浦河町は全国的に見ると精神障がい者が地域で暮らすことが受け入れられている地域と評価されているが、まだべてるの家と各自治会との協力関係は十分とはいえない。今年度は、浦河町役場(保健福祉課、総務課(防災担当者所属課)、社会教育委員会)と、浦河町主催の防災訓練の対象地域であった築地自治会、べてるとの合同防災訓練を実施することができた。この防災訓練実施にむけた合同会議を開催する中で、地域での防災の取り組みのための連携体制が現れてきた。
築地自治会の地区に立地するこの2つの施設(ニューべてる、べてるセミナーハウス)の夏期の訓練は、町役場が主催する防災訓練に自治会とともに参加、実施した。訓練後は築地自治会の方々とべてるセミナーハウス、ニューべてるからの訓練参加者合同で、浦河町役場駐車場での消火訓練、救急救命士によるAED講習などを受けた。
築地地区のべてる関連施設:通所授産施設ニューべてる・べてるセミナーハウス、GH潮見ハイツ・共同住居みかん
9月12日、築地地区防災訓練の事前打ち合わせを行い、津波浸水予測図を利用して、各家の標高や一時避難先を確認したり、より安全に避難できる経路について話し合った。
参加人数約40名:浦河町3名、消防署1名、築地自治会約10名、他自治会1名、べてるメンバー20名、べてるスタッフ3名、国リハスタッフ5名
9月20日、セミナーハウスの住人であり、ニューべてるのメンバー・スタッフが築地自治会による防災訓練事前打ち合わせに参加した。築地地区には高齢の方が多く、車椅子で避難する人も数名いるということが取り上げられたため、避難訓練ではセミナーハウスから避難する若い男性メンバーたちが、歩行に困難のある方の補助に行くことになった。
参加人数8名:築地自治会6名、べてるメンバー1名、国リハスタッフ1名
9月25日(火)13時30分~
平成19年度浦河町防災訓練(対象地区:築地自治会)に参加した。
べてるセミナーハウス、ニューべてるの2ヶ所から同時に避難訓練を実施した。セミナーハウスでは、歩行に困難のある方の訪問を想定し、メンバーが代理で車椅子に乗り、他のをメンバーが車椅子を押して避難した。最後に、炊き出しの食事を試食しながら振り返りを行った。
避難訓練の前には、べてるセミナーハウスから避難場所(日高支庁)までの避難経路をDAISY版避難マニュアルで確認した。
参加人数23名:浦河べてるメンバー8名、GHしおみ・共同住居みかん入居者5名、べてるスタッフ8名、国リハスタッフ2名、見学者8名程度
参加人数41名:ニューべてるメンバー18名、どんぐりの会メンバー9名、べてるスタッフ5名、家族1名、ボランティア1名、見学者7名
避難先での点呼。
メンバースタッフの清水さんが人数を確認した。
【よかった点】
炊き出しがおいしかった。
車椅子を押してみることができてよかった。
AEDなど、知らないことを知ることができてよかった。
みんなで一緒に避難することの良さと難しさを感じた。
【よかった点】
13:30避難開始になっていて、予定時間30分前から集まっていた。そのとき車椅子にすわり、ブレーキなど確認したり、「ロープをつけるといい」「輪つけたほうがいい」というアイデアが出た。ロープをつけたグループは3分で標高8m付近まで来て、効果があることが分かった。
セミナーハウスに、若い人がこんなにいたとは知らなかった。
【さらによくする点】
リハビリに行くなどの理由で、2人車椅子利用者が不参加だった。日中はこの人員で避難することになる。日ごろから注意しておきたい。
車椅子を押すのは、思ったより大変だった。今後は手助けしてもらいたいと思った。
【よかった点】
このような輪を広げていくために、町役場はきっかけを作る方法が一番いいと思った。
100人規模の炊き出しを通して、機材の確保など、普段気づかない点を確認することができた。
【さらに良くする点】
13:30の地震の段階で、避難訓練開始の合図を広く周知できる方法を検討する。
【よくする点】
全体で賞味7分で避難先に到着し、平均タイムはまあまあ良かった。
【さらによくする点】
支庁前へ避難した人たちは標高10mに達していなかった。再確認してほしい。
炊き出しなんかをやってみないと、それぞれの自治会で経験してみるといいかも。そこまで考えた被害と訓練を計画してもよいいかも知れない。
町の防災事業に参加し、築地自治会の方とバケツリレーをした。
8月7日 七夕行事の中で、防災に関する物語が紹介され、スタッフ、メンバーの有志が参加した。
2月24日 土砂災害被害予測地図の見方、救急救命士によるAED講習が開催され、スタッフ、メンバーの有志が参加した。地域の方とともに、人工呼吸や心肺蘇生を実際に練習することができた。
10月31日に開かれた町民推進協議会主催の防災フェスタにて、DAISY版避難マニュアルと、レインボーハウスの防災グッズを展示し、防災事業を通した成果を公開した。会場の方へDAISY版避難マニュアルや防災グッズを準備したメンバーや担当者が、その紹介をした。