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国連世界情報社会サミット報告会

質疑応答・討論

質疑応答の写真

野村/ありがとうございました。これから、皆さんの質疑応答を受け、30分程度ですが討論に入りたいと思います。

野村/最初にフロアからの質問を受けたいと思います。挙手をしていただき、お話しいただく前にお名前と所属をおっしゃってください。

会場/職業能力開発総合大学校福祉工学科のアオキと申します。座ったままで失礼します。山根さんに質問です。私も精神保健福祉の分野で活動する機会があり、大変興味深く聞きました。2点ほど質問があります。テレビ会議は、どのくらいの頻度でやっているのか。第2点目は、全国に、鹿児島の方までですか、ネットワークがあるんですが、どのようにそのネットワークは広がっていったのか。お伺いしたいと思います。

山根/1点目の会議の頻度ですが、定期的にやっている会議は何回と言えますが、実は、突発的にやっている会議が、1日に2~3回くらいはあります。両者のミーティングがどう違うかというと、定期的にやっているミーティングは先程紹介しましたような朝のミーティングなどです。あとは共同住居ごとに住居ミーティングというのがそれぞれ週1回開かれていて、各住居の中で暮らしていて困っていることをみんなで話し合っています。例えば○○さんはゴミを散らかすとか、皿を洗わないとか、夜うるさいとか、そういうことを話すミーティングですね。そういうミーティングは実は週1回では終わらない事が多くて、突発的に○○さんがSOSを出して困っているといった場合はその場で緊急でミーティングが開かれたり、具合の悪くなったメンバーが、私を責める声が聞こえて、バカ、アホとか、どっか行ってしまえとか聞こえるなんて助けを求めてきたら、じゃあ応援ミーティングを開こうということでみんなで話を聞いてあげるのです。「どういうふうに聞こえるの?どういうふうに苦しいの?」とか話を聞いてあげて、「あっ、それは僕もこういう体験があった」とか「それにはこう答えればいいよ」とか、「よく話してくれたね」とかいうようなミーティングが結構あります。それは1日に何回あるかというのは言えなくて、具合の悪い人が出たときなどに開かれます。

会場/それはいつ始まるというか、どうやってやるのですか?電話をかけるのですか。

山根/電話もありますが、作業所に電話がかかってきて「具合悪いんだけど」って言われたら「それなら作業所に来て」って言って作業所でやることが多いです。あとは、住居でやることもあります。場所は特にそういう緊急ミーティングのときは決まっていませんが、やっぱりみんなが集まるたまり場、人のよく集まる所で行われる頻度が高いです。

会場/テレビ会議が始まるのは、どうやってはじまるのですか。

山根/テレビ会議の頻度ですが、テレビ会議は実は今べてるからは常時つなぎっぱなしの状態にしています。なぜかというと…やってみるとわかりますが、普通の電話の場合は、電話をかけて相手が出てから話しはじめますが、テレビ電話だと相手を呼び出すために前もって連絡をしておかなければならない。それだとなかなかTV会議は始まらないんですよ。1対1ならいいのですが、全国のあちこちいる人たちが一斉にその時間からTV会議を始めるのは難しいのでべてるではつなぎっぱなしにしています。テレビ電話のパソコンから「もしもし」と聞こえたらそのパソコンの前に行って話をするというわけです。会話の内容は「元気だった?」とか「九州は今日も半袖で暑そうだね」とかそんなものです。話が終わっても回線はそのままにしておいて、お互いの作業所が見える状態にして互いに席を外すだけのことが多いです。だから作業所同士がつながっているような感じと言えばいいのでしょうか。以前は一回一回切っていましたが、何度も切ったりつないだりしているとめんどうくさいのです。どうせ電話回線は定額制なので、めんどうくさいからつないでおけということにして、設定も24時間までは連続してつなげるようになっていますが、さすがにそんなに長い間使っている人はいません。24時間つながっていてもしゃべっているのは1、2時間くらいです。2点目の全国にどうやって広げているかという話ですが、実はまだ全国展開という形では告知していません。1年目はテストということで、精神障害の作業所として古くから連絡をとりあっていた全国の作業所さんなどに声をかけて「じゃあ、やりましょう」といわれたところとつないでいます。来年度からはもっと一般に声をかけて、CD-ROMと解説書を送ればつながるようにしようと思っています。もうそういうCD-ROMや書類はできており、今は手続き上の問題と運営をどうやっていくかを話し合っているところなので、今後、拠点は増えていきます。実験段階で始めたところでしたが、今後は公の形で広げられると思います。

