特集/第7回 アジア・太平洋地域リハビリテーション会議 概要について

特集/第7回 アジア・太平洋地域リハビリテーション会議

第7回 アジア・太平洋地域リハビリテーション会議

7th Rehabilitation lnternational Asia and Pacific Regional Conference

概要について

玉木 修 *

 第7回アジア・太平洋地域リハビリテーション会議が、1983年4月10日~15日マレーシア・クアランプールで開催された。

 この会議は、国際リハビリテーション協会(RI)地域会議として支部25か国と他の関係諸国が参加しての国際会議であります。今回の参加国は、開催国のマレーシア始めインドネシア、オーストラリア、ホンコン、日本、インドなど30か国より371名が参加しての国際会議であった。

プログラム

テーマ:予防とリハビリテーション

〈社会、そして家族と障害者の役割〉その内容は、本会議(総会)部会(分科会)に分かれ、医学、教育、職業、社会福祉など広い分野にわたって研究討議が行われた。

〈会議日程とプログラム別表(1)〉専門部会での内容は、(1)聴覚言語障害、(2)てんかん、(3)医学リハビリテーション、精神薄弱及び心理・社会的障害、(4)整形外科的障害、(5)ソーシャルワーク、(6)特殊教育、(7)視覚障害、(8)職業リハビリテーション、(9)脳性マヒ、(10)ハンセン氏病、(11)薬物依存、(12)産業リハビリテーション等が8の総会5の分科会で発表討議された。また、専門視察では、(1)国営リハビリテーションセンター、(2)視覚障害者の職業訓練所、(3)脳性マヒ通園施設、(4)ハンセン氏病回復者の授産施設ワークショップ、(5)国営シェルタードワークショップ、(6)精神簿弱児養護学校、(7)ろう学校、(8)セランブール、ベットワ会社(障害者雇用企業)の視察見学が3つのグループに分かれ行われた。(マレーシアのリハビリテーションの現状が、わが国の施設と比較し、役立ったこととおもいます。)

会議の成功を願って

 日本障害者リハビリテーション協会は、この会議を重要な会議と、位置づけ、わが国の専門家、そして福祉の関係者、障害者を含め、第7回アジア・太平洋リハビリテーション会議、並びに東南アジア視察を計画主催し、当協会側からも、太宰会長を団長としRI委員のメンバー、そして障害者を含め、派遣団を編成し、50数名がこの会議に参加しました。そして東南アジアに於ける日本の役割、この会議への成功と協力を、交流と友情を深め、大きな成果をおさめました。

 特に今回は、全参加者に対し会議の内容が同時に理解していただける同時通訳も用意し、なまの意見、発表、報告を伝達し、会議の内容を深めていただきたいと計画いたしました。

注目をあびた日本からの講演と発表

○永井昌夫(国立身体障害者リハビリテーションセンター精神科医長)

総会招待パネラー

テーマ「生起する障害者の役割」(講演内容別項)

○大塚隆二・飯笹義彦(整肢療護園・日本肢体不自由児協会)……分科会

テーマ「障害児のソーシャルケースワーク(援助)」

○畑野栄治(広島大学)分科会

テーマ「デュジャヌ型筋ジストロフィー症に対する重力牽引の経験」

リハビリテーションの発展のために

 国際リハビリテーション協会(RI)の60年の歩みの中でRIがはたしてきた役割は大きく、1969年の「リハビリテーションの10年」の宣言と、1980年の第14回世界会議に際し「80年代憲章」を採択し、歴史に新しい局面を切り開きました。これが国際障害者年の行動計画と一体のものであることはいうまでもありません。この地域会議と国際会議が、発展途上国を含め世界の障害者リハビリテーションの発展に役立つことを願い、今回のアジア・太平洋リハビリテーション会議の状況を特集することといたしました。

 この特集が、リハビリテーション関係者に役立ち利用されることをお願いします。

第7回アジア・太平洋国際リハビリテーション会議日程 略

*(財)日本障害者リハビリテーション協会事務局長


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1983年7月(第43号)2頁~3頁

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