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「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム 大阪フォーラム報告書

10月23日【閉会式】
主催者挨拶 閉会の挨拶

板山 賢治
最終年記念フォーラム実行委員会委員長

 ご参会の皆さん「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム組織委員会を代表して御礼と閉会のごあいさつを申し上げます。
先ず、何よりもこのフォーラムの成功を目指してご参加いただいた、

  1. 第6回DPI世界会議札幌大会に参加された109の国と地域の障害者組織の代表者約3,100名の皆さん
  2. そして、大阪フォーラムに参加されたRI、RNN、総合リハ研究、大会職業リハビリテーション関係者、55の国と地域を代表する2,400名の皆さん

あわせて4つの国際会議に参加された164の国と地域を代表する6,000名近い皆さんに心からの感謝を捧げます。
又、このフォーラム成功のために長い間ご苦労を賜った札幌、大阪の組織委員会の皆さん、事務局の方々、そして陰の力となって下さったボランティアの皆さん、本当にありがとうございました。
さらに、大阪フォーラムは、3つの会議を同時開催したこともありむずかしい問題がありましたのに関係者の皆さん、とりわけ大阪更生文化事業団、職業リハセンター、府、市をはじめ、地元の堺市当局はじめ市民の皆様の暖かいお心づかいに改めてお礼を申し上げます。
さて、2002年の最終年を前に、私ども日本の障害者団体及びリハビリテーション専門職関係者は、大きな課題に直面しました。

  1. この十年をどう評価し、総括するか?
  2. 「ポスト十年」にどう取り組むか?

というテーマでありました。
そして、2002年、私たちは、『3つの国際会議』の開催をお引き受けすることを決意いたしました。
「DPI札幌会議」であり、
「RIアジア太平洋地域会議」であり、
「RNN」最終年キャンぺーンであります。
それに、「職業リハビリテーション研究大会」も加わることになりました。
このようなスケールの会議の同時開催は、果たして可能であろうかが問題でありました。
日本の障害者関係団体及びリバビリテーション関係者は、各方面の協力を得つつ「最終年フォーラム組織委員会」(八代英太代表)を結成しました。
二年前のことであります。
「団結は、力」であります。
幸いにして超党派の国会議員の有志(橋本龍太郎会長ほか250名余)がバックアップを決議し、政府各省、そして北海道、札幌、大阪、堺等の地元自治体、「草の根」の国民各層の理解とご支援を得てこのフォーラムを迎えることが出来ました。
心からの感謝を捧げたいと存じます。ただ、心残りは、こうした経緯もあり、準備その他必ずしも十分でなく、ご不満を感じられたことが多かったのではないかという点であります。どうぞお許し下さい。
さて、問題は、これからであります。
私は、今「閉会」のごあいさつを申しあげていますが、実は「ポスト十年」の行動は、今が開会の時、只今からスタートするのであります。
「障害者の権利条約」制度化へのアクションは、今スタートするのであります。
その「目標」はDPI「札幌宣言」であり、これから決議とれる「大阪宣言」であります。
又、この大阪フォーラムで「女性障害者ネットワーク」も組織されスタートしました。
ご参加の皆さん、札幌の地で、大阪・堺の街で語り合い、交換しあった体験と情報を、それぞれの国や地域にお持ち帰りになり、明日からの活動のエネルギーにして下さい。
こ参会の皆さん、会場となっているこの「ビッグI」のIは

  • international のi
  • independence のi
  • information のi
  • intercommunicationのi

 であります
その原則は、「国の枠を超えた交流」と1人1人の障害者の「自立」と「社会参加」の実現を目指すものであります。
この「BIG・I」は、「国連障害者の十年」の記念施設として日本政府が建設したものであります。
どうぞこの「BIG・I」で開かれた「大阪フォーラム」が、アジア・太平洋の国と地域、世界の障害者の皆さんをつなぎ「希望の橋」を架ける活動のスタートの場となるよう期待いたします。
私は、「サヨナラ」は申しません。
「また、おあいしましょう」と申し上げお別れのごあいさつとします。


