マルチメディアデイジー教科書
マルチメディアデイジー教科書について
2008年9月17日施行の「教科用特定図書普及促進法(教科書バリアフリー法)」と「著作権法第33条の2」の改正により、LD(学習障害)等の発達障害や弱視等の視覚障害、その他の障害のある児童・生徒のための「拡大教科書」や、デジタル化された「マルチメディアデイジー教科書」等が、製作できるようになりました。
(公財)日本障害者リハビリテーション協会では、2008年の9月よりマルチメディアデイジー教科書を通常の教科書では読むことが困難な児童、生徒に、提供を始め、2012年度より、当協会を中心にボランティア21団体(下記参照)と協力を組み、より多くの読むことに困難のある生徒に提供をしております。
<デイジー教科書製作協力団体>
・特定非営利活動法人 NaD (ナディー)
・ひなぎく
・森田研究室
・えどベリスの会
・特定非営利活動法人 支援技術開発機構
・社会福祉法人日本ライトハウス情報文化センター
・朗読奉仕グループ「Qの会」
・あおもりDAISY研究会
・特定非営利活動法人 サイエンス・アクセシビリティ・ネット
・広島国際大学マルチメディアDAISY研究会
・社会福祉法人 日本点字図書館
・所沢マルチメディアデイジー
・一般社団法人 いちえ会
・埼北デジテック
・信州ファンドレイジングチーム
・世田谷マルチメディアDAISYの会
・特定非営利活動法人 読み継ぐ書物のアクセシブル図書館
・大阪教育大学 今枝史雄研究室
マルチメディアデイジー教科書 とは?
マルチメディアデイジー教科書は、通常の教科書と同様のテキスト、画像を使用し、テキストに音声をシンクロ(同期)させて読むことができるものです。
ユーザーは音声を聞きながらハイライトされたテキストを読み、同じ画面上で絵をみることもできます。
DAISY図書で広がる読書体験
小澤彩果さん(ディスレクシア当事者)インタビュー
マルチメディアDAISYの紹介ビデオ:楽しく読むために
(C)2019 大阪教育大学 特別支援教育講座 特任教授 金森裕治
このビデオは、2019年度文部科学省「学習上の支援機器等教材活用評価研究事業」の研究助成を受けて制作したものです。
マルチメディアDAISY図書「ごん狐」を再生しているところ
マルチメディアデイジー教科書のサンプル
<どなたでも利用できるサンプル図書>
サンプル図書は、次のデモ用アカウントでご利用いただけます。
2冊のデイジー図書が格納されています。
・ログイン名:10025
・パスワード:12345678
再生方法は、こちらを参照ください。
<読みの困難を持つ方への紹介、普及促進目的で利用できる小学校教科書サンプルの貸出>
公立図書館、学校図書館、相談センター、研修会等、読み書きに障害のある児童生徒向けにご紹介や普及促進のためにご利用いただくことが可能です。
サンプル内容:平成27年度の小学1年~4年の国語、算数、理科、社会の教科書の一部(10~20ページほど)を収録。出版社の指定等はできません。
デイジー教科書のサンプルを、CD(WindowsOS用)もしくはブラウザで再生してご利用になられたい方はメールにてご連絡ください。
E-Mail:daisy_c@dinf.ne.jp
必要記載事項:(1)氏名 (2)所属先 (3)住所(〒含む) (4)電話番号 (5)ご利用目的 (6)CD・ブラウザ再生のいずれをご希望か
〈注:ブラウザでのご利用は、再生中に通信が常に発生します。通信契約が、従量制(通信料金が使用量に比例)や使用量の上限がある場合は、使用量に注意してご利用ください。〉
マルチメディアデイジー教科書の提供について
通常の教科書では読むことが困難な児童、生徒はマルチメディアデイジー教科書を利用することができます。申請は、保護者、担任、通級指導担当、校長、教育委員会、支援者、本人でも行うことができます。
マルチメディアデイジー教科書 申請
サーバ提供をご希望の方は、以下注意事項をご確認ください。
(サーバからのダウンロード提供に関して:注意事項)
提供されたDAISY教科書について
データは無断でコピーしたり、他の人に渡したりしないようにしてください。
不正なダウンロード、コピー等が発覚した場合は、即、提供を停止させていただきます。
児童生徒の障害の程度に応じて、在籍学年よりも下の学年の教科用特定図書等を利用することが、当該児童生徒の「学習の用に供する」ものと各学校において判断された場合は、提供可能です。
