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第3回アジア太平洋CBR会議

各セクションに沿って企画される
CBIDの実践に関する情報

コミュニティベースのインクルーシブ開発:私たちの取り組み方!

  • コミュニティ:特定の地理的領域に住む人々のグループ。カルナ・ファウンデーション・ネパール(KFN)の場合:村落開発委員会(VDC)。
  • インクルーシブ:同じ地理的領域に住むすべての種類の人々に対応すること。人は誰でも制約および制限を受けることなく、自由かつ率直に対応されるべきである。
  • 開発:人々の生活における漸進的な変化(+)。文脈上。

コミュニティベースのインクルーシブ開発(CBID)とは、同じ地域に住むコミュニティのすべての種類の人々があらゆる開発活動に有意義な参加をする、という意味である。CBIDは社会的開発の取り組みであり、開発イニシアティブの持続性を確保するだけでなく、人々の自尊心を大切にし、コミュニティ・メンバー間の社会的一体性を向上させることである。

同様に、インクルーシブ開発の実施には、さまざまな関係当事者、特に地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)、障害当時者団体(DPO)、障害のある人の家族、そして政府というアクター間の協調関係および同盟関係が必要である。

セクション 1
背景: 国家。障害者権利条約に署名したか、批准したか。国内法および政策があるか。障害のある人の割合。

ネパールのコミュニティベースのインクルーシブ開発における障害のある人の状況(正確な情報-政策、対策、ガイドライン)

2011年国勢調査報告書では、ネパールの障害のある人は総人口の1.94パーセントである。一方、世界保健機関は総人口の15パーセントが障害のある人の割合であると推定している。

ネパールでは、障害のある人・子どものいる家族の大半は貧困ライン以下(BPL)の範疇に入る。つまり、取り残された人々の中でも特に取り残された人々になっているのである。コミュニティの中には機能していてCBRを専門に行っている利用可能な組織も仕組みも全くない。農村地域におけるCBRプログラムの到達度はネパールではいまだに課題となっている。保健施設ではすべての医学的問題は治療の問題と見なされ、障害予防やリハビリテーションの見地から考えらえることはない。教育および生計のサービスに対しては障害のある人およびその家族の手はいまだに届かない。

しかしながら、ネパールには障害のある人の福祉のために整備された多くの法律がある。2009年に国連障害者権利条約(UNCRPD)を批准したネパールでは、UNCRPDの規定に沿うように国内法の見直しを行っている最中である。

ネパールの法令、政策およびガイドライン

  • 2009年、UNCRPDを批准。選択議定書は?
  • 障害者保護・福祉法1982(2039 B.S.)。現在改正中である。
  • 特別支援教育法もまた改正中である。
  • 最も重要なことだが、今度のネパールの憲法では、多くの条項において明確な留保を付して、基本的権利及び政治的権利に関する障害問題を組み込むことになっている。
  • 障害に関する国内政策および行動計画2006―改正中である。
  • 地域に根ざしたリハビリテーションのガイドライン-改正中である
  • アクセシビリティ・ガイドライン2013は内閣承認済み。実施の過程にある。
  • パーソナルアシスタント・ガイドライン-整備継続中

1.1 プロジェクト地域:対象者、当該地域の障害のある人の数、障害のある人の概況、ニーズおよび課題

プロジェクト地域における障害のある人の概況は他の場所と同じである-認められない、受け入れらない、貧困、である。ニーズは巨大で多岐に渡っており、課題は、発想を転換してニーズに対処し、正規の供給サービスセンターを設立することである。

カルナ・ファウンデーションの主要プロジェクト(フェーズ- 1, 2008-2013)

S.No. プロジェクト プロジェクト現場 受益者合計 障害のある子ども 障害のある人の総数 (2011年国勢調査)
1 ラスワ郡 Inspire2Care(インスパイア2ケア) (4か所の VDC) 19,600 144 380
    Share&Care(シェア&ケア) (シャフル)
2 スンサリ郡 Inspire2Care (インスパイア2ケア) (3か所の VDC) 103,460 464 1863
    Share&Care(シェア&ケア) (5か所の VDC)
3 カブレ郡 Share&Care (シェア&ケア) (3か所のVDC) 11,800 145 229
4 政策、啓発、権利擁護、およびネットワーキング 中央レベルおよびプロジェクト郡レベル 
  合計   134,860 753 2472

1.2 プロジェクトはいつ始まったか、どのように始まったか、始めた動機はなんだったのか、主な目的は何か?管理と組織―誰が管理するのか?

