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ヘルシーハイランド半田の障害者福祉計画

No.1

おもいやりとぬくもりのある町をめざして

徳島県美馬郡半田町

項目 内容
立案時期 平成10年3月
計画期間 平成10年度~平成14年度(5年間)

半田町障害者福祉計画の策定にあたって

 半田町は、平成2年に新しい総合振興計画「ヘルシーハイランド半田-快適ふるさと健康産業の町の形成をめざして」を策定しました。この計画の根幹をなすのは、人間性の蘇生、復権を図り、福祉のまちづくりをめざすことです。こうした基本理念に基づき、障害を持つ方々のハンディキャップを軽くし、生きがいを持つことのできる社会の実現をめざし、障害者福祉の増進に努めてまいりました。
 また、平成6年には『半田町高齢者保健福祉計画』を策定し、高齢者福祉サービスなどの充実に力をそそいでいます。
 一方、国においては、平成5年に『障害者に関する新長期計画』、平成7年に『障害者プラン』をそれぞれ策定し、県においては、平成7年に『徳島県障害者施策長期計画』を定め、この3月、当長期計画を具体化した『徳島県障害者プラン』を策定しました。
 本町においては、各計画との整合性を考慮しつつ、こうした状況をふまえ、障害者福祉のさらなる充実に積極的に取り組むため、きめ細かい施策を総合的、体系的に明確化した障害者福祉計画を策定いたしました。
 本町は、この計画に盛り込んだ具体的方策や事業を1つ1つ実現していくため、地道に努力していく所存ですので、国、県はもとより、関係団体や町民の皆様のご理解とご協力を切にお願いする次第です。
 おわりに、本計画の策定にあたり、アンケート調査にご協力いただいた皆様、真摯にご審議いただきました半田町障害者計画策定委員の皆様や関係団体、関係者の方々に心からお礼を申し上げ、策定にあたってのごあいさつとさせていただきます。

 平成10年3月

半田町長 逢坂 亘

目次

第1章 基本的な考え方

第2章 障害者の現状

第3章 施策の体系

第4章 現状と課題及び方策

資料編

第1章 基本的な考え方

1. 計画策定の趣旨

(1) 昭和56年(1981)の「国際障害者年」を契機に、国際的に障害者福祉の進展が図られるようになりました。
 国においては、昭和57年に「障害者対策に関する長期計画」を決定し、障害者福祉への取り組みが本格化しました。さらに平成5年には「障害者に関する新長期計画」が策定され、新たに長期的な視点に立った障害者対策の推進が始まりました。平成7年には、この新長期計画の具体化のため「障害者プラン」が策定され、これに基づき施策の重点的な推進が図られています。

(2) 本県においては、昭和57年に「徳島県心身障害者対策基本構想」が策定され、「完全参加と平等」の実現に向けた施策の推進が図られるようになりました。
 さらに平成7年には、今後8年間にわたる新たな計画として、障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり(ノーマライゼーション)の理念に基づいた「徳島県障害者施策長期計画」が策定されました。そして、この長期計画の具体化のための「徳島県障害者プラン」をこの3月に策定しました。

(3) 本町においては、このような国、県の計画に沿って、障害者の福祉増進に努めてきました。
 また併せて、「半田町新総合振興計画」(平成2年策定)、「半田町高齢者保健福祉計画」(平成6年策定)に基づき、保健福祉サービスなどの充実に積極的に取り組んできました。

半田町新総合振興計画書(左)と半田町高齢者保健福祉計画書(右)

▲「半田町新総合振興計画書」(左)と「半田町高齢者保健福祉計画書」(右)。

(4) 今後、本町においては、町人口に占める障害者数の割合増が見込まれることや、来る21世紀に向けた障害者福祉のきめ細かな推進が求められている現状から、国、県と連携した障害者施策の効果的な推進を図るため、ここに本計画を策定するものです。

2. 計画の基本理念

 この計画は、「完全参加と平等」の目標に向け、障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり(ノーマライゼーション)の理念に基づき、住みよい町づくりをめざします。

3.  計画の基本目標と重点課題

 この計画は、障害のある人と障害をもたない人たちとが相互に協力しあい、ともに生きる明るい社会の実現を基本目標とします。
 特に、次の6つを重点課題として取り組みます。

  1.  障害者の健康づくりを推進します。
  2.  障害のある人々が社会的な自立を実現し、社会の構成員として地域の中で生活が送れるよう推進します。
  3.  障害者の活動の場を広げ、自由な参加が可能な社会となるよう、生活環境面での物理的な障壁の除去に積極的に取り組みます。
  4.  障害者の生活の質的向上をめざします。
  5.  障害者が安全な暮らしを確保できるよう推進します。
  6.  障害及び障害者についての理解を深めていきます。

4. 計画の期間

 この計画の期間は、平成10年度から平成14年度までの5年間とします。

5. 障害者の概念

 この計画における「障害者」の概念は、障害者基本法の規定に基づき「身体障害、精神薄弱又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」とし「てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、長期にわたり生活上の支障がある者」も含むこととします。
 また、この計画においては、従来から一般的に使われてきた「精神薄弱」という用語を、法令などの制約を受けるものを除き、可能な限り「知的障害」という用語で表現することにしました。
 これは、「精神薄弱」という用語が、障害の実態を的確に表していないとして、最近特に問題とされていることから、現時点では最も妥当と思われる「知的障害」という用語を使用するものです。

第2章 障害者の現状

1. 障害者数の推移

(1) 半田町の身体障害者数は、昭和63年を100とした場合、平成9年は84で、徐々に減少傾向を示しています。
(2) 知的障害者数は、昭和63年を100とすると、平成9年は119で、少しずつ増加する傾向にあります。
(3) 町人口に占める割合は、毎年9%前後で安定しています。
- 身体障害者数 知的障害者数 合計 町人口 町人口に占める障害者数の割合
昭和63年 625人 31人 656人 7,238人 9.1%
平成元年 586人 29人 615人 7,168人 8.6%
平成2年 583人 31人 614人 7,034人 8.7%
平成3年 565人 36人 601人 6,859人 8.8%
平成4年 575人 36人 611人 6,782人 9.0%
平成5年 579人 36人 615人 6,699人 9.2%
平成6年 562人 36人 598人 6,584人 9.1%
平成7年 529人 36人 565人 6,518人 8.7%
平成8年 535人 37人 572人 6,424人 8.9%
平成9年 524人 37人 561人 6,255人 9.0%
*障害者数は毎年3月31日現在の人数(資料:脇町福祉事務所)
*町人口は毎年4月1日現在の住民基本台帳に基づく人数(資料:町住民課)

