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アジア太平洋障害者の10年の評価<完全参加と平等<へのNGOの展望

韓国

アジア太平洋障害者の10年(1993-2002)促進のための地域別 NGO ネットワーク(RNN)

全国 NGO レポート(1)

2002年10月

訳注:

本レポートでは「107項目」について4ランク評価がなされており、それぞれの英文と訳語は次のとおりとした。

Rank 0, Few measure has been taken = 未達成

Rank 1, Slightly implemented = 若干達成

Rank 2, Fairly implemented = ほぼ達成

Rank 3, Fully implemented = 十分に達成

I.「10年」の行動課題別達成の評価

国内調整

1.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

政府首相を委員長とした「障害者福祉政策協議委員会」が 1996 年に発足。以来、障害者関連福祉政策の調整を委任された本委員会が、「10年」の行動課題にその設立が謳われた障害問題国内調整委員会として機能している。

1997 年に本委員会が、障害者関連政策の福祉・就労・教育分野における調整の基本方針を示した「障害者福祉 発展第1次5ヶ年計画 (1998-2002)」を採択し、それ以来それに基づいて障害者生活の向上に貢献してきている。 2000年には、障害者福祉法の改正に伴って「障害者福祉調整委員会」とその名称を改め、障害問題国内調整委員会としての機能を十分に起動させるに至っている。

しかしながら本委員会は、地方行政の様々なレベルにおける意志決定機関および政府中枢機構の障害関連省庁・機関等において障害者の声を代表し代弁する位置づけまでは確立できていない。同様に、 障害者のために適切な資源の配分を 行う代表機関としての位置づけもいまだ確保できておらず、特に、障害者の福祉を促進し権利を護るために適切な財政および人的資源の配分の決定において本委員会がごく限られた機能しか有していないという意味で、障害者関連問題を包括的に調整する機関としての本委員会の位置づけと役割が十分ではないと言える。

1.2 若干達成 (評価尺度:1)

障害者福祉調整委員会のメンバーは、政府首相を筆頭に、障害関連省庁および当委員会の前身である障害者福祉政策協議委員会等の様々な障害関連組織の代表者などから構成されている。しかしながら、執行委員会の設立はいまだ実現していない。恒久的な組織としての執行委員会の設立に関しては、政策管理や財政面を担当する関連省庁からの議論の的となっており、この件に関する財政的・行政的支援をこれまで受けられていない状況にある。

1.3 未達成 (評価尺度:0)

地方レベルにおいて、草の根運動推進組識や機関間の調整と管理の役割を担う促進団体の設立が未達成のままである。様々な関連組織や機関の参加のもとに、障害者福祉調整委員会の地方支部ワーキンググループ設立に関して、前述の執行委員会設立の問題と合わせて検討し、委員会全体の優れた調整と機能の執行を目指さなければならない。

1.4 ほぼ達成 (評価尺度:2)

国レベルでの具体的行動計画については、国の政策方針について明らかにした「21世紀の社会福祉:長期的発展の方向性」「社会保障 発展5ヶ年計画」等の主要文書を通して韓国における障害者福祉政策が発展してきた。しかしながら、それら福祉政策も国全体としての財政の範囲内でのみ実施されるという一定の制約を受けている他、国内調整の機能を果たす障害者福祉調整委員会内に、国の政策の遂行状況をレビューし評価する構造が組み込まれていないという不十分さも認められる。ただしそういった不十分さを補うものとして、保健福祉省・労働省・教育人材省等の各省が、それぞれが実施する政策が実際に及ぼした影響について各自評価を行ったり、また、国内政策調整部社会文化政策調整局の副局長が各省の政策実施に関して包括的なレビューと評価を行っているなどの取組みも行われている。

1.5 ほぼ達成 (評価尺度:2)

韓国は数年前に IMF からの補助金を受ける程重大な経済危機に直面したが、現在ようやくその危機から脱却し、徐々に回復の兆しを見せはじめている。貧困対策として、様々な政府の施策やNGO団体によるプロジェクトが実施されてきたが、政府主導の貧困対策措置の多くは、経済成長を目指した政策と合わせて雇用/収入拡大政策という形で実施されてきている。特に、政府による貧困対策の一環として導入された「国民基本生活保障法」は、単なる“暮らし保障”のための生活保障システムから、低所得者層に対する政府の責任が強化される福祉政策へと、国の取組みを変換させる結果となった。つまり、政府による保護を必要とする貧困低所得者層の基本的な生活レベルを保障すると共に、包括的・自立的サービスの提供に基づく生産的社会福祉システムの実現に向けて、政府の焦点が当てられるようになったのである。

1.6 若干達成 (評価尺度:1)

障害をもつ低所得者層の人々のための支援政策がいくつか存在する。例えば、障害者雇用を促進することを目的とした補助金制度などもその一つであるが、行動課題で挙げられたような、貧困対策およびその他の開発事業の助成基準として障害がある人を支援対象として含む事の明記については、必ずしも行われていない。

1.7 ほぼ達成 (評価尺度:2)

徐々に拡大傾向にある障害者の福祉的ニーズを満たし、また効率よく国レベルで掲げた政策を実行に移していくために、保健福祉省内の障害者福祉管轄部所が、1997年に「課」レベルから「局」レベルへと拡大された。また、 広域レベルの2つの地方政府が、障害者の福祉を担当する独自の管轄部署を設立した。更には、社会福祉課の人材拡大および年毎の事業を通じて障害者福祉も含む社会福祉システムの強化に国政府が乗り出している。

1.8 十分に達成 (評価尺度:3)

1988年に開催されたソウルオリンピックに引き続いて同年に開催されたパラリンピックが成功を収め、「アジア太平洋障害者の十年」最終年であった 2002年にプサンで開催されたFESPIC大会の例にも見られるように、障害を持った人たちの可能性を育み彼らの能力を最大限引き伸ばすためのプログラムが国全体で発展してきた。例えば1981年以来、障害者スポーツ国民大会を始め多くの障害者スポーツ関連イベントが韓国国内で開催され、 また、アビリンピックの開催により有能な技術者たちのモラルレベルが上昇し、雇用者達の間に障害を持った人材を雇おうという気持ちが高まってきた。障害者月間(4月)および障害者雇用促進月間(9月)には、様々な障害者関連のイベントも催される。文化活動・レクリエーション活動への障害者の参加を促進する方向性としては、地域内スポーツイベントの開催・字幕付きテレビ番組の放映・障害者のための芸術文化プログラム等の事業やサービスの開発と提供が顕著に拡大してきている。

1.9 若干達成 (評価尺度:1)

国レベルにおいては、政府・NGO・障害者福祉調整委員会等の各委員会間のコミュニケーションチャンネルをとおして、障害者による/障害者のための各組織間の協力体制が敷かれてきている。しかしながら、国際レベルにおいては、他機関との有効なコミュニケーションチャンネルが成立できていない。

1.10 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害をもった人たちに適切な情報を提供するために、視覚障害者に対する点字サービス・聴覚障害者に対する手話サービスや字幕サービスなどを活用している。福祉・就労・教育等の様々な障害者関連施策についての情報はインターネットを通しても入手が可能である。障害者福祉法・障害者雇用促進および職能訓練法など法律関連の情報については、蓄積した情報をインターネットやNGO組織の掲示板やパンフレット等を用いて広く提供している。

