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アジア太平洋障害者の10年の評価<完全参加と平等<へのNGOの展望

バングラディシュ

RNNカントリーレポート、パート2

バングラディシュの障害を持つ人々の状況----RNNのガイドラインにしたがって ----

序文

バングラディシュは1億1300万人の人口を持つ国で、もし人口の10%が障害者であれば、 1100万人の障害者がいることになる。大きな疑問点が浮き出してくる。

  • 障害者の中で教育を受けた割合は何%か
  • 障害者の雇用の状況はどうか
  • この国の障害者にとって役に立つ施設は何か
  • 政策立案者は施策を立案する際に障害者のことを考えているかどうか

現在のバングラディシュでは海岸沿いのある地域で子供達の9%がくる病と呼ばれるたった一つの病気により障害者になっており、 国全体にも病気が広まっている。もし、たった一つの病気が9%の子供達を障害児にしているとすれば、 障害を生み出す他のいくつかの地方病についてはどうなのであろうか。これはすべての人に答えを要求する問いである。

概要と将来の方向性、および障害を持つ人々の基本的なデータ

[a]この10年間の評価に基づいて次の質問に答えて下さい。

[a-1]アジア太平洋障害者の10年以降、あなたの国の障害を持つ人々の生活において3つのもっとも重要な変化を抜き出して、 述べて下さい。

  • 数は少ないが一部の障害を持つ人々が自分の役割や権利について認識した。
  • メディアグループが障害を持つ人々の能力について、ニュースや本を出版するために良い役割を担い始めた。
  • 政策立案者が障害者問題に興味を持つようになった。

文書と可能な視聴覚機器を加えて下さい。

  • くる病 による障害のビデオが同封された。
  • 視覚障害に関するバングラディシュ語のオーデオカセットが同封された。

[a-2]あなたの国で障害を持たない人々と比較して障害を持つ人々に関する3つのもっとも遅れている点を述べて下さい。

  • 障害を持つ人々の生活全てにおいて(主に物理的インフラの)アクセスの欠如。
  • 障害を持つ人々のための教育施設の欠如。
  • 障害を持つ人々の職業の機会と彼らに対する肯定的な社会的態度の欠如。

[a-3]障害を持つ人々についてあなたが望んでいることや政府がとろうとしている3つの優先基準は何ですか?

  • 障害を持つ人々の生活全てにおいてアクセスを保障すること。
  • 障害を持つ人々に教育を保障すること。
  • 国民が障害に対して肯定的に考えられるように障害を持つ人々に雇用の機会を創造すること。

[a-4]障害を持つ人々について地域協力の3つの優先されるプログラムは何ですか?

  • 様々な NGO と政府省庁との間での、障害問題についての地域内対話。
  • 地域内の障害を扱う交流プログラム。
  • 「障害を持つ人々の社会憲章」を作成し、地域内の全ての人々に共通理解を発展させるべきこと。

[b]基礎的データ

[b-1]あなたの国で障害者の基礎的データを抜き出し、述べて下さい。

  • 政府の資料を活用することは出来ないが、 NGO の資料は我々の国には障害を持つ人々は 8.9 %であると述べている。
1.あなたの分類による障害を持つ人々の数、およびそのデータソース、障害の定義

クルカンヂの総人口は 11802 人、男性6094 人、女性 5708 人と見積もられている。男女の比率は 1.07:1 である。障害を持つ人々の数は 1037 人で、人口比で8.79 %の割合である。男性の障害を持つ人々は 487 人で、男性人口の7.99 %は障害を持つという計算になる。女性障害者は 550 人であり、女性人口の9.64 %が障害を持つという計算になる。

クルカンヂの全体人口を概観して、最大人口は 6 歳から10 歳までの集団(合計 2141 人。人口比18.1 %)を含んでいる。この人口集団の中で障害の発生は 8.4 %であり、一方彼らは障害を持つ人々の総人口の 17.6 %に含まれる。人口の45.3 %の人々は 15 歳以下の年齢である。この 15 歳以下の人口の中で障害の発生の割合は 6.3 %であり、それらは全ての障害を持つ人口の 32.5 %と表されている。総人口の 5.2 %は 55 歳以上の老人である。この集団における障害の割合は 32.9 %で、これは障害を持つ人々の総人口の 19.5 %である。