2. 障害種別の状況

 肢体不自由が男女とも圧倒的に多く、56%を占めています。聴覚の21%がこれに次いでいます。年齢区分では、やはり中高年になるにつれ、どの障害も加速度的に増えています。

障害種別 人員 年齢
18歳未満 18歳以上40歳未満 40歳以上65歳未満 65歳以上
身体障害者視覚 24人 29人 53人 0人 1人 15人 37人 53人
聴覚 59人 53人 112人 0人 1人 19人 92人 112人
肢体 172人 122人 294人 0人 17人 83人 194人 294人
音声 0人 1人 1人 0人 0人 0人 1人 1人
内部障害 40人 24人 64人 1人 0人 16人 47人 64人
小計 295人 229人 524人 1人 19人 133人 371人 524人
知的障害者 16人 21人 37人 5人 15人 13人 4人 37人
小計 16人 21人 37人 5人 15人 13人 4人 37人
合計 311人 250人 561人 6人 34人 146人 375人 561人
*平成9年3月31日現在の人数(資料:脇町福祉事務所)

3. 障害程度別の状況

 身体障害者においては、1級2級の重度が32%、3級4級の中度が43%、5級6級の軽度が25%と大体平均した割合となっています。年齢別の状況では、中高年になると急激に増え、65歳以上が7割以上を占めています。
 知的障害者においては、18歳以上65歳未満の生産年齢層が76%と非常に大きな比重を占めています。

障害程度 人員 年齢
18歳未満 18歳以上40歳未満 40歳以上65歳未満 65歳以上
身体障害者 1級 44人 45人 89人 0人 4人 32人 53人 89人
2級 46人 34人 80人 0人 3人 21人 56人 80人
3級 60人 44人 104人 0人 3人 30人 71人 104人
4級 66人 53人 119人 1人 4人 26人 88人 119人
5級 45人 21人 66人 0人 4人 14人 48人 66人
6級 34人 32人 66人 0人 1人 10人 55人 66人
小計 295人 229人 524人 1人 19人 133人 371人 524人
知的障害者 13人 16人 29人 4人 10人 11人 4人 29人
3人 5人 8人 1人 5人 2人 0人 8人
小計 16人 21人 37人 5人 15人 13人 4人 37人
合計 311人 250人 561人 6人 34人 146人 375人 561人
*平成9年3月31日現在の人数(資料:脇町福祉事務所)

4. 精神障害患者の状況

 精神障害患者の推移は、入院がやや減少し、通院がやや増加傾向にあります。多くの患者が長期にわたる治療を余儀なくされています。

(1) 通院医療患者(精神保健福祉法第32条・通院医療費公費負担者数)
平成5年度 28人
平成6年度 27人
平成7年度 31人
(2) 入院医療患者
- 措置及び医療保護入院患者
平成5年度 26人
平成6年度 24人
平成7年度 19人
(資料はいずれも穴吹保健所)
(3) 穴吹保健所管内の精神障害者の現状
1 通院医療公費負担者数の推移
年度 平成2年 平成3年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年
人数 153 157 161 176 173 197 196
2 町村別通院医療公費負担者数(平成8年10月現在)
町村名 穴吹 美馬 半田 貞光 一宇 木屋平 合計
人数 55 32 32 31 23 20 3 196
3 男女別通院医療公費負担者数(平成8年10月現在)
- 人数
111
85
合計 196
4 年齢別通院医療公費負担者数(平成8年10月現在)
年齢 人数
20歳未満 2
20歳以上30歳未満 9
30歳以上40歳未満 36
40歳以上50歳未満 72
50歳以上60歳未満 43
60歳以上70歳未満 30
70歳以上80歳未満 4
80歳以上 0
合計 196
(資料はいずれも穴吹保健所)
5 病気の種類別通院医療公費負担者数(平成8年10月現在)
- 人数
精神分裂病 140
それ以外 56
合計 196

5. 難病患者の現状

 難病患者は稀少性、原因不明及び効果的な治療方法が確定していないなどの特殊性があり、しかも長期にわたっての療養生活が続くため、身体的、精神的負担が大きくなっています。
 さらに、その中の疾病には身体機能障害を伴うことが多く、介護する家族などの負担も大きくなっています。
 穴吹保健所管内における、平成9年3月現在の特定疾患医療費受給者は211名であり、その受給者は年々増加傾向にあります。なお、半田町の受給者は22名となっています。

(1) 疾患別特定疾患医療費受給者数(穴吹保健所管内・平成9年3月現在)

- 疾患名 患者数 (1) (2) (1)・(2)と重複している人 (1)・(2)に該当しない人
内60歳以上 内身障手帳保有
1 ベーチェット病 13 7 6 2 2
2 多発性硬化症 2 - - - 2
3 重症筋無力症 7 5 - - 2
4 全身性エリテマトーデス 17 7 1 - 9
5 スモン 2 2 1 1 -
6 再生不良性貧血 5 3 - - 2
7 サルコイドーシス 10 8 3 3 2
8 筋萎縮性側索硬化症 3 2 2 1 -
9 強皮症・皮膚筋炎及び多発性筋炎 18 12 4 3 5
10 特発性血小板減少性紫班病 6 5 - - 1
11 結節性動脈周囲炎 - - - - -
12 潰瘍性大腸炎 24 5 2 2 19
13 大動脈炎症候群 2 1 1 - -
14 ビュルガー病 7 4 4 2 1
15 天疱瘡 4 2 - - 2
16 脊髄小脳変性症 9 5 7 4 1
17 クローン病 4 - - - 4
18 難治性肝炎のうち激症肝炎 1 - 1 - -
19 悪性関節リュウマチ 5 5 3 3 -
20 パーキンソン病 22 20 5 5 2
21 アミロイドーシス 1 1 - - -
22 後縦靭帯骨化症 19 12 11 7 3
23 ハンチントン舞踏病 - - - - -
24 ウイリス動脈輪閉塞症 6 1 2 - 3
25 ウェゲナー肉芽腫 - - - - -
26 特発性拡張型(うっ血型)心筋症 8 6 - - 2
27 シャイドレガー症候群 - - - - -
28 表皮水泡症(接合部型及び栄養障害型) - - - - -
29 膿疱性乾せん 1 - 1 - -
30 広範脊柱管狭窄症 - - - - -
31 原発性胆汁性肝硬変 4 4 1 1 -
32 重症急性膵炎 - - - - -
33 特発性大腿骨骨頭壊死症 4 - 1 - 3
34 混合性結合組織病 1 - - - 1
35 原発性免疫不全症候群 - - - - -
36 特発性間質性肺炎 - - - - -
37 網膜色素変性症 6 4 3 2 1
38 クロイツフェルト・ヤコブ病 - - - - -
- 211 121 59 36 67