このプロジェクトは2008年に開始された。オランダの起業家Mr. Rene Aan de Steggeには二分脊椎を持って生まれた娘がいる。現在18歳で健康・体調は良好である。Rene氏と妻の Briggitteさんは娘にあらゆる支援とケアを尽くすという一つの例を示した。さもなければ、私たちは今日あるような完全な若い女性としての彼女に会うことはできなかったであろう。彼女は両親に、子どもの障害および障害全般の予防に貢献するという大きな自信と意欲を与えたのである。

ネパールはこのプロジェクトを実施する最初の国として選ばれた。私たちは二つの具体的な目標を策定した-子どもの障害予防(出生異常および早期発見)と障害のある子ども・人のための地域に根ざしたリハビリテーションである。

フェーズ1の成功により、プロジェクトを郡全体(対象者は障害のある人を含む30万人)に拡大して郡全体の成功モデルを実証することを目標とした。このプロジェクトはフェーズ別に実施し、3年間で郡全体を取り扱う。

セクション 2
2. CBRマトリックスに沿う主要な活動はなにか。それらの活動ではどのようにツイントラックアプローチを実践するのか。

私たちはニーズおよびサービス・資源の利用可能性に従い、5×5のCBRマトリックスに正確に従っている。さらに、CBRガイドラインの改正と導入のため、関係各省と協力している。

さまざまなレベルにおける活動

国レベル

国レベルの主な活動は次の通り:

  • 障害のある人の権利と機会の平等と権利擁護:政策に影響を与える人と一緒にロビー活動を行う。CRPDの実施と拡大および実施後における協力。
  • 社会とその姿勢を変える: 障害のある人を支援する環境づくりをする。

郡およびコミュニティレベル

郡およびコミュニティレベルでは、私たちは次のプログラム構成要素について活動する。

  • 社会とその姿勢を変える:障害のある人を支援する環境づくりをする。
  • さまざまな関係当事者の能力構築とコミュニティの動員:制度的資源と人的資源の強化に焦点を当てた能力構築。CPセンターなどの既存のパートナーを活用して、ソーシャル・ヘルス・ワーカーとCBRファシリテーターを訓練する。さらに、一次レベルと二次・三次レベルの間に紹介(リファーラル)ネットワークを構築する。

一次レベル

すべての地域におけるプログラムの観点からの特定・評価・必要な介入、地方レベルにおける調整・ロビー活動など、組織内における既存の仕組みなどが強化されて、それぞれが自らの責務を果たしそれらに応じて行動する。HFOMC/VRCは家族と共に一次ケア提供者として行動し、保健、教育から職業訓練、生計に渡る二次/専門的サービスを要する場合は、必要なリファーラルを行う。

このレベルにおける財政面での持続性は5年後に達成される。カルナ・ファウンデーション・ネパールによる第一段階のプロジェクトでは、VDCの地域資源が地元の人材動員と併せて最も望ましい方法で活用されたことから、プロジェクトを財政的持続性へと導くこととなった。これは拡張期でも向上した知識を利用して再現されることになっている。

二次・三次レベル

二次レベルのサービスとは、医療、リハビリテーション、非医療サービスおよびサービス自体もしくはスキルが欠如しているためにコミュニティレベルでは提供できないサービスをいう。これらのサービスは政府機関が提供したり、専門知識を有する非政府機関が提供したりする。

  • 貧困層の人々にサービスを提供する時は、これらの機関とは個別の契約を交わす。このような機関の能力を強化して高レベルで効果的なサービスを提供するために、必要とされる支援が各機関に提供される。専門的なサービスには三次サービスも含まれる。

地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)

