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アジア太平洋障害者の10年の評価<完全参加と平等<へのNGOの展望

キリバス

RNN カントリー・レポート

キリバス共和国の概要

キリバス共和国は太平洋の中央にあり、 33の低い環礁で構成されている。
人口はおよそ80000人で総面積は870平方キロである。

1999年に実施した調査により、テ・トア・モトア(To Toa Matoa)(14才以上の障害で構成されるキリバス共和国の団体)は最終的に以下のようなデータを得た。

キリバス共和国の総人口:
男性 38378人、女性:39180人
総面積:
870平方キロ
障害をもつ者の数:
2466人
視覚障害者数:
694人
その他 の身体障害者数:
772人

アジア太平洋障害者の10年の間の評価

0=まったくあるいはほとんど対策が取られていない
1=やや実行されている
2=かなり実行されている
3=完全にあるいはほぼ完全に実行されている

国内調整

評価:1

モトア(TTMatoa)は障害を持った人を公の場に出すことによって一般の人の目に触れさせることにつとめ、歌やダンスやドラマなどで才能があることをしめそうとしている。赤十字の学校に障害児を通わせている親 もまた政府からの援助を求め、また障害児を教育する特別な教員を教育する方策を見いだそうと し、さらに自分達の子供を社会の流れの主流に乗せようとしている。キリバス赤十字はその活動を通じてモトア(TTMatoa)を支援しているもう一つの団体である。

法律

評価:1

キリバスでは、 人民弁護士事務所(the office of People's Lawyer)は常に一般の人に開かれており、障害をもつ人に対しても例外ではない。環境社会開発省は障害者に助言を与え援助しているが、その助言が必ずしも有益であるとは限らない。役所は、甘い言葉をいい、やさしく微笑んでくれるが我々の問題に取り組んでくれたことはない。

情報

評価:1

モトア(TTMotoa)は全ての島に障害を持った人が何人いるか調査した。この調査記録は、保管場所がなかったので赤十字に保管されている 。理学療法士とそのチームは入院している者 の支援をしており、モトア(TTMotoa)と一緒に調査をし、 人生の途上で障害者となった他の人々がどこにいるかをモトアに教えてくれた。

国民啓発

評価:2

モトア(TTMotoa)はその存在を宣伝している。この団体は集会所での一般の人とのふれあいの場を設定したり、祝日キリバス図書館で行われる催しなどに参加している。モトア(Motoa)はキリバス・ウエイトリフティング協会と協賛してキャンプに行ったり、興行を行うなど多彩な活動をしている。TTMotoaは周辺の島を訪れ、催し物を行っている。

アクセスとコミュニケーション

評価:0

とてもひどい状態である。公の交通手段が整って おらず、ニーズに対応できない。キリバスの唯一の交通手段はバスであるが、バス会社は利益のみを追求しており、車いすを必要とする人はどこにも行くことができない。また同様なことは、飛行機や船でもいえる。障害者は、バス、飛行機、船などに乗ろうと思えば、身内の手を借りねばならない。銀行などの公共の場では、特別なサービスや準備がされてないので用事をすることができない。聴力障害をもつ人がコミュニケーションをすることは非常に困難である。赤十字の学校に通う人は幸いなことに、手話でコミュニケーションが出来る。

教育

評価:1

赤十字の学校は経営に四苦八苦している。赤十字は最近では資金援助を受けてないので、保護者会が自腹を切ったり、資金集めをしたり、富くじなどを売って、学校を運営している。政府はこういうことにはそれほど乗り気ではないので、今後時々は政府を説得しようとするつもりである。

訓練及び雇用

評価:0

これはとてもひどい状態である。モトア(TTMotoa)は政府がこの点に関心を示し、雇用の機会を与えてくれるよう努力しているが政府の反応は未だにない状態である。今年は幸いなことに、我々はAPDIに加わっているのである。

障害原因の予防

評価:2

保健家族計画局の理学療法士が手助けをしている。

また周辺の島の看護師が幼児のビタミン剤を配布し、出産予定の妊婦は出産前に十分なケアーがされている。

補助器具

評価:1

300ドルで車いすを買うのはとてもたいへんなことである。赤十字はその車いすを販売しているがモトア(TTMota)の誰も車いすを購入していない。しかし幸いなことに、以前 理学療法士であった一人の夫人がモトア(TTMotoa)に車いすを寄贈してくれた。そこでグループのほとんど全員が自分の車いすを持っている。

そして杖を必要とする者も幸いなことに、車いすと同様に、フラン・ハットン氏(Fran Hutton氏)の寄付により杖を手に入れることができている。フラン・ハットン氏(Fran Hutton氏)のメールアドレスは次の通りである:njhutton@hotkey.ne.au

自助組織

評価:3

20以上の自助グループがあり、全てNGOのカンゴ(KANGO) キリバス協会の傘下にあり、モトア(TTMotoa)もその一員である。モトア(TTMotoa)は能力向上に向け努力をしており、そのプロジェクトの文書を 作成して援助を求めている。またキリバス状況改善のため研究会を実施した。