八代英太議員組織委員長挨拶

八代 英太
最終年記念フォーラム組織委員会委員長

 この秋は世界から障害を持った仲間達が大勢日本にやってまいりました。前半は北海道でのDPI世界総会をはじめとした国際フォーラムが北海道で開催され、そして、このアジア太平洋障害者の十年、最終年記念大阪フォーラムは、アジア太平洋を中心としたRNN、RIそれぞれの団体の呼びかけによりまして大勢の皆様が秋の大阪へおいでいただきました。
この間、大変エキサイティングなフォーラムが展開され、皆さんもきっと満足して、この日本でのこのフォーラムを過ごされたと思っております。
さてアジア太平洋障害者の十年も、いよいよ今年は最終年になりました。最終年がゆえに私達は「また新たな始まりを作りたい」そんな思いをこめられています。アジア太平洋障害者の十年の第2の10年が、来年からいよいよまたスタートするわけです。障害者の問題は、年を重ねれば重ねるほど、いろいろと複雑な問題が提起されて参ります。私たちの問題というのはまさに全人口の10%の大きな声は、障害者福祉の推進こそは世界平和につながる源であります。それから一人一人が元気に人間として明日に向かって生きていくうえに大切な障害者問題が全てであると考えるときに、まず私達の問題をしっかり解決することこそ、私たちの人間社会の安心、安全というものが、確保されるのではないかとこのように思っているわけです。
そういう意味においても、この大阪フォーラムは大変重要な位置づけでした。この大阪フォーラムでこれから宣言文をお図りましますが、そのなかでは新たな第二の10年をどうアジア太平洋で取り組んでいったらいいか、なかんずく世界はどのように障害者問題を考えていくべきかを、宣言文に盛り込んでいますので、ぜひ皆さまのご賛同をいただきたいと思っています。
その宣言文は25日から第3幕として、滋賀県の大津市で開催されるESCAP、アジア太平洋経済委員会のESCAP総会とハイレベル会議があります。これまた日本で開かれる。最終コーナーへと入って参ります。そこで今日決議された宣言文を私がハイレベル会議において訴える段取りになっています。そして第2の10年が悔いのない10年になるように、これから長い苦しい坂道でありますが、元気に頂上を目指して走り抜けていきたいと、このように思っています。
第二の10年のテーマは、一つは国連における障害者の権利条約の問題が提起されておりますので、何よりもこの権利条約を早期に批准するということが課せられた私達の課題であろうと思います。誰のための権利条約ではありません。私達一人一人の権利条約であることを考えると、我々がそれぞれの国で、地域で積極的に働きかけをすることが大切になってくるだろうと、このように思います。その障害者の権利条約を、まず一つは批准させる。すべての国連加盟国に批准をさせるという大きなうねりを、第2の10年の一つのテーマに位置づけたいと思います。
またもう一つは私達が積極的社会参加をしていく上で、欠かすとができないのはバリアフリーです。バリアフリー、世の中には、たくさんのバリアが横たわっています。そのバリアを一つ一つ乗り越えることは大変苦労します。しかしそこがバリアフリー化されていきますと、私たちは決して自立できないという立場ではありません。必ずや私たちは自立をし、私達一人一人が自分のかけがえのない人生を立派に大きく育てる自信というものをもつことができます。バリアフリーは、これからの10年の運動の大きな大切なテーマにしなければならないと思っています。
繰り返します。権利条約を批准させること、そして、もう一つはアジア太平洋が全ての障害者が自由に移動できるように、バリアフリーを果たすこと。そして心のなかにある大きな人間の心の中のバリアも取り除いていくという運動もしなければならない。こう思っています。
私達はIT時代という、新しい情報化時代にきています。パソコンを、キーボードを押しますと、隣の国は韓国であり、隣の国はシンガポールであり、またアフリカ、アメリカである。そういう新しい情報化時代の中におります。そのためにも、これから全ての世界の障害者がお互いに手をとりあって、アジア太平洋の国々の障害者が手をとりあって、そして情報を交換しながら新しい10年を立派に成功させるように、この大阪の情熱を2003年から2012年まで継続していただくことを心からお願い申し上げましてこの3日間の皆さんの熱心な討議に感謝の真心を捧げて、ご挨拶といたします。