(2) 町村別特定疾患医療費受給者数(穴吹保健所管内・平成9年3月現在)

町村名 穴吹 美馬 半田 貞光 一宇 木屋平 合計
人数 78 37 34 22 24 9 7 211

(3) 年齢別特定疾患医療費受給者数(穴吹保健所管内・平成9年3月現在)

年齢 20歳未満 20歳以上30歳未満 30歳以上40歳未満 40歳以上50歳未満 50歳以上60歳未満 60歳以上70歳未満 70歳以上 合計
人数 5 10 14 27 34 77 44 211

(資料はいずれも穴吹保健所)

 障害者ご本人及び住民へのアンケート集計結果については、巻末の資料編に詳しく掲載していますので、ご参照下さい。

第3章 施策の体系

第1節
  • 啓発・広報

    • 啓発・広報活動の推進
    • ボランティア活動
第2節
  • 教育・育成

    • 就学前教育の充実
    • 学校教育の充実
    • 生涯教育の充実
第3節
  • 雇用・就業

    • 雇用の促進
    • 就業の安定
第4節
  • 保健・医療

    • 障害の早期発見・早期療育の推進
    • 在宅支援体制の強化
    • 医療サービスの充実
    • 難病対策の充実
    • 精神保健対策の充実
    • 精神障害者社会復帰の促進
第5節
  • 福祉サービス

    • 生活の安定
    • 在宅福祉サービスの充実
    • 福祉機器サービスの充実
    • 施設サービスの充実
第6節
  • 生活環境

    • 総合的なまちづくりの推進
    • 住宅・生活環境の整備充実
    • 交通・移動手段の整備充実
    • 相談体制及び情報提供の充実
    • 防火・防災対策の推進
第7節
  • スポーツ・レクリエーション及び文化

    • スポーツ・レクリエーション活動の推進
    • 文化活動の推進

第4章 現状と課題及び方策

第1節 啓発・広報

―現状と課題―

1 啓発・広報活動の推進

 障害者が障害のない人と同じように社会の一員として尊重され、地域社会の中で「ともに生きる」というノーマライゼーションの理念のもと、障害者が心豊かに安心して暮らせる社会づくりへの取り組みは、ますます重要になってきています。
 障害や障害者に対する誤解や偏見などの「心の壁」を取り除き、ノーマライゼーションの理念の浸透を図るためには、啓発広報活動は重要です。
 本町では、町広報紙などを活用して、障害者関係の行事、事業などを掲載し、障害者問題について町民の理解促進に努めています。また、ボランティアグループ「やまびこ会」の協力で録音広報にも取り組み、障害に配慮した広報活動にも努力しています。
 障害者に対する偏見や差別は、まだまだ解消されていません。また、障害者やその家族自身も殻に閉じこもり、地域にかかわっていこうとする意欲が乏しいこともあります。
 障害者問題に対する正しい理解と認識を深め、町民の自発的な行動を促進するために、従来以上に積極的な啓発活動を進めていくことが大事です。
 12月9日は「障害者の日」であり、この日が有意義なものとなるよう、一層の啓発広報と適切な事業実施に努める必要があります。
 特に視聴覚障害や知的障害のある方に対する情報の提供が少ないので、多様な啓発を広げていかねばなりません。

町役場玄関前に掲げられた「障害者の日」の垂れ幕(平成9年12月)の写真

▲町役場玄関前に掲げられた「障害者の日」の垂れ幕(平成9年12月)

2 ボランティア活動

 阪神大震災を契機として、ボランティア活動の振興が大きな課題となっています。
 本町のボランティア活動は、徐々に拡大しつつありますが、まだまだ十分とはいえません。
 ボランティア活動は、地域福祉を支える大きな力となりうるので、ボランティアの育成と継続的な活動の推進を図っていく必要があります。

―方策―

1 啓発・広報活動の推進

 「ノーマライゼーション」の理念を実現するための必要な啓発活動を実施します。また、障害者に配慮した情報提供と、障害者の自立意識の高揚並びに交流意欲の増進に努めます。

★12月9日の「障害者の日」をより有意義なものとするため、町民、ボランティア団体などの参加と関係団体などとの連携を図りながら、啓発広報活動と各種行事を開催します。

★障害に対する正しい理解と認識を深めるため、「障害者雇用促進月間」(9月)、「精神薄弱者擁護月間」(同)、「精神保健福祉普及運動」(10月下旬の1週間)、「身体障害者福祉週間」(12月3~9日)、「人権週間」(12月4~10日)などにおける啓発広報をさらに推進します。

★『広報はんだ』などを積極的に活用し、障害者に対する偏見や無理解の解消に努め、障害や障害者について、町民の正しい理解と一層の認識が得られるよう努めます。

★福祉講座や講演会を開催したり、ビデオテープや映画フィルムなどの充実に努め、町民の障害者問題の理解を深めていきます。

★障害者が活用できる公共施設などを分かりやすく表示した『障害者用施設マップ』を作成します。
2 ボランティア活動
★学校教育、社会教育をはじめ生涯学習の幅の広い分野において、住民などのボランティア活動に対する理解を深め、その活動を支援していきます。

★町社会福祉協議会で、ボランティアに関する情報提供やボランティアの登録斡旋などが実施できるよう、体制整備に取り組みます。

★ボランティア意識の啓発のため、体験学習、研修会などに努めるとともに、ボランティア、ボランティアリーダーの養成に努めます。

★移動支援のための*ガイドヘルパー、点訳・朗読、手話通訳、要約筆記などの障害者福祉に関するボランティアの量的、質的拡大に努めます。また、そのネットワーク化をすすめ、ボランティア活動の振興と支援体制の確立を図ります。

★町職員を対象とするボランティア休暇制度を設けて、障害者などへの介護・支援活動を休暇対象とします。
用語 用語の説明
*ガイドヘルパー   身体障害者ホームヘルプサービス事業の一環として、身体障害者の外出時の付添いを専門に行う人のことです。