地域協力

評価:1

モトア(TTMotoa)は2001年11月23日ニュージーランドでインクルージョン・インターナショナル(Inclusion International)のレベッカ・マックルー(Rebecca McCullouh)にあったが、まだ何の反応もない。今年の8月モトア(TTMotoa)はニュージーランド・エイド(NZAID)の専門アドバイザー・パティー・オニール(Patti O'Neil)に会い、すでにマックルー(McCullouh)と話し合った我々のニーズと理想について話しをした。おそらく反応が程なくくるであろう。

まとめと方向

障害者10年の三つの重要な障害者の変化

  1. モトア(TTMotoa)の設立。モトア(TTMotoa)は本当は「強い巨人」を意味する。我々は我々を強い意志を持った巨人と比較している。巨人は我々を叱咤激励して、本来もつ能力以上に仕事を成し遂げるようにさせてくれるからである。人々は我々を「哀れな者」と評しているが、我々の心の中では、「巨人」のように「強い」ものと思っている。そして強い心を持って全てのことに努力してみたいと思っている。
  2. 障害を持った子供の学校。この学校は保護者会の全面的な援助によりうまく機能している。この会では、 教員の輸送、輸送に関わる燃料調達、 学校運営、文具などで学校をサポートしている。
  3. 1997のタンガルー(Tangaru)中央病院の 理学療法部門の設立。このサービスはすでに手足 を切断した人のみならず、新たに障害をもつに至った人にも必要性が高い。

障害者に関して三つの最も遅れている事柄

  1. 障害者が会合をしたり、社会活動などができる多目的センターの必要性
  2. 雇用の機会
  3. トラックやバスなど障害者の活動のための交通手段

政府が考えるべき三つの優先分野

  1. モトア(TTKotoa)が多目的センターを建設するための土地を提供すること
  2. 障害者が役所、銀行、ショッピングセンター、公共交通機関のような公共の場所を利 用できるような手はずを整えること
  3. 資金援助をして職業訓練を受けられるようにすること

地域協力の三つの優先分野

  1. スポーツの分野で障害者がアジア太平洋地域の競技会に参加できるようにすること
  2. アジア太平洋地域の職業訓練や研修会にモトア(TTMotoa)が加わること
  3. 障害を認識してもらうような話しや企画を行えるラジオ放送のような特別な活動に資金を援助すること

認識度

  1. 国際障害者の10年(1993-2002)について
    答え a  ほとんど知られていない
  2. 1975年の国連障害者宣言について
    答え a  ほとんど知られていない
  3. 1981年国際障害者年について
    答え a  ほとんど知られていない
  4. 国連障害者の10年(1983-1992) について
    答え a  ほとんど知られていない

障害者に関するキリバス共和国の基礎データ

ティーワタ・ロケテ(Teewata Rokete)
Vice Secretary
Te Toa Matoa
USP Librarian
USP Kiribati
PO Box 59
Teaoraereke Tarawa
Kiribati
e-mail: t01rocky@hotmail.com 電話22057 fax: 686 21419

デビッド・テアーボ(David Teaabo)
Secretary General
Kiribati Red Cross
Bikenibeu Tarawa
Kiribati

障害をもつ著名人

ティーワタ・ロケテ(Teewata Rokete)(膝より上の切断で義肢使用)
USP図書館司書, TTMの副事務局長および地元の顧問でTTMが将来にわたり機能していくように努力している

バウア・テボー博士(Dr Baua Tebau)(膝より上の切断で義肢使用)タンガルー・中央(Tungaru Central)病院勤務

タレウィタ・タウア(Tarewita Tauaa)保健主事、クリスマス島で勤務、TTMの強力なメンバー

将来の障害者リーダー

タバカロ・アータ(Tabakaro Aata)2001年に切断により障害者となる。先月よりTTM議長。 電話番号 28409

外国の組織

コーリン・ヒル(Collin Hill)
Australian High Commission
Bairiki Tarawa PO Box 77

オーストラリア・ エイド(AusAid)
ニジェル・エウェルズ(Nigel Ewels)
First Secretary
Australian High Commission
PO Box 77
Bairiki Tarawa

ニール・ロバートソン(Neil Robertson)
New Zealand High Commissioner
PO Box 53
Bairiki Tarawa

VSO
シンデイ・フェアー (Cindy Fair)
Program Manager
PO Box 61, Bairiki Tarawa, Kiribati.

フラン・アンド・ニール・ハットン(Fran &Neil Hutton)
PO Box 49
Wandai 4006
Queensland
Australia

セタレキ・マカナワイ(Setareki Macanawai)
DPI Asia/Pacific Vice Chairman(Oceania Subregion)
PO Box 15178
335 Waimaru Road
Suva
Fiji Islands
Phone: 679 330 7530 Fax:679 330 1161

テ・トア・モトア(To Toa Matoa、キリバス共和国の障害をもつ青年と成人の団 体)

(訳:埼玉県立大学短期大学部 横山恵子)