次期各会議主催者代表挨拶
次期会議主催者代表挨拶

Nareewan Chintakanond(ナリワン・チンタカノンド)
社会福祉協議会事務局長 タイ

 まさにこの大変有意義な、また大変な成功をおさめた会議の最後の時間になったわけでありまして、まもなくさようならということで、そして大阪フォーラムに関してのすばらしいいろいろな記録、また挑戦課題を持ち帰ることになっています。私はここで小さなささやかな調査をしました。私は統計学を教えていますので、私の調査というのはとても正確です。調査から、結論として言えることは、すべての参加者は大阪フォーラムに関して非常に満足しています。そしてまた、日本のホストの方々が暖かいおもてなしをして下さった。また一生懸命がんばって大きな成功に導いていただいて心から感謝しているということ。ですから私達の心からの感謝の気持ちを表したいと思います。拍手をお願いします。
(拍手)さて、今後の課題は大変重要なものです。これだけ今回の会議が成功したので今後が大変ですが、タイの社会福祉協議会としては、今回の次の会議、つまり第13回RIアジア太平洋地域会議の主催を、2006年2月に開催します。大変な名誉です。大変な作業ですが、私達はがんばって成功を収めたいと思います。私達は自分達だけでやるわけではありません。はっきりとわかっているのは会員の皆様方からの協力、また、アドバイスがあるということです。特にRI委員会からご支援いただきます。いっしょになって、第13回RI地域会議が大阪フォーラムと少なくとも同じだけ大きな成功をおさめるように努力いたします。そして必要なことを全て、皆様方に情報として伝えていきます。また、このタイの社会福祉協議会に関してですが、少しお話しますと、この目的は、民間の社会事業団体の調整役をとるということ、そしてまた障害者のリハビリテーション団体を支援するということ。また、社会福祉協議会としましては、善意のある産業の委員会というのがあり、政府と一緒になって特に福祉省と一緒になり、それから他のNGOといっしょになって事業を進めているわけです。また国の協議会は国王の支援があり、また、女王陛下がこの協議会の名誉会長となっています。
この協議会ですが、数多くの国際会議を、今まで主催した経験があります。例を申し上げますと、国際社会福祉協議会、アジア太平洋地域会議、1983年。それからまた薬物乱用に関しての世界会議。第2回目のものを99年に開催しました。それから一番最近の例としては、皆さん方のなかでも参加された方がおられると思いますが、アジア太平洋障害者十年の2000年キャンペーンです。これは2000年にバンコクで開催されました。ラパート先生は、協議会の会長ですが、先生にかわって、それからまた、サオラバップさん、この方は善意ある産業の協議会の議長ですが、先生方にかわりまして、ぜひ皆様方に第13回RIアジア太平洋地域会議、これはバンコクで2006年に開催されますが、是非来てください。タイというのはほほえみの国、友好の国、そして文化の豊な国、また、歴史の豊かな国です。ぜひいらしてください。バンコクにきで、私達が歓迎する機会を与えてください。皆さん方是非13回のRI会議に来てください。今までの討論を続けましょう。お互いの業績を共有しましょう。そしてお互いの経験を共有しました。既に長い道のりを歩んできましたが、道のりはさらに長いということです。ですから智恵をよせあって、また障害のある人、ない人、全ての人が社会において一緒に楽しい、幸せな生活ができるようにがんばっていきましょう。
さよならとは申し上げますが、しかしまたこんにちはと将来、申し上げたいと思います。今は一応さよならということ。スケジュール表にちゃんと書いておいてください。2006年2月、バンコクで次の会議を開きます。そしてAPDFを自分の目でみてください。バンコクを自分の目でみてください。そして参加して討論してください。さようなら、そして2006年2月、バンコクで皆さん方全員にお会いいたしましょう。ありがとうございました。


次期各会議主催者代表挨拶
閉会式挨拶

丸山 一郎
RNN事務局長

 RNN最後のキャンペーンがこのように盛大に大成功のもとに終わったことを感謝申し上げます。十年間各国で続けて参りましたキャンペーンですが、さらに新しい十年に発展することになりました。皆さんもご存じのように、RNNは、様々な活動を展開し、各国政府への働きかけを行ってきました。その最大の成果は、次の十年に継続したことと、新しいネットワークに拡大することになったことです。
それはみなさん先ほどご存知のようなアジア太平洋障害フォーラム(APDF)であります。APDFにRNNが生まれ変わって拡大したわけであります。APDFは新しいキャンペーンを企画します。どういうキャンペーンになるか。どういう中身になるかは、新しいネットワークが考えるわけですが、候補地は候補地はシンガポールであります。シンガポールのみなさんはこれからお帰りになって政府とも相談して、そしてキャンペーンをお考えになります。大成功のRNNキャンペーンは、さらに新しいネットワークで続きます。皆さん、来年はシンガポールでのキャンペーンに是非ご参加願いたいと思います。
それではみなさん、シンガポールでお会いしましょう。どうもありがとうございました。


