小島蓉子*
日時 1984年6月6日 午前9:00~12:30
場所 ルームI
出席者 WRFよりJames F.Garrett氏とDiame Woods氏スポンサーである米国政府よりG.Engtrom氏、オランダ、日本、フィンランド、スウェーデン、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、西独、英国、アイルランド、ポルトガルからのアドバイザー、フェローシップを受けたエキスパート等20名。
WRF諮問委員会は、次の2つの目的をもって開催された。
1.リハビリテーションにおける専門家と報告の交換計画をめぐる経験の評価
2.同計画の将来構想を討議し、各委員の今後の協力の要請
最初すでに各国を訪れたアメリカの2人の専門家より、体験発表があった。
訪問調査に当る際心すべきは、相手方の仕事の迷惑にならぬように礼をつくして最大限の聞きとりをすることである。調査員が行なって、相手国が刺激されてそのトピックスに関するワークショップを計画する場合などは積極的に情報提供者になるべきである。社会状況の違いで、定義が異なる場合がある。例えばLearning disabilityなどで、相手国の状況を書く場合など、もし相手国に共同執筆を希望する人があれば、そのパートナーと共著にするのもよい、などとのコメントがなされた。
WRFがリサーチを求めている領域の主なものは次の通りである。
(1) 障害者用補助機器・用具(Technical aids)に関する評価システムの基本課題
(2) 学習障害を伴う個人への職業リハビリテーションサービス
(3) 特別援助によるかまたは、一般青少年に与えられるサービスだけかによって過ごす障害をもつ少年の、学校から労働の世界への移行期
(4) 地域社会への再統合を目ざす慢性精神病患者の在宅サービス・ニーズ
(5) 児童のために適切な技術
(6) サポートされた雇用プログラムとして、雇用機会を提供する民間事業主のための助成策
(7) 早期職業リハビリテーションサービスが強調されつつ年を重ねた重度経済障害児の変容するニーズ
などである。これまでに15か国との協力で、50に近い研究が行なわれ、150のリポートが提出されている。
これまで、情報・専門家交流計画は、可能な領域から手をつけていったので、トピックや相手国に偏りが生まれて来た。
世界中に広くこの計画を普及するために、研究者と研究地点を結ぶリエイゾンの役割がきわめて大きいことが強調された。
日本には、オハイオ大学のジェーン・メイヤー助教授が1982年に訪れ、貴重な報告をなされたが、将来は研究結果がモノグラフとして公刊出来るような研究者の本格的研究がなされる分野が見出されることが期待された。
*日本女子大学教授
(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1984年7月(第46号)28頁