第2節 教育・育成

―現状と課題―

 障害のある子どもの発達を促進し、その可能性を最大限に伸ばし、可能な限りの社会参加と自立をめざした教育を推進することが重要です。
 適正な就学にもとづいて、その障害の種類、程度、能力、適性などに応じた教育を、義務教育段階で行うことが大事です。
 その就学手続きが円滑に行われるよう、保護者の理解と協力を得るための教育相談の体制を充実する必要があります。
 社会自立をめざした教育については、身辺生活の自立から職業自立に至るまで、教育内容を幅広く用意して、一人一人に応じた指導を展開することが必要です。
 現在本町では、幼稚園で障害児の教育を行っていますが、さらに保育所などでの受け入れ体制を充実せねばなりません。
 現在、半田・八千代両中学校、半田小学校で障害児のための障害児学級を設けていますが、さらに教育効果を上げていく必要があります。
 障害児の社会経験を豊かにするとともに、地域社会の正しい理解と認識を深めるため、障害児が小・中学校の児童生徒や地域社会の人と活動をともにする交流教育の充実を図る必要があります。
 障害者が趣味や教養を高め、社会参加が促進できるよう、生涯学習の機会を広げていく必要があります。

半田町心身障害者小規模通所作業所「すだち苑」でボランティア作業を終えた後、交流を深める半田中学校生の写真

▲半田町心身障害者小規模通所作業所「すだち苑」でボランティア作業を終えた後、交流を深める半田中学校生(平成9年8月1日)。

―方策―

 全町民が、障害者や高齢者に対し正しい認識を持ち、お互いの立場や心情を思いやり、相互に協力しあう精神や態度が育めるよう、福祉教育を推進します。

1 就学前教育の充実
★保育所での障害児の受け入れに努めます。また、担当者や関係者の資質向上に努めます。

★障害者の保護者が早期から継続して療育や教育相談などの助言や指導が受けられるよう、相談・援助などの充実に努めます。
2 学校教育の充実
★適正な就学指導が行えるよう、就学相談や指導体制を充実します。

★障害の多様化に応じた教育環境の整備に努めます。

★障害の重度化、重複化、多様化に対応した教育内容や指導方法の充実に努めます。

★放課後児童の育成・指導を行うための児童クラブの組織化を推進します。

★障害を持つ児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、施設や設備の改善を進めるなど、学習の場の充実、確保に努めます。

★障害者に対する正しい理解と認識を深めるため、福祉教育を進めます。

★ボランティア活動指定校での体験学習を通じ、福祉意識の向上を図ります。

★障害の状態に応じた進路指導を充実します。

★通常児と障害児がふれあい、お互いに理解が深められるよう、交流教育を推進します。
3 生涯教育の充実
★障害児を対象とした各種の教養講座などの内容の充実と参加者の拡大を図ります。

★将来新設する町立図書館には、点字図書や弱視者用の大活字図書を備えます。

第3節 雇用・就業

―現状と課題―

 障害者が職業を通じて自立することは、その社会参加の中でも、最も重要な事項の一つであります。
 障害者の職業的自立の促進を進めていくとともに、雇用機会の拡大を図っていく必要があります。
 一般的就労が困難な障害者も、さまざまなかたちで仕事を通じて社会とのかかわりを持つことを望んでいます。福祉的な授産施設、小規模作業所での就労と社会参加を推進していく必要があります。
 本町では、知的に障害を持つ人が働く喜びと生活訓練の場を得るための小規模通所作業所「すだち苑」が平成9年4月に開所し、通所生が自信を持つなどの成果が上がり、大きな役割を果たしています。さらに、援助に努めていく必要があります。
 障害者の雇用、就業について、正しい理解と認識を深めるために、啓発活動の推進を図っていく必要があります。

「すだち苑」開所式(平成9年4月1日、半田町天皇の同苑)の写真

▲「すだち苑」開所式(平成9年4月1日、半田町天皇の同苑)

「すだち苑」のオープンを伝える新聞記事内容

▲上、「すだち苑」のオープンを伝える新聞記事内容、下、「すだち苑」の活動を伝える新聞記事

「すだち苑」の活動を伝える新聞の記事

▲「すだち苑」の活動を伝える新聞記事

  • 「すだち苑」のオープンを伝える新聞記事内容:

  • 「すだち苑」オープン
    小規模作業所トウモロコシなど栽培
     知的障害者を持つ親がつくる「半田町手をつなぐ親の会」(篠原修会長、32人)が、小規模作業所「すだち苑」を同町天皇にオープンした。県内では12番目だが、美馬、三好両郡内では初めて。
     借り上げた約2100平方メートルの民有地に建設。不用となったJT貞光原料事務所のプレハブ倉庫の鉄骨枠を譲り受け、総工費約400万円で昨年8月着工、鉄骨平屋56平方メートルを1月末に完成した。「すだち苑」の名称には、県特産のすだちに加え、働く喜びを知って、社会へ巣立って欲しいとの願いも込めている。
     同町内の23歳から55歳までの9人が通い、畑でトウモロコシやエンドウマメなどを栽培している。来年からは近くにビニールハウスを建て、菌床シイタケ栽培も試みる予定だ。農作物を販売し、収益は通所者で均等に分ける。
     昼食は各自材料を持ち寄り、カレーなどを共同で調理し、交流を深めている。障害者の親が指導員となり、土日、祝日を除く各日午前9時から午後4時まで、野菜や花の栽培、造花づくりを行っている。
     今年度の運営費は県と町が240万円を補助する。定員15人。篠原会長は「養護学校卒業後は自宅にこもる人が多い。作業所なら新しい友達もでき、表情が明るくなる。能力や個性を伸ばし、生きがいをみつけて欲しい」と、待望の作業所完成を喜んでいる。
    (写真、オープンした知的障害者対象の「すだち苑」)

  • 「すだち苑」の活動を伝える新聞記事(徳島新聞 1997年(平成9年)11月7日金曜日)の内容:

