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第二次須坂市障害者等長期行動計画

-ふれあいのあるまちづくりをめざして-

須坂市

第2節 保健・医療


 保健・医療障害の予防、早期発見、早期治療は、障害者対策の重要課題です。そのために各種対策の充実を図る必要があります。
 とりわけ、高齢者の増加とともに、脳血管疾患後遺症による高齢障害者も増加しており、保健・医療対策の充実が求められています。
 障害の予防から、リハビリテーションに至る取り組みを充実するため、次のような事項を重点目標にします。


1 障害の予防の充実

《現状と課題》
 障害や疾病の予防のため、「健康づくり推進都市」の宣言都市として“自分の健康は自分でつくる”との自覚と認識のもとに、市民が健康で明るい生活が送れるよう各種健康診査、健康相談、健康教育や老人保健法に基づく保健事業の取り組みをしております。
 障害の予防のためには、母子保健対策をさらに充実し、健やかな子供を産み育てるための施策を充実する必要があります。
 さらに成人病予防をはじめとする後天性疾患の予防と後遺症としての障害予防及び事故防止対策の推進を図らなければなりません。
 成人病は、習慣病ともいわれ長期問の不適正な食生活、運動不足、ストレスの増大等に起因することが多く、その予防にあたっては、日常の食事・生活習慣等を健全なものにする必要があります。そのためには、市民一人ひとりが「自分の健康は、自分で守る」という自覚を持ち、自ら健康管理に積極的に取り組み、健康的なライフスタイルを身につける必要があります。
 また、ねたきりを防止するために脳血管疾患等にり患した際には、ねたきりにはならない、ねたきりをつくらないようにねたきり防止についての正しい理解と知識の普及を図るとともに、早期の脳血管疾患対策等を充実させる必要があります。
 また、脳血管障害の一因となっている高脂血症と糖尿病対策も必要です。

《施策の方向》
(1)母子保健対策の推進
 ○ 婚前学級、新婚学級、母親学級の内容の充実、受講者の拡大を図り、障害の予防についての知識の普及に努めます。
 ○ 思春期の男女やその保護者等に対して母性保護知識の普及、性に関する保健上の問題についての相談を行います。
 ○ 育児相談等の充実を図るとともに、妊婦、乳幼児の健康管理システムの充実を図ります。

(2)健康増進対策の推進
 ○ 健康的なライフスタイルの確立をめざして、健康づくり体制の整備を図ります。
 ○ 健康に良い食生活の定着をめざし、食生活管理の実践活動の啓発を図ります。
 ○ 成人病予防と健康づくりのために、バランスのとれた食生活、歩く健康法の実践の啓発を図ります。

(3)成人・老人保健対策の推進
 ○ 「老人保健福祉計画」に基づいて、高齢者に対する保健福祉サービスを計画的、一体的に進めます。
 ○ 疾病・障害の予防、早期発見、早期治療のため、老人保健法に基づいた総合的な保健事業を推進し、健やかな生活の実現に努めます。
 ○ 高脂血症と糖尿病にかかりやすい状況にある人に、食生活・休養・運動等の生活習慣を改善するための生活指導を行い発生予防に努めます。

(4)ねたきり老人防止対策の推進
 ○ ねたきりにならない、ねたきりは防止できるという意識を、高齢者から若い人まで広めるため、「寝たきり老人ゼロ運動」を推進します。
 ○ 脳卒中などについて、入院した医療機関から情報が提供される脳卒中情報システムの整備を図り、保健・医療・福祉の連携のもとに早期にサービスを提供し、ねたきりの防止を図ります。

(5)精神保健対策の推進
 ○ 精神障害者の早期発見、治療の促進、社会適応の援助、痴呆老人を介護する家庭の支援などのため、保健所と連携をしながら保健センターにおける健康相談、訪問指導の充実を図り、心の健康づくりを推進します。
 ○ 精神保健に関する知識の普及、心の健康づくり対策等を推進するため、保健・医療・福祉の関係諸機関の連携を深めます。

(6)事故防止対策の推進
 ○ 道路構造の改善、誘導点字ブロック・交通信号の新設等、道路・交通環境を整備するとともに、交通安全教室を充実させる等交通安全思想の普及徹底を図り、交通事故防止対策を推進します。


2  早期発見、早期療育の推進

《現状と課題》
 障害の予防に加え、早期発見、早期療育体制の整備が欠かせません。
 平成元年度からスタートした、長野県精神保健センターによる乳幼児健診及び療育モデル事業は、平成5年度で終了しましたが、引き続きモデル事業と同様な事業の取り組みをしております。
 今後は乳幼児健診の充実と受診率の向上を図るとともに、フォローアップ体制の整備をさらに進める必要があります。
また、医療機関、保健所、精神保健センター、児童相談所等関係諸機関の有機的連携の強化や、療育の一貫性の確保、療育機能の充実を図る必要があります。