会場/ありがとうございました。

野村/よろしいですか?その他の質問があれば挙手をお願いします。

会場/川崎市中途失聴・難聴者協会の森と申します。河村さんにお伺いしたいのですが。私たちの障害は、難聴というので、聞こえが悪い。コミュニケーションをするときに、私は例えば、他地域の人とはインターネットでやりますが、自分の地域、川崎の仲間たちは、インターネットは全然受け付けない。ですからその場合、すべてFAXでやります。インターネットを使ってくれるとありがたいと思う。そういう点で、インターネットがもう少し、ユニバーサルデザインになればいいなと思います。お伺いします。

河村/インターネットをもっと使いやすく、そしてアクセシブルであるようにというご意見だと思いますが、まったく同感です。今、すごく使いにくいと思います。特に、いちばん使いにくいと思うのは、キーボードを覚えないと、何もできない。あるいは、マウスの操作を画面のアイコンでマウスを操作していくのは、慣れないとなかなか操作しにくい。私が特に難聴者の方の場合、興味をもっていますのは、今「べてるシステム」という名前ですが、べてるの家で山根さんが開発したテレビ電話のシステムです。そこに実は、文字も入れられるようになっていて、例えば、話をしているものをここで今日はパソコン要約筆記をしてくださっているチームがありますが、例えばどこか、山根さんのところは何カ所も同時につなげるシステムですね。つないでいる所の一箇所がサポーターのいるサイトで、そこで例えば文字でサポートしてくださるとか。そうすると出張してこないでサポートサービスできるわけです。手話が必要な人には、そのどこか一カ所が手話通訳の画面になっていて、聞いて、手話で通訳していただく。その逆もそうですね。手話を見ていて、誰かが通訳する。インターネットを使ったリレーサービスのようなものというのは、いろんな工夫ができると思います。それから、値段の問題があります。FAXはたくさんの情報を送るとすごく時間もかかるし、けっこうお金もかかると思います。ところが、インターネットの場合は、今、山根さんは24時間つなぎっぱなしと言っていましたが、ずっと繋いでいても一定の金額しかかからないという契約がありますので、そういう中でFAXが必要な場面もまだまだあると思いますが、実際に便利なものを見せて、これが使えそうだとなると、だんだんみんな便利なものを使うと思いますね。特にタッチパネルをもっと使ったほうがいいかなと思っています。キーボードとマウスはなかなかわかりやすいようでわかりにくいので、タッチパネルがあって、「これ」というふうに誘導してくれる、そんなアプリケーションがもっともっとできると最初に使うときが難しいという問題が解決できて、一回そこを通り抜ければ便利だから使うという人がお互いにコミュニケーションがもっともっとはかれるようになるのではないか。特に高齢の方なんか考えるとキーボードを覚えてくださいというのはちょっと難しいと思いますが、それよりは、わかりやすい画面にタッチパネルで使えるようになっていってほしいと私は思っています。

野村/よろしいですか?

会場/市民コンピューターコミュニケーション研究会のハマダと申します。私もWSISのプロセスにNGOとして関わっています。今回の世界情報社会サミットは、これまでの国連のサミットと違う点として、専門技術、情報技術の問題というふうに理解されているために、なかなか一般の方々の関心を呼んでいないです。マスコミもほとんど報道しませんし、NPO、NGOの方々に呼びかけをしても自分たちの問題として認識して、一緒に参加しようというNPO、NGOはほとんどいないという状態です。これから2年後のチュニスのサミットに向けて、これを実りあるものにしていくためには、やはり一般の方々に情報とコミュニケーションの問題というのはこれからすごく大事な問題だということを認識していただくことがとても大切だと思います。でも、なかなかそれが実現できていないです。河村さんとして、そのために何か考えていらっしゃることがありましたら、教えていただきたいと思います。

河村/おそらく一緒に苦労されているだろうと思うのですが、なかなかサミットと言っても、もともとサミットというのは元首たちが集まるものだというイメージがありますので、私たち1人1人が参加して、なにができるんだろうとまず思うわけですね。ところが実際、先程来山根さん、須田さんの感想を聞いていただくとわかるように行ってみると手応えがあるものだと思います。だからそこの行ってみることの面白さというか、そこで得てくるものというのを実際に行くチャンスがあった人たちがもっと伝えることかなと思うんですよね。サミットの参加というのは、別に序列があって上の人だから参加するとか、あるいは点をつけて点の高い人が参加するということで、代表を選んでいくものじゃないと思います。特に市民社会からの参加というのは、この問題が自分に身近だと思った人は誰でも参加する資格があるし、権利があるし、行って何かを得てくることができるだろうと思います。ですから、そういう意味で、もっと身近なところで、こう言ってはなんですが、どうせ海外旅行をするのなら、これに行ったほうがおもしろいよ。ということは間違いないのではないかと思います。ですから少しそうやって大勢誘って、日本だけから行っても面白くないので、普段なかなか会えない人たちと今度のサミットで交流会をやって会おうという企画を立てられたらいいのかなあと思っています。