  • 農作業を手伝って
    半田町の「すだち苑」ボランティア募集
     農作業を通じて障害者の自立を目指す、美馬郡半田町天皇の知的障害者小規模通所作業所「すだち苑」(佐藤毅所長)が農作業を手伝ってくれるボランティアを募っている。
     同苑の通所生は6人。近くの住民に無償で借りた農地(約270平方メートル)で月-金曜日の午前中、保護者の指導を受けながらネギやダイコン、大豆などの野菜約15種類の無農薬栽培に取り組んでいる。収穫した野菜は週1回、軽トラックに積んで町内で販売したり、注文販売に応じたり。毎月の売り上げは4万円ほどで、肥料などを購入した残りを通所生で分配している。
     しかし、作業を手伝う保護者は常時2、3人で、しかも慣れないため四苦八苦。小人数だと収穫量が増えず、地域とのふれあいも少ないことから協力を呼びかけることにした。同苑では「障害者の自立に向け、力を貸してほしい」といっている。
     同苑は、同町手をつなぐ親の会(篠原修会長)が4月に都内で初めて開所した。
     農業ボランティアへの問い合わせは篠原会長宅〈電0883(64)4188〉へ。
    (写真、刈り取ったばかりの大豆を仕分けする障害者ら=半田町天皇のすだち苑)

  • 「すだち苑」の活動を伝える新聞記事(徳島新聞1997年(平成9年)9月19日金曜日)の内容:

  • 半田の施設通所生ら製造
    EMボカシが好評
    障害者、ごみ減量に一役

     美馬郡半田町天皇にある知的障害者の小規模通所作業所「すだち苑」(佐藤毅所長、6人)で「町のごみ対策に協力したい」と7月から作っているEMボカシの売れ行きが好調。障害者の社会参加とともにごみの減量化にも一役かっている。
     作業所では、通所生やその保護者らが協力し、毎月約80キロを製造、1キロずつ袋詰めしたものを200円で販売している。袋詰めされたボカシは、同苑のほかに町役場や郵便局など町内4ヵ所で販売されており、そのほとんどを完売している。
     また、同作業所では町内の知的障害者と身体障害者が保護者の指導のもと、苑内の農地(約270平方メートル)で野菜栽培も行っており、収穫した野菜は町内の食堂などに出荷している。現在、障害者と一緒に農作業を手伝ってくれるボランティアを募っており、同作業所を運営する半田町手をつなぐ親の会の篠原修会長は「障害者の社会参加を目指し、今後も積極的に各種作業を進めていきたい。一週間に一日でもいいので気軽に参加してください」と話している。
     問い合わせは篠原会長宅〈電0883(64)4188〉へ。
    (写真、EMボカシの袋詰め作業に追われる障害者ら=美馬郡半田町天皇の小規模通所作業所「すだち苑」)

―方策―

 障害者が、その適性と能力に応じて就労できるよう、就労支援の充実を図ります。

★障害者の雇用を促進するため、『広報はんだ』などを活用し、雇用促進月間(9月)を中心に啓発を促進します。

★障害者の就労状況を、人権に配慮しつつ調査します。

★職業安定所と連携し、就職を希望する障害者の就労を促進します。

★職業安定所と連携を図り、事業所に対し障害者雇用の促進をすすめ、法定雇用率(1.6%)が達成できるよう、働きかけを行います。

★小規模通所作業所「すだち苑」の安定的な授産事業の確保と販路拡大、就労者の促進を支援します。

★町職員の採用にあたっては、計画的な採用に努めます。

第4節 保健・医療

―現状と課題―

 障害者の高齢化の進展などに伴い、健康への関心が一層強まっています。健康相談・健康教育を行っていますが、乳児から高齢者までのライフスタイルに対応した一貫した健康管理体制の充実が必須となっています。
 障害の原因は、先天性のものと事故や疾病などから生ずる後天性のものがあり、それぞれに対する予防を強化するとともに、早期治療、早期療育体制をさらに充実していく必要があります。
 ライフサイクルに応じた適切な保健、医療のサービスの提供が必要であり、そのためには、できるだけ早期に発見し、発達期になる乳幼児期に必要な治療と指導訓練を行うことによって、障害の軽減や基本的な生活能力の向上を図り、将来の社会参加へとつなげていく必要があります。
 本町では、新生児期から幼児期まで発達段階における継続的な健康診査を行っており、早期発見と障害児の保護者に対する訪問指導に努めています。
 障害を軽減し、自立を促進するには、リハビリテーション医療が重要な役割を果たしており、また、障害者の重度化、重複化などによって、その需要はますます高まってきています。
 近年、社会生活環境の複雑化に伴うストレスの増大などにより、精神的健康を損なう人が増えており、心の健康に対する関心が高まってきています。
 交流事業や集団活動を通して、精神障害者の在宅生活を支援し、社会復帰を促進するため、本町では、昭和53年度からデイケア事業(さつき会)を継続しています。今後さらに取り組みを強化せねばなりません。また、精神保健相談や訪問指導も充実していかねばなりません。
 また、難病患者は年々増加傾向にあり、患者や家族の不安の解消を図る必要があります。
 今後は、障害の発生予防、早期発見・早期療育、リハビリテーションについて、保健所、医療機関、医師会などと連携を一層強化し、総合的な保健医療システムを確立していくことが必要です。また、在宅の保健医療サービスについては、きめ細かな多様なサービスが提供できるよう取り組まねばなりません。

半田町ソーシャルクラブ「さつき会」と上板町ソーシャルクラブの交流会(平成9年10月13日、於安パークなかよし広場)の写真

▲半田町ソーシャルクラブ「さつき会」と上板町ソーシャルクラブの交流会(平成9年10月13日、於安パークなかよし広場)。

―方策―

1 健康保健活動の充実

 平成11年春に増改築工事が竣工する半田病院を核とし、八千代診療所、特別養護老人ホームうらら荘、地域福祉センターやすらぎ苑、そして平成11年春に開所予定の町保健福祉総合施設をネットワーク化することにより、本町独自の保健・福祉・医療システムを確立して、健康づくりに取り組みます。

半田町保健福祉総合施設の建設計画を伝える新聞記事。

▲半田町保健福祉総合施設の建設計画を伝える新聞記事。

  • 半田町保健福祉総合施設の建設計画を伝える新聞記事(徳島新聞1998年(平成10年)1月29日木曜日)の内容:

