音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

  

参考資料8

教育の情報化ビジョン ~21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して~ (平成23年4月28日)(関連部分抜粋)

第四章 特別支援教育における情報通信技術の活用

○ 視覚障害のある子どもたちについては、読みにくい画面の情報を文字の拡大やレイアウトの変更、色調の調節等で補うとともに、視覚から得られない情報を聴覚や触覚などの代替手段を使って補うなどの工夫を行うことが重要である。また、視覚障害のある子どもたちの学習を支援するために拡大教科書の発行が進められているが、一人一人の視覚障害の状態に応じて文字の拡大等の調整を行うことができるデジタル教科書・教材等も活用することにより、その支援を充実していくことも重要である。

○ デジタル教科書・教材については、障害の状態や特性等に応じた様々な機能のアプリケーションの開発が必要である。また、情報端末等については、特別な支援を必要とする子どもたちにとっての基本的なアクセシビリティを保証できることが必要である。今後、デジタル教科書・教材や情報端末等を活用した実証研究を行い、その整備を図る際には、障害の状態や特性等に応じて、例えば、図表4に示すような配慮や工夫を行うことが期待される。

図表4:特別な支援を必要とする子どもたち向けのデジタル教科書・教材等において付加することが期待される機能の例

  • 速度調整が可能な読み上げ機能に加え、画面上で読み上げの位置をハイライトすることにより示したり、必要な情報のみに制限したりする機能。(読み上げ機能については、ソフトの高品質・高精度化を図り、誰もが利用できる形であることが期待される。)
  • 背景色や文字色を調節する機能
  • 文字の拡大、フォントの変更及びそれに伴い行間を拡大する機能
  • 文字に振り仮名を付ける機能
  • 文節や単語等で区切る機能
  • 文字に動画や静止画、音声を関連付けられる機能

(留意点)

  • デジタル教科書・教材の機能は、複合的に使用できることが望ましい。
  • 教員が子どもの読み方の特性を踏まえてレイアウトなどを簡単に調整できるような工夫を施すなど、障害のある子どもの読みやすさにも配慮したコンテンツの作成に努めることも重要である。障害種によってはその内容にイラストや写真、キャラクターを取り入れることなどにより、学習意欲を喚起する効果も期待される。
  • 通常のキーボード入力が難しい場合に、特殊なキーボードやジョイスティック、各種センサーを利用したスィッチ、手書き入力装置などの入力支援装置(ソフトウェアにおいても機能するようにする必要がある)を活用できるようにすることが期待される。
  • 文字の拡大やフォントの変更、文字色の調節など文字表示に関する機能については、教員が障害の状態等を的確に把握した上で、子どもたち個々にカスタマイズを行い、そのカスタマイズ情報をもとに、必要に応じてあらゆるページの表示を同様に変更できるようにすることも効率的である。
  • 文字に動画や静止画、音声を関連付けられる機能については、障害により生活体験等が不足している場合、関連する動画等を適宜参照できるようにすることで、子どもたちの学習の理解促進に効果が期待される。