費用について
サーバからのダウンロード提供を希望された方は、費用はかかりません。
CDにて郵送を希望された方は、生徒1名1教科につき3,000円 請求させていただきます。
製作の進め方について
製作に時間がかかりますので、授業の進行に合わせながら製作を進めていきます。でき次第お送りするようにいたしますが、遅れる場合も予想されます。なにとぞご理解ください。
「デイジー教科書」について
以下の形態で、デイジー教科書を提供させていただきます。
字体: ゴシック系
縦書き・横書き: 教科書通り
ルビ: 教科書通りと総ルビ版
<重要>
デイジー教科書を提供した生徒が所属します学校名、学年、教科、出版社名を文科省に提出することになっております。ご了解ください。
アンケートのご了解
デイジー教科書を使用した際の感想などアンケートを取らせていただきますので、必ずご協力ください。
ご提供いただいた個人情報は、日本障害者リハビリテーション協会の個人情報保護方針に従い、厳重に管理いたします。 個人が特定されることはありませんが、普及していくために、アンケート結果を公表させていただくことがあります。不都合がある場合は、当協会までご連絡ください。
その他、ご不明な点、ご希望等ありましたら、遠慮なくお問い合わせください。
デイジー教科書の扱いについて
申請は年度ごといただくことになっております。年度が終了しましたら、DAISY教科書のデータは責任者が責任もって破棄してください。
EPUB3による提供について
DAISY2.02で製作したデイジー教科書においては、教科書通り版と総ルビ版の2種類を提供していましたが、EPUB3への移行に伴い総ルビ版の1種類になり、取り扱いが簡便になりした。
ルビ種の切り替えは、再生ソフトで行っていただくことができます。
EPUB3で製作したデイジー教科書のルビの仕様は下記を参照ください
デイジー教科書におけるルビの仕様
デイジー教科書の製作段階におけるルビに関する仕様書デイジー規格とEPUB3
デイジー(DAISY)とは、Digital Accessible Information Systemの略で、日本では「アクセシブルな情報システム」と訳されています。
視覚障害者や普通の印刷物を読むことが困難な人々のためのアクシブルな電子書籍の国際標準規格として、50カ国以上の会員団体で構成するデイジーコンソーシアム(本部スイス)により開発と維持が行なわれています。
デイジーは、90年代に音声(視覚障害)中心でスタートし、2000年代に入って利用対象を印刷物の読み障害へと拡大しました。2001年にマルチメディアデイジーの規格であるDAISY2.02が登場し、デイジー教科書もこの規格で製作しています。
そして、2011年には、デイジーは、電子書籍の規格であるEPUB3と統合し、このEPUB3は、2020年に国際的な標準であるISOの規格となりました(ISO 23736:2020)。
ただし、EPUB3自体は広く電子書籍全般を対象とした規格のため、少し遅れて2021年にEPUB3のアクセシビリティに関してもISOの規格になりました(ISO/23761:2021)。
また、2022年には、このISO規格(ISO/23761:2021)に対応した日本標準規格(JIS X 23761)が制定されました。
これによりEPUB3の電子書籍がどこまでアクセシブルかを明示・規定できるため、利用者は、自分に読めるものを電子書店で選べるようになります。
このアクセシビリティに関するISO規格はデイジーコンソーシアムが中心となって原案を作成し、日本が国際規格提案を行ったものです。
そして、このISO規格に基づいて出版されたアクセシブルな電子書籍は、デイジー図書と同様に、読みたいページへの移動や、文字の大きさ・色・フォント・背景の色を変えることができます。
EPUB3のデイジー教科書もこのアクセシビリティが担保されたEPUB3になっています。
お問い合わせ
(公財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター デイジー教科書担当宛
TEL:03-5273-0796(受付時間:平日10時~16時) FAX:03-5273-0615
e-mail:daisy_c@dinf.ne.jp