  • 半田町
    保健福祉施設を計画
    半田病院併設介護保険制度に対応
     美馬郡半田町は、旧施設の老朽化に伴い1995(平成7)年から建設を進めている同町中薮の町立半田病院(三村経夫院長)に併設して、保健福祉総合施設の建設を計画している。同病院を中心に医療、保健、福祉が連携し幅広いサービスを提供できる態勢を整えるのが目的。完成すれば那賀郡相生町の「町包括ケアセンター」に続いて県内2カ所目となる。
     総合福祉施設(鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ約809平方メートル)は▽在宅高齢者のリハビリや痴ほう症看護などを行う老人訪問看護部門▽住民の健康管理台帳を作成、総合的な相談窓口などを設ける保健施設部門▽在宅介護を行う家族らに対して介護相談や各種サービスの申請手続きなどを行う在宅介護支援部門の3部門からなる。保健所や社会福祉協議会などとの連携を強化し、介護保険制度に対応できる施設として整備を進めることにしており、来年度にも着工、年度内の完成を目指す。総事業費は約3億円。
     一方、新築している同病院の本館(鉄筋コンクリート造り4階建て、延べ約7000平方メートル)には、整形外科や内科などの診察室が増設されるほか、患者の休憩室、外来者用の食堂などを新しく設置。また病棟(鉄筋コンクリート造り4階建て、延べ約2100平方メートル)も内装などの改修工事が進んでいる。来年度中の完成を目指しており、総事業費は約29億円。
    (写真:保健福祉総合施設の併設が計画されている半田町立病院=同町中薮)
2 障害の予防や早期発見・早期療育の推進

 障害の予防や早期発見・早期療育を図るため、啓発活動や母子保健対策を総合的に推進します。

★障害の予防を図るため、啓発・啓蒙活動に努めます。

★妊婦や乳幼児の健康診査、訪問指導、保健相談などを推進し、治療や療育の必要な乳幼児の早期発見に努めます。

★老人の保健対策を推進するとともに、ねたきりは予防できるという意識を積極的に普及します。
3 在宅支援体制の強化

 在宅の障害者やその家族が、安心して生活のできる在宅医療支援体制の整備を促進します。

★在宅の障害者やその家族に対し、保健婦が訪問し、精神的支援と介護、看護方法の指導、援助などを積極的に行います。

★平成11年春開所予定の町保健福祉総合施設で、専門職などを確保し、訪問看護やリハビリテーションを提供できる体制を整備します。
4 医療サービスの充実

 予防・治療・リハビリを包括医療を確立します。関係医療機関、医師会などとの連携を一層強化し、医療体制の整備に努めるとともに、医療費負担を軽減するため、医療費の助成に努めます。

★半田病院を中核として、予防・治療・リハビリを包括した医療システムをさらに充実し、磐石な体制とします。

★関係機関との連携を深め、救急医療体制の確保と医療の確保に努めます。

★重度心身障害者に対する医療費助成制度を継続して実施します。

★更生医療が必要な場合、その給付に努めます。
5 精神保健対策の充実
★精神保健相談や訪問指導を充実します。

★休息入院の意義や必要な時期の入院について、当事者や家族に指導します。

★美馬郡7町村を圏域とする*西部第1サブ障害保健福祉圏での入院ベッドや精神デイケア施設の整備、医療機関の充実をめざし、関係者に働きかけていきます。

★休日や夜間などにおける緊急な医療を必要とする精神障害者のための救急医療システムの整備について、関係機関と協議します。

★精神障害者保健福祉手帳が活用できる範囲の拡大などについて、関係機関に働きかけていきます。

★精神保健福祉にかかわる関係者、保健所、学校、企業、警察などの関係機関との連携を強化していきます。

★精神保健ボランティアを育成します。
6 精神障害者社会復帰の促進

 精神保健知識の普及啓発を推進し、精神障害者の在宅生活を支援し、その社会復帰を進める体制整備に努めます。精神障害者に対する正しい理解を促進し、精神障害者を支えることのできる地域づくりをめざします。

★本町独自のデイケア事業「さつき会」を一層充実していきます(*地域精神保健福祉対策促進事業)。

★家族会が運営する共同作業所を支援していきます。

★偏見や誤った認識により必要な治療が阻害されないよう、精神保健知識の普及・啓発に努めます(広報活動の充実・交流の場づくり・精神保健福祉講座の開催など)。
7 難病対策の充実

 39の特定疾患などに苦しむ難病患者への各種支援に努めます(在宅支援・ホームヘルプ・ショートステイ・日常生活用具・訪問指導・医療費の助成など)。

用語 用語の説明
*西部第1サブ障害保健福祉圏  徳島県内を東部・西部・南部の3つの障害保健福祉圏に分け、その中で、西部圏は第1サブと第2サブに区分されています。第1サブは美馬郡7町村、第2サブは三好郡8町村となっています。
*地域精神保健福祉対策促進事業  精神保健及び精神障害者の福祉に関し、地域の実情に応じたきめ細かな施策を実施することにより、精神障害者の社会復帰及び自立と社会参加の促進並びに国民の精神的健康の保持増進を図ることを目的としています。実施主体は県および市町村で、適当と認めた団体に委託することもできます。地域の実情に合わせて独自に創意工夫をこらして実施する保健事業に対して、一定の国庫補助金が交付されます。本町では、平成9年度から本事業の適用を受けています。

第5節 福祉サービス

―現状と課題―

 障害者の自立と社会参加を促進するため、障害者が生まれ育った家庭や地域で安心して生活が送れるよう、その障害に応じたさまざまな福祉サービスを充実していくことが重要です。
 障害者が地域社会のなかで自立した生活を送るためには、生活の基盤となる所得保障の充実が必要となります。
 *ホームヘルプ、*デイサービス、*ショートステイの在宅サービスの提供と充実を一層図っていく必要があります。
 障害者本人や家族が日常生活を送る上で必要な知識や技能を高めるため、各種生活訓練などを充実する必要があります。
 今後も、障害者の障害の程度やニーズに応じ、適切な施設への入所に努めていく必要があります。
 精神障害者については、社会復帰の推進に努めていく必要があります。
 障害者の多様なニーズに対応した各種施設を計画的に整備充実していくことも重要な課題です。

用語 用語の説明
*ホームヘルプ  ホームヘルパー(家庭奉仕員)が身体障害者のいる世帯やねたきりなどの要介護高齢者のいる世帯などを訪れ、各種日常生活の手助けをするサービスのことです。デイサービス・ショートステイ事業と並んで、在宅福祉事業の3本柱です。本町には現在、5名のホームヘルパーが従事しています。
*デイサービス  在宅のねたきり老人や虚弱老人などに施設に通ってもらい、入浴・食事の提供・機能訓練・介護方法の指導などの各種便宜を提供するサービスのことです。ホームヘルプサービス・ショートステイと並んで、いわゆる在宅3本柱を構成しています。本町では、地域福祉センター「やすらぎ苑」で実施しています。
*ショートステイ  ねたきり老人や痴呆性老人などの介護者が、病気や所用などで一時的に介護できなくなったり、介護疲れで休養したい場合に、老人に特別養護老人ホームなどに短期入所してもらう制度です。期間は原則として14日間以内で、食費の実費は利用者負担。本町では、特別養護老人ホーム「うらら荘」で実施しています。

