第2章 「活動の経過・参考資料」

1.モデル施設へのピアサポーター派遣の試行と検証

(1)ピアサポーターの活動・施設別報告書

 

知的障がい者入所施設A

 派遣報告書(1回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設A
派遣年月日 平成21年2月3日(火)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 15名
職 員~ 2 名
活動内容 ①施設での暮らしをふりかえる(楽しかったこと、いやだったこと)
②グループホームでの暮らしを紹介する
受付相談内容 ・施設内でけんかの多いこと。
・グループホームでかかるお金について。
・家族の人が反対しているため、グループホームに出られない。
・ 病気のときや、けがの時が心配。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・勉強になった。
・アンケートの設問が難しい人が数名いた。
・最終的に家族の反対がある。

 

派遣報告書(2回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設A
派遣年月日 平成21年2月12 日(木)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 11名
職 員~ 1名
活動内容 ①グループホームの見学
②設備の説明
受付相談内容 家族に相談してからという話があった。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・グループホームに住みたくても、相談してからでなければ決められないようだった。
・見学してもらってよかった。
・興味をもって見学してもらった。イメージがもてたよう。

 

派遣報告書(3回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設A
派遣年月日 平成21年2月26日(木)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 15名
職 員~ 4名
活動内容 生活介護事業所見学
受付相談内容 生活介護事業所の日課、作業、作品等について。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・楽しそうな様子で、皆さんと活動の体験をしてもらった。
・また、施設利用者の人にきてほしい。

 

派遣報告書(4回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設A
派遣年月日 平成21年3月2日(月)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 14名
職 員~ 1名
活動内容 グループに分かれて、まとめ、感想について話す。
受付相談内容 ・(前回見学した生活介護事業所について)おやつは出るか。
・カラオケや買物は、どこに行くか。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・本人はやりたいと思っていても、家族が反対している人が多い。
・家族の人にグループホームを見てもらったり、世話人さんに会ってもらったらよさそう。
・意見や質問など、意外にたくさん具体的にしていた。
・ピアサポーターさんが、身近な人だから話しやすかったよう。
・今回の取り組みを今後に生かしたい。

 

知的障がい者入所施設B

 派遣報告書(1回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設B
派遣年月日 平成21年1月23日(金)
ピアサポーター 3名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 20名
職 員~ 7名
活動内容 ①地域での生活、結婚のこと、グループホームでの生活について、スライドで講演
②地域移行についての説明
受付相談内容 地域移行について、知りたい。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・みんな真剣に話をきいてくれた。
・自分の生活のことを伝えられてよかった。
・たくさんの方が参加してくれ、少しでも地域移行に対して関心を持っていただけたと思う。
・今後も継続して関わることで、地域移行の意思形成を図っていきたい。

 

派遣報告書(2回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設B
派遣年月日 平成21年2月23日(月)
ピアサポーター 4名
支援者 3名
施設参加者 利用者~ 11名
職 員~ 3名
活動内容 ①グループホーム、生活介護事業所の見学
②座談会
受付相談内容 地域での生活の様子を見学したい。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・実際の日中活動の場やグループホームをみてもらったのはよかった。
・みんなたくさん質問をしてくれてよかった。

 

派遣報告書(3回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設B
派遣年月日 平成21年3月11日(水)
ピアサポーター 3名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 6名
職 員~   名
活動内容 ①個別相談。地域移行について聞きたいことを自由に質問してもらう
受付相談内容 個別に詳しく話を聞きたい。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・個別に話を聞いたことで、自由に質問してもらえたのがよかった。
・ピアサポーターとのやりとりを楽しんでもらえてよかった。

 

派遣報告書(4回目)

派遣先施設(事業所) 知的障がい者更生施設B
派遣年月日 平成21年3月19日(木)
ピアサポーター 3名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 20名
職 員~ 5名
活動内容 ①生活介護事業所の説明
②グループホームの生活についての説明
受付相談内容 地域での日中活動とグループホーム生活をもっとくわしく知りたい。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・グループホームに「興味はない」と言われていた人も、まわりの人が質問したことの答えを聞いていて、自ら質問してこられることもあり、少しでも興味をもってくれたのかなと思いました。
・グループでやりとりできてよかった。

 