1.11 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害者を対象としたサービスや障害関連団体に関する情報をインターネットを通して提供し、各ウェブサイトの管理人が定期的に情報をアップデートしている。また先日、韓国障害者リハビリテーション協会が情報基礎構造整備プロジェクトを実施し、障害関連団体に、コンピューター・プリンター・インターネット接続等の情報関連機器、加えて職員に対するコンピューター関連教育を提供するという試みを行った。政府も、障害者関連福祉政策やシステムに関する情報を提供し、定期的に内容のアップデートを行っている。更に、個人情報の取り扱いに留意し、障害者のプライバシー保護にも努めている。ただし、障害者のリハビリテーションと自立のための関連情報を提供する包括的システムはまだ成立していない。

立法

2.1 若干達成 (評価尺度:1)

韓国 憲法裁判所が、相続・婚姻・財産などの法律や、刑法・民事訴訟法などあらゆる実体法と手続き法およびさまざまな問題に関する政策規定の調査と確認を行っている。しかしながら、障害を持った人やその家族たちにとって実際に 憲法判断を求めて提訴することはしばしば困難であり、また 提訴した場合でも、最終的な決断が速やかになされないという問題点がある。

2.2 ほぼ達成 (評価尺度:2)

憲法の中には、「全てのセクターの全ての国民に対する機会の均等(前文)」「法に基づく平等の原則(第11条)」「教育の機会均等(第31条、第1節)」等の記述があるが、それらの実現においては、財政上の調整困難に基づくある程度の制約がまぬがれない状況である。

2.3 若干達成 (評価尺度:1)

1997年に「障害者・高齢者・妊婦のための環境調整改善法」が成立し、引き続いて2000年には、建築面およびコミュニケーション面でのバリアーと共にその他の差別的行為を取り除き、また、障害をもった人たちのための肯定的行動を推進するために、同法が改正された。しかしながら、障害のある女性や知的障害のある人々も含めた障害者の権利が効率的に護られるための永続的な実行機関の設立が、本基本法の成立をもって保障されたわけではない。

2.4 ほぼ達成(評価尺度:2)

障害者手当て・医療費・教育費等は、貧困低所得者層の障害者の生活安定のために設けられた「障害者福祉法」および暮らしの保障促進のために設立された「国民基本生活保障法」の下で提供される財政支援や助成金とは別で提供される。 将来には、これらの支援費の対象者も支援額も徐々に拡大される予定である。また、低所得者層の家族が障害のある子どもあるいは重度の障害をもつ人を世話・介護する場合は、その経費に対する補助も提供されるが、その補助額は低額である。

2.5 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある人の生活の質を向上するために必要な用具と資材、特に、教育・就労・スポーツ・レジャー・文化活動・および日常生活に必要な用具と資材を含めて、海外より輸入された車両・支援機器・医療品に対する関税は一部免除となっている。

2.6 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある人々の財政的負担を緩和するために、 福祉機器 に対する付加価値税免除および医療保険 (medicaid) 対象項目は徐々にその範囲が拡大されてきている。しかし、免除対象品目リストを定期的に見直す役割を担う恒久的機関はまだ設立されていない。

2.7 ほぼ達成 (評価尺度:2)

「障害者・高齢者・妊婦のための環境調整改善法」の成立と 改正により、職場・公共の場・交通機関・家庭での健康と安全を促進する事、加えて、業務用・家庭用・個人用の輸送機関・設備・器具・その他の品目の安全基準を設ける際に、障害のある利用者のニーズに特に配慮するべきことが定められた。

2.8 若干達成 (評価尺度:1)

関税免除品リストの定期的な見直しを行うための特別な機構はまだ設けられていないが、関税関連省庁が独自でリストの見直しを行っている。

2.9 若干達成 (評価尺度:1)

無料司法扶助サービスを提供する機関はいくつか存在するが、障害のある人のみを対象にそういったサービスを提供している機関はほとんどない。

2.10 未達成 (評価尺度:0)

基本法の中に、障害のある人々の権利を護るための執行の仕組みあまだ設けられていない。またその効果的な執行のための基準と規則を告示するための包括的なシステムもまだ整っていない。

2.11 十分に達成 (評価尺度:3)

著作権に関わる各種法律、および、「特殊教育法」の 全面改正 color:black' (1994), 「障害者・高齢者・妊婦のための環境調整改善法」の制定 (1997), 「障害者福祉法」の全面改正(1999), そして「障害者雇用促進および 職業リハビリテーション法」の改正(2000)を通して、教育的・情報的・そしてレクリエーションの資料を障害のある人が利用する権利を護り、そのような資料を書き換え・転移・翻訳・再生するための規定が定められた。

情報

3.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

韓国政府は1990年から1995年 ,2000年と、5年毎に障害のある人たちが置かれた状況を把握するための調査を行い、障害のある人たちが持つ基本的ニーズの把握や、障害種別・性別・年齢別・経済的状況別・収入や教育のレベル別の障害者人口の把握等に努め、また政策関連資料の確保に当たってきた。現在障害者関連省庁や組織から障害関連情報へのアクセスは可能になっているが、それらの情報を索引可能な形態で保存する事および障害のある人たちが置かれた状況に関する定期的な調査情報に基づくデータベースの構築は今後の課題として残されたままとなっている。

3.2 ほぼ達成 (評価尺度:2)

「障害者」の法的定義は整えられたが、アジア太平洋地域での比較を促すような、広く共通して適用され得る機能的な「障害」の定義はいまだ成立していない。障害のある人たちが置かれた状況に関する全国的な調査は、韓国保健社会福祉 研究所により5年ごとに実施されている。

3.3 ほぼ達成 (評価尺度:2)

「アジア太平洋障害者の十年」の行動課題と修正目標は韓国語に訳され、障害関連組織や機関に広く伝えられた。しかし、その広報活動に関してはまだ不十分な状態である。

国民の啓発

4.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

「十年」について広く国民に知らせるために、韓国政府は1997年にキャンペーン活動および ESCAP 中間レビューミーティングを開催した。障害のある人たちに対する国民の認識と態度に関しては、テレビやラジオ等の障害者関連番組がその向上に貢献している。また、 「障害者第一」キャンペーン委員会等の組織がマスコミによる障害者関連報道の在り方についてモニターを行っている。

4.2 若干達成 (評価尺度:1)

法により、教育・訓練機関、政府機関、NGOにより実施される全ての青少年対象事業・活動は、障害のある青少年もその対象に含める事が奨励されている。ただし、障害のある青少年の参加にあたって、それぞれのニーズに合わせた施設や各種調整等を提供することまでは規定されていない。

4.3 未達成 (評価尺度:0)

“障害のある状態”を人々に体験してもらったり、その他「障害」ということに対する国民の意識を啓発するための活動がNGO団体により実施されているが、教育界において“障害のある人の一般社会参加”というような「統合」のテーマを扱った内容が教科書に正式に盛り込まれるようなところまではまだ至っていない。

4.4 十分に達成 (評価尺度:3)

「十年」の宣伝と 「ソウル国際障害会議1997」の記念を兼ね、1997年、 情報通信省が記念ハガキを発行した。 color:black'

4.5 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある人々のための活動を取り上げた番組がテレビやラジオで報道されることはあるが、まだその割合は比較的小さい。また、障害者に対する否定的あるいは不正確なイメージを描写したコメディー・映画・漫画等の各種パフォーマンス類に対しては、NGO団体等がその都度訂正を求めている。

4.6 ほぼ達成 (評価尺度:2)

「障害者第一」 キャンペーン委員会が、障害のある人々に対する国民の意識を高め、態度を改善することに貢献するようなマスコミの努力の足跡をつづった資料を収集した“報道紹介サービス”を提供している。

4.7 ほぼ達成 (評価尺度:2)