野村/よろしいでしょうか。時間もなくなってしまいましたので…。講師の皆さんにそれぞれ、最後にお話をしていただきます、先ほどの方がおっしゃったように一般の方の関心が低い、特に障害者の関心が低いです。私たちはリハ協として、ウェブでWSISについていろんな広報をしましたが、なかなか関心が呼べないというところに苦労がありました。また、例えば行きたいけどどうなのかな。と思っている人たちをひっぱっていく人たちがいるわけです。今回はそういう意味で河村さんがその役をやったわけです。ひっぱって行かれた人たちはどのようにこれから他の人たちをリードしていくのか、少しお話をいただければと思います。また、河村さんにはさらに多くの人たちが関わるにはどうしたらいいのかということ。それから、障害者の基本的な人権として、障害者アクセスというものがこれから広まっていくためにはどうしたらいいかということで、お話を最後にいただければと思います。それでは山根さんからお願いします。

山根/やはりこういうシステムをつくるにはお金が必要です。べてるシステムもこのようにテレビ電話会議をするためには、サーバというパソコンの親玉のようなものが必要です。最初、これを浦河日赤のソーシャルワーカーの方と作業所同士をつないだコミュニケーションとれるシステムつくりたいねという話になって、あちこちに助成金の申請をしましたが、パソコンならわかるがサーバってなんだ、とことごとく断られました。中古のパソコンならあげられるけれどサーバというのは前例がないからだめだと言われて、半分あきらめていたところで日本財団さんが、おもしろそうじゃないですか、そういう先進的な試みは是非やってみてくださいということで、助成金を出してもらえて今回のテレビ会議等、デジタルアーカイブができました。そしてこれからはサーバというものが中心になっていないとテレビ電話できないということなどを知らせて行きたいと思っています。そして具体的な運用モデルとして接続数を増やして少しずつでもお金をいただいてシステム、サーバの使い方を確立させることもこれからは考えていかなきゃいけないなと思っています。

野村/テレビ会議のなかで今回の報告もしていただければとおもいます。それでは、須田さんと阿部さん。お願いします。

須田/最後、声が大きいから大丈夫だと思いますが、画像を見ていただき、非常に努力していることはおわかりだと思いますが、情報で私が何を伝えたいかということをみなさんにお伝えしたいと思っています。それは、人として生きるということ。私の話のなかにあったと思いますが、自閉症の人たちは、知的に高い人から、全然知的にIQを数えることもできない人まで幅広くございますけれども、そういうことをしっかりと世界の中で意識してもらうため、それから、うちのけやきの郷は重い人たちがたくさん入所しておりますが、どんな自閉症の重い人もやればできるんだ、あきらめないで前向きにやってほしいと。それと同時にコミュニケーションの障害者であるという自閉症の人が、「ともに生活してともに働くこと」によって、対話によるコミュニケーションができないけれども、心と心が語り合うことができるということを、私はけやきの中で非常に感じました。ですから世界に向かって、これから私たちがしなければならないことは何かというと、重い人もあきらめないでほしいということです。また、良い環境を作ってあげればコミュニケーション障害を改善できるのだということを知ってほしいのです。しかし、基本的にはコミュニケーション障害を抱えていることも事実です。でも、心と心はつなぎあうことができるんだということを、これからもっと成果をあげて皆さんに発信して、自閉症の人たちが、親たちが、あきらめないで前向きに生活して行くことを願って、これからけやきの郷としては情報をたくさん出していきたいと思っております。