《施策の方向》
(1)健康診査体制の充実
 ○ 妊産婦や乳幼児の各種健康診査及び検査の項目等の内容の充実と受診率の向上に努め、疾病の予防、異状の早期発見、早期治療に努めます。
 ○ 保健所の「心身障害児早期診断早期療育指導事業」と連携し、障害児の早期発見、治療の促進等その推進に努めます。
 ○ 精神発達及び運動発達面での経過観察児に対し、保健センターでの継続相談事業を実施し、フォローアップ体制をさらに整備します。

(2)療育体制の充実
 ○ 医師、理学療法士等の指導を受けながら、母子通園訓練施設を利用して、在宅重度心身障害児やその保護者を対象に療育指導を実施し、その充実を図ります。
 ○ 保健センターでの親子教室の充実を図ります。
 ○ 家庭児童相談員による巡回児童相談の充実を図ります。
 ○ 障害児保育の充実を図ります。
 ○ 医療機関、保健所、精神保健センター、児童相談所との有機的連携の強化に努めます。


3  医療、リハビリテーションの充実

《現状と課題》
 現在、障害の程度に応じ、訪問リハビリテーション、ふれあいリハビリテーション、集団リハビリテーション等を実施しておりますが、障害者対策を進める上で、医療、リハビリテーションの充実は、障害の軽減を図り、障害者の自立を促進するためには不可欠です。
 障害の発生の多くを占める成人病予防対策や障害者等の医療需要に対応したサービスの体制づくり等総合的整備が必要です。
 ねたきり老人ゼロをめざして、リハビリテーションを行う老人保健施設の整備、デイサービスセンターの整備等を促進し、機能訓練の実施体制の充実を図る必要があります。
 また、リハビリテーションの充実を図るため、理学療法士、作業療法士等の専門職員の増員確保が必要です。
 デイサービスセンター等を利用できない障害者やねたきり老人のために在宅ケアの体制整備を図る必要があります。
 そのためには、訪問指導・看護、機能訓練を幅広く実施していく必要があります。

《施策の方向》
(1)医療体制の充実
 ○ 角膜移植体制の整備を図るとともに、アイバンク設置について検討します。
 ○ 在宅障害者等に対する、歯科医師、歯科衛生士、看護婦等の訪問相談、指導の充実を図ります。
 ○ 訪問看護ステーションの整備推進に努めます。
 ○ 老人保健施設の整備促進に努めます。

(2)リハビリテーションの充実
 ○ 長野県身体障害者リハビリテーションセンター及び関係医療機関と連携し、在宅リハビリテーションの早期実施促進に努めます。
 ○ 在宅障害者等で、訓練が必要な人、心身の機能が低下している人が自立し、生き甲斐のある生活が送れるよう、障害者福祉センター、保健センター、デイサービスセンター等で実施する機能訓練の一層の推進と充実を図ります。
 ○ 在宅福祉サービスのネットワーク化の促進により、障害者やねたきり老人の状況を把握し、早期にリハビリテーションが実施できるよう、障害者の各種訓練施設や事業の利用促進に努めます。


4 保健・医療・福祉の連携

《現状と課題》
 障害者対策は、様々な分野の連携と協力がなければ推進されません。とりわけ、保健・医療・福祉の連携が必要です。
 保健・医療・福祉の連携を図り、「いつでもどこでも」安心してサービスが受けられるようにしていく必要があります。
 そのために、市では高齢者及び障害者の多様なニ一ズに見合う福祉、保健、医療等の各種サービスを総合的に調整するため、「高齢者・障害者サービス調整チーム」を設置し事業を進めておりますが、さらに「高齢者・障害者サービス調整チーム」機能の充実連携強化を図る必要があります。あわせて、在宅要介護老人・障害者の介護者からの相談に気軽に応じ、必要な保健、福祉サービスの調整を行う在宅介護支援センターの整備を進める必要があります。
 また、障害者やその介護者が保健・医療・福祉のそれぞれの分野のどんな相談に対しても、必要なサービスが受けられるよう、関係機関、関係団体の理解と協力を求め、連携の取れる体制を整備する必要があります。

《施策の方向》
(1)高齢者・障害者サービス調整チーム活動の活性化
 ○ 内容の充実と有機的な運営により、保健・医療・福祉各分野の連携のもとにニ一ズの把握や、サービスの総合調整を進め、障害者や高齢者のニ一ズに適したサービスの提供に努めます。

(2)施設整備の推進
 ○ 保健・福祉サービスの調整を行う在宅介護支援センターの整備を図ります。


いきいきリハビリ