身体障がい者入所施設C

 派遣報告書(1回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設C
派遣年月日 平成21年1月20日(火)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~8名
職員 ~1名
活動内容 ①入所施設から地域に出て暮らすに至るまでの経過
②取り組みの体験談
③グループホームの簡単な説明
④地域に出ての楽しみ(個別の自立生活プログラムを積み重ねてきた旅行の実現。私のお部屋の「ちょっと自慢」の写真提示)
受付相談内容 ・グループホーム、福祉ホームの夜間の支援体制について。
・グループホームには、医師が毎日巡回にくるのか
(病院との連携があるのかという医療に関する質問)
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・参加者は個人的にみて自立できそうな人たちばかりだった。
・医療関係の質問で、自分の場合はどうかと振り返った。そしたら医者に行くタイミングなど支援者と取り組む中で覚えた。施設は病院と併設されているところが多く、不安もあるのはわかるが、本人の自己管理と支援者の協力、そして日常の医師との関係作りをしていけば地域で暮らすことも可能ではないか。
・医療のことでこちらが取り組んでいることの補足が十分できず、その点を含めて各入居者がどのように医者と付き合い、支援者はどうしているのか、また、訪問看護の入り方も詳しくまとめてみようと思う。
・もっと重度の人も来てほしかった。
・参加者から色々質問が出され、特に夜間対応という具体的な質問が出てきたときは、「自立生活」への思いはあるというものがわかった。ただ、出て行くためには不安などが多くあることが感じとれた。
・参加者の感想を、ピアサポーターにも知らせてほしい。

 

 派遣報告書(2回目)

遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設C
派遣年月日 平成21年2月19日(木)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~6名
職員 ~2名
活動内容 ①地域で一人暮らしをしている障がい者の話
②公営の車椅子住宅、民間の住宅を改造して一人暮らしをしているイメージづくりを目的
③制度的な不備やいろいろな苦労もあったが、支援してくれる人の助けや同じ障がいを持つ仲間のアドバイスを受けたりして楽しく暮らしている。何事でもきっちりしないといけないものでもなく、それでも暮らしていけることも伝えたかった
受付相談内容 ・夜や日曜は介護がないといつていたが、困ったことはないのか。
・緊急のときの対応はどうか。
・常に医療が必要な場合の対応はどうか。
・ケアプランをたてるときに必ず作業所に通わないといけないか。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・「地域生活」のしんどさばかりが強調されて受け取られてしまっている。
・この事業だけでの取り組みでは施設入所者にイメージを持ってもらえるのは難しい。継続的な取り組みが必要だ。
・訪問看護やケアプランなど違ったとらえ方や情報も受け取っている印象があった。
・施設の中での話や講座形式の取り組みだけでは今後は難しい。
・少しずつでもいいから、地域で暮らしている障がい者の暮らしぶりを見てみたり、グループホームなどで入居者と一緒に食事をしたり、地域の障がい者がどのように介護を受け、一日の一場面でもいいから共有できる取り組みも必要ではないか。

 

派遣報告書(3回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設C
派遣年月日 平成21年3月12日(木)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~5名
職員 ~1名
活動内容 ①グループホーム見学
②入居者との話し合い
受付相談内容 ・病院がグループホームの近くにあっていい。
・呼び出しブザーが色々な形(障がいにあつた形)があるのがわかってよかった。
・介護が(グループホームの)基本1対1なので安心できると思った。
・思ったよりアットホームで普通の家の感じ(実際に見てわかることもあった)。
・地域で暮らしと思うが、今の施設をでると家族が反対すると思う。
・今の施設を離れると家族が近くに住んでいるので心配になる。
・訪問看護はどれくらい来てもらえるのか(褥創などの処置)。→訪問看護しているところを見てもらう(そのとき訪問看護員が入居者の方にきてもらっていたので)。
・手芸などの趣味を持っているができるのか。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
全体的に実際に見ることでいろいろイメージもわくという印象だった

 

身体障がい者入所施設D

 派遣報告書(1回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設D
派遣年月日 平成21年1月28日(水)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~15名
職員 ~ 4名
活動内容 ①自己紹介
②DVD「わたしの生活みぃ~っけた」上映
③ピアサポーターの生活紹介
① 質疑応答
施設利用者に対し、地域生活のイメージを伝える。
受付相談内容  
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
やり取りも交えながらの生活紹介では、積極的に関わってきてくれたように感じた。大まかなイメージとしては少しは伝わったように思う。入所者それぞれに思いを持っている様子であった。
第1回目は伝えることがメインになってしまうので、2回目以降で気持ちの引き出しをして頂ければ入所者の意識へのアプローチにもなると思う。

 

派遣報告書(2回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設D
派遣年月日 平成21年2月9日(月)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~16名
職員 ~ 5名
活動内容 ①ピアサポーターの生活体験を中心に紹介
②プロジェクターでの写真紹介
③グループディスカッション
④質疑応答
受付相談内容 ・ヘルパーを24時間つけることができるのか。
(地域によるが、つけることは可能と伝えた。)
・地域で生活することのイメージがわかない。
(次回の見学への参加を促し、実際の入居者の話を聞いてみるのがよいと伝えた。)
・地域では、施設のような医療を受けることができるのか。
(家の近くの医療機関で診察を受けることも出来るし、往診や訪問看護も可能と伝えた。)
・その他の意見:地域で生活しようとしてきたが、サポートを受けられず、施設での生活にやっとなれたので、地域に出る必要がない。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
全体的に感じたことは、複数年による長期入所により、地域生活のイメージや、外出の方法、余暇の過ごし方などのイメージがわきにくくなっているように感じた。参加者の方々には、次回の福祉ホーム見学を勧めた。
一人一人の施設入所になった経緯が複雑であった。
家族との関係、もともと住んでいた地域性、孤立感など、地域での限界を感じたときに相談できる場所がなく、結果的に、やむを得ず施設にたどりついたようであった。地域での相談、日中活動、介助派遣などの拠点の拡充を図らない限り、施設入所がなくなることはないと改めて感じた。


