYの活用による支援

(1) DAISYの使用開始時期(学年)
3年生

(2)開始時の状況
LD・ADHD等通級指導教室にて、紹介を受けました。
通級の指導の中では、DAISYを使って読めるレベルではまだなかったので使用していませんでした。学校の教科書の内容を知るために、音読の宿題で使い始めました。

 

(3)どんなきっかけで使用するようになったか
母親との関係が悪く、「一人でやっていきたいけれど、母親に読んでもらわないと一人では宿題も、連絡帳を見て明日の準備も、何もできない」という本人の思いがありました。そこで、DAISYを使って「自分一人の力で宿題(音読)に取り組み、母親との距離を離そうと、DAISYを利用することにしました。
また、家で予習として教科書を読んでくることで、授業の中でお話の内容を理解して参加できることや、DAISYで文字を追うことによって、読める言葉が少しでも増えれば、というねらいもありました。

(4) DAISYの使用期間
昨年度、4年生10月から学級で使用し始め、今も継続して使用しています。

(5) 使用したDAISY教科書・図書
DAISY教科書

小学生:  国語  社会  理科 算数 

DAISY図書

アリババと40人の盗賊
てぶくろをかいに
はなさかじい
きつねのよめいり

 

(4) DAISYの再生環境
●再生機器
パソコン  パソコン以外の機器(          )

●再生ソフト 
AMIS   EasyReader 

(5) DAISYの活用方法・活用場所 (個人で 先生と )
●家庭学習の場合: 
どこで:リビング
だれと:一人で(準備は母親に手伝ってもらうことがある)
どのように:国語の音読の宿題のとき
社会のテスト前に教科書を読む

●学校での学習の場合
どこで:教室や多目的教室
だれと:一人で、または学級全員で
どのように:(個人)国語:音読の時間
国語:文章の中から問いの答えを探す時間に
(全体)国語:音読や範読の時間
社会:図や表をみんなで見ながら
朝の読書:全員で紙芝居のように利用
休み時間:デイジーコーナーで読書

(6) DAISY活用による変化 (学校・家庭での様子を含めて)
●読みに関して
何度も繰り返し文章を読むことにより、読める単語が確かにふえています。
漢字は難しいですが、平仮名だけの文章や、ルビをふった文章は、自力で読むことができるようになりました。

 

●生活に関して(余暇の使い方、生活態度、学校での参加態度など)

  • 授業に積極的になり、国語の時間でも手を挙げて自分の思いを発表する場面が見られました。
  • 自分に自信を持ち、国語以外の教科でもやる気を出して取り組むようになりました

(7) 自由記述
読みの困難が大きいので、すらすら読めるようになったとはまだまだ言えませんが、本人の読みに対する意欲はとてもよくなり、DAISYがあれば読めるという安心感を持って学習にのぞんでいる様子です。
DAISYを使い始めて、クラスの音読大会に初めて参加できたり、スピーチ原稿を見ながらクラスのみんなに向けてスピーチができたり、活動に参加できる幅も広がりました。

クラスの様子

PCを使った授業

回答サンプル2
1.本人の現況

(1) 学年(年齢)、性別
5年生(11歳)   男

(2) 診断の有無、障害の特徴
医療機関にはかかってない。
オプトメトリストにかかって、視機能に問題ありと判断された。

(3) 読みの特徴
読むのが遅いが、かって読み、適当な読み、とばし読みで正確に読めない。

(4) DAISYを使用する前に受けていた読みに関する支援
なし

(5)DAISY以外の読みの支援を受けている
ビジョントレーニング

 

2.DAISYの活用による支援

(1) DAISYの使用開始時期(学年
3年生の11月から

(2)開始時の状況
保護者からの相談で教科書の音読の宿題をいやがる。
本を読むのを いやがる、観察画がなかなか形にならない等
K-ABC 、WISC−Vの心理検査実施 
結果 視覚認知の課題が表出 

(3)どんなきっかけで使用するようになったか
通級指導教室で、本児のニーズにあった学習をするため。

(4) DAISYの使用期間
2009年11から現在まで

(5) 使用したDAISY教科書・図書
DAISY教科書
小学生:  国語

(4) DAISYの再生環境
●再生機器
パソコン

●再生ソフト 
AMIS 

(5) DAISYの活用方法・活用場所

●学校での学習の場合
どこで:通級指導教室
だれと:通級指導教室担当教師
どのように:マンツーマンの個別指導 国語

 

パソコンの画面

(6) DAISY活用による変化 (学校・家庭での様子を含めて)
●読みに関して
学校でも家でも教科書を読むのを嫌がらなくなった。教科書に対する拒否感が軽減した。読めることで達成感や自信がつき自尊感情が高まった。

  • 生活に関して(余暇の使い方、生活態度、学校での参加態度など)

生活全般に、自信がついて情緒が安定してきた。友達との関係でもトラブルが減ってきた。

(7) 自由記述
マルチメデイアデージー教科書を使用することで学習のまな板に載せることができ、教科書・文字からの情報を積極的に取り入れること、学びに興味・関心を持てるようになってきたこと、自尊感情が高まったことなど大きな成果があった。同時に、ビジョントレーニングを取り入れることにより、より正確で形のよい文字を書けるようになってきた。
小学生にとって、本人の努力にも係わらず、教科書がスムーズに読めないこと、正しい漢字が書けないで、書き直しや注意されるこが多いことは、どんなにか学校生活が苦痛になるだろうと想像する時、教師や保護者たちは、読みにくさを持っている子どものことに早く気づいてほしい。そして、早くマルチメデイアデージー教科書を使用し、読めることで学習意欲を高めてほしいと切に願っている。

