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平成17年度
地域におけるインターネット・パソコンを利用した
障害者情報支援に関する調査研究事業報告書

ぱそぼらんど京都

所在地:〒600-8127 京都市下京区河原町五条下る梅湊町83-1
ひと・まち交流館 京都 京都市福祉ボランティアセンター内 ぱそぼらんど京都
電話:075-354-8735 Fax:075-354-8738
Web:http://www.pv-land.net/

活動の概要

高齢者、障害者などの情報弱者へのパソコン操作のサポートを行う独自の任意ボランティア団体として活動。講師と受講者が1対1でサポートをおこなっているのが特徴であり、全て無料でのIT支援となっている。活動の拠点は、京都市が小学校の跡地に非営利団体用として作った「ひと・まち交流館 京都」で、一部、訪問サポートもおこなっている。高齢者、障害者などの情報弱者と呼ばれている人が、パソコンを使うことで、日常の生活を広げられるようその手伝いをすることが理念である。日々のボランティア活動が評価され、第3回ワンモアライフ勤労者ボランティア賞を受賞した。

活動の内容

「ぱそぼらんど京都」では、パソコンを教えるときに、講義スタイルは一切とっていない。1人1人のニーズが異なるので、テキストもなく、全て受講者の方と1対1でのパソコン講習を行う。このようなマンツーマンでのパソボラをおこなっている所は、京都では他になく、日本中を見渡してもあまりない。何台もパソコンがあるので、自宅でデスクトップ型を使っている人は、ここでもデスクトップ型を使うことができる。ノート型ももちろんある。車椅子に乗っている方もそのまま利用できるように、机も入れ替えてあるなど、障害者への配慮がなされている。講師の募集はホームページ上でおこなっている。メンバーになった後のやり取りは、メーリングリストを用いて、全てメールでおこなう。全てがオープンになっており、メンバー全員で意見を出し合って運営がなされている。講義の内容は、パソコンの基本的な操作を中心とした初心者用となっている。毎年恒例のパソコンによる年賀状製作の講習会などは、宇治にまでデジカメで画像を撮影にしに行くなど、活発な活動をしている。

活動の期間

最低でも週に1、2回半日は来てもらえないとボランティア活動にはならないので、講師の最低条件としている。仕事がなく空いている土日のみに来る人もいる。講習は、講師と受講生の間で直接メールをやり取りし、日取りを決める。基本的に1コース6回(2ヶ月)が終わるまでは、担当をかえない。同じコースは2回までの受講が可能となっている。第3金曜日とその翌日の土曜日にサポート相談日を設け、飛び込みでの質問も受け付けている。受講後の質問にも対応でき、アフターケアも万全だ。講師同士の間でも、月1、2回の会合で、サポート上の悩みの解決策を出し合い、講習の質を高めている。

会員の構成

55名の講師がおり、女性が半数近くを占めている。退職者や主婦の方がメインとなっており、一部、仕事のない週末だけ参加する方もいる。今のところニーズがどれだけあっても55名が活動をしているので、全ての受講者にたいして1対1での対応が可能となっている。特別専門的な知識はないが、基本的にパソコンが好きという方々が集まっている。講習を受けたあとに、講師になり、活動をしている人もいる。

対象となる受講者

障害者であれば、年齢は問わない。健常者であっても高齢者であれば、活動の対象としている。主に、精神障害、聴覚障害の方となっているが、どのような障害でも基本的には、サポートしている。聴覚障害者とのやり取りでは、手話通訳を介しておこなうこともあるが、ほぼ筆記でやりとりをしている。ただ、視覚障害者に関しては、ここでサポートをすることが難しいので、ライトハウスの方を紹介している。基本的に軽度の障害者へのサポートとしているが、介助者が伴っているのであれば、重度の障害をお持ちの方へのサポートも可能である。受講場所に来られない方であれば、こちらから教えに行くこともある。パソコンについての質問を、個別におこなっている所は他にはないらしく、最後にここに来る方も多い。京都在住の方を中心にサポートをおこなっているが、特に地域的な制約は設けてはいない。

訪問サポート

重度の障害を持っている方に対してのサポートもしている。以前の例としては、京都府立医大の医師、介助者と綿密に連携をとった上でのサポートをおこなった。教える内容としては基本的には同じだが、すぐに始めるのではなく、講習にいたるまで1人で何度も足を運び、打ち解けあってからはじめた。顔を知りあって、六ヶ月くらいから本格的にパソコン操作を教える形となった。

事業の経費

パソボラをおこなう講師から年会費3000円を集め、基本的にはこれだけで運営をしている。講師への謝金はなく、交通費、弁当代も自分もちである。助成金に関しては、過去に大和証券、太陽生命などが運営する財団から頂いたこともある。全てのサポートが無料で可能となっているのは、講師の方々のおかげだが、ボランティア団体用の施設である「ひと・まち交流館京都」の一室を無料で使用できることも、とても大きい。ここを利用できるようになってから、今年で3年となった。パソコンや周辺機器などは、企業から使わなくなった物を譲り受けたり、助成金で購入したりしている。

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