このプログラムは5つから成るCBRの領域に焦点を当てている。

  • 保健: 「保健」では、ジョイントベンチャーが一次レベルの関係当事者を通して健康増進と障害原因の予防について行動する。これらの関係当事者はまた、基礎医療、リハビリテーション、および支援機器の提供に責任を持つ。より複雑な場合には二次・三次レベルへのリファーラル制度を設ける。
  • 教育: 幼児期教育およびインフォーマル教育がコミュニティに設けられる。初期段階では教育の重要性について促進、啓発することが鍵となる。コミュニティのワーカーは、障害のある人がメインストリームの初等、中等、高等教育へ入学することが可能であれば、それについて話合う。ジョイントベンチャーはネパールにおけるインクルーシブ教育を提唱する。
  • 生計: ジョイントベンチャーは生計および所得創出活動に焦点を強く当てる。経済的に持続可能な活動を達成するためには、対象グループの平均所得は増加されなければならない。貯蓄の増加と健康保険は、将来の自主的なサービス利用を容易にする。
  • 社会: このジョイントベンチャーのプログラムの重要な構成要素の一つは「社会的な側面」である。結婚、スポーツ・文化活動への参加に平等の権利と機会を有すること、そして最も重要なのは司法に平等なアクセスを有すること、これらは長期的な成功にとって極めて重要である。
  • エンパワメント: DPO(障害当事者団体)およびSHG(自助グループ)の形成はプログラムでは重要な構成要素である。プログラムは障害のある人が声を上げて、自らの権利のためにセルフ・アドボケートになるのを支援する。

障害予防とプライマリヘルス・ケア

プログラムは幼児期の障害予防と早期発見・介入に焦点を当てる。これらは主に母子保健問題に関してプライマリケアを強化することにより達成できる。基本的には安全な妊娠-安全な出産-安全な幼少期である。

セクション 3
3. 鍵となる関係当事者はだれか? プロジェクトでの障害のある人の役割はなにか? 政府の役割は何か? 政府とNGO/DPO間に協力関係はあるか?

プロジェクトの主要な鍵となる関係当事者とは、郡保健局、郡開発委員会、女性児童開発局およびそれらのVDCレベルの部署、およびVDCレベルの自助グループおよび障害当事者団体である。障害のある人はどのようなプログラムが設計・実施されるべきかを決定するので、その役割は重要である。さらに、私たちは権利者自身により整備・規定された成功の度合いを指標を用いて測定している。

主な問題と構造

図1(図1の内容)

セクション 4
4.1 個人レベル、コミュニティレベルにおけるプロジェクトの効果はどうであったか? その効果はどのように計測されたか? 効果申し立ての根拠はなにか?

7. 主な成果

7.1 Share and Care(シェア&ケア)

  • 303,326人年のうちほぼ64,753人年(21.3%)が健康保険プログラムを通して経済的に保護された。
  • ほぼ242,661人年(総人年の80%)が改善されたヘルスケア・サービスを利用した。このうち、58,278 (24%)人年はメンバーであり、184,383(76%)人年はメンバー以外であった。
  • 6年間で64,753人のメンバーのうち合計1,818人(2.6%)が病院のリファーラル費用のために財政的保護を受けた。
  • 貧困ライン以下の合計497家族(プロジェクトVDCにおける総世帯数の4.5%)が融資を受けて所得創出のために活用した。
  • 私たちはこの制度の中にできる限り多くの世帯数を組み込もうとした(総世帯数の25%、および保健施設の手の届く範囲の世帯のうち40%が現在メンバーとなっている)。
  • 私たちは、隣同士のVDCがアイデアを共有しお互いに学習しあえるように、さらにプログラムが運営しやすいように、VDCの地域全体もしくは集団全体を対象とした。
  • 今では、プログラムにある地元の保健制度をVDCは通常の業務として受け入れている。

7.2 Inspire2Care(インスパイア2ケア)/ 障害予防とリハビリテーション

  • 7か所の現場で出産センターが支援を受けた。
  • プライマリヘルス・ケア/アウトリーチ・クリニックがすべてのプログラムVDCにおいて強化された。
  • プロジェクトVDCでは、リプロダクティブ・ヘルス問題についての祝い事や街頭演劇、オリエンテーションが実施された。
  • 合計747人の障害のある子どもが判明した。このうち108人(14%)の障害のある子どもはCBRの取り組みを通してリハビリテーションに成功した。
  • 私たちの経験は、もし広範囲にわたる関係当事者が関与すればCBRプログラムは効果的に、低コストで実施できるということを示している。
  • CBRの取り組みは障害のある子どもとその家族の生活に信じられないような効果を及ぼすことができる。
  • コミュニティの人々はコミュニティのあらゆる開発活動に障害のある人とその家族を加えることに焦点を当てており、かつ、周囲の環境をインクルーシブで友好的なものに作り始めている。