阿部/自閉症についての基本的な問題、けやきの郷から何を発信していくかについては、須田さんから申し上げましたので、ちょっと観点を変えて申し上げます。
「心と心のコミュニケーション」――それこそが、コミュニケーションの基本であると私も思います。そういう意味では、自閉症の人たちを、単純に、「コミュニケーション障害」といってしまってよいのだろうかという問題があろうかと思います。その視点の上で、自閉症の人たち特有のコミュニケーションの在り方・支援を考えていくことが、今後必要なのではないでしょうか。
しかし、「ことば」でのコミュニケーションの点では、実際には、自閉症の人たちには、やはりなかなか自分の思ったことを、特に「ことば」で表現・伝達するのがむずかしいという問題をもっております。そのときに、自閉症の人たちのコミュニケーションを助け、育てていくためのツールとして、つまり、コミュニケーション・エイドとしてICT機器の重要性が増えてくるのではないかと思っています。例えば、学校などで使われはじめているのですが、ボイスコミュニケーションエイド(VOCA)といったものがあります。これには、「おはよう」と言いたいときに「おはよう」のボタンを押すと「おはよう」という音声が出てくるというものがあります。これでコミュニケーションができると同時に「おはよう」という言葉を覚えられる。また、これは、アメリカで見た例ですが、言葉がまだ出ていない子どもに、「おやつに何を食べたい?」と教師が質問したとき、子どもが、コーンフレークやキャンディなどの絵の描いてあるVOCAの絵を押すと、「キャンディ」という音声が出る。自分の思っていることが相手に通じることによって、自閉症の人たちの世界がぐんとひろがり、思いが分かってもらえないことからくる不安・いらだちなども減り、自閉症の人たちが安心して暮らせることにつながることになってくると思います。ICT機器が、ツールとして、そのように使われることも増えてくるでしょう。
それから、結構、自閉症の人にはメカに強い人もいます。そういう人たちが、ICT機器を使ってコミュニケーションをし、あるいは自分の余暇を楽しむことなど、生活を広げていくことも考えられると思います。また、パソコンでの検索も得意な人もいるので、それを発展させて、在庫管理、図書館の検索などの仕事につなげていっている人もいます。もちろん、自閉症の場合は、操作ができるといった能力の問題とは別に、自閉症特有の行動の問題があるので、ジョブコーチ、環境の整備といった条件もともに考えることが重要ですが。
また、KATCや、けやきの郷の支援センターもやっておりますが、ICTでの相談、研修、これも今後重要な分野になってくるでしょう。そのような意味で、けやきの郷の実践の発信を含めて、世界で、自閉症の人たちが、豊かに生きるための情報を発信し、共有化をしていくことが重要と思っております。
もう1つ、さきほども出ましたが、情報サミットのまさにメインテーマであるグローバル・フォーラム、これがどうして一般の関心が低いのかなと、私もつくづく痛感しました。というのも、私は前にTBSでディレクターをしており、そういう関係もあって、TBSから私に実はとりあげたいのだが、どういうふうに発信したらいいのかという問い合わせがありました。河村さんにうかがったりして、原稿をまとめて、TBSに出すと同時にNHKや3大紙にも出しました。ところが、あるところまではいきますが、やっぱり、ジュネーブまでいって取材をするところまでは動いてはもらえなかった。それはなぜかというと、河村さんもおっしゃっていましたが、本当の意味での情報社会サミットの意味が伝えられていなかったということ。WSISの中心テーマの一つがsocial inclusionですから、本来なら障害者のグローバル・フォーラムが中心になるべきであったという位置づけが、みんなに伝わっていなかったからだと思います。それをやるのは、これから私たち、行ってきた者の役目だと思っています。私は、須田さんもそうですが、日本自閉症協会で「いとしご」という情報誌を出しています。それに、何度にも分けて今度のことを発信したいと思いますし、そこから広げて、マスコミにも、情報を絶えず発信していきたいと思っています。
来年のチュニジアは、彼らに行ってもらいたい。そして、障害者の観点から情報を捉えなおすことの重要性を認識してほしいと思います。そのため、それぞれの立場で広げていければと思う次第です。

河村/来年、ぜひ、ここにいらっしゃる方のできるだけ大勢と一緒にいきたいと思っています。チュニジアのチュニスというのは地中海のリゾート地です。ビーチがあり、砂漠もあります。とにかくいいところだそうです。そこで思い切りいい空気を吸いながら、未来を語る。それから私が実は、私の横に並んでおられる3人の方とお会いして、それぞれ、私の目からウロコを落としてくださいました。必ず他にも大勢、目からウロコの方がいらっしゃることは承知しています。少なくともこの方々は、私の思い描く世界中から参加する人たちの目からウロコを落とす人たちだと確信したので、非常に無理をしていただいて、お二人には、帰って来てから20日間か具合悪かったと聞いて、申し訳なかった。でも本当にがんばって、ご発表いただいたと思います。ほんとうに、ありがたいと思っています。私は何人かから感想を聞きましたが、それぞれのご発表から大いに感銘を受けたと聞いていますし、ちょうど、一晩、レセプションがあり、いろんな方とお話をされる機会があったと思いますけれども、そこでも、非常に興味を持って迎えられたと実感しています。言ってみれば、今日来ておられる方ほとんどが、一人ひとりの「プロジェクトX」をもっているような方たちだと思います。「プロジェクトX」というのはたまたま、何万とあるなかのひとつがテレビにでるだけであって、テレビもその時、その時の視点で番組を選ぶのだと思います。今は、やはりあまり一般に知られていないが、でも実際、やっていることは、皆さんが積み重ねていることは、「プロジェクトX」にでてもおかしくないようなことばかりというふうに思います。その意味で、それを互いに横につないで、ノウハウを共有しあう、あるいは励まし合うというネットワークを強めてこそ、情報通信技術というのは意味があるのではないかと思います。
これから、私は研究所にいますが、できるだけ実践的な要請というものといつも身近にいながら、今度のサミットのような取り組みにも一緒に参加したいと思っています。ぜひ来年の11月には、みなさんも一緒に行くべく準備を進めていただければ、たいへんうれしいと思います。