数的にはそうは多くはないものの、障害のある人が主人公として登場する舞台芸術については、常にそういった企画が立てられ上演もされている。障害のある人々のスポーツ活動に関しては、国民障害者スポーツ大会や プサン FESPIC 大会などの様々な国内・国際イベントを通して盛んに奨励されている。

4.8 未達成 (評価尺度:0)

公務員あるいは様々なセクターの専門技術者の養成カリキュラムおよび現任訓練カリキュラムは、障害関連テーマを扱ったプログラムを含んだものとなっておらず、今後、そういった教育教材およびプログラムが開発されるべきである。

アクセシビリティーとコミュニケーション

5.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

1997年に成立した「 障害者・高齢者・妊婦のための環境調整改善法」 により、建築物・施設の新規建築・改築・拡張時には、すべての施設や装置等が障害のある人々にとってアクセス・利用が可能となるように配慮する事が定められている。しかし、法の対象となる建築物の範囲が狭く、また設けられた建築基準も厳密な適応の実施にまでは至っていない。

5.2 ほぼ達成 (評価尺度:2)

同法により、施設が障害のある人々にとってアクセシブルとなるように、通常の歩道により生じるバリアを取り除き必要に応じてスロープを設けることが定められている。また、公共スペースには施設の案内サインを取り付ける事も合わせて定められている。しかし、視覚障害をもつ人々のためのガイドブロックやシグナル発信装置等の設置についてはいまだ不十分な状態である。

5.3 ほぼ達成 (評価尺度:2)

移動交通サービスを改善するために、新しく敷かれたバスルートにおいては、視覚障害をもつ人のための案内放送の実施および聴覚障害をもつ人のための案内サインの設置が指導されている。地下鉄や鉄道施設においても、障害のある人々のための設備を整えることが求められており、また高速道路や国道の休憩所にも同様に設備を整える事が定められている。

5.4 若干達成 (評価尺度:1)

建築家・エンジニア・および都市計画/農村計画担当者の養成カリキュラムの中に、アクセシビリティ問題を扱う独立したコースがまだ設定されていない。しかし、各大学や養成機関においてアクセシビリティに関する議論が積極的になされるようにはなってきた。

5.5 若干達成 (評価尺度:1)

「 障害者・高齢者・妊婦のための環境調整改善法」 の成立により、障害のある人々がアクセス・利用できるように施設を建築・改築することが 求められることとなったが、タイプ・大きさ・素材等の、より詳細な建築基準は具体的ではなく、よって法に書かれた内容の実現の手段が不明確なままとなっている。

5.6 若干達成 (評価尺度:1)

ESCAP 会議やRI会議等のアジア太平洋地域関係専門家間におけるアクセシビリティ関連ネットワークは活発であるが、その中に韓国の関係省庁や専門家は活発に参加していない状況である。

5.7 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある人にとって職場のレイアウト・道具・設備・ 機械・そして器具をより使いやすくするための研究は、これまで部分的のみに行われてきている状況である。

5.8 ほぼ達成 (評価尺度:2)

手話通訳士の認定管理および養成は、韓国聾者協会により実施されている。また、全国統一手話に関しては現在開発途中である。

5.9 若干達成 (評価尺度:1)

全国の手話センターを通じて手話サービスが広く提供されている。しかし公共のサービス・場所における手話通訳については、需要と供給のバランスがとれていない状況である。

5.10 若干達成 (評価尺度:1)

一般の印刷物を読むのが困難な人および朗読サービスあるいは手話通訳サービスが必要な人のための、点字・拡大文字・コンピューターディスク・カセットテープ・その他適切な媒体を利用しての読み資料は、現在一部利用可能な状況である。

5.11 若干達成 (評価尺度:1)

字幕および音声描写サービスは、全国版ネットワークの放送ラインを通じて提供されているものの、まだ完全ではない。また、今後聴覚あるいは言語の障害をもつ人々と障害のない人々との間のコミュニケーションを支援するために、 電話リレーサービスの提供やサービスネットワークの構築が求められる。

教育

6.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

特殊教育を受ける障害のある子供たちの割合は、1992年から2002年までの間に4%増加した。これからの課題は、現在養護学校の特別なクラスで教育を受けている障害児を通常教育の場に統合し、障害のある児童・生徒の教育的・社会的統合を実現する事である。

6.2 ほぼ達成 (評価尺度:2)

財政的には、障害のある児童・ 生徒一人あたりの特殊教育予算が1992年から2002年までの間に207%の増加を示した。また政策的には、1996年に「特殊教育長期開発計画」が立案され、以降その計画に基づいて開発が進められている。今後の課題は、特殊クラス数の増加;養護学校数の縮小;インクルーシブ教育実施のための財源拡大;そして各地域においてインクルージョン実施のモデル校を設置すること、である。

6.3 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害のある人々のための環境・設備調整に関する法的規則が整い、1992年以降、身体障害をもつ児童・生徒のために特別にデザインされた机と椅子、聴覚障害をもつ児童・生徒のための補聴器、そして視覚障害をもつ児童・生徒のための杖が支給され ている。今後の課題は、障害のある児童・生徒をより良く通常教育の場に迎えるために、普通学校の環境・施設を改善する事である。

6.4 ほぼ達成 (評価尺度:2)

1994年に改正された特殊教育振興法 に基づき、3~5歳の障害児に対する無償の特殊教育が提供されるようになり、またインクルーシブ教育を実践する普通幼稚園も運営されている。今後の課題は、特に農村部の乳幼児を焦点に、普通幼稚園におけるインクルーシブ教育を拡大することである。

6.5 若干達成 (評価尺度:1)

普通学校内に設置された特殊クラスの割合は、1992年から17%の増加を示しており、 インクルーシブ教育は徐々に広がりつつある。今後の課題は、現在養護学校で教育を受けている障害児を普通学校の特殊クラスあるいは通級クラスに統合し、通常クラスへのより良い統合を徐々に実現していくことである。

6.6 若干達成 (評価尺度:1)

特殊教育教師のための養成プログラムは徐々にその数が増加してきており、また普通教育教師のための養成プログラムおよび現任者研修プログラムの中にも障害児の教育に関連するコースが徐々に含められるようになっている。今後の課題は、養成課程に在籍し将来普通教育教師にならんとする人材に、卒業要件の一部として特殊教育関連の授業を受けるよう定める事である。

6.7 十分に達成 (評価尺度:3)

全国学習指導要領第6版 (1993-1999) および第7版 (2000- )に基づいて、障害のある児童・生徒に対して、科学・数学・適応技能訓練・職業前教育および職業教育が提供されてきている。今後の課題は、障害のある一人一人の児童・生徒に対し、質の高い個別化された教育を提供する事、および、児童・生徒が実生活に実際に活かせるような職業前・職業教育を提供する事である。

6.8 十分に達成 (評価尺度:3)

全国学習指導要領第6版(1993-1999)および第7版(2000- )を通じて、知的障害も含めた障害のある児童・生徒の教育にとって有効な指導教材が提供されている。今後の課題は、障害のある子供たち一人一人に合わせて個別化された指導教材を開発・提供できるようになる事である。

6.9 ほぼ達成 (評価尺度:2)

学習指導要領第6版(1993-1999)において「子どもの主体性に基づく学習」が強調され、また第7版 (2000 - ) においても「子ども主導型学習」の重要性が謳われた。今後の課題は、そういった「子どもを主体とする学習」および「子ども主導型学習」を促進するような環境の整備と指導法の開発である。

6.10 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある児童・生徒の教育において、補助員等の準教員の参加が徐々に広がってきている。今後の課題は、そういった補助員を活かして、障害のある児童・生徒の有効かつ有意義なインクルージョン教育の実施に繋げていく事である。

