音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

  

第3回アジア太平洋CBR会議

「2013年ホルモズガーン州農村部にて師弟方式を用いたCBRプログラム実施地域における障害のある人の雇用成果に関する調査」

Mr. Mohammadreza Asadi(イラン)

目的:

本調査は、ホルモズガーン州農村部のCBRプログラム実施地域での師弟方式による障害のある人の雇用に示唆を与えるものである。このプログラムの結果により測定される最も重要な要因は所得および社会支援の必要性、雇用期間という3つの構成要素である。本調査はCBRマトリックスの「生計」を参照している。

方法:

本調査は記述分析的であり、横断的方法を用いて実施された。この統計調査対象は、ホルモズガーン州農村部の師弟方式を用いたCBRプログラム実施地域で雇用されている障害のある人である。調査対象基準は15才から45才の障害のある人で、その総数150人をサンプリング対象とした。調査のツールとして、研究者が作成した情報票を用いた。その内容の適切さは10人の専門家によって承認された。必要な許可を得た後、データを2つの方法で収集した。1.CBRシステムのソフトウェアにアクセスして、福祉に関する包括的な情報を得た。2.アンケート調査を実施した。データは記述的方法、推測統計法を用いて、統計ソフトSPSSによって分析した。

結果:

A)文脈変数

障害のある人の雇用で最も高い増加率を示したのは25-21歳と30-26歳の群である(それぞれ25%)。最も低い雇用増加率は20歳未満の障害のある人である(9.1%)。ほとんどが初等教育修了者である(28.7%)。高等教育修了者はそれほど多くない(1.4%)。障害種別では身体障害のある労働者が最も高い率を示している(3.5%)。一番低い割合を示したのは精神障害のある人である(0.7%)。雇用期間は1年未満が最も割合が高い(26.6%)。最も低い率を示した雇用期間は4年である。職種で最大の割合は縫製関係である(34.4%)。職種の中で最も低い割合なのは製パン業と漁業である(それぞれ0.7%)。

B)障害のある雇用者の所得と文脈変数との関係

この方法においては年齢、性別、配偶者の有無、および障害は障害のある雇用者の所得には影響を与えていない。高学歴を要する職種は労働者の所得増加の要因となっている。高資格があったり、仕事を習得する技術が高いほど、収入増加にとってより有効である。

C)障害のある雇用者の雇用期間と背景変数との関係

本調査における5つの変数のうち、3つの変数(性別、配偶者の有無、年齢)が雇用期間に影響を与えており、教育と障害は雇用期間には影響していない。

D)障害のある雇用者の社会的保護の必要性と文脈変数との関係

5つの文脈変数とは性別、配偶者の有無、年齢、教育、障害である。性別と配偶者の有無は社会的支援の必要性に影響を与え、その他の変数である年齢および障害、教育は社会的支援の必要性に影響していない。

結論:

本調査における5つの変数である性別、配偶者の有無、年齢、障害、教育のうち、教育は障害のある雇用者の所得に有意に関係する。5つの背景変数である性別、配偶者の有無、年齢、教育、障害のうち、性別と配偶者の有無という変数は、社会的支援の必要性に重要な関係がある。

また、5つの背景変数のうち性別、配偶者の有無、年齢は雇用期間と有意に関係するが、教育水準と障害の種類は、雇用期間とは関係がない。障害のある雇用者の中で最も多数を占めるのは身体障害であり、雇用の割合が最も低いのは精神障害のある人である。精神障害のある人に適した職種および好まれる職種が不足していること、および雇用主の関心の低さが精神障害のある人の雇用にとって重要な要因となっている。

キーワード:CBR、師弟方式、雇用成果