単一の障害の出現率は視覚障害が一番高く、 24.2%を占めている。単一の障害以外、つまり重複障害は 33.7%の割合で、ハンセン病はたった 0.2%である。他の障害は出現率の割合の高い順に聴覚障害(22.4%)、 肢体不自由(10.2%)、言語障害(5.2%)、精神遅滞(3.1%)、精神病(0.6%)、てんかん(0.5%)となっている。 5歳以前の子供達に肢体不自由が一番多く見られる。 そして15歳以下で聴覚、視覚、肢体不自由が一般に他の障害よりも高い。

性別にかかわらず障害の出現率は35歳以降増加している。しかし、20歳以降の出現率は男性よりも女性が高くなっている。 そして女性の中での障害の割合は、男性のそれよりも55歳以降に最も高くなっている。

クルカンヂの障害者は、総家族2453から取り出した882の家族の中に見受けられる。家族の中に障害を持つ人々がいる割合は 35.95%であると判明した。障害を持つ人がいる家族の平均世帯人員数と、クルカンヂの全ての家族のそれはそれぞれ 5.1人と4.8人と判明された。障害を持つ人がいない家族の平均世帯人員数は 4.7人である。全ての家族の 67.5 %は3 人から6人で構成されている。

総世帯数2453の中に、1661の世帯が IDD (ヨード欠乏・甲状腺腫) を持つ家族がいることが解った。絶対数3291人は IDD を持っていることが判明した。人口に比較して 27.9 %にあたる。男性人口の6094人の中に、1084人の男性は IDDを持っていることが解った。これは人口比で 17.8%である。女性人口は5078人で、その中で IDDを持っているのは2152人、人口比で 37.7%である。男性と女性の IDDの最も高い有病率は8から14歳までの男性が272人(25.1%)、22から27歳までの女性が482人 (22.4%)となっている。

IDDに犯された家族を持つ世帯の54.5%は、月平均1000タカか、それ以下の平均収入で生活している。 各経済力段階レベルに属している家族の57.1%から70.1%がIDDに犯された家族を持っていることが解った。

定義:
人間としての普通であると見なされている方法あるいは範囲内で活動する能力の(機能障害による)制限または欠落があること。 ここには通常期待される活動・遂行・行動の、一時的または恒久的、可逆的または不可逆的、進行性または退行性、 あるいは超過と不足が含まれ、これらは直接的な機能障害の帰結として、または(身体的、感覚的、その他の)機能障害に対する 個人の反応、特に心理的反応として生じる
2.障害を持つ人々の主な調査結果と人口統計

(種類、障害原因、性別、識字レベル、教育、雇用など)

障害の発生の原因と影響を与える要因

最近一つの警告を発している障害の原因は特に沿岸地域で発生しているくる病である。 子供の9%近くがくる病による身体的障害を持つことになるであろう。

障害の始まりの年齢への疑問に対して、生後1歳内の乳幼児期に一番多く(22.5%)障害が発生していることが解った。 2番目に大きな障害の発生時期は(13.1%)は55歳以降であると観察されている。障害の第一原因は病気によるもの (42.3%)と判明した。先天的異常、病気、栄養失調をあわせて、障害原因として66.4 %の発生にカウントされている。 これらよりも他に、事故( 14.7%)、老齢(8.1%)、治療法の誤り(1.4%)、社会不安(0.2%)、洪水のような自然災害 (0.4%)が障害の原因として言及されている。この場合、洪水直後に発生した障害については(それだけの理由で) 原因を洪水とした可能性もある。かなり多くの(8.9%)率直な回答は、原因不明というものであった。 なぜ、障害が彼らの家族に発生したのか、その原因を確定するすべがないと回答者は答えたものである。

性別に関わらず、事故による障害の発生を概観すると、生後2歳から15歳までの間で高くなっている。 男性障害者全体の中では事故によるものは33.9%で、女性障害者の中では26%である。

障害者の15.4 %が同じ障害種別を持った血族関係にあることが観察されている。ここでは、 9.9%は両親・兄弟・姉妹または子という血族関係であった。遺伝性は男性の中ではより重要になっている。 男性と女性の遺伝性はそれぞれ17.7%と13.5%と観察されている。聴覚障害が一番遺伝性を持っていることが観察された。 一方、ハンセン病とてんかんは遺伝性が見られず、他の障害は多い順に17%(視覚障害)、15.1%(言語障害)、 10.1%(肢体不自由)、0.6%(精神障害)となっている。 15歳以下か、より年上の世代特に45歳以降に多く障害の遺伝性が観察されている。