6.11 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある児童・生徒の教育における家族の参加は徐々に活発になってきているものの、全体的な割合としてはまだごく限られたものとなっている。今後の課題は、障害のある児童・生徒のインクルージョン教育を有効に実施していくにあたり、子どもの家族や地域住民の参加を更に促していく事にある。

6.12 ほぼ達成 (評価尺度:2)

学校教員および管理職にある者たちを対象に、インクルージョン教育の実施に関わる現場研修が開催されている。今後の課題は、更にそういった現場研修等トレーニングプログラムを充実・拡大し、関係者のインクルージョン教育に対する理解、およびその実施の際に求められるスタッフ間の連携に関する知識等を深めていく事にある。

6.13 十分に達成 (評価尺度:3)

障害のある児童・生徒の教育に関しては、教育人材育成省が主要な責任を担っている。

6.14 ほぼ達成 (評価尺度:2)

1994年以降も、障害のある児童・生徒に対する義務教育は小学校と中学校レベルに限られており、無償による特殊教育は3~5歳児および高校・職業訓練校の児童・生徒に提供されている。今後の課題は、 無償による特殊教育の対象を0歳から5歳児に拡大すると共に、移行期支援サービスと職業訓練教育を改善する事である。

6.15 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある児童・生徒が著作権法により規制されている資料を転写・翻訳・再生・使用する権利を保障する法的規則は存在しないものの、通常の場合暗黙の了解としてそういった事が許される状況にある。今後の課題は、障害のある児童・生徒が、教育・情報・娯楽等の様々な分野において、著作権法により規制されている資料を使用する権利を法的に保障する事である。

訓練と雇用

7.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

各公的職業訓練センターにおける職業訓練支援プログラムに参加する障害のある人の数は、 1996年に労働省がセンターを開設して以来拡大の傾向にある。これらの統合的職業訓練プログラムの実施に関して、養護学校・公認職業訓練センター・地域リハビリテーションセンター等で開催される障害のある人のみを対象としたプログラムに比べ、途中でプログラムを中断する人の割合が低いなどの肯定的な結果が得られている。

7.2 若干達成 (評価尺度:1)

韓国障害者雇用促進協会(KEPAD)が、障害のある人々を対象に技術系エンジニア訓練プログラムを開催したり、また各トレーニングセンターに対して人件費等を含めた訓練プログラム実施経費等の補助を提供したりしている。更に同協会は、障害のある人の職場適応の促進を目的に、雇用環境改善プログラムを通じて障害者を雇った雇用者に対する補助(設備ローン、雇用奨励金、など。)や、障害のある当事者自身に対する補助(車両購入ローン、起業経費の助成、など。)なども提供している。

7.3 若干達成 (評価尺度:1)

2000年12月時点での障害者雇用状況によると、一年毎に障害のある人の雇用率は上昇している。公的企業に関しては、65社において障害のある人の雇用数がここ最近で大きく増えた。これらのことより、障害のある人の雇用に対する人々の意識が社会全体で改善してきている事が示される。また政府機関においては、職員の最低5%に当たる数の障害者を雇用する事が義務づけられており、障害のある人の雇用率拡大にも貢献しているようである。しかし、障害のある人の昇進に関する国としての目標は曖昧なままである。

7.4 未達成 (評価尺度:0)

公的および民間セクター・障害者組織・障害者のための組織・その他のNGOの代表からなる共同体組織の設立は、いまだ実現されていない。 1999 年に障害者のための組織および当事者組織の代表からなる共同機関として「韓国“それぞれの才能を有する市民”連盟」が設立されたが、情報収集および障害のある人に対するトレーニング・雇用機会の提供等にまつわる連盟の努力は十分と言えるものではなく、また技術開発トレーニングに関わる改革的努力も系統的発展に欠けた状況である。

7.5 若干達成 (評価尺度:1)

男女平等を適切に考慮に入れつつ障害のある人の訓練および雇用機会を提供するために、各関連省庁およびNGO組織は様々な努力を行ってきている。それらの例としては、障害のある人が制作した製品の購入指定システムの導入・障害者雇用の助成金提供・自助グループあるいは「韓国“それぞれの才能を有する女性市民”連合」等の組織化、などが挙げられる。 1991年に韓国障害者雇用促進 協会が設立されて以来1998年まで、障害のある労働者数は一貫して増加の一途を辿っている。しかしながら、障害のある人の雇用傾向に関する報告によると、 職業紹介においても(男性 3,661/ 女性 1,332) 実際の雇用数においても (男性 2,161/ 女性 897) 大きな男女差が見られるという問題点が明らかとなっている。

7.6 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害のある人のための作業所を活性化させるために、政府は作業所からの購入指定システムを導入し、障害のある人が制作した製品の購入ラインを拡大した。また韓国障害者雇用促進協会は、自営業を営む障害者数を拡大するために、起業に伴う初期投資に対するローンを提供している。 color:black' 更に同協会は、障害のある人を雇用する会社に対して、施設・環境調整・通勤用車両購入・雇用管理費等対象のローンを提供している。 援助付き雇用に関しては二通りの方法で実施されており(1つが保健福祉省管轄の地域リハビリテーションセンターにて実施されるもので、もう一つが 韓国障害者雇用促進協会管轄の地域支所にて実施されるもの。)、これまでに良い結果が得られている。しかしながら、福祉工場の設立と管理にまつわる費用を提供していた“障害者福祉 工場設立ローンシステム”は、その有効性が示されないまま2000年にその廃止が決定された。

7.7 若干達成 (評価尺度:1)

韓国障害者雇用促進 協会が、障害のある人々に対して 自立資金のためのローンや自営業を興すための準備費用に対するローンなどを提供している。 1998年の低所得障害者雇用促進施策を通して、公的な建物内での売店や自動販売機設置の優先権を与えたり、低所得障害者制作製品の一覧を一般に配布したり、職業訓練リハビリテーション設備を強化したり、様々な事業がこれまでに展開されてきている。また、労働省が障害のある人々を対象とした職業訓練リハビリテーション支援計画を整備しており、そういった計画の下、雇用支援サービスの提供、中央政府や地方自治体行政による 障害者割り当て雇用の推進、また障害のある技術者を対象としたトレーニングプログラムや失業障害者の雇用、などの事業が行われている。

7.8 ほぼ達成 (評価尺度:2)

保健福祉省管轄で障害のある人の手による製品を扱う合同市場が、 2001年までの間に全国で7つできた。障害者福祉発展5ヶ年計画 (1998-2002)によると、2002年までに合計で15の合同市場が設立される事になっている。1993年3月には、障害者雇用促進基金に関わる規則の改正に伴い無償の支援システムが構築された。それにより1999年までに合計135名に対し23億ウオンが費やされるなど支援システムの規模は漸増傾向にあり、今後注目すべき結果を生むものと期待されている。今後韓国障害者福祉センター協会や韓国障害者福祉 施設協会らがリードし、政府予算の支援と共に経営管理技術の発展に力を費やすべきである。

7.9 若干達成 (評価尺度:1)

韓国障害者雇用促進協会が地方支部・職能評価センター・障害者職業訓練機関などを設立し、障害のある人のための職業紹介や自営業を支援してきた。しかしながら、農村部と都市部間にサービス提供の格差がみられるなど、障害者雇用支援はまだ十分で あるとは言えない。NGO組織などを通して障害のある人々の雇用促進活動がボランティアとして行われており、今後関連NGOに対して支援を提供したり、また障害をもつ当事者自身に対する奨励などの動きが求められる。