1. 障害のある人の生活に対するCBIDの効果

  • 障害のある子どもは教育、ヘルスケア、社会参加への平等の権利を獲得し始めている。リハビリテーションの介入の後は学校に行き、社会的行事にも参加できるようになった。
  • 家族やコミュニティの人々から認められたり受け入れられたりすることが多くなった。子どもたちは何の躊躇も制約もなく、屋内、屋外の活動に参加している。
  • 生計のプログラムに参加した後は家族の経済状態が上向きになった。
  • コミュニティの人々および障害のある子どもの親がエンパワーされた。
  • コミュニティの人々は開発プロセスに障害のある人とその家族を加えることに焦点を当てるようになり、コミュニティにおいてインクルーシブで障害にやさしい環境づくりをし始めている。
  • プロジェクト地域のすべての子どもと成人が特定され、個別のプロフィールがある。
  • 現金による手当や奨学金など、政府からの支給やプログラムの利用が拡大した。

2. コミュニティにおける障害のある人の生活に対するCBIDの効果

  • 地元コミュニティによるプログラムの実施、リーダーシップ、当事者意識
  • 地域資源の動員と適正利用
  • コミュニティ内の障害のある人を認め、受け入れる
  • 障害のある人の社会開発活動への参加が増加
  • コミュニティの人々、リーダーのエンパワメント
  • インクルーシブ開発についてコミュニティの認識・啓発レベルの向上

4.2 重要な教訓として何を学んだか? 他の人がこの分野で活動を始めるとしたら、このプロジェクトから何を学ぶことができるか?

学んだ主な教訓は以下の通り。

  • 障害は予防できる可能性がある。予防(出生異常、二次予防)とリハビリテーションの両方にインクルーシブな方法で努力しなければならない。
  • 政治家、官僚、メディア、教師、ヘルスワーカーに対し、障害について意識啓発を図ることが重要である。
  • 人はいったん意識が向上すると肯定的になり支援に尽力する。
  • 障害関連プログラムは、最初から組織的に始めれば、考えられるような高価なものではない。
  • 人口は散在し、自然は多様性に富んでいる。最も重要なのはデータがないということである。
  • 障害のある人とその家族の依存的な考え方。

再現性/適応性

  • この活動は献身的な、そして型にとらわれない思考ができる人が数人いれば、地球のどこででも容易に開始することができる。障害は開発問題なので、政治問題でもある。政治がこれを認めて受け入れるまでは、うまく組織化ができない。
  • 私たちは最初から始めなければならない。障害のある人の特定に始まり、その状況を評価し、重要なことだが、影響が広がるようにその家族を中心人物として巻き込むことである。
  • 障害のある人の生活の質を向上させるために技術は大きな役割を果たす。また、豊かな先進諸国は技術を移転し、貧困国も利用できるようにするという前向きで人道的な役割を果たさなければならない。
  • 障害は孤立して対応できるものではない。皆が加わり、敏感にならなければならない。

セクション 5
5. 財政支援の財源は何か?

カルナ・ファウンデーション・オランダおよび個人、他の財団。

コミュニティ、地方自治体、政府。

セクション 6
6.1 将来の計画は何か?

プロジェクトの拡大

このプロジェクトは2014年6月にジャパ郡、イラーム郡、ラスワ郡(ラスワ郡の場合は任意)の15の村落において第一弾の開始の用意ができていた。プログラムは2015年末に設定していた節目に達したら(節目については下記を参照)、これら二つの郡の他の村落にも拡大される。長期のプロジェクト計画は48か所のVDC全体、イラーム郡の中の一市、ラスワ郡の残り13か所の VDC(5か所のVDCはすでに対象となっている)を対象とすることになっている。

予算、文脈解析、構造を含む詳細な計画はすでに整備されており、カルナ・ファウンデーション・ネパールでは実施の準備が整っている。以下は三つの郡における5年間のプロジェクトの受益者数、もしくは対象者数である。

  2014-2018   第1フェーズ 2014 第2フェーズ 2015/16 第3フェーズ 2017
  ラスワ郡 イラーム郡 ジャパ郡 3か所のVDCの平均、推計    
総人口 43,300 290,254 812,650 41,950    
HHs総数 9778 64502 184552      
出産適齢期の女性* 10,514 83,298 233,217 29,177    
5歳未満の子ども* 3,755 20,494 57,379 2'936    
障害のある子ども** 260 1,762 4,933 251    
障害のある人* 1,016 7,636 21,379 570    
対象人口 15,545 113,190 316,908 32,934    

6.2 プロジェクトはCBID活動をどのように持続させるのか?