回答サンプル3
1.本人の現況

(1) 学年(年齢) 性別
小学2年生(8歳) 男

(2) 診断の有無、障害の特徴
高機能広汎性発達障害、学習障害

(3) 読みの特徴
勝手読みや抜かし読みが多い。
行を跳ばして読む。
単語、文節の区切りを間違えて読む。

(4) DAISYを使用する前に受けていた読みに関する支援

  • 絵本の読み聞かせ
  • ひらがな単音の読みの指導
  • ひらがな単語(促音、拗音のある単語)の読みの指導
  • くっつきの助詞(は・へ・を)の読みの指導

現在も同様の支援を受けている  はい

(5)DAISY以外の読みの支援を受けている
・特に受けていない。

2.DAISYの活用による支援

(1) DAISYの使用開始時期(学年)
小学1年6月〜

(2)開始時の状況

  • たどたどしく音読していた。
  • 勝手読みや抜かし読みが多かった。
  • 行を跳ばして音読してしまうことが度々あった。

(3)どんなきっかけで使用するようになったか
本児は、幼稚園年長時から、通級指導を受け、読みの指導を受けていた。就学前にほぼ、ひらがな単音での読みはできるようになったが、小学校入学後、読みのつまずきが出てくることが懸念されたため、マルチメディアDAISY教科書を使用することにした。本児の場合、読みの苦手さが目立ってから使用したわけではなく、LDの疑いがあることから、早期に読みの指導を開始し、つまずきが大きくなる前に、マルチメディアDAISYを導入した事例である。

(4) DAISYの使用期間
H22年6月(小学1年)〜H24年3月(小学2年)

(5) 使用したDAISY教科書・図書

DAISY教科書
小学生:  国語

(6) DAISYの再生環境
●再生機器
パソコン

●再生ソフト 
AMIS

(7) DAISYの活用方法・活用場所 (家庭及び学校で使用)
●家庭学習の場合: 
どこで:家庭で
だれと:母親と
どのように:国語の教科書の音読の宿題の際に、教科書は使わず、マルチメディアDAISY教材をパソコンのディスプレイ上に映し、読み聞かせをしたり、ハイライトの文字再生の直後に音読させたり、音を消してハイライトの文字に合わせて音読したりして練習した。
●学校での学習の場合
どこで:通級指導教室で
だれと:通級指導担当者と
どのように:マルチメディアDAISY教材をパソコンのディスプレイ上に映し、読み聞かせをしたり、ハイライトの文字再生の直後に音読させたり、音を消してハイライトの文字に合わせて音読させたりした。併せて、ディスプレイを見せながら、内容把握、文章読解の指導もしたりした。

 (8) DAISY活用による変化 (学校・家庭での様子を含めて)
●読みに関して
初めて読む教材では、マルチメディアDAISY教材での読み聞かせに意欲的である。どんな内容の文章なのかを集中して聞いている様子がうかがえる。また、何回か読み聞かせで聞くことによって、内容を覚えるため、自分で音読するときに音読しやすくなる、というのは当事者である児童の弁である。
音を消してハイライトに合わせて音読をするときには、ハイライトのスピードよりも速すぎず遅すぎずの速さで気を付けて読もうとしている。
新出漢字の読みも、マルチメディアDAISY教材の読み聞かせのときに覚えたりしている。また、仮に漢字で読めないものがあっても、前後の内容から自分で予想して読んでいることもあった。
マルチメディアDAISY教材で読み聞かせや音読練習をした後に、教科書を使って音読をすると、言葉や文節の区切りは正しく読めていることが多い。一方で、勝手読みや抜かし読みはマルチメディアDAISYを使用しても少なからずあり、教科書を読む際には、指で文を追っていくという手立てを入れている。

●生活に関して(余暇の使い方、生活態度、学校での参加態度など)
DAISYを使った学習のときは、「パソコンを使った学習だ。」と言って、喜んで取り組み、姿勢良くパソコンに向かう様子が見ることができる。
家庭では、絵本やマンガ本の読み聞かせをしてほしいということが多くなり、まとまった時間(30分〜1時間程度)、親の読み聞かせを楽しむようになってきた。また、読み聞かせしなくても、一人で読書をするようにもなってきた。

 (9) 自由記述
マルチメディアDAISY教材による読み聞かせをする際に、「教科書とパソコンの好きな方を見てもいいよ。」と言うと、教科書は閉じ、パソコンの画面を見ることを選択する。理由を本人に尋ねたところ、パソコンの画面の方がハイライトがあって集中できることと、教科書はページをめくらないといけないから、ということであった(写真1)。
語句の意味や内容把握、文章読解の指導をするときには、マルチメディアDAISY教材の画面をプロジェクタでホワイトボードにうつし、語句や文に書き込みをしながら読解の指導にも効果的であると感じている(写真2)。

 

 

(写真1)
パソコンで指導

(写真2)
授業の風景