7.10 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害のある人の訓練や雇用を促進するために、韓国障害者雇用促進協会は雇用者に対して無償で資金援助を提供しており、それによって 例えば雇用者は仕事用机や機器や支援装置等を購入・取り付けすることができるようになっている。また同協会は、障害のある人が2年以上勤めている職場の雇用者に対して、雇用安定基金の提供も行っている。無償 職業訓練施設等のためのサポートシステムの有効性が認められているが、今後はまず障害のある人々のための職業訓練あるいは高等教育の提供自体が不十分であるという状況を改善しなくてはならない。特に、労働省管轄の職業訓練支援プログラムなどは障害のある人々の参加を励まし、統合型トレーニングの場を増やしていくよう努めるべきである。 雇用者に対する支援システムは市場介入の要素を含んでおり、支援システムが悪用されないように、その実施は明確かつ客観的に行われるべきである。障害のある人々のトレーニングや雇用機会を改善するための資金は、当事者自身のニーズを適切に反映する形で、有効に活用されなければならない。

7.11 未達成 (評価尺度:0)

雇用に関わる法律・政策・団体協約において、職場で怪我をしたような状況を除いては、障害のある人々の権利を護るための特別な規則や法案は整えられていない。重度障害者職業訓練リハビリテーション法の立法あるいはその他の既存関連法規をもって、障害のある労働者の権利を護るための努力がなされなければならない。

7.12 未達成 (評価尺度:0)

障害者福祉調整委員会が、障害のある人々のためのリハビリテーション関連研究機関の設置と管理についての提案を行ったが、それに向けた具体的な計画はいまだ打ち立てられていない。社会福祉および特殊教育等関連分野における昨今の発展を考えた 場合 、リハビリテーション分野専門の研究を行う独立した機関の設立が早急に求められる。

7.13 若干達成 (評価尺度:1)

障害のある人々のトレーニングや雇用に関する法律や政策の有効な実施具合と「十年」の行動目標の達成具合をモニター・評価するために、「アジア太平洋障害者の10年韓国研究会議」や韓国障害者リハビリテーション協会により統括されている「RI韓国」などのNGO団体、また障害者福祉調整委員会などがそれぞれ部分的に評価機能を担っているが、いまだ有効な評価・モニター活動は実現していない。また、「韓国 “それぞれの才能を有する市民”連盟」 は障害関連サービス提供者により構成されているが、NGO組織の代表がそれらの評価活動に積極的に参加している状況であるとは言い難い。自助団体に対する政府からの支援が非常に限られた現状において、有効なモニター・評価活動が困難なものとなっている。

7.14 若干達成 (評価尺度:1)

障害者の雇用に関する情報の収集と提供は、韓国障害者リハビリテーション協会が運営するポータルサイトにより一部行われている。その他にも、全国IT産業改善計画に基づき、各地域リハビリテーションセンターに付随した情報センターがやはり一部その役割を担っている。また、包括的コンピューターネットワークや巨大ユニット雇用関連情報ネットワークの設立や職業関連評価センターの構築等、将来的な計画を労働省が思案中である。

障害原因の予防

8.1 若干達成 (評価尺度:1)

障害原因予防施策として、先天性代謝異常や母子健康保健に関する教育などを通して母子保健プログラムが実施されている。

※ 障害原因予防の内容

  1. 妊婦および乳幼児の健康診断
    妊婦の登録に引き続いてすぐに第一回目の障害原因予防のための診察が実施され、また、精密検査が必要と判断された場合はその後再度診察が実施される。

  2. 母子保健ポケットブックの積極的な配布

  3. 先天性代謝異常検査
    知的障害の予防プログラムに対し、 2000年には38億ウオンの予算が当てられた。このプログラムにより、財政的に困難な家庭に生まれた乳児がフェニールケトン尿症の診断を受けた場合、その乳児に対して特別な治療・管理サービスが提供されている。

  4. 妊婦の慢性病・薬物使用・飲酒・喫煙等は乳児の成長と体重に影響を与えるため、パンフレットやマスメディアなどを活用した啓発キャンペーンが定期的に実施されている。

8.2 ほぼ達成 (評価尺度:2)

ハンセン病に関しては、地域保健センター・クリニック・移動医療チームが、診察、登録、そして治療に当たっている。1998年以来、韓国ハンセン病対策協会本部が、中枢登録事務所としてハンセン病患者の登録作業の責務を担っている。ハンセン病の発生率は年毎に減ってきており、1981年には27,628名であったのが1991年には23,326名という報告になっている。また、積極的な広報とポリオワクチンの頒布の成果により、ポリオの発生率もほぼ完全なる抑制状態にある。ビタミンA欠乏症・ヨード欠乏症においては、昨今はほとんど発生していない。

8.3 若干達成 (評価尺度:1)

韓国保健社会分野研究機関が最近行った調査によると、アンケート調査に応えた専門家の内およそ50%が「現在韓国国内で実施されている母子保健プログラムが効果的に行われれば、先天性障害は10~30%程度その発生を予防する事ができるだろう。」というポジティブな見方をもっていることが示された。

※ 先天性障害発生予防見込み率(単位 : 名・%)

カテゴリー 頻度(人数) 割合 備考
0%(発生予防不可能) 0 0
10% 以下 6 18.2
10 - 20% 8 24.2
20 - 30% 8 24.2
30 - 40% 8 6.1
40% 以上 3 9.1
無回答 6 18.2
合計 33 100
8.4 ほぼ達成 (評価尺度:2)

対人地雷を含めた武器の管理は軍隊の権限により保護されているため、概して対人地雷による事故の発生は非常に希である。1997年11月6日より韓国地雷禁止キャンペーンがスタートし、現在、国際地雷廃絶キャンペーン・赤十字国際連合・ユニセフ等と協力し、国際レベルでのキャンペーンにも積極的に参加している。

8.5 若干達成 (評価尺度:1)

ジェネーブ条約が、視覚機能の破壊・失明を主な目的としたレーザー兵器の製造を禁止しているように、最近開発されたレーザー武器の威力はすさまじく、レーザーが目標物に当たった時に四方八方に向けて反射するエネルギーにより、目標物付近にいる全ての人間の視力を奪い得る破壊力を有している。韓国としても、このキャンペーンに対して非常に注目しているところである。

8.6 若干達成 (評価尺度:1)

1996年に産業安全衛生法が改正されたが、その効果はまだ十分とは言えない。また、安全と保健に関わる法的規則の内容に重複があるため、基準を適用する際人々に混乱を招きかねない。従って、産業安全と衛生に関わる基準は、国際基準の流れに応じて適切に統合・統一化されるべきであると考える。

8.7 若干達成 (評価尺度:1)

先天性代謝異常の検査および低出生体重児のフォローアップは非常に重要である。低出生体重児の登録システム導入、および、母子保健プログラム-学校保健プログラム間の繋がり強化を目的とした個人健康記録のコンピューター化システムの構築が必要であり、またそのための管理機構の任命が求められている。

8.8 若干達成 (評価尺度:1)

(1) 韓国 共同募金・ソウル地域リハビリテーションセンターとの協力により、保健福祉省内障害者福祉局が、「妊娠期から乳幼児期に起こる障害」についてのビデオと小冊子を作成し、地域リハビリテーションセンター、社会福祉事務所、地域の保健センター、300人以上の被雇用者がいる企業、学校、マスメディア、病院等に配布し、障害児対象の早期介入サービスの促進に努めた。

(2) 障害発生後に関しては、NGOを通じて様々な診断プログラムがあり、障害の重度化防止に努めている。

8.9 若干達成 (評価尺度:1)