 派遣報告書(3回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設D
派遣年月日 平成21年2月26日(木)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 8名
職員 ~ 5名
活動内容 ①福祉ホームの見学
②入居者1日密着DVD鑑賞
③入居者、ピアサポーターと交流
・地域での生活を見学し、イメージ作りをする。
・ 地域で生活している障がい者と交流をもつ。
受付相談内容  
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
見学会、交流会とも、楽しんでいらっしゃる様子は見られたが、最後のアンケートでは「このまま施設で」という回答が多かった。
聞き取りや交流会の中で「身体のことがあるから」「わたしは出来ないから」という意見も目立った。
「なぜ施設がいいのか」を聞き取りできれば、また違った内容になってくるように思う。

 

派遣報告書(4回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設D
派遣年月日 平成21年3月4日(水)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~ 7名
職員 ~ 5名
活動内容 ①生活介護事業所見学
②通所者の日中活動紹介とDVD鑑賞
③ピアサポーター講演会と交流会
・地域で生活している障がい者と交流を持つ。
・障がい者の日中活動を知る。
・ ピアサポーターの自分史を聞く。
受付相談内容  
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
障がい者の人たちが主体で日中活動を行っている様子に驚いていた面が見られた。地域で生活している人たちの話を聞いて、自立したい気持ちが強くわいてきたとの意見が出ていた。
反面、アンケートでは金銭面などでの不安を持っている人もいたが、以前の講演会の時よりも地域で生活したいと答えた人が増えていた。

 

派遣報告書(5回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設D
派遣年月日 平成21年3月12日(木)
ピアサポーター 1名
支援者 1名
施設参加者 利用者~ 8名
職員 ~ 4名
活動内容 ①参加者の自己紹介
②施設利用者、職員もあわせて2グループに分かれてフリートーキング形式で今までの感想や質問を出し合い交流する
③府からのアンケート調査の実施
④府担当者から事業協力への謝意と挨拶
受付相談内容 ・最初は緊張したけれど、地域での生活に興味を持った。
・福祉ホームがよかった。広いし、テレビもゆつくり見れそう。
・作業所にはいろいろな人がいて、私には合わないかもと思った。
・体調を崩したときが不安だ。
・ 今は、周りに人がたくさんいるけれど、地域に出たらさびしくなりそう。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
フリートーキングでざっくばらんに話ができてよかった。なかなかうまく表現できない人もいたが、やりたいことがいろいろありそうだと思った。
若い人は、地域移行に積極的に意欲を示されたが、年齢とともに、本当に出来るのだろうかと不安感が強くなるように感じた。
長年の施設での生活から、地域に出て暮らすことの不安を感じるのは当然だが、「それでも出たい。」という、表に出ないが隠された気持ちを感じることができた。

 

身体障がい者入所施設E

 派遣報告書(1回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設E
派遣年月日 平成21年1月21日(水)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~13名
職員 ~ 2名
活動内容 ① 自己紹介
② DVD「わたしの生活みぃ~っけた」上映
③ ピアサポーター3名より生活紹介
④ 質疑応答
施設障がい者に対し、地域生活のイメージを伝える。
受付相談内容  
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
積極的に話を聞いている入所者が多かった。ただし、なかなか地域移行を実行することには不安があるようにも感じた。今回は、時間の関係上、伝えることが中心になった。第2回目以降は交流の時間もとって頂ければと思う。

 

派遣報告書(2回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設E
派遣年月日 平成21年2月6日(金)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~16名
職員~
活動内容 参加者との交流
受付相談内容  
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
初対面で、自立生活の動機や現在の暮らしなどを話し、地域生活のイメージを描いてもらうことに難しさを改めて感じた。なかでも事故や病気で受障された方は、自立=就労のイメージが強く、「仕事ができないのに生活できない」と言われた場面が印象的であった。
反面、地域生活に関心を持つ方も少なくなく継続的な関わりと施設以外の経験を積む機会の必要性を実感した。参加者の中でも「地域で生活したい」という気持ちの大きさはバラバラで、やはり一人ずつ話し合える場が必要かなと思う。地域で暮らしたいけれど、具体的にどう動いたら良いのか、何からはじめたら実現できるのかなどの細かなイメージを話し合ううちに、だんだん自分のことと思えてくるのかなと感じた。