―方策―

1 生活の安定
★公的年金制度や特別障害者手当などの各種手当制度の周知徹底に努めます。

★経済的自立と生活の安定向上を図るため、障害者のニーズに応じた必要な資金の貸付を行う生活福祉資金制度の効果的な活用を促進します。

★重度心身障害者(児)などの医療費負担を軽減するため、更生医療などの給付や県医療費助成制度の活用周知に努めます。

★経済的な負担を軽減するため、税の減免制度やJRなどの運賃・料金の割引制度の活用周知に努めます。
2 在宅福祉サービスの充実
★障害の重度化、重複化、高齢化などに伴う障害者のニーズの多様化に適切に対応するため、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイなどの各種在宅福祉サービスの充実に努めます。また、関係機関との連携を強化し、在宅介護支援体制の確立に努めます。

★ホームヘルパーの派遣については、高齢者在宅サービスとの連携のもとに、障害者の実態に合わせてヘルパーを増員し、サービスの充実に努めます。

★デイサービスについては、地域福祉センター「やすらぎ苑」でのサービスをより一層充実し、利用の促進に努めます。

★ショートステイについては、身体障害者療護施設「小星園」などで実施しているサービスの周知を図り、利用施設の増加に努めます。

★在宅における障害者や障害児の地域での生活を支えるため、県が行う「障害児(者)地域療育等支援事業」を支援します。

★緊急通報施設の設置を増やし、近隣住民や消防署などへの連絡手段を確保します。

★障害者の保護者の相互扶助制度である心身障害者扶養共済制度への加入を促進します。

★視覚障害者の社会参加を促進するため、盲導犬の普及や付添いをするガイドヘルパーの養成確保に努めます。

★各種障害者団体の活動がさらに強化されるよう育成を支援し、家族会が組織化されるよう努めます。

★西部第1サブ障害保健福祉圏で「*市町村障害者社会参加促進事業」の推進に向けて、関係機関との調整に努めます。
3 福祉機器サービスの充実
★福祉機器の普及促進を図るため、補装具・日常生活用具の給付、貸付や介助者に対する福祉機器の貸与制度の周知活用を図ります。

★障害をもつ高齢者をはじめ家族の介護の負担を軽減するため、在宅介護支援センターで介護機器の普及、相談に応じていきます。また、西部第1サブ障害保健福祉圏でも、互いに協力して普及に努めます。
4 施設サービスの充実
★町内にある特別養護老人ホーム「うらら荘」の定員増をはかり、入所待ちの解消に努めます。

★在宅生活が困難な障害者に対しては、施設入所をすすめます。

★美馬郡内の身近なところで必要な時に必要な施設が利用できるよう、更生、療護、授産、福祉ホームなどの各種施設の整備促進を関係機関へ働きかけていきます。
用語 用語の説明
*市町村障害者社会参加促進事業  障害者の自立と社会参加の促進を図る目的で、市町村が実施。点訳奉仕員等養成事業、手話奉仕員等派遣事業、手話通訳設置事業、点字広報・声の広報等発行事業、自動車運転免許取得事業・自動車改造助成事業、重度身体障害者移動支援事業などの10項目から5項目以上を選択して実施します。平成10年度から、美馬郡7町村の広域事業として取り組むことになっています。

第6節 生活環境

―現状と課題―

1 総合的なまちづくりの推進

 障害者や高齢者が安心して快適に生活できる、いわゆる「やさしいまち」の基本的要件は、安全性、利便性、快適性が確保されていることです。
 住宅や公共的施設が障害者等にとって、安全で利用しやすい構造であるとともに、あらゆる人々がふれあいを通じて交流できるといった視点が大切です。
 障害者や高齢者が公共交通機関や公共施設をスムーズに利用できるよう、地域全体の総合的なまちづくりを進めることが望ましいことです。
 障害者や高齢者が安心して生活することができるとともに、より積極的な社会参加ができるような総合的な「福祉のまちづくり」を実現することが求められています。
 障害者が安全かつ自由に移動し、活動の幅を広げられるよう、障害者に配慮した移動、交通手段を整備するとともに、施設や道路の段差の解消など、「福祉のまちづくり」の推進が必要です。

2 住宅・生活環境の整備充実

 障害者の住宅ニーズに応え、個々の事情に応じた適切な住宅改造を促進していく必要があります。
 公共的な施設について、障害者に配慮した施設内容や構造に整備していく必要があります。
 多くの人が利用する民間の建築物についても、障害者が円滑に利用できるようなものとなるよう、バリアフリー化(障壁をなくすこと)を促進していく必要があります。
 公園、歩道などについても、障害者の利用に配慮したものにしていく必要があります。
 これまで、役場庁舎の玄関スロープ化などを順次整備していますが、エレベーターなどをさらに計画的に整備を進めていかねばなりません。

於安パークの身体障害者用トイレの写真

▲於安パークの身体障害者用トイレ。土々呂の滝親水公園にも備わっています。いずれも建設時点で整備されたものです。

役場庁舎内階段の手すりの写真

▼町役場玄関前のスロープ(下)と▲役場庁舎内階段の手すり(上)。いずれも建設後に整備したものです。

町役場玄関前のスロープの写真
3 交通・移動手段の整備充実

 障害者の屋外での移動を容易にするよう、リフト付き福祉バスの運行などを考慮する必要があります。
 歩道の段差解消、危険箇所へのガードレール及び防護柵の設置、視覚障害者誘導ブロックの設置、階段のスロープ化などを整備していく必要があります。
 公共施設などでの、障害者用駐車場、車いすトイレなどの整備を推進する必要があります。

4 相談体制及び情報提供の充実

 障害者の日常生活上のさまざまな問題に対し、いつでも気軽に相談できる相談体制や、福祉制度などの情報を必要な時に手に入れることのできる情報提供機能の充実が必要です。
 障害者やその家族にとっては、身近に相談窓口があることが重要なことであり、身体障害者相談員・民生委員児童委員や町社会福祉協議会の心配ごと相談所を中心として相談できる体制を整えていますが、さらに周知と機能の充実を図っていく必要があります。
 町広報紙の録音テープを毎月発行配布していますが、限られたものになっていることから、特に視聴覚障害者や知的障害者に配慮した多様な提供方法の充実が求められています。