野村/今日は貴重な報告をいただきまして、ありがとうございました。今回のいろいろな報告、いろんな障害者の方が集まったサミットで開催されたグローバル・フォーラムなど、とてもいろいろな報告がありまして、その辺のところは私どものウェブを見ていただければ詳細がわかるかと思います。そういったところから皆さんが関心をお持ちになって、その関心を他の人たちに分けていただければと思います。そして、来年2005年、多くの障害者の方が参加し、いや、参加しなくても日本でサミットを見守ってくれることを期待しております。今後ともよろしくお願いします。

閉会にいたしますが、その前に、私どものいろいろなものを入れた袋があります。ちょっと中を見ていただけますか。詳細をお知らせしたいと思います。こんなになにが入っているんだろうと思っている方もいらっしゃると思います。CD-ROMが3枚あると思います。1つは、今回の資料です。いろいろな資料が英語で出されました。それを私どもの仮訳ですが、とりあえず翻訳をして、すべて日本語でCD-ROMに入れております。これがそうです。おうちに帰られて見ていただければと思います。それからもう一つ。マルチメディア・サンプルタイトル集というのがあります。私どもが推薦するDAISYでつくられたCD-ROMです。スタッフから簡単に説明をしてもらいます。

飯田/こちらのCDは、河村さんからもお話しいただいたDAISYフォーマット、アクセシブルな情報システムDAISYの中のマルチメディア・DAISY録音図書という、音と絵と文字がシンクロする録音図書がありますが、それが認知・知的障害者の方に役立つのではないかと、私たちの協会が促進してきました。平成15年度は、助成金を受けて、全国6カ所でマルチメディア・DAISYの研修会を福祉施設等で行いました。こちらのCD-ROMの中にはそこで受講してくださった方々の作品が入っています。もっとたくさんの作品を収録したかったのですが、著作権の問題で収録することができなかった箇所も多くありました。ぜひ家に帰ってから見ていただければと思います。

野村/これと一緒に資料編も入っていますので、見ていただければと思います。それからもう一つ、CDがあります。ディスアビリティ・ワールドです。これについて、少し説明をします。

有田/こちらは、ディスアビリティ・ワールドといいまして、WEB上のマガジンです。これをやっているのはアメリカの教育省とリハビリテーションインターナショナルがジョイントプロジェクトでウェブサイト上にマガジンを設けていて、私ども、日本障害者リハビリテーション協会から毎月1回いろいろなところを取材し、原稿を書いてもらって、日本の障害者の事情を英語で紹介しています。それに掲載されてから、今度は日本語と英語の両方で、当協会のウェブサイトにも掲載していますが、今回お配りしたCD-ROMは今までの2001年4月から2002年10月までの記事が全部載っています。全部で29個の記事です。私どもいろいろなところに取材に行きまして今日、お話いただいた山根さんのべてるの家にもお伺いして、初めてお会いすることができて、本当にいろいろな交流をこの記事を取材することによって、することができています。毎月1回、これからも原稿を投稿して、記事はウェブサイトに載りますので、予告編としては、3月頃はおそらく河村さんにインタビューした記事がまず英語で載りますので、それをまた日本語で掲載しますので、そちらもご覧になって下さい。よろしくお願いします。

野村/私どもの情報センターからの報告でした。本日は長い間、こちらの報告会に参加いただきまして、ありがとうございました。今回は、要約筆記者、それから磁気ループ、点字プログラムもあります。それからこちらのCDには点字が貼ってあります。そういった情報保障をしていますが、まだまだ足りないところがあるかもしれませんが、私たちは情報保障と情報をアクセスすることが障害者にとって、基本的な人権であると考えています。今後ともよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。