 

派遣報告書(3回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設E
派遣年月日 平成21年2月24日(火)
ピアサポーター 4名
支援者 2名
施設参加者 利用者~5名
職員 ~ 3名
活動内容 ①生活介護事業所の見学
②地域で自立して生活している障がい者の体験紹介
受付相談内容 ・毎日決まった作業をして、お金をもらっているのか。
・自立体験宿泊の際、ヘルパーに何をしてもらって、何をしてもらわないかはどう決めましたか。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
見学者から質問など積極的な発言があり、関心の大きさを感じた。

 

派遣報告書(4回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設E
派遣年月日 平成21年3月3日(火)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~5名
職員 ~ 3名
活動内容 地域で自立して生活している障がい者宅訪問
受付相談内容 ・光熱水費はいくらか。
・家賃はいくらか。
・家探しはどうしましたか。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・ピアサポーターの話を集中して聞いてくれていたが、質問などがあまりなかつたため、どれくらい伝わったか、不安でもある。
・施設職員とのやりとりばかりになってしまった。
・継続的に参加して取り組むほうが、イメージがつきやすいのではないかと思う。

 

派遣報告書(4回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設E
派遣年月日 平成21年3月3日(火)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~5名
職員 ~ 3名
活動内容 地域で自立して生活している障がい者宅訪問
受付相談内容 ・光熱水費はいくらか。
・家賃はいくらか。
・家探しはどうしましたか。
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
・ピアサポーターの話を集中して聞いてくれていたが、質問などがあまりなかつたため、どれくらい伝わったか、不安でもある。
・施設職員とのやりとりばかりになってしまった。
・継続的に参加して取り組むほうが、イメージがつきやすいのではないかと思う。

 

派遣報告書(5回目)

派遣先施設(事業所) 身体障がい者療護施設E
派遣年月日 平成21年3月3日(火)
ピアサポーター 2名
支援者 2名
施設参加者 利用者~14名
職員 ~ 3名
活動内容 ワークショップを用いた当事者参加型のアンケート調査
受付相談内容  
ピアサポーター
支援者の感想
気づいたこと
今回のようなワークショップを本事業の最初に行ったほうがよかったのではないか。まずはワークショップで参加者が個々の気持ちを表現する方法を知り、自立とは何かを考える力をつけ、ある程度イメージを作ってから、その後の体験紹介や見学等を通してそのイメージに色をつけていってもらう方がよかったのではないだろうか。また、生活支援センターとしては、もう少し時間をかけて参加者の気持ちを引き出せればよかったと思う。

 

 

(2)入所施設利用者に対するアンケート集計結果

*モデル施設の利用者を対象に実施

【初回アンケート集計結果】

●記入者について。

  本人が記入 聞き取りで支援者が記入 対象者数
知的障がい者
入所施設
13
41.9%
18
58.1%
31
身体障がい者
入所施設
6
18.2%
27
81.8%
33

 

●あなたは、グループホームやケアホームで生活( せいかつ) している人(ひと) の話(はなし)を聞(き)いてどう思(おも) いましたか。 あてはまるものに、いくつでも○をつけてください。(複数回答)

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 31 33
関心を持った 11
35.5%
20
60.6%
おもしろそう・楽しそうだった 18
58.0%
15
45.5%
難しそう・大変そうだった 11
35.5%
11
35.5%
わからない 1
3.2%
7
21.2%
その他 1
3.2%
2
6.1%

・ピアサポーターの体験紹介を聞いた後の結果である。知的障がい者施設利用者においては、「おもしろそう・楽しそうだった」の割合が高い。身体障がい者入所施設利用者では、「関心を持った」の割合が高い。全体においても、グループホーム・ケアホームでの生活について 興味・関心を持っている状況である。

 

●あなたは、これからどこで生活(せいかつ)したいと思(おも)っていますか。どれか一(ひと)つに○をつけてください。

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 31 33
このまま今の施設で生活したい。 12
38.7%
12
36.4%
今の施設とは違うところで生活したい。 13
41.9%
10
30.3%
どちらでもよい。
決められない、わからない。
3
9.7 %
5
15.2 %
その他 3
9.7%
6
18.2%

・知的障がい者施設利用者では、「今の施設とは違うところで生活したい」の割合が、「このまま今の施設で生活したい」よりわずかに多い。身体障がい者施設利用者では、逆の結果となっている。全体としては、「このまま今の施設で生活したい」が「今の施設とは違うところで生活したい」をわずかに上回っている。

 

●今(いま)の施設(しせつ)での生活(せいかつ)について、あなたが思(おも) っていることに、いくつでも○をつけてください。

(複数回答)