持続性

KFNにとって、持続性には次の主要3分野がある。

  • 財政的持続性:費用の共同負担原則に則った財源の動員とその適切な管理に関すること。
  • 構造的持続性:すべての関係当事者の動員、ネットワーク、ロビー活動、積極的な環境づくりを含むプログラムの管理問題に対応する。透明性のある方法による、時宜に適った正確な記録と報告。
  • 質の持続性:サービス提供者の改善・強化、二次・三次ケアとの必要な連携もしくはリファーラル、および支援機器を通して、最高の質のサービスを提供する分野を対象とする。

図2(図2の内容)

5年後

効果

  • 出生異常が10-20%減少。
  • 疾病、事故、火傷、栄養不良による子どもの障害が30-40%減少。
  • 健康、教育、自立、エンパワメント、社会生活、所得に変化と進展があったことから、障害のある子どもの75%が生活の質に著しい改善を経験。
  • 健康、教育、自立、エンパワメント、社会生活、所得に変化と進展があったことから、障害のある成人の25%が生活の質に著しい改善を経験。
  • 根拠に基づく持続的なCBRと障害予防モデルの再現の準備ができている。

社会では障害に対する姿勢と認識が変化し、障害のある人・子どもはコミュニティにさらに組み込まれるようになり、行事や集まりなどに参加するようになった。

制度への影響:策定予定!

結果

CBR、統合医療、インクルージョン

  • 治療、理学療法、手術、支援機器、ワクチン、栄養改善などにより、障害のある子ども2,000人の健康と移動性に改善があった。
  • 障害のある子ども2,000人とその家族がヘルスケア、教育、職業訓練、融資、所得を利用できるようになった。
  • ハンセン病を含む障害のある成人2,000人の状況が改善され、基本的なサービスを利用できるようになった。
  • 障害のある成人1,000人が生計プログラムもしくは自助グループを通じて所得が増加した。

障害の予防

  • 妊娠、出産、幼児期の間のケアについての基本的サービスは、質も利用しやすさも改善された。健康管理情報システムが強化された。
  • 妊娠している女性の60%は、鉄分・葉酸補給とワクチン投与を含む4回の詳細な出産前健康診断を受けた。
  • 分娩の60%は保健機関で行われた。
  • 5歳未満の子どもの95%がポリオ、はしか、破傷風などの病気に対して十分な予防接種を受けた。

地方の当事者意識と持続可能性

50村落(80%)は、優れたリーダーシップ、ガバナンス、財政的持続性を得て3年間成功した後、Inspire2Care(インスパイア2ケア )を継続して実施している。

  • 社会が障害のある極貧困層の人々の強みと尊厳に焦点を当て、彼らが最大の可能性を達成できるように動機づけることにより、彼らに対する社会の認識が変化
  • 地方レベルで分権的意思決定を用いた真にボトムアップのアプローチをとることで人々のエンパワメントを図った。典型的な貧困層を含む人々の参加、特定、計画、実施およびモニタリングが成功の鍵である。金融関係者の参加は人々を励まし、自らの権利を主張する気持ちにさせる。
  • 明確な組織の実現と地元リーダー、保健医療提供者、公務員の能力強化による強力な地元のリーダーシップと優れたガバナンス。シェア&ケアは、地域資源を活用し持続可能性のある解決法を生み出しつつ、人々に責任を負い説明責任を果たすことを促している。
  • 取り残された人々(貧困ライン以下の農業従事者、(エスニック)マイノリティ、女性、子ども、障害のある人、高齢者)のインクルージョン。取り残された人々が確実に参加できるように介入して、彼らの健康の権利に全力で取り組み、敏感でいること。助成金に賛同せず、生計という選択肢、労働による収入など、尊厳ある関わり方を求める。