各活動拠点・住居からの避難計画の作成と避難訓練の実施を目標とした。
べてるでは精神障害者小規模通所授産施設(2ヶ所)と販売場所(1ヶ所)(平成20年4月より、就労継続支援B型事業所1ヶ所)、グループホーム(以下、GH)3ヶ所・共同住居10ヵ所の運営・支援を行っている。いずれも集団活動や共同生活の場であるにもかかわらず、災害時の対応については方針があるのみで、具体的な避難マニュアルが明確にされていなかった。そこで、本年度は最も短時間での避難が必要とされる津波被害を想定して、津波による被害の可能性がある標高10メートル以下に立地するべてるの家の日中活動の拠点、グループホーム、共同住居、ならびにべてるが直接経営してはいないが、メンバーが集まって住んでいる一般住宅を対象に、それぞれ避難計画を立て、夏期および冬期の避難訓練を行うことを目標とした。
目標は4分で標高10メートル!
避難訓練の進め方(国リハ) 1 避難場所を選ぶ:避難場所の条件として、それぞれの活動拠点や住居から4分以内で辿り着け、標高10メートル以上の場所であること、かつ冬期には十分に高いところを伝って暖房のある建物に辿り着ける場所が望ましい。 2 避難場所までの経路を確定する:1に基づいて、各々の活動拠点・住居から避難場所までの経路を確認し、メンバー自身が歩いて確認する。その結果をDAISY技術を用いて避難マニュアルにし、理解が困難なメンバーにも理解できる形で提供する。 3、避難訓練をする:避難訓練にあたっては、DAISYの避難マニュアルを見て経路を確認した後避難訓練を行う。また、該当地域の自治会、商店会等への呼びかけを行い、避難訓練を契機として、地域での結びつきを強めることをめざす。 4、振り返りをする:べてるの家の日常の活動の長所を活かし、メンバー自身により課題を報告しあうこと、及び訓練終了後に「よかった点、さらによくする点」を相談しあう振り返りを取り入れる。 5、防災グッズを備える:共同住居ごとに避難に障害や病気の状態にも配慮した防災グッズを備える。 |
本事業をすすめるにあたり、随時、町役場および町内自治会と連携をとり、それぞれの情報を共有する会議を開くことを目標とした。また町役場と地域自治会との連携の中で、築地地区の防災訓練にニューべてる、セミナーハウスも参加することを目標とした。
本事業を進めるにあたり、町役場および町内障がい児・者施設と連携をとり、災害時に予想されるニーズとそれらへの対策に関し、情報共有のための会議を開くことを目標とした。これにより、将来、町内の要援護者施設と連携した様々な障がいに対応した防災活動の開発が進むことを目的とした。
(1)浦河で想定される災害と類似の災害体験を持ち、防災プロジェクトが盛んな地域を訪問視察し、互いの津波対策の知識や体験について情報交換する。
(2)国内外から防災に関する専門家を呼び、他地域の津波等防災対策の知識と浦河のそれとの情報交換を行うイベントを開催することを目標とした。上記のイベントでは、べてるで行ってきたこれまでの防災活動の取り組みの成果に関して、防災取り組み内容、避難マニュアル、使用ツールなどを町民に展示・公開すると共にインターネットを通じて国内外に発信する。
これらを通じて、他地域の取組を浦河町での防災活動に活かすことおよび今後の継続的な交流や意見交換のためのネットワークを築く。
(拡大図・テキストデータ)
べてるの活動拠点(青)・住居(オレンジ)・避難場所(黄色)