次期各会議主催者代表挨拶
閉会式挨拶

佐藤 徳太郎
国立身体障害者リハビリテーションセンター総長

 来年の総合リハビリテーション大会を埼玉県で開催いたしますので埼玉県を代表して皆さんにご案内申し上げます。埼玉県でやる場合の場所は、国立身体障害者リハビリテーションセンターで行う予定になっています。期日は来年の10月31日と11月1日。金曜日と土曜日というふうに計画しております。この開催にあたっては、企画運営は、埼玉県立大学のほうでなさるということで、我々リハセンターとしては、埼玉県立大学の企画が十分に生かされるように裏方として協力していきたいと思っています。私のほうからのご挨拶で失礼でございましたけれども、ご存知のように、我々のセンターは、新宿からは30分程度のところにあり、ロケーションは悪くないと思います。センターにも比較的新しい講堂もあり、皆さんの大会には十分に施設としてご協力できると思います。周りは非常にケヤキ並木の素晴らしいところですので、ぜひ来年は多くの方が我々のセンターにおいでいただけますことをお願いしてご案内といたします。


閉会式
閉会式挨拶

尾上 攻
日本障害者雇用促進協会常務理事

 当協会では、このたび大阪フォーラムの一環として国際職業リハビリテーション研究大会を大阪国際交流センターで開催しました。
昨日は、海外からのスピーカーや研修員の方々も交えて講演やパネルディスカッションを行いましたが、障害のある方の雇用やリハビリテーションをめぐって、様々な意見が交わされ、たいへん有意義であったと思います。
わが国においては、近年、障害者の障害の重度化、多様化に伴い障害者雇用促進対策も福祉、医療、保健などの対策と連携した幅広い対応が必要とされ、このため、私どもの協会としても関係機関、団体と協力して総合的、具体的な事業を実施しているところであります。
こうした時に、幅広いテーマについて討議を行う、今回の「大阪フォーラム」「国際職業リハビリテーション研究大会」が開催されましたことは、時宜を得たものであり、会議の成果を十分に活用して効果的な事業展開を通じて障害者の雇用の促進にさらに努力したいと思っております。
今回の大会は、大阪フォーラムに合わせて特別に催したもので、来年は、日本国内の参加者のみによる研究発表会を開催する予定ですが、今後また機会がありましたら、海外からもゲストをお迎えして、国際的な研究発表会を開催したいと考えております。
最後に、ご協力いただきました多くの皆様方に厚くお礼申し上げますとともに、新たな「アジア太平洋障害者の十年」の成功を心から祈念しまして御挨拶といたします。ありがとうございました。


来賓挨拶
大阪フォーラム閉会式挨拶

堺市長 木原 敬介

 「アジア太平洋障害者の十年」最終年を記念して開催されました「大阪フォーラム」の閉会にあたり、地元堺市を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
このたび、10月15日の札幌フォーラムを皮きりに、21日から3日間にわたり、「障害者の権利実現へのパートナーシップ」をメインテーマに、4つの国際会議及び国内会議が大阪で開催されました。
そして、この大阪フォーラムでは、これまでの「アジア太平洋障害者の十年」の成果の総括が行われるとともに、新たな活動の方向性について話し合われ、今後の活動のネットワーク作りに大きな成果をあげられました。
また、この会議はアジア太平洋地域の障害者の方々にとって、社会への「完全参加と平等」を実現していく上で非常に心強いものとなるとともに、2003年から始まる新たな「アジア太平洋障害者の十年」に向け、誠に大きな礎を築くことができたものと確信いたしております。
これまでの「国連・障害者の十年」の取り組みは、わが国にとりましても、ノーマライゼーションの理念が広く国民に浸透するとともに、障害者の人権尊重と社会参加の推進に大きな成果を収めてまいりました。
しかしながら、今回の会議においても示されましたように、今なお、アジアの地域には教育やリハビリテーションなど、多くの課題が残されております。
今後、これらの課題の解決に向けた取り組みが更なる前進を遂げますことを念願申し上げますとともに、本市といたしましても「すべての人が尊重される社会づくり」に、より一層の努力を誓うものであります。
結びにあたりまして、本フォーラムに参加され積極的に討議を重ねられました皆様に心から深く敬意を表しますとともに、皆様の益々のご活躍とご健勝を祈念申し上げ、閉会の挨拶といたします。

 2002年10月23日