5 防火・防災対策の推進

 火災や災害などの非常時における障害者への支援体制の確立が不可欠です。
 災害時における障害者の避難態勢の強化や関係機関等との連携によるネットワークの確立が求められています。
 障害者や高齢者に配慮した防災対策の確立が求められています。

―方策―

1 総合的なまちづくりの推進
★障害者や高齢者を含むすべての町民が、安全で快適な生活を送ることができるよう、総合的な福祉のまちづくりを推進します。

★「徳島県ひとにやさしいまちづくり条例」に基づき、建築物や道路などの整備、改善に努めます。

★「やさしいまちづくり推進月間」(12月)を中心に、やさしいまちづくりの推進についての町民に対する普及、啓発活動に努めます。
2 住宅・生活環境の整備充実
★重度身体障害者住宅改造助成制度、生活福祉資金、住宅金融公庫の割増融資制度などの補助制度や融資制度の利用を促進し、障害者の生活環境の改善を支援します。

★広域において、生活支援機能を持つ*グループホームの開設を支援します。

★公共施設については、順次「徳島県ひとにやさしいまちづくり条例」に基づく整備を進めます(役場や公民館などの建築物にエレベーター・障害者用トイレ・手すりなどの設置)。
3 交通・移動手段の整備充実
★安全で快適な通行を確保するため、自歩道の整備、町道の段差の解消、誘導ブロックの設置などに努めるとともに、県道、国道については関係機関に整備改善を要望します。

★視覚障害者用信号機の導入について、関係機関に要望します。

★様々な機会を通じて、障害者の交通安全意識の向上に努めます。

★障害者の移動手段として自家用車の果たしている役割が大きいことから、身体障害者自動車改造費助成制度、自動車操作訓練費助成制度の周知活用に努めます。

★JR駅やバス乗場などの段差の解消、点字案内板の設置など、障害者に配慮した交通施設の設備改善について、関係機関に要望します。

★重度身体障害者の移動を支援するため、リフト付き福祉バスの導入及びリフト付きワゴン車の配置に努めます。

★公共施設などに、障害者用駐車場、車いすトイレなどを設置します。
4 相談体制及び情報提供の充実
★障害者やその家族が、日常生活における様々な問題について、いつでも気軽に相談ができ、適切な助言が受けられるよう、福祉事務所、保健所など関係機関との連携を強化します。

★県から委嘱されている身体障害者相談員、精神薄弱者相談員、精神障害者家族相談員と連携を密にし、相談業務を支援します。

★町社会福祉協議会の心配ごと相談所の充実を図ります。

★平成11年春に開所する*在宅介護支援センターで、24時間体制で介護相談や情報提供が受けられるサービスを始めます。

★生活を支援し、自立と社会参加が促進できるよう、西部第1サブ障害保健福祉圏で「*市町村障害者生活支援事業」の推進に向けて、関係機関との調整に努めます。

★障害者に対する啓発広報については、視覚障害、聴覚障害、知的障害などそれぞれの障害に配慮した方法を工夫します。
5 防火・防災対策の推進
★在宅障害者に対する火災の未然防止や災害時における的確な対応能力を高めるなど、防火・防災意識の向上を図り、障害者のいる家庭の安全対策を推進します。

★緊急時に障害者から消防機関・警察などに迅速な連絡ができるような、障害者に適した緊急通報システムの普及を促進します。

★自主防災組織の育成を図り、緊急時の避難誘導など障害者に対する支援体制を充実します。
用語 用語の説明
*グループホーム  地域社会の中にある住宅(アパート・マンション・一戸建など)で、数人の知的障害者が一定の経済的負担を負って共同で生活する形態のことです。同居あるいは近隣に居住している専任の世話人により、食事の提供、相談その他の日常生活援助が行われます。
*在宅介護支援センター  在宅でねたきり老人などの介護を行っている家族が、身近な所で気軽に専門家に相談でき、市町村の窓口に行かなくても必要な福祉サービスなどが受けられるよう調整する24時間体制の施設です。保健婦・看護婦などの専門家が配置されています。本町では、平成11年4月に開所予定です。
*市町村障害者生活支援事業  在宅の障害者に対し、在宅福祉サービスの利用援助、社会生活力を高めるための支援などを行い、障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的とし、市町村が実施します。美馬郡では7町村共同で、平成10年度から取り組む予定です。

第7節 スポーツ・レクリエーション及び文化

―現状と課題―

1 スポーツ・レクリエーションの振興

 障害者がスポーツ、レクリエーション及び文化活動に参加することは、自立と社会参加を促進するだけでなく、生きがいのある豊かな生活を送る上で大変重要です。
 障害者にとってのスポーツは、体力の維持、増強を図るとともに、社会活動に積極的に参加する自覚と意欲を養うなど、自立を促進する上で大きな役割を果たします。
 体力や年齢などに応じ、いつでもどこでもスポーツに親しめる生涯スポーツ社会の実現は、生きがいのある生活を営む上で極めて重要な課題となっています。

2 文化活動の促進

 障害者の文化活動への参加は、障害者の社会参加という観点からも極めて意義の大きいことです。
 多くの障害者が参加できるよう、条件整備を進めていく必要があります。

―方策―

 障害者が積極的にスポーツ、レクリエーション、文化活動に参加できるよう、条件整備に努めるとともに、障害を持たない人との交流を促進します。

★一般のスポーツ、レクリエーション活動にも障害者の参加が促進できるよう、主催する関係機関に働きかけを行います。

★障害者団体が開催するスポーツ、レクリエーション、文化活動を支援します。

★障害者の利用に配慮して、各種体育施設、文化施設などの改善に努めます。

★文化活動への障害者の参加を促進します(町民作品展・『はんだ町民文芸』など)。

★文化活動の主催者などに対し、障害者に配慮した行事運営についての理解と協力を求めます。

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主題:
半田町障害者福祉計画 No.1
1頁~43頁

発行者:
半田町

発行年月:
平成10年3月

文献に関する問い合わせ先:
半田町
徳島県美馬郡半田町字木ノ内136-1
TEL 0883-64-3111
FAX 0883-64-3114