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生活技能訓練(Social Skills Training:SST)

解説

SSTは、カリフォルニア大学のロバート・リバーマン(Robert Paul Liberman)が考案したもので、生活技能を向上させることによって困難さを解決しようとする技法である。対人関係を中心とする社会生活技能のほか、服薬自己管理・症状自己管理などの疾病の自己管理技能、身辺自立に関わる日常生活技能を高める方法が開発されている。

日本にSSTが紹介されたのは、1988年のリバーマンの来日によるといわれている。1994年4月には「入院生活技能訓練療法」として精神科の診療報酬にも組み込まれた。現在では、医療機関や各種の社会復帰施設、作業所、矯正施設など多くの施設で実践され、統合失調症の治療から学校教育にまで幅広く利用されている。

日本障害者リハビリテーション協会が「ディスアビリティー・ワールド」に投稿した記事で紹介した「浦河べてるの家」(北海道浦河町)や「クッキングハウス」(東京都調布市)でもSSTを行なっている。

SSTは次のような手順で行う。

  • 練習したい課題や目標を選ぶ。
  • 練習を行う本人が相手役を選び、実際にロールプレイを行う。
  • 参加者は「良かった点」を評価し、「さらに良くする点」を提案する。
  • 本人がアドバイスのうち取り入れたいものを選び出し、再度ロールプレイを行う。
  • 必要に応じて、練習した課題は宿題となり、次回に経過報告を行う。

正のフィードバックによって練習を重ねることで、実際の場面のコミュニケーションもうまくいくようになってきている。