母子保健に関わるスタッフが不足しており、また関連スタッフに対する教育機会および教材の不足は、現在障害予防プログラムの主要な懸念事項である。

8.10 若干達成 (評価尺度:1)

障害者福祉法で定める「障害」の定義の中に「精神疾患」というカテゴリーが最近含められ、地域の保健センター内に設けられた地域精神保健センターが精神疾患の予防・早期発見・および介入サービスを提供している。

8.11 若干達成 (評価尺度:1)

保健福祉省障害者福祉局は2つの部門(障害者政策部門とリハビリテーション支援部門)に分かれており、この二つの部門が各NGOと協力して障害予防に関する予算案 編成を行う。障害のある高齢者の数が増えてきているため、そういった人々を対象とした手当て支給、地域福祉センターの設置、そして彼らのQOL向上を狙った様々な政策など、新しい事業が必要である。

リハビリテーション(地域に根差したリハビリテーション(CBR);保健と社会開発)

9.1 十分に達成 (評価尺度:3)

障害者のための社会福祉(リハビリテーション)サービス関連機関は、年に2回実施される運営計画および評価の場に、運営委員会の委員として障害のある当事者やその家族の代表者を招く事が定められている。よって彼らの意見は、組織の意志決定プロセスに適切に反映される仕組みになっている。

9.2 十分に達成 (評価尺度:3)

CBRに対する包括的なアプローチは、主に以下の2つの開発プログラムとして採用された:一つ目が、政府主導のモデル事業。このモデル事業は保健・福祉ネットワークを通じて、政府開発のサービス提供システムとして全国に拡大された。;二つ目は、国内の各地域リハビリテーションセンターが地方のリーダーや専門家グループと協力して取組んだ非政府主導型モデル事業。この事業を通して、各地域リハビリテーションセンターが障害のある人々に対し、住み慣れた地域における福祉サービスの提供を行った。

9.3 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害のある女性に対する一般的福祉プログラムは、その運営や実施に関する計画を定期的に見直す事が義務的サービスとして定められており、年に1回あるいは4回、入所施設・職業訓練リハビリテーション施設・グループホーム・国内の各地域リハビリテーションセンター等を通じて評価・見直しが行われる。

9.4 十分に達成 (評価尺度:3)

CBRプログラムのサポートを目指した政府およびNGO間の活動調整を強化するために、韓国保健社会問題研究機関の研究者・大学教授・および上級実践家から成る研究グループが各年毎および段階的な計画を組み立て、またそれらの計画を、私的組織の活動計画および政府の長期活動計画の中に具体的に含めていく研究に取組んでいる。

9.5 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害のある人の福祉に関わる保健・教育・そして特に社会開発分野における専門スタッフを養成するために、 国立リハビリテーションセンターが、障害のある人のためにサービスを提供する私的・公的機関において現在働いている人々を対象に、それぞれの職務・分野毎に分けたトレーニングコースを開設した。講義は、各分野において専門の知識を有した大学教授や上級実践家が担当している。

9.6 ほぼ達成 (評価尺度:2)

CBRプログラムを支援するために、 国立リハビリテーションセンターが模範的事業を開始した。この事業は、国内16箇所の保健福祉事務所の下、主要医療機関にリハビリテーションサービスを導入するための計画に基づいて実施されるもので、地域の特徴・階級・生活基準等に応じて提供される政府からの援助を受けて実施されている。このリハビリテーションサービス導入計画は、近い将来全国に拡大され、プログラムのタイプに基づいてシステム化されることになっている。

9.7 ほぼ達成 (評価尺度:2)

政府-NGO間での専門的人材の交換および諸外国との実践情報の交換は、主に国際リハビリテーション 協会世界会議および地域別会議といった機会を通じて行われている。これらの会議では、10の分科委員会に別れ、それぞれの分野における研究事例の発表が行われるが、韓国からも毎年各分科会に1名以上の専門家が参加している。

9.8 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害やリハビリテーションに関する実践研究と革新的アプローチは、互いに相関してすすめられるべきである。各分野における研究費用は、これまで主にプライベートな財団が提供する研究資金により成りたってきている。今後は、政府による研究開発基金等の財政的および行政的サポートが強化されるべきである。

9.9 ほぼ達成 (評価尺度:2)

貧困状態にある障害者に対する社会保障施策は、1.公的扶助、2.社会保険、等の制度により一部担われている。しかしながら今後は、より高額な給付および様々なサービスを提供するためにも、政府による財源を強化し、また各自が資金調達活動により資金の拡大に努め、QOL向上のための様々な社会サービスが実施されていかなければならない。

福祉機器

10.1 若干達成 (評価尺度:1)

助成制度も含め、福祉機器の生産・普及・修理・メンテナンスを確実なものとする事を目的とした継続性のあるシステムと手続きは、いまだ構築されていない。

10.2 若干達成 (評価尺度:1)

福祉機器、およびその製造・修理・メンテナンスに必要な部品・材料・機材等の輸入に関する、関税担当省局との協力関係はまだ不十分なままである。

10.3 若干達成 (評価尺度:1)

福祉機器およびその製造・修理・メンテナンスに必要な部品・材料・機材等の輸出入を促進するための通関手続きの簡略化に関しては、更なる取組みが求められる。

10.4 ほぼ達成 (評価尺度:2)

リハビリテーション技術研究所が設立され、また、その土地にあった(国産の)福祉機器の研究・開発・改良を目指した研究開発プログラムもいくつかの大学や研究機関において実施されている。

10.5 未達成 (評価尺度:0)

今後、障害のある人々のための質の良い規格の福祉機器を供給できる事を目指し、適切かつ持続性のある地方技術の発展が望まれる。

10.6 若干達成 (評価尺度:1)

福祉機器の生産・普及・メンテナンスに関する地方自給ラインを活発なものとするような研究や制度は、いまだ不十分なままである。

10.7 若干達成 (評価尺度:1)

地方レベルでのサービスを向上させるような、福祉機器技術に関する地方人材のトレーニングはいまだ不十分なままである。

自助団体

11.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

障害のある人々による/のための障害種類別組織は、その成立がまだ完全なものではないものの、例えば、障害のある女性・女子のための6組織、韓国知的障害者協会( 27支部)、HIV/AIDS感染者団体など、障害の種類あるいは分野に応じた組織も徐々に整備が整いつつある。また、「韓国 “それぞれの才能を有する市民”連盟」 が障害のある人々の全国レベル自助団体として設立された。

- 障害のある人々による/のための組織の設立 -
保健福祉省 , 2000
~1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
14 2 3 2 2 2 5 7 8 15
11.2 若干達成 (評価尺度:1)

農村部における自助組織の設立に関する各種NGO組織による協同活動は不十分である。しかし、都市部における自助組織の成立についてはその増加がめざましい。(例えば、「 失業障害者連合」「障害者移動権利 連合」「韓国“それぞれの才能を有する市民”権利擁護研究 所」「韓国障害者アクセス権保障 行動」「 Hanbeot障害者のための移動サー ビスチーム」など。)

11.3 未達成 (評価尺度:0)

1999年、韓国首相の指揮の下障害者福祉調整委員会が設立された。しかしながら今後は、本来の委員会設立の目的と使命をまっとうするためにも、その構造と役割の再構築を実施し、各政策・事業の調整、成果の評価、および政府とNGO組織との意志疎通機関としての役割が適切に遂行されるように見直していく必要がある。

11.4 若干達成 (評価尺度:1)

