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平成17年度
地域におけるインターネット・パソコンを利用した
障害者情報支援に関する調査研究事業報告書

坂戸パソコンボランティア

正式名称:坂戸パソコンボランティア
所在地:〒350-0214 埼玉県坂戸市千代田1-1-1
社会福祉法人坂戸市社会福祉協議会内 坂戸市ボランティアセンター気付
ウェブサイト:http://www.sakado.psv.org/
送信フォーム:http://www.sakado.psv.org/cgi/infomail.cgi

団体の概要

1998年6月15日付発行「坂戸市ボランティアセンターだより」第13号で「パソコンボランティア募集」が掲示された。坂戸市社会福祉協議会(社協)の発想は“パソコンをボランティアで教えてくれる人の募集”だったが、社協の知らなかった“障害者のパソコンサポートを旨とするパソコンボランティア”を既に実践している応募者から「パソコンボランティア」の紹介があったことが「坂戸パソボラ」のスタート地点となる。坂戸市ボランティア連絡会で初歩のパソコン講習会を実施するとともに、パソコンボランティアとはどういったものかの説明も行なった。これをもとにパソコンボランティアガイドブックを作成。翌年1月30日、「坂戸パソコンボランティア」を正式に発足した。発足の前にも社協からの仲介で障害者のサポートを実施した。坂戸パソコンボランティアの一番の特徴は、朗読・点字・拡大写本など既にいろいろな分野でボランティアに携わっていた方々が、それぞれの場で障害者と関わる中でパソコンの必要性を実感し、パソボラに参加していることにある。坂戸パソコンボランティアで学びながら、それぞれの現場でパソコンを生かしている。ボランティア連絡会に加わっているボランティアグループへのサポートも行っている。

坂戸パソコンボランティアの活動

障害をもっていることで情報の入手やパソコンの設定や操作の習得が困難な方に、パソコンの相談・設定・基本的な操作のサポートを行なう。障害者を対象とした講習会としては視覚障害者向けのパソコン体験講座とそのフォローアップ講座(講座で学んだことの習熟と個別のニーズに対応)を行なっている。それ以外の講座としては、肢体障害者を対象としたパソコンボランティア養成講座や、時々のニーズに応えたバリアフリーセミナーを実施している。

パソコンボランティアに出かけるとともに、パソコンボランティアをするにあたっての技術の向上や、経験の交流をはかる。パソボラ入門勉強会(毎月1回)の実施。依頼に応じた訪問サポートを行なうほか、メールや電話で質問に答える活動も行なっている。

坂戸市社会福祉協議会が主催する市民とボランティアの交流イベント「福祉であいのひろば」や「パソコンボランティア・カンファレンス」、「埼玉障害者まつり」などへの参加。

活動の特色

サポートに参加したいかた、サポートを受けたいかた、どちらのかたも歓迎している。パソコンができなくてもパソボラはできる。大切なのは知識以上に気持ちと捉えている。

助けて!から助け手へ!!(最初は助けて!だった人も、いずれは助け手へ)知識や経験を積み上げるなかで、サポートに参加するメンバーたちがいる。

利用している支援ソフトの中にはメーカーや作者に交渉して無償提供や使用条件の配慮をしてもらったものもある。これがきっかけとなって全国的に無償提供されるようになったものもある。

依頼窓口を社会福祉協議会にしていることで、依頼者・ボランティア双方が安心してやり取りできるような体制をとっている。

「団体の目的」は敢えて掲げていない。参加しているメンバーそれぞれの思いは何であれ、障害をもっていることでパソコンの設定や操作が困難な人たちへのサポートを協力し合ってすすめたいという思いがあれば、それで十分という考え方ですすめている。楽しくやることが大切だと考えている。

パソボラ団体との交流

埼玉(周辺部を含む)のパソコンボランティアのメーリングリストや全国的なパソボラメーリングリストなどを通じた連携を行なっている。

問題点・課題

サポート対象ではないところからの依頼や相談、アンケートやセールスなど様々のアプローチがあることで、窓口担当の日常に支障をきたしている。「権利」を振りかざした依頼に閉口することもある。そういったアプローチや依頼については社協の時点でストップしてほしいこともあって窓口を社協としているが、うまく機能しているとは言い難い。 坂戸パソコンボランティアは障害をもっていることでパソコンの設定や操作が困難なかたが対象だが、一般的なパソコン教室だと誤解した依頼が続いている。行政側からの無造作な斡旋にも困っている。

メーカーには、パソコンの設定や操作が困難な障害者もパソコンを使っていることを、いっそう認識してもらうことが必要。行政には、一般市民向けに行なっているように、障害をもった市民に対してもパソコンの講習を行うよう求めて行くことが必要。

ボランティアグループとしては、その人がいなければ活動が停滞するような状態ではいけないので、安心して安定した活動ができるよう、それぞれの役割を複数の担当者で担っているが、グループ代表者のみ交替が無い状態が続いている。活動内容を整理して、意識的に交替するような組織作りが課題。

今後の展望

担当ごとのノウハウを文書化し蓄積することで役割のスムーズなバトンタッチを期待している。また、それぞれの活動の反省と次年度の方針づくりが年度末に集中する傾向が続いていたが、来年度からは「反省と方針」の作成時期自体を年度計画に盛り込むことになったので、この面でも担当しやすい役割となることが期待できる。