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 31 33
施設での生活が楽しい 17
54.8%
19
57.6%
施設で暮らしていると日常生活(食事、日中の活動、遊びなど)に困らない 17
54.8%
21
63.6%
施設では困ったことがあっても、すぐに相談にのってくれる人がいる 15
48.4%
13
39.4%
施設では、いろいろな規則(きまり)が多い 12
38.7%
17
51.5%
施設では、プライバシーがまもられない 8
25.8%
12
36.4%
施設では自分のしたいことを自由にできない 10
32.3%
16
48.5%
わからない 2
6.5%
3
9.1%
その他 3
9.7%
4
12.1%

・現在の施設での生活についての感想である。知的障がい者施設利用者・身体障がい者施設 利用者ともに、「施設で暮らしていると日常生活に困らない」「施設での生活が楽しい」 と捉えている。一方で、「施設では、色々な規則(きまり)が多い」の割合が、全体でも 次いで多くなっている。

 

●施設(しせつ)を出(で)て生活(せいかつ)することについて、あなたが感(かん)じたり、思(おも)ったりすることはどのようなことですか。あてはまるものに、いくつでも○をつけてください。(複数回答)

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 31 33
施設を出て生活しても、困ることはない 9
29.0%
7
21.2%
施設を出て生活するのは、楽しそう 21
67.7%
19
57.6%
施設を出ても、支えてくれる人がいるので安心です 11
35.5%
6
18.2%
自信はないが、施設をでても何とか生活していけると思う 11
35.5%
13
39.4%
施設を出ると、相談する人がいなくなるので困りそう 10
32.3%
16
48.5%
施設を出ると、昼間かようところ(日中活動の場、仕事)がみつかるか心配です 6
19.4%
17
51.5%
施設を出て生活する自信がない 10
32.3%
14
42.4%
家族が心配するので、施設を出たくない 7
22.6%
13
39.4%
施設を出ると自分のお金で生活できるか心配です 9
29.0%
21
63.6%
施設をでると調理、掃除や洗濯など(家事援助)で困る 7
22.6%
18
54.5%
施設を出ると食事、入浴や排泄など(身体介護)で困る 4
12.9%
23
69.7%
現在の病気(障がい)を定期的に診てくれる病院が地域にあるか心配です 6
19.4%
22
66.7%
わからない 5
16.1%
4
12.1%
その他 0
0.0%
0
0.0%

・施設を出て生活することについて、全体及び知的障がい者施設利用者は、「施設を出て生活するのは、楽しそう」の割合が高くなっているが、身体障がい者施設利用者では、「施設を出ると食事、入浴や排泄など(身体介護)で困る」の割合が高い。障がい特性に応じた意見であり、支援が必要なところである。

 

●あなたが、施設以外(しせついがい) のところで生活(せいかつ)するとしたら、どのようなところで生活(せいかつ)したいですか。あてはまるものに、一(ひと)つだけ○をつけてください

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 31 33
グループホームやケアホームで生活したい 11
35.5%
9
27.3%
自分の家に帰って生活したい 10
32.3%
3
9.1%
住むところを借りて生活したい 1
3.2%
5
15.2%
今いる施設とは違う別の入所施設で生活したい 0
0.0%
2
6.1%
今いる施設以外で生活することは考えられない 3
9.7%
9
27.3%
わからない 1
3.2%
4
12.1%
その他 5
16.1%
1
3.0%

・ピアサポーターの体験を聞いた後での生活場所についてである。全体及び知的障がい者施設利用者においては、「グループホームやケアホームで生活したい」の割合が高い。一方、身体障がい者施設利用者では、「今いる施設以外で生活することは考えられない」の割合が高い。前出の問いにも、関係してくるところである。


●あなたが、今(いま)の生活(せいかつ)について思(おも)っていることを、なんでも自由(じゆう)に書(か)いてください。
(現在入所している施設での生活に関する自由記述)
・絵を書いたり、クロスワードやテレビを見るのが楽しいです。
・お花が好き。カラオケ好き。旅行に行きたい。
・今のところは、元気にやっているから今の暮らし(施設の暮らし)で、同室の人と仲良くしている。
・楽しい。がんばっている。
・園がいいと思う。でも、妹には会いに来てほしい。
・困ることはあるが、園で暮らしたいと思う。ホームでの生活もいいなあと思う。
・けんかが多い。いっぺんに大きな声で言うのがいや。
・心配なことがありそう。
・ちょっとわからない。
・お風呂では、リフトをつかっているが便利である。
・部屋で時々、同じ部屋の人ともめることがある。
・早くグループホームに、4月には行きたい。
・けんかしたら止められないから、心配。
・リサイクルでアルミ缶つぶしが楽しいです。
・友人関係がうまくいかなくてすぐけんかしたりするけれど、すぐなかなおりする。
・わりとしたいことをしている。このままの生活をつづけられたらいい。
・部屋について、個室であったらいいと思う。
・将来的には、老人ホームか。経済的な問題が心配。
・まわりに会話できる人がいない。
・現在の生活ペースを守りながら、自分なりに生活していけたらと思う。
・自立はしたいけれど、現状の社会のことを考えるとなかなか難しい。
 もう少し、自分に力をつけてから考えたい。
・いまのこの生活しか考えられない。
・まずはグループホームやケアホームで生活してみたいという気持ちはある。
・これでいいと思っています。
・自立しても、仕事はあるか。
・一回ここを出て、一人で暮らしたい。
・金のほうが心配です。

