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Panel Discussion

パネルディスカッション

●ビッテ・クロンクヴィスト (スウェーデン国立録音点字図書館-スウェーデン)

テキスト 1

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このパネルディスカッションに招いてくださいまして、ありがとうございます。最初に少しプレゼンテーションをしたいと思います。ビッテ・クロンクヴィストと申します。スウェーデン国立録音点字図書館マーケティング部のマネジャーです。図書館はTPBと呼ばれています。

スウェーデンのモデルは何か、どのようにして印刷物を読むことに障害がある人々にサービスを提供しているのか。これは図書館との協力を長年にわたって行ってきたというやり方があります。国立図書館そして大学の図書館、一部の学校の図書館も参加しています。その前にユーザーグループについて話をしたいと思います。

2年前に調査をしました。ユーザーグループは少なくとも人口の6%になるということがわかりました。そして内訳ですが、一番多いのがディスレクシアの方々、読み書きの障害がある方、ユーザーグループの85%です。そして視覚障害のある方々もあります。ユーザーグループと言っても、ディスレクシアの方の場合には、すべての年齢層に見られますが、視覚障害者は高齢者が中心となります。そのへんもきちんと考慮をした上で図書館サービスを提供したいと考えています。

テキスト 2

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テキスト 3

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スウェーデンでは二つの公共機関が関わっています。教育のために使われるリソースを作っています。学校の教育で使われるもの、著作権によって図書をそのユーザーグループのために使ってもいいという許可を持っています。分野としては二つに分けることができます。SPSM=国立特別支援教育庁が二つのうちの一つです。こちらは義務教育学校のために図書を作っています。学校と協力をし、そして各教科の中で図書を選んでいます。したがって生徒が必要とするすべての図書をこちらで準備するわけではありません。ディスレクシアの方のみこの3、4年、サービスを提供してきました。

私はTPBで仕事をしています。TPBは単科大学、大学向けの図書を提供しています。図書館と連携をしております。図書館と連携するというのは、先ほどのSPSMとは違います。また学生が必須とするすべての図書を準備します。ノーとは言えないのです。作ることができて、そして学生が必要とする本であれば必ず提供するということです。

デジタルでアクセスできる、学校以外でも使われるリソースの製作もしていますが、今日は教育分野に限って話をしたいと思います。製作は、DAISYの録音図書を製作します。フォーマットはテキストと音声、あるいは音声のみがあります。ディスレクシアの学生のためにはテキストと音声が両方製作できるということを非常にうれしく思っております。多くの学生さんが、ありがとう、テキストと音声が同時に利用できる、そしてコンピュータで利用できるのは本当にすばらしいとよく言ってもらっています。また肉声で作るもの、そして合成音声で作成するものもあります。

SPSMは義務教育学校向けの製作をしています。数はそれほどありません。あまりたくさん作る余裕もないということで数を限ってタイトルを製作しています。学校のすべての教科の図書を作りますが、その教科で使われるすべての図書を製作できるわけではありません。そして出版社と協力をしていると思いますが、その数字はわかりません。私たちの図書館は単科大学、大学向けで1,805タイトルを製作しました。うち半分は英語です。そして合成音声を使うことが多いです。

テキスト 4

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テキスト 5

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私たちの図書館では、8万3,000ぐらいのDAISY録音図書のWeb目録を作り、掲載しています。4、5年利用可能になって使われておりますが、すべての図書館がダウンロードしています。公共図書館は約400ヶ所、大学図書館は100ヶ所、学校図書館は600ヶ所ぐらいありますが、その図書館がダウンロードをしています。学校図書館の数はかなりありますが、ダウンロードはまだ学校図書館のほうでは始めていません。

また個人でダウンロードをするケースもあります。昨年から年中を通じて学生がダウンロードすることができました。2009年と2010年を比べますと3.4倍図書の貸し出しが増えました。この1年間、大学の学生に関して初めて図書館と協力を始めたわけですが、学習に必要な情報をこのようにして容易に使えるようになりましたので、図書館の利用が劇的に増えました。また学生は個人でダウンロードできるようにし、たくさん利用しています。ダウンロードして自分には合わないと思うこともあるでしょうから、ダウンロードした本を全部読んでいるかどうかまではわかりません。各学生と協定を結んでおりまして、もう使わなくなったら必ず破棄するようにということになっています。

またウォーターマークが付いています。したがって海賊版が出ないようにという対策にしているのです。そうなってほしくないです。DAISY図書はこのスウェーデンの図書館システム全体で年間150万件ぐらいになります。

ここで問いかけをしてみたいと思います。図書館で録音図書のサービスを長年にわたって行ってきました。図書がデジタルになりますと、いろいろなことが変化します。配布のあり方も変わります。教師であれば、こういった利用可能なメディアがあるということをアドバイスしたいと思う、そして先生方はよく知っていると思います。

テキスト 6

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しかし私たちのような図書館の司書はどうすれば必要な知識を得ることができるでしょうか。
ユーザーに対して、このような図書が利用可能だ、このようなデバイスが使えるということを伝えていきたい。しかしその知識自身を私たちはどうやって得たらいいでしょうか。また利用者によって必要とするものは違います。どのようなフォーマットが必要なのか、そして配布方法はいいのは何なのか。音声が必要なのか、テキストが必要なのか、音声・テキスト両方必要な方なのか、人によって利用者によって違うと思います。もっと深くエンドユーザーと対話をしなければいけません。

ユーザーが自分で何が必要かということを表明しなければならないという発言が先ほどあったと思います。そしてもっと多くのエンドユーザー、新しいエンドユーザーグループにもサービスを提供しなければいけません。印刷物を読むことに障害がある人々というのは、これまでサービスを受けた人よりももっと広範囲にいるわけです。図書をどのように準備したらいいのか、そしてどのようにしてこういった新しいユーザーにサービスがあるということを伝えていったらいいのか。どのような方法でそれを伝えていけばいいのか、このようなことを考えたいと思っています。

私の連絡先です。ありがとうございました。

テキスト 7

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ビッテ・クロンクヴィスト