用語の解説
福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律
厚生省と通産省が共同で提案した「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」が、1993年4月26日に成立し、5月6日に公布された。
その概要は、次の通りである。
アジア太平洋障害者の十年
障害をもつ人々の「完全参加と平等」の実現をめざした、「国連・障害者の十年」は昨年終了した。この「十年」が「障害」および「障害者」に対する社会的な認識を高めたという成果は認めつつも、世界で最大の人口を抱え、社会・経済的な変化の速度が急であるアジア太平洋地域においては新たな「十年」を設定し、引き続き障害者の社会参加を推進することが必要との認識を各国政府及び障害団体が共有していた。
そして、昨年4月北京で開催された、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の第48回総会において、1993年から2002年までを「アジア太平洋障害者の十年(Asian and Pacific Decade of Disabled Persons, 1993―2002)」とすることが決議された。この決議は、日本を含む33ヵ国により共同提案され満場一致で採択された。
この決議に基づき昨年12月同じく北京で開催された「アジア太平洋障害者の十年」スタートの会議では、改めて「完全参加と平等」の実現の必要性が宣言された。また、(1)国内障害者問題調整委員会の設置および強化、(2)法律の制定、(3)情報の提供、(4)国民の認識等12の分野での「行動課題(Agenda for Action)」を設け、この具体的な実施と、達成度の定期的な評価・報告がESCAP加盟58の国や地域に要請された。
域内の開発途上国や後発開発途上国においては障害者に関する施策やサービスに大きな格差があり、各国が協力して格差の是正や問題の解決を図るための連携を強化することが必要である。
とくに、新「十年」の提案に中心的な役割を果たした日本には、これまでの障害問題に関する経験や技術をべースに、域内の国々の問題解決のために積極的な人的、財政的な協力が求められている。
(上野博/アジア太平洋障害者の十年キャンペーン'93 沖縄会議事務局)
(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1993年12月(第78号)43頁