農村部における障害者による/のための組織の設立およびその発展は不十分であるものの、地方 自治制度導入以来、16の市や地区において当該組織に対する政府からの支援が強化されている。

- 障害者による/のための組織に対する保健福祉省予算支給額 -
(単位:100万ウオン、%)
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
支給額 1,019 1,108 940 1,134 2,091 3,580 4,286 4,786 5,286
障害者福祉予算の中の割合(%) 2.5 2.4 1.7 1.8 2.8 3.6 4.2 4.3 3.8
増減 100 108 92 111 205 351 420 469 518
11.5 未達成 (評価尺度:0)

地域における障害のある人を対象としたトレーニングプログラムの実施状況は、断続的なものである。また、技能(実質面)および自己に対する自信(精神面)の両側面を向上させるようなプログラムについてはほぼないに等しい状態であり、例え幾つか存在しているとしても、多様性に欠けた状況であるのは間違いない。更には、障害者による/のための組織を導くトレーナーのためのガイダンスや管理に関しても、皆無に等しい状況である。

11.6 未達成 (評価尺度:0)

リハビリ志向のプログラムが大部分であり、障害者の自立生活という理念に関しては最近ようやく人々に知られるようになってきた程度である。従って、それらに関する法整備あるいは各種事業についても不十分な状況である。

12. 地域協力

12.1 ほぼ達成 (評価尺度:2)

アジア太平洋障害者の10年の中間報告として、 1997年、韓国政府主催の「国連 ESCAP 政府高官会議」がソウルで開催された。また1995年には歌のコンテストが、1997年には「RIアジア太平洋地域会議/キャンペーン ‘ 97」がそれぞれ、RIおよびRNNの協力のもと、韓国のNGO(韓国障害者リハビリテーション協会)により開催された。 この度、アジア太平洋地域に住む障害のある人々の福祉の継続的発展を目指してアジア太平洋障害者の新しい10年の開始が宣言される事に呼応し、韓国政府による「第2次福祉発展5ヶ年計画 (2003-2007) 」およびNGO団体による「韓国障害者の10年 (2003-2012) 」が近々発表され、またそれらの宣言と共に、韓国が置かれた現状に基づいた実際的な行動計画が明らかにされることになっている。アジア太平洋地域の各GO/NGO組織が行っている障害者福祉発展を目指した政策や事業に関する情報や資料については、より積極的に情報交換がなされるべきである。

障害のある女性

「障害のある女性」という領域は、アジア太平洋障害者の10年における行動課題の中に独立して設けられた領域ではなく、他のそれぞれの12の領域の中の一部として扱われているため、その評価が困難なものとなっている。従ってこの領域に関する評価は、障害のある女性の目から見た12の行動課題各領域毎の評価として実施された。

国内調整 - 未達成 (評価尺度:0)

行動課題の中では、国内調整委員会が、障害のある女性も含めた各種NGO組織を適切に反映した機構として設立される事が求められている。国内調整委員会として機能する「障害者福祉調整委員会」には、13人の委員中3名が女性である。しかしながら彼女たちも、障害のある女性のための組織を代表する人間ではなく、現在障害のある女性を代表した委員会メンバーは皆無である。

立法 - 若干達成 (評価尺度:1)

行動課題は、障害のある女性も含めた全ての障害者に対する差別を禁止する基本法の設立および障害者のQOLの改善を目指した法案の設立を求めている。しかしながら、障害者および女性に関連した法案の中で、最近ようやく“障害のある女性”という表現が書き込まれるようになった程度の現状である。「障害者福祉法」第9条・第2節、「障害者雇用促進 ・職業リハビリテーション法」 第3節、「障害者の基本的人権」第11節、「性的暴行特別法」第8節等が、宣言的記述の中で障害のある女性に関して言及しているが、条例の施行に関してはまだ準備が整っていない。

情報 - 未達成 (評価尺度:0)

2000年実施の障害者の暮らしの状況に関する調査によると、情報所有レベルおよびテレコミュニケーション機器の所有率が、障害のある男性よりも障害のある女性の方が低い事が明らかとなった:ファックス(男性 - 3.2%, 女性 - 1.5%)、コンピューター(男性 - 14.4%, 女性 - 5.5% )。 つまり、障害のある男女間にみられる「デジタルの溝」の問題を解決する努力はいまだ十分なものではない、という事である。

国民の啓発 - 若干達成 (評価尺度:1)

家長制度の社会・文化にあり、障害のある女性は、様々な差別と偏見に満ちた環境の中、社会弱者の中でも最たるものとして孤立した存在である。1990年代後半よりそのような障害者女性にまつわる問題が社会的問題として取り上げられるようになり、国民の意識も一部変わってきた。しかしながら、障害のある女性はいまだ最も差別された層であり、全体的な国民の意識もまだ改善の必要がある。

アクセシビリティとコミュニケーション - 未達成 (評価尺度:0)

韓国社会において、障害者のアクセシビリティとコミュニケーションに関する問題はいまだ解決しておらず、よって障害のある女性はこの領域においてより脆弱な立場に置かれている。

教育 - 未達成 (評価尺度:0)

行動課題は、教育が障害のある女性・女子を全ての政策・計画・事業に含む事を提案している。しかしながら、韓国における教育政策・事業には、ジェンダーという視点が欠けており、よって障害のある女性に対する特別な配慮も欠けている。

訓練と雇用 - 若干達成 (評価尺度:1)

行動課題は、訓練と雇用における男女平等に特に配慮する事を提案している。「障害者雇用促進 ・職業リハビリテーション法」第3条により、政府および地方行政は障害のある女性の権利を保障するための施策を実施すること、および障害のある女性を雇う雇用者に対して最低賃金の2倍を最大とする雇用助成金を支給できる事が定められている。以上のように障害のある女性の雇用を促進するための取組みが行われているが、それらの実際の効果の測定に関しては、まだ時期尚早な段階である。

障害原因の予防 - 未達成 (評価尺度:0)

行動課題において、予防可能な障害原因に関する公的な教育キャンペーンの実施および性差異が明らかとなるような人口統計データの収集が提案されている。しかしながら、障害の早期発見・予防に関する科学的管理システムはいまだできていない。特に、情報へのアクセスが限られた障害のある女性が妊娠し出産した場合、多くの困難に直面しそれに応じた支援が得られないという状態に陥る。

リハビリテーションサービス - 未達成 (評価尺度:0)

行動課題により、貧困の緩和・健康・住まい・移動・人的資源の開発・労働・教育・コミュニケーション・文化・旅行・政治的活動等、様々な一般事業の中に障害のある女性に関連した問題を組み込んでいく事が薦められている。よって、医療保健や職業・社会リハビリテーションなども含めた、包括的リハビリテーションサービスにおいては常に障害のある女性の存在が考慮に入れられるべきである。しかしながら、韓国社会はこの点に関する理解が乏しく、その結果障害のある女性は、リハビリテーションサービスの主流から取り残された存在となっている。

福祉機器 - 未達成 (評価尺度:0)

障害のある女性は福祉機器の使用から疎外されており、この状況を改善するための支援が拡大されるべきである。また、障害のある女性に合わせた様々な福祉機器が広く一貫して開発されるべきである。

自助団体 - ほぼ達成 (評価尺度:2)

行動課題により、障害のある女性のように主流から取り残されがちな人々を含めた全国的なフォーラムが設けられる事が薦められている。昨今、「韓国“それぞれの才能を有する女性”協会」、障害のある女性のための団体「共感」、等の障害者女性のための組織や、障害のある女性に対する性的暴行を取り扱う相談機関(12箇所)などの特別機関が徐々に設けられている。しかしながら、このような自助団体に対する政府の支援は十分ではない。