人々はある種の障害の原因を特定出来たが、同時に、障害は主に神の意志によるものだという人々もいた。 返答のあった全ての所帯(2453)の66.3%がこの事に賛成していた。またある人々( 24.4 %)は、 障害は主に悪い行いによって発生したと主張していた。他に、回答者の2.4%が特に障害を持つ家族の前世の罪による報いを障害と 言っている。興味深いことに回答者の0.7%が、障害は家族がこの障害によって将来いくつかの大きな災難を逃れるための 隠された慈愛として発生したと言っている。これらとはまた別に、回答者の5.7%は病気や栄養失調のような要因を主張した。 回答者の0.1%が答えることを拒否した。

また、とくに障害者を持った家族 (882 世帯 ) によって、障害が主に貧困、無知、そして同時に治療の欠如によって生まれている と評価された。彼らは治療の方法があるのに利用できない、とか、治療方法があることを知らないなどをあげた。これらの合計は 91.7%であった。最後の一つは、家族の経済力の低さと近隣の適切な治療機関の欠如である。さらにいくつかの特別な原因として、 誤った治療、出産時の損傷、事故、いくつかの疾患が回答者(4.9%)から指摘され、また3.4%は無回答であった。

[b-2]あなたの国ではどの位多くの人々が次にあげているものに気がついていると推測しますか?

1 アジア太平洋障害者の10年 1993-2002

[a. ほとんどない b. 1%以下 c. 約3% ]

政府はアジア太平洋障害者の10年の広報に取り組みましたか? [はい、いいえ]

2 1975年国連障害者宣言

[a. ほとんどない b. 1%以下 c. 約0.02%]

3 1981年国際障害者年

[a. ほとんどない b. 1%以下 c. 約0.1%]

4 国連障害者の10年1983-1992

[a. ほとんどない b. 1%以下 c. 約1.5%]

障害を持つ人々に関する基礎的情報
[a]あなたの国の障害を持つ人々の全国的組織を英語で名前と住所と電話・FAX番号とE メールアドレスと 連絡担当者を書いて下さい。
  • ABC ADD- Bangladesh
  • BPKS BPF
  • CDD CRP
  • CSID IMPACT foundation
  • SARPV-Bangladesh SWID Bangladesh
  • Hi-Care
[b]あなたの国の中で、障害者のリーダー、もしくはよいモデルとしてよく知られている人を述べて下さい。

Khandaker Jahurul Alam-CSID

Abdus Sattar Dulal-BPKS

Mosharaf Hossain-ADD Bangladesh

Monsur Ahmed Chowdhury-IMPACT Foundation,

Tasnim Siddiq- WDD (Women with Disability and Development)

Tahmina Rahman- WDD (Women with Disability and Development) & Abilis Foundation

Lina Parveen Chowdhury-HKI

Ms. Mohua Paul-CRP

Abdus Salam-Hi Care

Saidul Haque Chunnu-BERDO

S. M. Mayeen Ahmed- SARPV

[c]あなたの国で、将来の障害者のリーダーの名前と連絡先を紹介して下さい。

S. M. Mayeen Ahmed, SARPV-Bangladesh

sarpv@bangla.net,sarpv2000@yahoo.com

[d]あなたの国で障害者分野の重要な協力プログラムを行っている外国組織を連絡先と一緒に紹介して下さい。

ACTION-AID ADD

OXFAM INTERNATIONAL SAVE THE CHILDREN スエーデン

CORDAID AEM- フランス SHAHIDUL ASSOCIATION フランス

ABILIS FOUNDATION フィンランド CBM- ドイツ

SKN- オランダ 沖縄コロニーと朝日新聞

[e]あなたの国で障害者施策、研究の専門家の人々を連絡先と一緒に紹介して下さい。

Dr. Shirin Zaman Munir of BPF

S. M. Mayeen Ahmed of SARPV

Syed Tamjidur Rahman

Dr. Sanchay Kumar Chanda

Reported by:

Shahidul Haque, Founder General Secretary, SARPV

(訳: 日本社会事業大学大学院 社会福祉学研究科 杉 本泰平)