DAISY(Digital Accessible Information System)とは、音声とテキスト及び画像を同時に表示するデジタル録音図書のこと。DAISYは、同時に複数の感覚器官を通じて情報を提供できるため、認知に障がいのある精神障がい者などに対する有効な情報伝達手段のツールとして活用されている。
べてるでは、各活動拠点・共同住居ごとの避難マニュアルをメンバー自身の手で作れるようになることを目標として、活動を行った。
第1回講習:平成19年9月10日~13日
既存の防災マニュアルを編集して、季節、時間、住居ごとに対応したマニュアルを製作することを目標として講習会を行った。講習会は、録音環境のため人の出入りの少ない部屋で行われ、メンバーは、他の仕事や体調とのバランスをとりながら講習に参加した。3名以外のメンバーも、経路を歩くモデルやカメラ撮影等で製作に協力した。
第2回講習:
撮影された避難経路の写真をもとに、初めからDAISY製作できるようになることを目標として講習会を行った。住居からの避難経路マニュアルの製作の他に、べてるネットから、メンバーの退院記録の記事をDAISY化して、普段ホームページを読まないメンバーにも分かりやすいと好評であった。
試作展示:平成19年10月31日
防災フェスタにて、DAISYチームは、自身で製作したDAISY版防災マニュアルを展示した。写真や声で知っている人が登場するのを見て興味を持つ参加者がいた。
第3回講習:
フォローアップとして、これまで製作して出てきた疑問を解消することを目標として講習会を行った。ファイルやフォルダの管理が特に難しかったが、できたものはCDに焼いて目に見える形で管理することとなった。べてる祭りに向けて、DAISYで近所のお店の紹介を製作したいという意見も出た。
一年間の振り返り
DAISYに関わってよかったことは、防災の取り組みとしてべてるで新しい仕事ができたことです。また、病気の苦労によって普段は集中しにくい仲間にも、わかりやすく避難経路を伝える事ができました。べてるで起こった出来事をDISY図書としてまとめるなど、避難マニュアル以外にもDAISYを活用できるようになりました。
活動を始めた頃はマニュアル作成の手順を難しく感じたり、しばらくやらないと忘れてしまうという苦労もありましたが、だんだん身に付いてきました。
今後は定期的にミーティングなどの活動を行い、これまで身につけた技術を応用して、べてるの仕事マニュアルや、退院してくる仲間のためにゴミ出しやそうじ、洗濯といった生活のスキルを伝えるDAISY図書も作ってみたいです。(DAISYチーム今堀彩・川端俊・伊藤知之)