 

【見学時アンケート集計結果】

●記入者について。

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
本人が記入 5
13.5%
8
29.6%
聞き取りで支援者が記入 32
86.5%
19
70.4%
対象者数 37 27

 

●あなたは、グループホームやケアホーム、または(     )を見学(けんがく)してどう思(おも) いましたか。あてはまるものに、いくつでも○をつけてください。(複数回答)

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 37 27
関心を持った 14
37.8%
14
51.9%
おもしろそう・楽しそうだった 31
83.8%
15
55.6%
難しそう・大変そうだった 7
18.9%
9
33.3%
わからない 2
5.4%
2
7.4%
その他 0
0.0%
6
22.2%

・実際に、グループホームやケアホーム、日中活動事業所を見学しての感想である。
 知的障がい者施設利用者及び身体障がい者施設利用者ともに、「面白そう・楽しそう」「関心を持った」の割合が高い。ただ、「難しそう・大変そうだった」については、身体障がい者施設利用者の割合が高い。

 

●あなたは、これからどこで生活(せいかつ)したいと思(おも)っていますか。どれか一(ひと)つに○をつけてください。

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 37 27
このまま今の施設で生活したい。 8
21.6%
14
51.9%
今の施設とは違うところで生活したい。 16
43.2%
8
29.6%
どちらでもよい。
決められない。わからない。
10
27.0%
2
7.4%
その他 3
8.1%
3
11.1%

・見学した後に、これから希望する生活の場をたずねたものである。知的障がい者入所施設利用者は、「今の施設とは違うところで生活したい」の割合が高いが、身体障がい者施設利用者は、「このまま今の施設で生活したい」の割合がかなり高い。半数以上である。
この点については、社会資源の設備等も踏まえ、利用者の意向や障がい特性に十分な配慮が必要と思われる。

 

●その他(た)
、あなたがグループホームやケアホーム、または(      )を見学(けんがく)して感(かん)じたことを、なんでも自由(じゆう)に書(か)いてください。
(見学をしてからのの自由記述)
・こういうところで住みたいと思った。
・お姉さんにもホームをみてほしい。
・整理するのが大変そうやった。
・迷子になったら困るからホームは大変そう。
・園に近いところなら道も覚えているので安心かな。
・おもしろかった。
・いい空気が吸えたし、グループホームがいいなあと思った。
・手すりがついていないので、大変。
・女性の居室がよかった。
・他のグループホームも知っているので、そこもいいなあと思った。
・グループホームで暮らしてみてもいいなあと思うけど、園も気になる。
・階段は、こわかった。
・楽しかった。
・ベッドにマットが置いてあった。それが、楽しかった。
・部屋がきれいだった。
・ぬいぐるみがたくさんあった。
・階段のぼる時に足が痛かった。
・テレビとか部屋にあっていいなあ。カラオケもあったらいいなあ。
・作品を一緒に作って楽しかった。
・好きなことを自分で選んでしているのがいいと思った。
・いろいろパンフレットをもらって帰りたい。
・みんな楽しそう。私もきたい。
・非常によかった。おへやみせてくれてよかった。
・楽しかった。案内してくれてよかった。
・楽しそうだと思った。
・内職できたらいいなあと思った。
・はかないです。
・医療関係が心配です。
・自分のニーズに沿って、住環境を整えるのに、課題と不安があります。
(お風呂場、廊下、キッチンは、障がい者用車椅子で対応できるようになっていない。)
・医療関係については、入居者さんのお部屋に訪問看護の方がいらしたので、聞きました。
・個室が魅力です。
・楽しかった。VTRよかった。
・特にない。
・わからない。
・手を洗うところが、印象に残っている。
・誰でも一人で暮らしたいと思う。
・金銭面で不安あり。
・今現在わからない。
・みんな活き活きとしているので、自立したい気持ちが強くわきました。
・施設よりプログラムが多かった。
・絵画に俳句を付けるプログラム、おすすめします。
・食べ物、おいしそうに食べている所。
・買い物に行きたい。歌のテープを買いたい。
・いろいろな人の話で、どんどん外に行けるのがうらやましい。
・交流会もよかった。
・大変よかった。
・特にありません。
・自立生活は、お金が足りるのか心配。
・びっくりした。
・地域で生活するのは、大変そうであった。
・体調を崩した時に施設でなければすぐにみてもらえない。

 

