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国連世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society : WSIS)

2005年2月23日 小委員会での障害者コーカスからの発言

河村宏
WSIS障害者コーカス

市民社会 ディスアビリティ・フォーカル・ポイント
DAISYコンソーシアム
連絡先:〒359-8555 埼玉県所沢市並木4-1
hkawa@attglobal.net

市民社会のディスアビリティ・コーカスに代わり、以下のように提案したい。

政治的な部分(Political Chapeau)の第5パラグラフには、残念ながらデジタルデバイドを埋める重要な主要原則が欠けている。ジュネーブの原則宣言の25項には、「ユニバーサル・デザインや福祉機器の利用」が主要原則のひとつになっている。身体、認知・知的、精神障害者を含む全ての人々がデジタルを利用する機会を保障することはICT(情報及びコミュニケーション技術)開発のゴールである。 だれもが生活の一部として支援機器とユニーバーサルにデザインされたICTによって可能となる特別なニーズがある。情報及びコミュニケーション技術を開発するために役に立つシナリオ、役に立つケースを開発することが非常に重要である。

例えば、津波警報システムは聞こえない人、見えない人、使われてる言語が理解できない人に対しても情報を配信する必要がある。情報が確実に伝えられ、何らかの理由で自分自身だけでは避難できない人が近隣の人と安全に避難できるよう訓練を受ける必要がある。アクセシブルなフォーマットのサインやシンボルは災害時にはどこに行って何をすればよいかを明確に表示する必要がある。

現実的に役に立つシナリオに基づき、地域の全ての人々の安全な避難対策を支援するICTを開発することができる。
我々は命を失ったり、身体的及び精神的に打撃を受けた災害の犠牲者から多くのことを学んだ。それは、全ての人にとってアクセシブルで理解できる、ユニーバサルにデザインされた早期警報システム開発の必要性の認識である。障害者は支援機器のみならず全ての人にとってインクルーシブなICTデザインの開発に対し、違った視点から役に立つシナリオを模索してくれる一番良い協力者である。

従って、全ての人のためのICT開発の原則的なデザインのゴールを明記し、ICT開発において障害者が平等なパートナーとしての参加を保障するために、「ユニバーサルデザインと支援機器を促進する」という一文を政治的な部分(Political Chapeau)の第5パラグラフに入れることを提案したい。
市民社会ディスアビリティ・コーカスが関係者としてチュニスで採択される行動計画の全ての実行プロセスに協力できることは光栄である。

[政治的な部分(Political Chapeau)パラグラフ5の修正(案)]

我々は以下を実現させるために決意を新たにすることを明言する。すなわち、全ての人がICTにより提供される機会の恩恵を享受するため、政府同様、民間セクター、市民社会、国連、国際機関などが協力し、情報コミュニケーション基盤と技術へのアクセスを改善し;能力を開発し;ICTの利用における自信と安心感を増加させ;全てのレベルにおいてアクセス可能な環境;ICTアプリケーションを開発し、拡大させ;文化的な多様性を慈しみ、尊重し;メディアの役割を認識し;情報社会における倫理の問題を提起し;ユニバーサルデザインと支援技術を促進させ;国際的、地域的協力を促進する。我々はこれらはインクルーシブな情報社会を確立するための重要な原則であり、ジュネーブ原則宣言をさらに改善していく原則であることを確信する。