III. 4.他の障がい者施設との連携

浦河町には、身体障害、知的障害など災害時に他の人の助けが必要となる人々が日中活動をしたり、入居している施設が複数ある。今年度は、それぞれの施設が開発してきた非常時での対応や、災害にあったときの体験、避難訓練について情報交換をした。それぞれの利用者の苦労の特徴に即した対策を持っていることが分かった。

浦河町内にある障がい者施設のうち、津波による被災が予測される標高に立地するはまなす学園、浦河向陽園に声をかけ、障がい者の防災について考える会議を設けた。

それぞれの施設には、津波または土砂災害についての危険があること、いずれも簡単には解決しにくい立地条件であることが意見交換の中で見えてきた。例えば境町にあるはまなす学園は、町中に立地しており、周囲は平地が広がり、車通りの多い道路が複数ある。避難経路の踏査では、地震発生に寄る津波から逃げるときには、風雨をさけられる堅牢な建物に入れるところで、標高10Mの高さがある場所までに4分で辿り着くのは非常に難しいことが分かった。非常時に、お子さんの送えにきた保護者に任せる、または当直の施設職員に任せるだけでは解決できない、安全な避難経路や、安全な避難場所を周辺住民や学校の方との間で共通理解を得る必要があるという現実を踏まえて、解決方法を見つけるために共に考える機会が大事であることが分かった。

今年度中には対応方法について完全な解決はできなかったが、自立支援法の施行に伴い、障害種別を越えた取組がこれまで以上に必要とされる中で、防災をきっかけとして情報交換の場が持てたことはとても有意義であった。

menu