【最終回アンケート集計結果】

 ●記入者について

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
本人が記入 9
30.0%
7
26.9%
聞き取りで支援者が記入 21
70.0%
19
73.1%
対象者数 30 26

 

●あなたは、グループホームやケアホームで生活(せいかつ)している人(ひと)の話(はなし)を聞(き)いたり、実際(じっさい)にグループホームやケアホームなどを見学(けんがく)して、どう思(おも)いましたか。
あてはまるものに、いくつでも○をつけてください。(複数回答)

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 30 26
関心を持った 14
46.7%
12
46.2%
おもしろそう・楽しそうだった 22
73.3%
18
69.2%
難しそう・大変そうだった 5
16.7%
10
38.5%
わからない 3
10%
4
15.4%
その他 0
0.0%
0
0.0%

・ピアサポーターの体験紹介や社会資源の見学後の感想についてである。全体としては、「おもしろそう・楽しそうだった」の割合が高い。この結果は、初回及び見学時の結果に比べ知的障がい者施設利用者、身体障がい者施設利用者とも最終回の方が割合が高くなっている。
一方、「難しそう・大変そうだった」については、
知的障がい者施設利用者の場合、初回→見学時→最終回と割合は減ってきている(35.5%→18.9%→16.7%)が、身体障がい者施設利用者の場合、この割合は大きく変わらなかった。 (33.3%→33.3%→38.5%)。身体障がい者施設利用者は、楽しそうと思う人が増えたものの、同時に大変さを感じている人の割合も増えた。

 

●施設(しせつ)を出(で)て生活(せいかつ)することについて、あなたが感(かん)じたり、思(おも)ったりすることはどのようなことですか。
あてはまるものに、いくつでも○をつけてください。(複数回答)

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 30 26
施設を出て生活しても、困ることはない 8
26.7%
6
23.1%
施設を出て生活するのは、楽しそう 18
60.0%
13
50.0%
施設を出ても、支えてくれる人がいるので安心です 20
66.7%
10
38.5%
自信はないが、施設をでても何とか生活していけると思う 10
33.3%
12
46.2%
施設を出ると、相談する人がいなくなるので困りそう 12
40.0%
13
50.0%
施設を出ると、昼間かようところ(日中活動の場、仕事)がみつかるか心配です 9
30.0%
15
57.7%
家族が心配するので、施設を出たくない 14
46.7%
11
42.3%
施設を出て生活する自信がない 10
33.3%
11
42.3%
施設を出ると自分のお金で生活できるか心配です 14
46.7%
17
65.4%
施設をでると調理、掃除や洗濯など(家事援助)で困る 10
33.3%
15
57.7%
施設を出ると食事、入浴や排泄など(身体介護)で困る 5
16.7%
20
76.9%
現在の病気(障がい)を定期的に診てくれる病院が地域にあるか心配です 15
50.0%
18
69.2%
わからない 4
13.3%
3
11.5%
その他 0
0.0%
1
3.8%

・今回の事業での体験紹介や見学を踏まえて、地域で生活することについて同じ項目で質問した。
知的障がい者施設利用者では、「楽しそう」という項目や「地域には支えてくれる人がいて安心」などの項目の割合が増える一方で、「施設を出ると自分のお金で生活できるか心配です。」の項目が29.0%から、46.7%に増えており、身体障がい者施設利用者の場合も、「地域には支えてくれる人がいて安心」「何とか生活していける」などの項目の割合が増えたものの、「施設を出ると食事、入浴や排泄など(身体介護)で困る」など支援に関する不安項目の割合が、初回よりむしろ増えている。関連する情報を得るにつれて、地域生活移行に関するイメージや課題が現実の問題として具体的になってきているものと思われる。

 

【参考】平成19 年度実施「地域移行に向けた移行調査」集計結果
 平成 20 年3 月「地域移行に向けた移行調査 分析報告書」P135
表28-1 施設を出て暮らすことについて、感じたり思ったりすること(大阪府)
  施設種別 合計
知的障害者入所施 身体障害者入所施設
対象者 717 526 1243
困ることはない 149
20.8%
62
11.8%
221
17.0%
楽しそう 292
40.7%
153
29.1%
445
35.8%
支えてくれる人がいるので安心 178
24.8%
80
15.2%
258
20.8%
なんとか暮らしていけそう 188
26.2%
108
20.5%
296
23.8%
相談する人がいなくなり困りそう 271
37.8%
204
38.8%
475
38.2%
日中活動の場がみつかるか心配 264
36.8%
186
35.4%
450
36.2%
家族が心配するから退所したくない 215
30.0%
224
42.6%
439
35.3%
自信がない 244
34.0%
294
55.9%
538
43.3%
自分のお金で生活できるか心配 306
42.7%
286
54.4%
592
47.6%
調理、掃除等(家事援助)で困る 301
42.0%
345
65.6%
626
52.0%
食事、入浴、排泄等(身体介護)で困る 192
26.8%
356
67.7%
548
44.1%
今の病気を定期的に診てくれる病院があるか心配 220
30.7%
221
42.0%
441
35.5%
わからない 155
21.6%
58
11.0%
213
17.1%
その他 25
3.5%
11
2.1%
36
2.9%
*上表は、H19.7.1 現在大阪府内の入所施設に在籍していた人を対象に実施した悉皆調査で、今回同様の質問に対し、「本人が記入」及び「本人からの聞き取りで支援者が記入」した人の集計結果である。昨年度の調査では、今回のように動機付けや事前の情報提供をしないで実施したので単純に比較はできないが、身体障がい者施設利用者では、前回調査結果では、地域生活を楽しそうと感じる人が今回の調査結果より低いものの、同時に不安に感じる項目も今回の調査結果より低く出ており、上述のとおり、実際の地域生活移行に際しては、解決していかねばならない課題も具体化してくるものと思われる。