地域協力 - 若干達成 (評価尺度:1)

東アジア女性フォーラム、RI会議、DPI会議等を通じて、国際的協力が求められているが、正式なネットワークはいまだ成立していない。また、この点に関する政府の支援は十分なものではない。

II. まとめ、今後の方向性、および韓国障害者基礎データ

以上「十年」の自己評価に基づき以下の質問にお答え下さい;

(1) 「十年」の期間中、韓国の障害のある人々の人生にもたらされた変化の中で最も重要であると思われるものを3つ挙げて下さい。

  1. 重度の障害(1~2級)をもつ人々および障害者手当ての受給者であるその家族に対し、 国民基本生活保障法により子どもの教育費等の補助が提供されるようになった。また、障害のある人々(1~3級)が車を購入する際、通常発生する登録税および 取得税の支払い義務が免除されている。
  2. 2000年に「障害」の定義が拡大された事により、これまで認められていた5つの障害カテゴリー(身体・視覚・聴覚・言語・知的)に加え、内部障害および精神障害が新たな障害のカテゴリーとして追加された。段階的障害定義の拡大は現在も更に続いている。
  3. 障害のある当事者自身による自助団体、特に障害のある女性による自助団体、の整備が進められた。これらの団体では、障害のある人々のためのアドボカシー活動・ピアカウンセリング・エンパワメントプログラム・他団体との協力連携等、様々な活動が行われている。

(2) 障害をもたない他の韓国国民と比べ、韓国の障害者にとって今後更なる発展が最も望まれる三大課題を挙げて下さい。

  1. 基本生活保障の対象となる重度の障害をもつ人々の生活の安定を保障するために、障害者手当てが迅速に支給されるようにしなければならない。

  2. 障害のある人々の社会参加や活動従事を妨げるような物理的環境・障害者に対する社会のネガティブな偏見・障害者の情報アクセス/コミュニケーション/機会均等などにおいて、今後関連機関等からの適切な援助の下それぞれの改善が目指されなければならない。

  3. 職業訓練や就労促進に関して、最も重い障害をもつ人々に焦点を当てて考えていかなければならない。また今後は、統合型職業訓練モデルが第一のチョイスとして推薦・提案されていくべきである。

(3) 障害のある韓国国民のために、今後国政府による実施が最も望まれる三大施策を挙げて下さい。

  1. 障害のある人々に対する社会保障システムの拡大を目指し、障害者を対象とした新しい 介護手当てを設ける。
  2. 二次的障害の発生を最小にとどめるために、事故患者の迅速な移送および治療システムやその他一般の障害防止機構を確立する。
  3. 全ての人にとってアクセシブルな環境を造りあげるために、歩行者のための歩道を調整したり公的機関の建物入り口から段差を取り除くなど、バリアフリーな社会の実現に努める。

(4) 障害者関連団体の地域間協力において最も優先度の高いと思われる事業を3つ挙げて下さい。

  1. RNN キャンペーン '97 への参加とキャンペーン主催という経験を通して、各NGO団体は、広くアジア太平洋地域における障害者福祉に関する情報を共有・交換することができた。
  2. アジア太平洋経済機構(APEC)主催の「ITトレーニングによる障害のある人々のエンパワメント」の一環として、“APEC 障害のある青少年のための ITキャンプ”が2002年8月27~30日にかけて韓国で開催された。
  3. 障害のある人々の社会参加の促進、およびスポーツ活動を通した国民の啓発を目指し、 プサンFESPIC 大会が2002年10月に プサンにおいて開催されることになっている。

障害者基礎データ

(1) 「障害者」の法的定義

障害者福祉法における「障害者」の法的定義

第1章 第2条 (障害者の定義)

  1. 「障害者」とは、身体的 あるいは精神的な障害のために、日常生活および社会生活における相当な制限を長期間にわたって経験している人を指す。
  2. 本法における「障害者」とは、第1節に記された定義にあてはまり、かつ 大統領布告により定められた障害の種類・基準に当てはまる者を指す。
  1. 「身体的」障害とは、主要な外的身体機能や内部器官等の異常・障害を指す。
  2. 「精神的」障害とは、知能面あるいは精神面の異常に起因するものを指す。
(2) 障害者関連統計データおよび主要調査結果
1 障害者の数および率 (単位:名)
分類 合計 在宅者数 施設入所者数 登録障害者数
(2002年6月30日時点)
障害者数 1,449,500 1,398,200 51,300 1,217,837
3.09%(対 100名)
2 障害の種類による数と率 (単位:%、名)
分類 率(%) 人数
合計 3.09 1,449,496
身体障害 1.35 605,127
脳性麻痺 0.52 223,246
視覚障害 0.47 181,881
聴覚障害 0.42 148,707
言語障害 0.44 26,871
知的障害 0.31 108,678
発達障害 0.05 13,481
精神障害 0.17 71,797
腎臓障害 0.06 25,284
心臓障害 0.13 44,424
3 障害原因 (障害種類毎) (単位:%)
分類 身体障害 脳性麻痺 視覚障害 聴覚障害 言語障害 知的障害 腎臓障害 心臓障害
先天性 1.7 2.5 3.4 6.0 14.3 23.8 4.3 3.4 4.4
出産異常 0.6 4.1 1.1 1.4 10.5 12.2 0.0 0.8 2.3
後天性 96.3 91.6 92.2 84.7 61.4 44.8 93.6 95.8 89.4
不明 1.4 1.8 3.3 7.8 13.8 19.2 2.1 0.0 3.9
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
4 性別・年齢毎にみる障害者状況 (単位:名)
年齢
0 ~ 9 41,852 25,541 16,311
10 ~ 19 62,819 42,630 20,189
20 ~ 29 96,228 67,506 28,722
30 ~ 39 193,100 128,460 64,640
40 ~ 49 242,577 168,466 74,111
50 ~ 59 238,458 159,352 79,106
60 ~ 69 284,108 168,382 115,726
70 ~ 79 198,339 99,543 98,796
80歳以上 92,013 30,550 61,463
1,449,494(100.0) 890,430(61.4%) 559,064(38.6%)
5 障害者の教育状況(在籍タイプ別) (単位:%)
普通学校 普通学校内特別学級 養護学校
51.3% 13.2% 35.5%

*高校程度以下における、障害のある児童・生徒の在籍タイプ

6 年齢層別にみる就労・非就労障害者数および割合 (単位:%、名)
年齢層 15歳以上人口 経済活動従事人口 非経済活動従事人口 経済活動参加率 雇用率 非雇用率 対人口の雇用率
就労 非就労
15 ~ 19 30,137 7,203 3,243 3,960 22,934 23.90 45.02 54.98 10.76
20 ~ 29 88,941 54,471 30,889 23,582 34,470 61.24 56.71 43.29 34.73
30 ~ 39 183,863 131,913 94,839 37,074 51,950 71.75 71.90 28.10 51.58
40 ~ 49 233,501 173,624 128,376 45,248 59,877 74.36 73.94 26.06 54.98
50 ~ 59 231,927 138,434 100,194 38,240 93,493 59.69 72.38 27.62 43.20
60歳以上 563,117 131,009 98,188 32,821 432,108 23.3 74.9 25.1 17.4
1,331,486 636,654 455,729 180,925 694,832 47.82 71.58 28.42 34.23

Mr. IL-Mook Cho、 韓国障害者リハビリテーション協会 会長

Dr. Hyung Shik Kim 韓国・RIナショナルセクレタリー

訳:シラキュース大学院 笠原真帆