●あなたは、これからどこで 生活(せいかつ)したいと思(おも)っていますか。どれか一(ひと)つに○をつけてください。

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 30 26
このまま今の施設で生活したい。 11
36.7%
12
46.2%
今の施設とは違うところで生活したい。 10
33.3%
9
34.6%
どちらでもよい。決められない、わからない 4
13.3%
3
11.5%
その他 5
16.7%
2
7.7%

・今後の生活の場所についてであるが、「このまま今の施設で生活したい」と「今の施設とは違うところで生活したい」については、初回→見学→最終回の間で増減があり、傾向として一定ではなかった。身体障がい者施設利用者においては、各回のアンケートとも、「このまま今の施設で生活したい」の割合が、「今の施設とは違うところで生活したい」を上回る結果となった。

  知的障がい者
入所施設
身体障がい者
入所施設
対象者数 30 26
グループホームやケアホームで生活したい 13
43.3%
6
23.1%
自分の家に帰って生活したい 7
23.3%
4
15.4%
住むところを借りて生活したい 0
0.0%
4
15.4%
今いる施設とは違う別の入所施設で生活したい 2
6.7%
2
7.7%
今いる施設以外で生活することは考えられない 1
3.3%
8
30.8%
わからない 3
10.0%
0
0.0%
その他 4
13.3%
2
7.7%

・今後、施設以外で暮らすとしたら、どのような生活の場を希望するかについての質問である。
 知的障がい者施設利用者では、「グループホームやケアホームで生活したい」の割合が高く、初回に比べ、35,5%から43.3%に増加している。
 身体障がい者施設利用者では、初回と最終回の変化があまりみられず、「今いる施設以外で生活することは考えられない」の割合が、27.3%から30.7%に増加した。それぞれの人が現実の課題を知ることで感じるさまざまな課題について、先の質問(感じたり思ったりすること)とも併せ、きめ細かく一人ひとりに働きかけていくような思いに寄り添う支援についての検討も必要であると思われる。

 

●あなたが、これからの生活(せいかつ) について思おもっていることを、なんでも自由(じゆう)に書(か)いてください。
(これからの生活に関する自由記述)
・友だちといっしょにホームで暮らしたい。毛糸をあみたい。
・グループホーム、作業所を見学して楽しかった。
・仕事をしたい。
・見学しておもしろかった。一度、泊まりたい。
・むずかしい。
・見学して楽しかった。
・作業所で仕事をしたい。
・見学してよかった。
・お店が近くにあればいいなあと思う。趣味の手芸などを教えてくれる人がいれば安心。
・一度グループホームに行きたい。
・グループホームで生活してみたい。
・母が自宅で一人で生活している。そのことも、心配。
・家に帰ると、妻も体の具合が悪いので無理がきかない。今は、この施設での生活となる。
・グループホームを見学した時に、色々なサービスが受けられるか心配になった。
・地域移行について、どれだけ理解して生活できるか不安。
・日中の作業がどれ位できるか、そのあたりが心配。
・医療関係の状況がこれからどうなるか、不安です。
・グループホーム、ケアホームに入って旅行がしたい。
・排泄などのことが心配です。
・野球観戦をしに甲子園に行きたい。
・ひとりで生活したら、排泄のことが心配。
・洋菓子作り、販売等をしたい。
・実際にグループホームに行って、色々なことを体験してみたい。出ようと思えば、出れるのかもしれないと思った。前は、出られないと思った。トイレが心配だった。
食事は、自分のテーブルつけている。介助してくれるかなと思った。
・友だちとなかよくしたい。作業などしたい。体を大切にしたい。
・家に帰りたい。妹と二人で暮らしたい。
・自立にあたり、仕事があるだろうか。
・自分の健康が一番心配です。
・お金が心配。園を出たら、友達とかしゃべる人がいなくなるから淋しい。
・今はなにも考えていない。

 

menu